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無期刑囚の執行期間及び医療体制に関する質問主意書
(1999年4月14日)

一.「第九九矯正統計年報T」平成九年によると、受刑中の無期刑囚は、九三八人であり、出所者(仮出獄者を含む。)の平均受刑在所期間は約二五八月(約二一年六月)であると報告されている。
しかし、右統計では、現在、刑を執行中の無期刑囚の執行期間を知ることはできない。聞知するところによると服役開始後すでに四十五年を超える無期刑囚がいるとのことである。あまりにも長期間に及ぶ服役については、無期刑囚の心身に様々な悪影響を生ぜしめているおそれがあり、また、仮出獄等の権利救済手段の保障状況も懸念される。

右観点から、以下の点について質問する。

(一) 平成十一年四月一日現在、無期刑囚で受刑開始後、二十五年以上三十年未満の者、三十年以上三十五年未満の者、三十五年以上四十年未満の者、四十年以上四十五年未満の者及び四十五年を超える者の人数及び収容施設名を明らかにされたい。
(二) さらにそれぞれにつき、昼夜間独居拘禁されている者の数及び右独居拘禁継続の期間を明らかにされたい。
(三) また、拘禁反応等心身に異常があり、治療を受けている者の数及び収容施設名を明らかにされたい。

二.受刑者の施設に対する不満の中には、医療体制が不十分で十分な診療も治療も受けられないという訴えが多い。
受刑者は自ら任意に医療機関に受診に出向くことはできないので、施設内において、健康を維持し、病気を治療するための医療体制が用意されなくてはならないものと考える。
右観点から、以下の点について質問する。

(一) 平成十一年四月一日現在、国内の各刑務所ごとに、
1 医師である医官がいるか否か、いる場合は人数及びその専門診療科目
2 嘱託医、外部委託医師がいる場合は、その人数、各専門診療科目及び執務
体制(執務曜日、執務時間等)
  について明らかにされたい。
(二) 歯科領域において、虫歯の治療、入れ歯の調整が十分なされていないと言わ
れているが、
1 歯科治療の体制(各施設ごとの歯科医の配置、人数、歯科治療設備の設置有無等)
2 治療の実際、すなわちどのような訴えまたは症状がある場合に、どのような治療(入れ歯・差し歯の調整は可能か、保存的治療にとどまるか、費用の負担はどうなっているのか等)がなされているかを明らかにされたい。
(三) 眼科領域において、受刑中に眼鏡の使用が必要となった場合または使用していた眼鏡が遠視・近視・老眼等の進行により再調整が必要となった場合の実情の把握(例えば視力検査等)・対処(眼鏡調整)の方法及び費用負担の実際を明らかにされたい。

  右質問する。



  内閣参質一四五第一五号
    平成十一年五月二十五日
内閣総理大臣 小渕恵三

       参議院議長 斎藤十朗 殿

 参議院議員福島瑞穂君提出無期刑囚の執行期間及び医療体制に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

参議院議員福島瑞穂君提出
無期刑囚の執行期間及び医療体制に関する質問に対する答弁書

一の(一)について
  平成十一年四月一日現在、行刑施設に収容されている被収容者のうち、無期刑の執行を継続した期間が二十五年以上の者の御質問に係る期間別及び施設別人数は、別表一のとおりである。

一の(二)について
  別表一に掲げた者のうち、平成十一年四月一日現在、昼夜独居拘禁に付されている者の人数及び独居拘禁継続期間は、別表二のとおりである。

一の(三)について
  別表一に掲げた者のうち、平成十一年四月一日現在、心身に異常があり治療を受けている者の人数は、別表三のとおりである。

二の(一)の1について
  平成十一年四月一日現在、行刑施設に配置されている医療職俸給表(一)適用職員のうち医師の人数及びその専門診療科目は、別表四のとおりである。

二の(一)の2について
  平成十一年四月一日現在、行刑施設に配置されている非常勤医師の人数及びその専門診療科目は、別表五のとおりである。
  なお、非常勤医師の執務体制は施設により異なるが、診察回数はおおむね月四回程度である。

二の(二)の1について
  常勤の歯科医師は、府中刑務所、八王子医療刑務所、東京拘置所、大阪刑務所、大阪拘置所、名古屋刑務所、福岡刑務所、宮城刑務所及び札幌刑務所の九施設に各一名ずつ配置されており、非常勤の歯科医師は、千葉刑務所及び網走刑務所に各一名ずつ配置されている。それ以外の施設においては、外部の歯科医師を施設に招へいして歯科治療を実施している。
  また、各行刑施設には、歯科診察ユニット及び歯科用エックス線装置が設置されている。

二の(二)の2について
  虫歯による歯痛の訴え等があり、治療の必要性を認めた場合には、投薬、充てん処置、抜歯等の治療を国費で行っている。ただし、充てん材料の種類によっては、本人の負担となる場合がある。
  また、入れ歯又は差し歯の調整についても、その必要性を認めた場合には、国費で行うが、新たに入れ歯又は差し歯を製作する場合や新たなものに交換する場合には、その費用は本人の負担となる。

二の(三)について
  御質問のような場合には、受刑者からの願い出により、問診及び視力検査を実施し、眼鏡の使用又は再調整の必要性を認めた場合には、本人の負担により、眼鏡店からの購入又は修理を認めている。



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