人権侵害による被害の救済等に関する法律案の概要(案)
第一 総則
一 法律の目的
人権救済に関する措置を講ずることにより、人権救済に関する施策を総合的に推進し、もって、人権が尊重される社会の実現に寄与することを目的とする。
二 人権侵害等の禁止
何人も、人権侵害及び差別助長行為(以下「人権侵害等」という。)をしてはならない。
第二 人権委員会
一 機関
内閣府の外局として、人権委員会を設置する。人権委員会に事務局を置き、事務局の地方機関として、各都道府県ごとに地方事務所を置く。
二 所掌事務
人権委員会は、人権救済事務をつかさどる。
三 委員
人権委員会は、委員長及び委員14人をもって組織する。委員長及び委員は、人権の擁護又は差別の撤廃に関する活動に直接参画していた者その他の人格が高潔で人権に対して高い識見を有する者であって、法律又は社会に関する学識経験のあるもののうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
第三 人権救済手続等
一 総則
1 人権救済手続の対象
人権委員会による人権救済手続の対象は、第一の二において禁止された人権侵害等とする。
2 人権救済手続の開始
人権委員会は、?人権侵害による被害を受け、若しくは受けるおそれがある者から人権救済の申出があったとき、又は、?人権委員会が人権侵害等による被害の救済若しくは予防に関する職務を行うため必要があると認めるときは、人権救済手続を開始し、適当な措置を講ずるものとする。
二 人権救済手続
1 調査
人権委員会は、人権救済手続に必要な調査をすることができ、調査に際して、?出頭命令・質問、?文書等の提出命令、?立入調査を行う権限を認める。なお、公務員等が人権委員会による調査を拒絶できる事由を限定列挙してその範囲を明確化する。
2 措置
人権委員会が人権救済手続において講ずることのできる措置は、?助言等、?調停及び仲裁、?勧告及びその公表、?訴訟援助、?差別助長行為の差止め等とする。
第四 報道機関等に対する配慮等
人権委員会は、報道機関等による人権侵害等に対する人権救済手続については、表現の自由を不当に侵害することのないよう十分に配慮するとともに、報道機関等による自主的な解決に向けた取組を尊重しなければならない。
第五 人権擁護委員法の改正
一 題名の改正
題名を「人権啓発委員法」に改める。
二 法律の目的
自由人権思想の普及高揚を図るため、全国に人権啓発委員を置き、もって人権の擁護を図ることを目的とする。
三 人権啓発委員の候補者の資格
在日外国人も人権啓発委員の候補者の資格を有することとする。
四 人権啓発委員の職務
人権啓発委員は、人権啓発活動を行うことを、その職務とする。
五 検討
人権啓発委員制度の在り方については、この法律の施行後5年を目途として、検討が加えられるものとする。