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「個人情報の保護に関する法律案」への対応について
2001年 4月19日
社会民主党 内閣・法務部会
部会長 福島 瑞穂

1.社会の情報化が急速に進展し、プライバシー情報が広範に活用されている現状を踏まえれば、個人情報を保護するための立法は喫緊の課題である。実際に個人情報の漏洩事件がたびたび発生しており、住民基本台帳ネットワークシステムの構築に際して自己情報コントロール権を保障する立場からも、実効性ある保護措置を早期に講ずるべきであることはいうまでもない。

2.しかし、今回の政府が提出している「個人情報の保護に関する法律案」は、市民が自己情報をコントロールする権利を保障したものとはいえず、政府が民間の個人情報利用を規制するに過ぎないものとなっている。社民党とは根本的な立脚点が異なるといわざるを得ない。さらに以下のような看過できない重要な問題点を含んでおり、今後の徹底した国会審議を通じて抜本的見直しを行なう必要がある。

3.政府案も、これまで野放し状態であった民間部門の個人情報利用に法の網がかかるという点で一歩前進とはいえるが、最も必要とされている公的分野に関する規定が完全に抜け落ちている。住民基本台帳法(社民党は反対)の「改正」にともなって、行政機関が扱う個人情報の保護の必要が高まったことや警察情報流出事件等が本法案制定のきっかけであったことを考えれば本末転倒といわざるを得ず、行政機関が個人情報を扱う際の原則としてはまったく不十分なものである。

4.公的部門に対して十分な規制がない一方で、主務大臣による改善・中止命令、違反への罰則を定めるなど、個人情報保護を名目に政府の権限が強化されている。社民党としては、市民の立場に立つ行政から独立した第三者機関を設置し、各行政機関の行なう個人情報処理を監督し、苦情処理や救済等にあたらせるべきだと考える。

5.焦点となっていた報道機関の取り扱いについては、学術研究機関、宗教団体、政治団体とともに個人情報取扱事業者としての義務規定の適用除外となった。しかし個人情報の安全管理や苦情処理に関する措置を講じ公表する努力義務が設けられ、書籍や雑誌の発行を主体とする出版社やフリーのジャーナリストに関する明確な位置づけがないなど、メディアが政府の監督下におかれる恐れもある。運用次第では個人情報保護を口実とした報道規制につながる懸念を払拭できない。

6.政府・与党の中には現在の政治不信の責任をマスコミに転嫁し、メディアへの規制を強めたいとの本音がかいま見えている。個人情報保護法案以外にも、自民党が準備をすすめている「青少年有害環境対策基本法案」や、人権擁護推進審議会で議論されている人権救済制度など、運用次第では公権力がメディアへ介入する口実となりかねない立法が予定されており、慎重な対応が求められる。社民党は表現・出版の自由が民主主義にとって不可欠の前提であると確信しており、これらの立法が公権力によるメディア規制につながることがあっては断じてならないと考える。

以上 

 



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