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民法改正案について

選択的夫婦別姓については、1996年に法制審議会から出された民法改正案の答申の中に入っています。法制審議会でまとまったものは閣法で国会に提出されるのが普通ですが、民法改正案の中にある選択的夫婦別姓導入や婚外子差別撤廃に対し国会議員(特に自民党)の中で反対意見が多く、閣法としての提出には至りませんでした。その後、何度か野党が超党派で議員立法を出していますが、未
だ成立していません。
  2001年夏には、夫婦別姓に関する世論調査が行われ、初めて反対派が賛成派を上回りました。30代女性に至っては、別姓選択制の法制化が必要ないと言った人は一割を切っています。
  常々、国会での答弁では、国民の世論が形成されていないということが法案を提出しない理由に使われていましたので、これで法案提出にはずみが出るかと思われました。実際、世論調査が出た後は、森山法務大臣が閣法提出に意欲を示す発言をしていました。自民党内の動きも活発化し、秋には法務部会で夫婦別姓に関する議論が開始されています。ただ、自民党は、民法改正の中でも、選択的夫婦別姓だけを先に法案化したいようです。
  しかし選択的夫婦別姓に反対する議員などから通称使用案が提案され、未だ自民党内の議論はまとまらず、閣法で提出される目途は立っていません。
  与党の中でも、公明党は、民法改正案に賛成の立場をとっており、2001年の通常国会で衆議院に議員立法案を提出しています。また、野党案も、衆参両院に出されており、併せて3本の議員立法が継続審議になったまま、国会での審議入りを待っている状態です。

  今国会こそは、閣法が無理でも、なんとか議員立法で成立するべくがんばります。国会の中でも、女性議員だけでなく男性でも事実婚の人がでてきたり、状況が変わってきています。超党派でがんばります。


民法改正案要綱
今までの国会の動き
夫婦別姓・婚外子差別ホットライン Q&A


世論調査を受け、超党派女性国会議員で森山法務大臣に再び申入れ

2001年8月8日、先日発表された世論調査で、夫婦別姓の賛成が初めて反対を超えたことを受け、超党派の女性議員に、わたし(福島瑞穂)と松島みどり(自民)さんとで呼びかけ、法務大臣へ申入れをしてきました。急な呼びかけにもかかわらず、20人もの国会議員が集まり(男性にも呼びかけましたが、残念ながら集まったのは女性議員だけでした)、法案の早期提出を求めてきました。森山さんは、「(秋からの)臨時国会は3ヶ月と短いが、選択的夫婦別姓制度を導入する閣法で提出したい。」と積極的な発言を引き出しました。森山さんが出席したタウンミーティングで男性、女性から夫婦別姓をやって下さいという意見があったことも大きな影響があったようです。しかし、「世論調査の結果をひとつの材料として説得して通したいので、夫婦別姓だけでとりあえずやりたい。」と、婚外子差別の撤廃や、再婚期間の短縮などの実現には、まだまだ時間がかかるとの見方を示しました。なるべく、野党案の中身で成立できるよう引き続き努力していきたい。

<申入れ文>

2001年8月8日
法務大臣  森山真弓 様

  先日、内閣府が発表した「選択的夫婦別姓制度に関する世論調査」で、選択的夫婦別姓の賛成派が初めて多数となりました。特に、20代、30代では、男女とも、選択的夫婦別姓賛成派が、旧姓使用容認も含めると、80%を超えています。30代女性では、9割以上が法改正を望んでいます。
  わたしたち、国会議員に対しても、民法改正を何十年も待っている人や、仕事で旧姓を使い続けたいのに職場の都合で使えない人、事実婚のために配偶者ビザが取れずに困っていらっしゃる人などから、実現を待ち望む声が毎日のように届きます。こんな方々の思いに応えるためにも、民法改正の一刻も早い実現が求められます。
  1996年に法制審議会の答申が出て以来、既に5年が経過しています。今回の世論調査の結果を受け、今度こそ、選択的夫婦別姓を待ち望んでいる多くの人々のためにも、政府が民法改正案を早期に国会に提出することを求めます。
 

選択的夫婦別姓制度等の実現のための
民法改正を求める衆参国会議員有志

世論調査で、初めて賛成派が多数に

内閣府が8月に発表した「選択的夫婦別姓制度に関する世論調査」で、選択的夫婦別姓の賛成派が初めて多数になりました。従来の法務大臣は、世論の支持が得られていないというのが、立法できない最大の理由と答えていたので、これで、推進する方向性が見えてきました。
   ☆内閣府選択的夫婦別氏制度に関する世論調査(2001年5月調査、8月発表)はこちらから
         http://www8.cao.go.jp/survey/h13/fuufu/index.html



 
 

通常国会閉幕、民法改正案は、参議院では廃案、衆議院では継続に

    2001年5月10日に参議院に提出した民法改正案は、6月14日に法務委員会で趣旨説明を行ったものの、閉会に伴い残念ながら廃案になりました。衆議院に提出された野党案は、公明党案とともに継続審議になっています。秋の臨時国会で審議入りするようがんばります。



民法改正案、再び提出!官房長官と法務大臣に申し入れしました

2001年5月8日、衆議院に野党から民法改正案が提出されました。10日には参議院からも提出。同日、官房長官に申し入れ、翌日の11日には、推進派の森山真弓法務大臣に申し入れに行きました。なんとか参議院選挙前の今通常国会中に成立させたい。がんばります。
5月11日(金)森山法務大臣申入れの様子
<神奈川新聞社提供>

民法改正集会がありました


2001年3月15日(木)、夫婦別姓選択制導入、婚外子差別撤廃などの民法改正についての集会が東京・霞ヶ関の弁護士会館であった。自民党、公明党を含む約20人の国会議員が出席。会場には、200人以上の人が集まった。各地からのなつかしい顔があって嬉しくなった。国会内での新しい動きがもっとできるよう、みんなとがんばりたい。



 

民法改正案は廃案に。2001年通常国会で再び提出予定。


 参議院に提出していた民法改正案は、2000年12月1日の臨時国会閉会に伴い廃案となりました。2001年1月31日から始まる通常国会には、衆参両院で再び議員立法する予定です。なんとか与野党の枠を超えた動きを作っていきたいと思っています。



 

2000年10月31日 臨時国会に民法改正案を提出

 2000年10月31日(火)の朝、参議院に、夫婦別姓選択制の導入や婚外子差別撤廃を盛り込んだ民法改正案を超党派の議員立法で提出しました。

 賛同者には、社民、共産、民主(有志)、無所属の会(有志)、二院クラブ・自由連合(有志)、無所属議員が入っています。ちなみに、党全員が賛成したのは、社民と共産のみ。民主は、党で賛成、党議拘束がかかっているにもかかわらず、造反議員がでており、全員賛成には至っていません。無所属の会は、初めから党議拘束がないので、有志。賛成したのは、堂本、田名部、高橋(紀)、水野議員です。その他、佐藤道夫、島袋議員(二院クラブ・自由連合)、中村敦夫議員(無所属)が賛同しています。

 前回提出時は、参議院で初の実質審議が行われました。今回は更に、審議・成立を目指してがんばります。
 



 
残念ながら2000年6月2日、衆議院の解散に伴って、参議院で審議していた民法改正法案は廃案となってしまいました。
次回、秋に開かれる臨時国会でも冒頭提出する予定です。また一緒にがんばりましょう!
 

民法改正案、参議院で初めて審議入り

2000年5月25日、民法改正案が参議院の法務委員会で初めて審議されました。
自民、民主、公明、共産、社民、無所属が質問しました。審議時間は2時間弱。
答弁席には、発議者から福島瑞穂、千葉景子さん、小宮山洋子さん、江田五月さん、吉川春子さん、八田ひろ子さんらが顔を揃えました。
真剣なやり取りが交わされ、今後の審議にも希望が見えてきました。
傍聴席はほぼ満員で、多くの人たちが民法改正を待ち望んでいることを法務委員の人たちは感じ取ったことでしょう。
今国会で成立するかどうかはわかりませんが、廃案になってもまた提出し直し、今後につなげていきたいと思います。
 
民法改正の参議院法務委員会の審議録

民法改正案が参議院法務委員会で審議入り

2000年3月14日


 選択的夫婦別姓の導入、婚外子差別の撤廃などを盛り込んだ民法改正案が、2000年3月9日に参議院の法務委員会に付託され、3月14日に趣旨説明を行いました。この民法改正案は、社民、民主、共産の呼びかけに、超党派議員が賛同し、今国会冒頭に議員立法で提出していたものです。(1999年末に廃案になった後、再提出)

 いままで会期のこんなに早い段階で審議入りしたことはありません。

 今後は初の質疑ができるよう、皆様にもぜひ世論を盛り上げていっていただきたいと思います。一緒にがんばりましょう!

 なお、衆議院にかかっている法案は、つるしがかけられているため、議運委員会の協議事項になっています。
 


民法改正案参議院案要綱(1999年12月)

第一 婚姻の成立
一 婚姻適齢(第七百三十一条関係)
十八歳に達しない者は、婚姻をすることができないものとする。
二 再婚禁止期間(第七百三十三条関係)
1 女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができないものとする。
2 女が前婚の解消又は取消しの日以後に出産したときは、その出産の日から、1を適用しないものとする。
第二 再婚禁止期間内の婚姻の取消権の消滅(第七百四十六条関係)
第一の二に違反した婚姻は、前婚の解消若しくは取消しの日から起算して百日を経過し、又は女が再婚後に懐胎したときは、その取消しを請求することができないものとする。
第三 夫婦の氏(第七百五十条関係)
夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫若しくは妻の氏を称し、又は各自の婚姻前の氏を称するものとする。
第四 子の氏
一 嫡出である子の氏(第七百九十条関係)
1 嫡出である子は、父母の氏(子の出生前に父母が離婚したときは、離婚の際における父母の氏)又はその出生の際に父母の協議で定める父若しくは母の氏を称するものとする。
2 1の協議が調わないとき、又は協議をすることができないとき(3及び4の場合を除く。)は、家庭裁判所は、父又は母の請求により、協議に代わる審判をすることができるものとする。
3 子が称する氏を父母の協議で定める場合において、父母の一方が、死亡し、又はその意思を表示することができないときは、子は、他の一方が定める父又は母の氏を称するものとする。
4 子が称する氏を父母の協議で定める場合において、父母の双方が、死亡し、又はその意思を表示することができないときは、家庭裁判所は、子の親族その他の利害関係人の請求により、父又は母の氏を子が称する氏として定めるものとする。
二 養子の氏(第八百十条関係)
1 養子は、養親の氏(氏を異にする夫婦がともに養子をする場合において、養子となる者が十五歳以上であるときは、縁組の際に養親となる者と養子となる者の協議で定める養親のいずれかの氏、養子となる者が十五歳未満であるときは、縁組の際に養親となる者の協議で定める養親のいずれかの氏)を称するものとする。
2 氏を異にする夫婦の一方が配偶者の嫡出である子を養子とする場合において、養子は、1にかかわらず、養子となる者が十五歳以上であるときは、縁組の際に養親となる者、その配偶者及び養子となる者の協議で定める養親又はその配偶者の氏(養親となる者の配偶者がその意思を表示することができないときは、養親となる者と養子となる者の協議で定める養親又はその配偶者の氏)、養子となる者が十五歳未満であるときは、縁組の際に養親となる者とその配偶者の協議で定める養親又はその配偶者の氏(養親となる者の配偶者がその意思を表示することができないときは、養親となる者が定める養親又はその配偶者の氏)を称する。
3 養子が婚姻によって氏を改めた者であるときは、婚姻の際に定めた氏を称すべき間は、1及び2を適用しないものとする。
三 子の氏の変更(第七百九十一条関係)
1 子が父又は母と氏を異にする場合には、子は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その父又は母の氏を称することができるものとする。
2 父又は母が氏を改めたことにより子が父母と氏を異にする場合には、子は、父母の婚姻中に限り、1の許可を得ないで、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その父母の氏又はその父若しくは母の氏を称することができるものとする。
3 子の出生後に婚姻をした父母が氏を異にする夫婦である場合には、子は、父母の婚姻中に限り、1の許可を得ないで、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その父又は母の氏を称することができるものとする。ただし、父母の婚姻後に子がその氏を改めたときは、この限りでないものとする。
4 子が十五歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わって、1から3までの行為をすることができるものとする。
5 1から4までによって氏を改めた未成年の子は、成年に達した時から一年以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、従前の氏に復することができるものとする。
第五 相続の効力(第九百条関係)
嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分と同一とするものとする。
第六 施行期日等(附則関係)
一 施行期日
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとする。
二 経過措置の原則
改正後の民法の規定は、五の場合を除き、改正法の施行前に生じた事項にも適用するものとする。ただし、改正前の民法の規定により生じた効力を妨げないものとする。
三 婚姻適齢に関する経過措置
改正法の施行の際十六歳に達している女は、第一の一にかかわらず、婚姻をすることができるものとする。
四 夫婦の氏に関する経過措置
改正法の施行前に婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、婚姻中に限り、配偶者との合意に基づき、改正法の施行の日から二年以内に別に法律で定めるところにより届け出ることによって、婚姻前の氏に復することができるものとする。
五 相続の効力に関する経過措置
改正法の施行前に開始した相続に関しては、なお、改正前の民法の規定を適用するものとする。


 
 

民法改正 〜今までの国会の動き〜

1996年    法制審議会答申発表
1997年 民主案が参議院に、社・さ案、平成会有志案が参議院に提出。
民主案のみ審議入り。法案審議と参考人質疑が一回ずつ行われたが、廃案に。社・さ案、平成会有志案は、それぞれ会期末に伴い廃案に。
1998年 通常国会に、自民、自由を除く各党有志の超党派議員立法が衆議院に提出。継続審議に。
1999年 通常国会で衆議院案廃案に。
臨時国会末、衆参両院に野党超党派議員立法を提出。衆案のみ継続に。 
2000年  通常国会冒頭に参議院に改めて提出。
参議院では、趣旨説明後、初めて質疑が行われる。
衆議院解散で、両院案とも廃案に。
臨時国会に、参議院で超党派の議員立法を提出。閉会に伴い廃案に。
2001年 5月 8日  衆議院で野党超党派の議員立法を提出。
5月10日 参議院で提出。福田官房長官に申入れ。
5月11日 森山真弓法務大臣に申入れ。
6月14日 参議院法務委員会で野党案の趣旨説明が行われる。
6月20日 衆議院に公明党案が提出される。
6月29日 通常国会閉会に伴い、参議院案は廃案に。衆議院では、野党案、公明党案ともに継続に。
8月 内閣府から「選択的夫婦別姓制度に関する世論調査」が発表。賛成多数に。
8月 8日 超党派の女性国会議員で森山法務大臣に申入れ。

 



 
 

夫婦別姓・婚外子差別ホットライン Q&A

1999年5月16日(金)


Q1.民法改正はどうなっていますか。

 夫婦別姓選択制を導入・婚外子差別の差別撤廃などを盛り込んだ民法改正案は、まだ国会で成立していません。自民党の一部の反対で、法務省答申を経た閣法としては上程されず、98年の通常国会では、超党派の議員立法として衆議院に上程されました。現在、与野党が逆転し女性議員も多い参議院でも議員立法できないかと模索中です。
Q2.いつ頃実現しますか。
 「すすめよう!民法改正ネットワーク」では「99年は民法改正を実現する年!」として、今年中の成立を目指しています。1月27日に開いた集会には、全党派の国会議員17人が出席し、民法改正への決意表明をしました。しかし、いつ実現するかは、政治状況もあり、予測は難しいです。いっしょに実現させていきましょう。
Q3.結婚届けを出して通称使用でいくか、結婚届を出さずに事実婚でいくか迷っています。
 それぞれの人が置かれている立場や状況によって異なる問題であり、ケースバイケースだと思います。
  →あなたはどうして別姓にしたいのですか?
  →「事実婚」に踏み切れずにいるのだとすれば、それはなぜですか?
  →「通称使用」「事実婚」のそれぞれどんなところが不安なのでしょうか?
 別姓経験者たちの話を聞くと、「通称使用」は面倒くさい、一方「事実婚」は意外に楽だという傾向があるようです。初めは、届出をしない「事実婚」という形がとてもラデイカルな事のように思えて抵抗がある人が多いようですけれど、いったん覚悟を決めて始めてしまえば、職場などでは個人生活に関することであり意外と文句を言われにくいようです。
 一方「通称使用」の場合は、現在では制度として認めている自治体や会社も増えてきていますし、個々の場面(給料、税金、保険等)で通称を認めさせるノウハウもあります(Q5参照)。しかし、会社では担当者や上司が変わるたびに理解を求めなければなりませんし(だめなときもある)、「戸籍名=正式な名前」だと頑なに信じている人が多いために、「仕事なんだから正式な名前を使え!」、「公務員なんだから戸籍名を使え!」という上からの圧力や、いくらこちらが「旧姓使用で」と説明しても、わざと戸籍名で呼びかけたり電話を取り次いだりする同僚や上司が後を絶たず、そのたびにモグラたたきのように闘っていかなければならなくて、とてもストレスが大きいといいます。病院や旅行先(入管、ホテルなど)などでも戸籍名がついてまわって、そのたびに煩わしい思いをしたりするようです。また、夫婦の間でも「自分だけが通称使用で苦労しているのにわかってくれない」との思いから、せっかく平等にと思って始めた別姓結婚なのに、平等感を持てないという話もあります。女性がわがままで旧姓を使わせてもらっている(理解のある夫が使わせてやっている)という夫や親戚や世間の見方もあるかもしれません。
 こうした煩わしさや不満から、ペーパー離婚をするというケースもあります。しかし、ペーパー離婚について夫に理解を求めるのは、結婚の際に「事実婚」について理解してもらうよりもきつい場合が多いようです。「事実婚」では親や親戚の同意を得られないと思うかもしれませんが、いずれにしても100%の理解を得るのは難しいでしょう。それに、「通称使用」であれば、「あの人はうちの嫁だけれど、仕事の上でだけは昔の名前を使っている」という理解をされるだけで、「嫁である前に○○さん」というようには思ってもらいにくいものです。
 もし、民法改正がなされた場合(いまの議員立法にそった形なら)、既婚の夫婦が別姓にすることは2年以内にかぎって可能となります。が、2年以内に夫の同意を得られなければ、せっかく法改正が出来ても別姓にできません。結婚届を出すのはいつでもできますから、もし、事情が許すのであれば「事実婚」をお薦めします。
Q4.自治体で通称使用を認めたと聞いたのですが。
 埼玉県庁が97年9月から都道府県レベルで初めて県職員に公務で旧姓の使用を認める決定をしました。以後、各地の自治体で次々と旧姓使用が認められるようになってきました。宮崎県では県職員や議会議員の旧姓使用が98年夏に、山口県でも99年4月から内部文書に限って旧姓使用が可能となりました。職場での旧姓使用も進んでいます。連合の「職場での旧姓使用調査報告書」(98年)によりますと民間企業の3分の1は旧姓使用を認め、官公庁も17%(98年)が旧姓使用を何らかの形で認めています。旧姓使用は、あくまで便宜上のもので、事務が煩雑で認められる範囲も狭いため法改正が望まれますが、あなたの住む自治体でも旧姓使用が認められるように働きかけるのもいいと思います。
Q5.通称はどこまで使えますか。どうしたら使えますか。
・パスポート……旧姓(通称)併記可能です。申請の時に「通称併記願い」を外務省に提出します。その際、通称の身分証明書、通称宛ての海外からの手紙、通称で予約した航空券・宿泊先のチケットなどを添付すると良いでしょう。
・銀行の通帳……通常の使用ならば、改姓の変更届を出さない限り(知らん顔している限り)使えます。きちんと届けたいという場合は、「通称使用願い」などを作成して、銀行に働きかけてみてください。
・ 郵便局の通帳…通称は使用できません。(1人に1口座のみ、マネーロンダリング(不正資金隠匿)防止
のためとか。)
・税金……………自営業の場合は、通称使用可能です。ただし、本人確認のため住民票などの添付を求められる場合があります。サラリーマンの場合は、自治体の市県民税係の人に通称で会社へ通知してもらうよう根回ししておくと、可能です。
・運転免許証……通称併記、通称使用はできません。
・健康保険証……所属している健康保険組合によります。例えば、自社の健康保険組合に所属している場合、その名前(通称)と本人の照合が比較的簡単にできるので、通称使用は可能です。しかし、自社に健康保険組合がなく、その業種をまとめている連合の保険組合になってしまうと、通称使用はできません。
・ 国家資格所得名…通称は使用できません。ただし、日常の活動は別で、弁護士・司法書士などは通称で
仕事ができます。
・公務員…………通称使用を認めるところが多くなってきました。ただ、やはり全ての書類で使用可能とはいかず、いろいろと面倒なところもあるようです。交渉次第で範囲は広げられるようです。面倒ですが、しなやかにしつこく使いたいことを職場側に訴え続けることです。
・企業……………通称使用を認めるところが多くなってきました。ただ、やはり全ての書類で使用可能とはいかず、いろいろと面倒なところもあるようです。交渉次第で範囲は広げられるようです。面倒ですが、しなやかにしつこく使いたいことを会社側に訴え続けることです。
Q6.結婚届を出さずに別姓でいようと思うのですが、何か不都合はありますか。
・法定相続人にはなれません。遺言を書いてもらえばいいのですが、その場合、税金の額が違ってくることがあります。
・事実婚で遺言により財産をもらう場合は、法律婚の場合の2割増となります。しかし、事実婚・法律婚とも相続に際して基礎控除というものがあり、現在は一律5000万円で、さらに法定相続人の数×1000万円が控除されます。それ以下の場合には税金はかかりません。ただし、それ以上になると法律婚の配偶者のほうが有利になります。遺産額が1億6000万円まで、あるいは法定相続分相当額までは無税という優遇制度があります。財産があまりない場合には関係ありませんが・・・。
・配偶者控除、配偶者特別控除が受けられませんが、これも両方が働いていれば関係ありません。
・しかし、不都合ばかりではありません。事実婚でも同居・協力扶養義務があるし、離婚の際の慰謝料請求権と財産分与請求権、年金受給権もあります。相手の健康保険証にも入れるし、年金保険の受取人にもなれます。また、企業の中には、事実婚でも結婚祝金を出したり、扶養手当を支給したり、社宅も法律婚の場合と同様に支給しているところもあります。事実婚で単身赴任の場合にも手当を支給した企業もあります。事実婚は、意外と法的には保証されているのです。
Q7.結婚届を出さずに子どもを持つと何か不都合はありますか。
 法制度上の差別はありますが、これから変わっていくでしょうし、特に困ることはありません。ただし、生まれた子どもは婚外子となります。
・出生届には、名前の次に書く欄に子どもを「嫡出子」か「非嫡出子」かをチェックする欄があります。
・戸籍の続柄欄において、婚内子は「長女」、「二男」と書かれるのに対し、婚外子は「男」、「女」と書かれます。住民票・健康保険証は、「子」で統一されています。
・法定相続分は、婚外子と婚内子がいる場合、1:2の割合となります。婚外子しかいない場合は、子は平等に相続します。
Q8.別姓にしたいのですが、彼や彼の両親が反対しています。どう説得したらいいのですか。
・彼(夫)…説得するには時間がかかりますが根気よく説得してください。なぜ別姓にしたいのかをきちんと説明しましょう。「仕事上の都合」、「名前に愛着」、「自分でなくなるみたい」などできるだけたくさん教えてあげましょう。「あなたが嫌なこと(改姓)は、私も嫌」と。女性が嫌がっているのに姓を変えさせるのは男のわがままだと気づかせてあげましょう。世の中もこんなに別姓を認めてきているのだと解ってもらうために、新聞記事やテレビをチェックしてその都度、彼(夫)に見せましょう。本を読ませるのも良いでしょう。外国の例を挙げて、日本は遅れていると思わせるのも良いかもしれません。改姓することであなたが被る不利益を教えてあげましょう。仕事や地域など今までの名前で築いてきた人脈が、改姓により途切れてしまうかもしれないことや改姓に伴う事務手続きの煩雑さなどを説明しましょう。「個人が基本」ということが理解できる人なら、改姓することは「家」へ「嫁に行く」ことであり、改姓はしたくないときちんと伝えましょう。「結婚しても私は私」というのは、自分勝手でも冷たいのでもなく、それぞれがきちんと自立していなければ相手にもやさしくできないということを教えてあげましょう。
・彼(夫)の両親…仕事上(地域活動)の不都合を説明するのが一番良いでしょう。少しでも聞いてくれそうなら「彼(夫)」に対して説明したことと同じことを根気よく説明し続けましょう。頭から受け付けない人たちには、知らん顔をしているか、あらゆる面であなたが強くなるしかないでしょう。別姓をあきらめるか、自分を鍛えて主張を通すかはあなた次第です。
Q9.娘に家の氏をついでもらたい
 別姓にするのが一番良いと思います。娘の夫になる人が自分から進んで娘の氏を夫婦の氏として選択するならともかく、氏を強制することはできませんから。
Q10.お墓はどうなりますか。
 墓の形は、生きている人の幸せの形によって変わっていって良いと思います。庶民が墓と結びついたのは檀家制度ができた江戸時代からです。現在のような「○○家の墓」が普及したのは明治30年以降のことです。いずれにせよ、墓は生きている私たちが自分の一番愛する人(配偶者でも親でも)を弔うのに最適な形になるのが望ましいと思います。具体的には、別姓夫婦の墓、別姓親子の墓にそれぞれの姓名を刻んでもよいし、記念碑的な墓にしても良いと思います。現に記念碑的な墓が多くなっています。
Q11.介護はどうなりますか。
 介護で一番問題なのは、介護費用の負担を誰がするのか、いつするのかということだと思います。同姓、別姓の問題ではありません。介護する人が費用を含めて、その介護について納得できるかどうかが重要だと思います。それには、介護される人と介護する人の間に培われた信頼関係があるかどうかが大きく関わってくると思います。同姓だから介護する、してもらえる、別姓だから介護しない、してもらえないということではありません。
Q12.子どもの姓はどうなるのですか。
 衆議院に提出されている超党派の民法改正案は、子どもの出生時に父母の協議により決めることとしています。96年の法務省案では、父か母いずれの姓にするか決めて、結婚届のときに同時に届け出ることとされていました。
 法務省案では兄弟姉妹の姓は統一されます。ただし、この案でも特別の事情があるときは、子の姓を一方の親の姓に変更できますし、20歳以上になれば特別の事情がなくても変更できます(いずれも家庭裁判所の許可が必要)ので、兄弟姉妹で別の姓になることはありえます。
Q13.既婚者も別姓にできますか。
 どの改正案でも経過措置をおいていますので、既婚夫婦でも法律施行後、一定期間内に相手方配偶者との合意にもとづき届け出れば、別姓にできます。超党派の案は経過措置を2年としており、法務省案では1年としています。
Q14.民法改正を待っているのですが、何かできますか。
・ すすめよう!民法改正ネットワークに参加する。
連絡先→東京都新宿区新宿1−35−3−910 FAX:03−5379−7138
・地元の国会議員に「民法改正をお願いします」と手紙を書いたり会いに行ったりする。
・地方議会への請願(民法改正を早くという意見書の採択を求める内容)を提出する。
Q15.反対派には。
 「家族や夫婦の氏は1つであるべきだ」「家族の崩壊を招く」と思う人は、同姓を選択すればいいわけで、他の人が別姓を選びたいというのを踏みにじる必要はないのではないでしょうか。民法改正案は、すべての人に別姓を強制するものではありません。同姓も、別姓も選べます。そんなに他の人が幸せになるのを許せないのでしょうか?
もっと知りたい方は
mネッット(民法改正情報ネットワーク)へ http://www.ne.jp/asahi/m/net/

 



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