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国会活動-厚生労働委員会

介護職員処遇改善加算の公平性担保を 2017年5月25日参厚労委

 福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。
 まず冒頭、これは看過できないので一問だけ、労働基準監督官の業務委託、民間委託について質問させてください。
 お手元に配付資料、新聞記事があります。政府の規制改革推進会議の作業部会は、五月八日、労働基準監督業務の一部を社会保険労務士など民間に委託する提言をまとめました。とんでもない話だと思います。立入調査を民間にやらせる、私はこれを見たときに、検察や警察を民間委託するぐらいとんでもない話だというふうに思いました。
 労働基準監督官は労働基準行政の要の中の要であり、逮捕権も有しています。監督官の数が不足しているのなら増やすべきであり、民間委託は本末転倒極まりないと思います。厚労大臣、いかがでしょうか

 国務大臣(塩崎恭久君)
 労働基準監督官がこの権限に基づいて行う業務というのは、相手方の同意なく企業に立ち入ると、それから労働基準関係法令の違反の有無を確認をする、そして法違反の是正指導や、悪質な場合には刑事訴訟法に基づく捜査や書類送検を行うなど、一体不可分なプロセスによって働く方の保護を行うものでございます。
 その一部を委託、民間に委託することは困難であるというふうに考えています。
 その上で、これまでも厚生労働省において、厳しい財政事情、行財政事情の中で、労働基準監督官の人員確保に努めるというのが基本でありますが、平日夜間や休日の電話相談窓口とか、あるいはインターネット上の求人情報等の監視等を民間委託するなど効率的な業務運営にこれまでも努めてきたところでございます。今回、今月二十三日に規制改革推進会議、ここが取りまとめた答申に
おきましても、こうした状況や厚生労働省の考えを御理解いただいた上で、労働基準監督官の業務を補完できるよう、民間活用を拡大すべき旨の御提言をいただいたというふうに考えています。
 厚生労働省としても、より効率的かつ効果的に 法規制の執行強化を図ることが極めて重要だというふうに考えていますので、本答申を踏まえ、今後とも対応を検討してまいりたいと思っております。

 福島みずほ君
 ILO職員だった石橋さんもいらっしゃいますが、ILO八十一号条約は、監督職員は不当な外部圧力と無関係な公務員でなければならないとし、条約六条、必要な資格を考慮して採用し、訓練を施すべき、条約七条、と定めています。労働基準監督官は国家試験、試験受かった人たちであり、それこそ増やすべきであると。
 監督業務の民間委託は条約違反だと考えますので、この点は是非、労働基準監督官を増やす立場で頑張ってほしいというふうに思っております。是非よろしくお願いします。
 では、この本案について御質問いたしますが、今日は財務政務官にお越しいただきました。ありがとうございます。
 配付資料なんですが、財政審、平成二十九年度予算編成における具体的な取組なんですが、私は、まず、自然増を五千億円に抑制すべきだと数値目標を掲げていることは問題じゃないか。小泉構造改革で二千二百億円ずつ毎年五年間カットしたことで非常に社会保障が壊れました。目標設定をしたことで、例えば二〇一七年度の予算ベースで六千四百億円から五千億円へ、二〇一六年度予算ベースで六千七百億円から五千億円へ抑制されています。
 これ、数値目標でやると、ベッドに合わせて手足を切るみたいな状況になって、問題ではないか、いかがでしょうか。

 大臣政務官(杉久武君)
 今御質問いただいた点でございますけれども、我々財務省といたしましては、例えば今審議いただいております介護保険につきましても、今後も高齢化等に伴う給付費の伸びが見込まれている中で、将来にわたって必要な給付を確保しつつ、保険料の過度な上昇を招かないようにしていくことが重要であり、そのためには負担の公平化の確保や給付の適正化に向けた制度改革に不断に取り組んでいく必要があると考えております。
 介護におけますと、例えば二五%は国費で賄われている中で、財政を預かる立場といたしましては、介護保険制度の効率化、適正化に向けて、財政審等の立場において財政当局の立場から提案を行っていく、こういったことは当然の責務と考えております。
 今後とも、制度の施行状況を踏まえつつ、持続可能な制度を次世代に引き渡していけるよう、必要と考えられる改革については厚生労働省とよく議論をしながら取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。
 また、今お話がありました目安の件につきましては、経済・財政計画において社会保障費の伸びを三年間で一・五兆円程度にするということを目安にしてきておりまして、財政当局としては、今後ともこの目安を着実に達成できるよう、社会保障の効率化、適正化に不断に取り組んでまいりたい、このように考えております

 福島みずほ君
 私は、今回の介護保険の、社民党的には改悪法案なんですが、介護保険つくった厚労省が介護保険を壊す邪悪な心を持ってやっているとは思わないんですね。ただ、財政審の方から、やっぱり社会保障をカットせよカットせよというのが上から圧力としてやってくる。
 だから、今日お出まし願ったのは、是非その頭を変えてほしいという実はお願いなんですね。
 例えば、これを見ると、介護保険における利用者負担の在り方、軽度者に対する生活援助サービスなどあります。でも、軽度者に対する生活援助サービスを検討せよとか言うのって、言い過ぎじゃないでしょうか。どうですか

 大臣政務官(杉久武君)
 繰り返しになりますけれども、介護におきましては、例えば給付費、先ほど申し上げました二五%は国費で賄われているという中で、やはり財政を預かる立場としては、介護保険制度の効率化、適正化に向けて、財政審等の場において財政当局の立場からの提案を行っていく、これは当然の責務であると考えております。
 以上です。

 福島みずほ君
 では、軽度者の定義を教えてください。

 大臣政務官(杉久武君)
 介護保険における軽度者につきましては、制度上定められた定義があるわけではございません。
 一方、前回の介護保険制度改正においては、特別養護老人ホームの入所者を原則要介護三以上とし、中重程度者を支える機能に重点化と説明をされております。財政審の資料では、それと対比した形で、要介護二以下の方を軽度者とした上で財政当局の立場からの提案を行っております。
 以上です。

 福島みずほ君
 そうだとすると、将来、要介護一、二を介護保険給付から外すとか、生活援助については引き下げるとか、そういう提案があり得るんですか。

 大臣政務官(杉久武君)
 御指摘の点につきましては、厚生労働省の社会保障審議会における議論も踏まえて、昨年末の改定された改革工程表において、介護予防訪問介護等の移行状況を踏まえつつ、引き続き関係審議会等において検討し、その結果に基づき必要な措置を講ずるとされたところと理解をしております。
 財政当局としては、引き続き、改革工程表に沿って介護保険制度の持続可能性を確保しつつ、高齢者の自立を支援し、真に必要なサービスが提供されていく観点から、厚生労働省ともよく議論をしながら検討してまいりたい、このように考えております。

 福島みずほ君
 軽度者が要介護二以下と聞くと、やっぱり非常に心配になるわけです。軽度者のまさに生活援助サービス、この報酬を下げるとか切り捨てるということがまさに起きていくんではないかと思っております。というのは、実際その介護保険制度を使えなくなったら、介護保険料を払いながら介護保険に対する信頼がなくなってしまうわけです。
 介護保険、国家的詐欺というわけで、詐欺やったら信頼関係なくなっちゃうじゃないですか。
 だから、お願いで、是非違う形でやっぱりやってほしい。介護は割と優良と言うと変ですが、黒字続きじゃないですか。だから、そのことを理解してほしい。
 私は、財務省がタックスヘイブンなどに非常にメスを入れる、日本の財務省の役人がOECDのあるビルのところに行ってタックスヘイブンなどにメスを入れようとしている。今回もそれについて一歩前進する法案が成立をしました。
 だから、私は、金のあるところで富裕層から金を取るんだったら全然いいんですよ。
 しかし、三百四十万の人は金持ちですか、現役並みですかということなんです。是非、財務当局の側で、社会保障はやっぱり必要なんだと、高齢社会の中で、軽度者の生活支援は削るんだ、こういう考えをやめて、厚労省に圧力を掛けるのをやめていただきたい。どうでしょうか

 大臣政務官(杉久武君)
 繰り返しになって大変恐縮でありますけれども、財政当局といたしましては、先ほど申し上げたとおり、介護保険制度の持続可能性、また、高齢者の自立を支援し、真に必要なサービスが提供されていくようという観点から、厚生労働省とよく議論をしながら検討してまいりたいと思います

 福島みずほ君
 日本のお財布を預かるわけですから、とても責任感を持っていらっしゃるのは理解しますし、共有します。ただ、お金のあるところから取ればいいじゃないですか。三百四十万年収の人は金持ちですか、現役並みですか。そして、要介護二も軽度者というのはやっぱり驚くべきというふうに思いますが、生活支援などを削ることでみんな生活できなくなる、つまり介護が得られなくなる、地域で。これをつくって社会保障をぶっ壊したら元も子もないでしょうというふうに思うんです。いかがですか。

 大臣政務官(杉久武君)
 繰り返しの答弁になってしまいますので、いずれにしても、今いただいた御意見も踏まえながら、改革工程表に沿って厚労省としっかり議論をしてまいりたいと思います。
 以上です。

 福島みずほ君
 是非工程表の見直しをよろしくお願いします。
 というのは、社会保障が壊れればやっぱり生活できないんですよ、生活ができなくなってしまう。そして、介護保険制度がもう維持できなくなったり壊れたら、もう信頼回復できなくなってしまいますよ。どれだけたくさんの人が生活援助やいろんなことでお世話になっているのか。
 財務省がお金のあるところからがばっと税金取ることについては全面的に応援します。そちらでやってくださいよ。よろしくお願いします。どうですか。

 大臣政務官(杉久武君)
 済みません、今私がお答えできる立場ではないかとは思いますけれども、今日いただいた御意見も踏まえて厚生労働省と議論をしてまいりたいと思います。

 福島みずほ君
 社会保障制度をきちっとやっていくということについては共有できると思います。
 是非よろしくお願いいたします。

 では、次に、六十五歳を迎える障害者の問題についてお聞きをいたします。
 厚労省は、毎年、六十五歳に達した障害福祉サービス対象者が何人いて、そのうち何人が介護保険対象者に移行しているのか、数字を把握しているでしょうか。

 政府参考人(堀江裕君)
 厚生労働省では、平成二十七年に、障害者総合支援法三年後見直しにおきます精神障害者及び高齢の障害者に対する支援の在り方の検討のために、平成二十六年度における障害者の介護保険サービスの利用状況等について調査を行ってございまして、その調査では、平成二十六年度中に障害福祉サービスの利用を終了し、介護保険サービスの利用を開始した方、あるいは六十五歳到達後に初めて障害福祉サービスの利用を開始した方、またそのうち、障害福祉サービスと介護保険サービスを併用した方の数など、障害者が六十五歳になった際のサービスの利用状況について把握しているものでございます。
 ただ、今お問合せの、毎年度把握しているかといえば、そうしたものではございません。

 福島みずほ君
 把握しているわけではないというのをレクで聞いたので、またその詳細の、分かっている範囲の資料について教えていただきたいですし、しっかりと調査し、把握すべきだということを申し上げます。
 きょうされん始め様々な障害者団体、たくさんの人たちの話を聞き、要望を受けてきました。
 岡山で裁判をしている方がいらっしゃいます。この方は、六十五歳の誕生日の三日前に福祉支援サービスの打切り処分を受けたので、それで裁判を起こしているということです。
 つまり、処分を受けたとき、生きていくことを奪われたような気がしたと訴えている。
 つまり、介護保険を使えと、それで今まで使っていた福祉支援サービスが受けられない。この人は、介護保険で八十から九十時間の介護を受けて、介護料として月に十五万円だが、毎月負担分三十五万から四万を納めて、三か月後、十五万円引いて返ってくると。福祉サービスでは、重度訪問介護として二百二十四時間の介護を受けている。この福祉サービスは無料だけれども、介護保険の納めるお金をキープしておくのが大変であると、だからといって介護をしてもらう時間を減らすことができないというので、この裁判を起こしているわけです。
 ここの委員会の答弁では、通知があると、当該介護保険サービスを優先的に利用するものとすることはしないものとするという、これは平成二十七年三月三十一日の厚労省社会・援護局障害保健福祉部企画課長、障害福祉課長通達というのがあるわけですが、実際はこれが自治体で生きていない。
 つまり、介護保険に移行せよと言われて本当に困っている人がいる、この声を厚生労働省はどう聞かれますか。

 政府参考人(堀江裕君)
 今お話しいただきました平成二十七年の三月三十一日の通知というものでございますけれども、介護保険の相当するサービスが、共通するサービスがあるときに、一般的には介護の方を優先して受けていただくことになりますと。ただし、障害者が同様のサービスを期待、希望する場合でも、介護保険サービスを一律に優先させて、これにより必要な支援を受けることができるか否か一概には判断することは困難であって、一律に介護保険サービスを優先的に利用する決定をするものではないということが書いてあるところでございまして、この通知につきまして現在も有効なものでございますし、これに沿いまして市町村におきまして適切に判断いただいて、その支給決定をいただくものというふうに考えてございますが、今回もいろいろ改正もございますので、この通知に基づく適切な運用がなされますように、引き続き市町村に対しまして周知を図っていきたいというふうに考えてございます。

 福島みずほ君
 障害のある方からは、六十五歳になったら介護保険に行けと言われる、実際裁判も起きているし、現場から本当に困っているとか大変だという声が上がっているわけです。現に裁判が起きているわけです。だとしたら、この通達は有効に機能していないんじゃないですか。

 政府参考人(堀江裕君)
 市町村の方で適切に判断いただくことになりますが、やはりその同様のサービスがある場合でも、その利用者の方の状況ですとか、あるいはどんなサービスをほかにも御利用いただいているのかというようなことも総合的に考えて市町村の方で御判断いただくというのが私どもの考えでございまして、この通知、繰り返しですけれども、現在も有効なものでございますので、こうしたものがしっかり周知されますように努めてまいりたいと考えてございます。

 福島みずほ君
 障害者総合支援法七条に定められている介護保険優先原則により、各自治体において利用料の発生や支援の打切りといった事態が後を絶たないと。年齢により障害のある人の生活の水準や質が大きく引き下がっていくと。
 この介護保険優先主義を見直す、あるいは廃止する必要があると考えますが、いかがですか。

 国務大臣(塩崎恭久君)
 我が国の福祉というのは、社会保障というのは、自助、これを基本としながら、共助が自助を支えて、そして自助や共助で対応できない場合には公助、これが補完をするという仕組みが日本の社会保障の基本だろうというふうに思っています。
 こういうことで、あるサービスが公費負担制度でも社会保険制度でも提供されると、こういう場合には、国民が互いに支え合うために保険料を支払う社会保険制度の下でそのサービスをまず御利用いただくということに、これを保険優先の考え方が原則だということを繰り返し申し上げてきているわけでございまして、この社会福祉制度と介護保険制度のこの二つの関係につきましては、社会保障審議会障害者部会、ここにおいても様々な議論がこれまでもありました。
 我が国の社会保障の基本からは、介護保険を優先するという原則には一定の合理性があるとされておりますので、このこと自体を見直すという考えはないわけでありますが、なお、障害福祉サービスを利用していた方が六十五歳になってもこの介護保険サービスを受ける場合で、サービスの支給量が介護保険サービスのみでは適切に確保することができない場合とか、あるいは障害福祉サービス固有のものと認められるサービスを受ける場合は、障害福祉サービスを引き続き受けることが可能であって、介護保険に強制的に統合されるというようなことは、おそれはあるという御指摘は全く当たらないというふうに考えていただければというふうに思います

 福島みずほ君
 六十五歳の誕生日が何か非常に大変な日になるということがないように、私自身は是非見直しをしていただきたいと思います。
 それで、お手元に資料をお配りしております。
 新聞記事ですが、軽度者向けサービスについてです。
 厚生労働省の調査によれば、住民主体型の参入割合は、訪問介護で三・九%、通所介護で一二・九%にとどまっております。結局、軽度者切りのために市町村へ事業を移行しても、小規模な自治体では人材確保が難しく機能しないという実態が明らかになりました。軽度者切捨てを直ちにやめるべきではないでしょうか。

 政府参考人(蒲原基道君)
 御質問ございました軽度者に対する生活援助サービスの件でございますけれども、これは、先ほどの財務省の関係にもありますけれども、改革工程表の中で今後の検討の事項として盛り込まれているものでございます。
 現時点で具体的な結論が出ているわけではございません。改革工程表に基づきまして、高齢者の自立を支援あるいは重度化を防ぐという介護保険の理念というのを踏まえつつ、制度の持続可能性、さらには介護人材の確保という観点にも留意して今後審議会で御議論いただきたいというふうに考えております。
 新聞記事にございましたとおり、新しい地域支援事業について要支援者に対する訪問介護などの状況が出ているわけでございますけれども、これは市町村が地域の実情に応じたサービス提供が行えるように創設したというのがその趣旨でございますけれども、我々の調査にありますし、またこの新聞報道にあるとおり、住民主体のサービスあるいはそうしたものが十分に広まっていないことは確かでございます。新しい地域支援事業はこの四月から全市町村で実施されているということでございますので、引き続きここは全市町村の状態というのを、状況というのを我々よく把握して、市町村に対して、本来、元々考えていたような多様なサービスが提供できるようないろんな人材の確保とか人材の育成、こういったものに取り組むように支援していきたいというふうに考えております。

 福島みずほ君
 これは、厚労省の調査ではっきりしたわけですよね。
 小規模な自治体では人材確保が難しく機能しない。ですから、地域に移管するといっても、訪問介護で住民主体型参入、三・九%ですよ。できないということですよね。地域に移行したのはいいけど、できないということで、これから広がるとはやはり思えない。
 介護保険給付をしっかりやっぱり維持していくという方向で、厚生労働省、そして財務省も是非よろしくお願いいたします。

 次に、済みません、介護職員処遇改善加算についてお聞きをします。これも資料をお配りしておりますが、今日も、何で給料が上がらないのだという質問がいろんな委員からも出ました。その配分の仕方が事業者に完全に委ねられているというのはなぜですか

 政府参考人(蒲原基道君)
 これは先ほどの質問にも関係しますけれども、処遇改善加算につきましての中身でございますけれども、介護職員の賃金というのは本来労使間において自律的に決定すべきものであるということ、処遇改善加算はその算定額を原資として事業者が介護職員の賃金引上げを行うものであること、こうしたことの考え方から、算定額の分配自体については事業所に委ねているということでございます。
 ただ、そのときに、やはり当該事業所の職員の方々にちゃんとそういうことが分かってもらうことが大事なんで、加算の取得に当たりまして、例えば賃金体系についての就業規則等の明確な根拠規定を書面で整備すること、さらには、賃金引上げの方法等を記載した計画書とともに雇用する全ての職員に周知することというふうな要件を課しておりまして、きちっとその分配の方法が事業所の職員に十分伝わるように要件を掛けているところでございます

 福島みずほ君
 数人分の改善加算をたった一人の労働者の賃金にだけ反映させ、他の全ての労働者は賃上げゼロでも問題ないという仕組みになっていることでよろしいですか

 政府参考人(蒲原基道君)
 そこの仕組みとしては、先ほど申しましたとおり、労使間で元々自律的に決めるべきであるという、こういう考え方から、事業所に任されているということでございます。その事業所がどういうふうに判断するかということで具体的な配分というのが決まってくると、このように認識をいたしております。

 福島みずほ君
 済みません、だから駄目なんじゃないでしょうか。つまり、事業所に任せていて、一人の労働者の賃金に反映させて、あとは賃上げゼロでも問題ないというのでもオーケーなわけじゃないですか。
 だとしたら、平均点じゃないけれど、ほかの人は上がらないという状態が起きると。
 だから、この処遇改善加算、私たちは一人一人の賃金が上がるようにと思っているわけで、仕組みとしておかしいと思いますよ。
この処遇改善加算が介護労働者全体の労働条件の改善を目的に行われていることから考えれば、幅広く公平に処遇改善すべき旨、通達やガイドラインを出すべきではないですか。
 誰か気に入った職員一人だけがばっと賃金上げて、あとはゼロでもいいとか、そんなのおかしいじゃないですか。
 事業所に任せていたらそんなことだって起きますよ、どうですか。

 政府参考人(蒲原基道君)
 お話がございましたけれども、ここは、やはり事業所の中でのいろんな賃金について基本的には労使間で自律的に決定すべきであるというのが一つの考え方だというふうに思います。
 その意味では、いろんな原資を当該事業所に渡して、当該事業所が自分の中で適切に分配するということが大事かなと。
 ただし、その中身については、先ほど申したとおり、当該事業所の職員にきちんといろんな形で周知しますし、そうしたことについては、今年度から月額一万円相当の処遇改善の実施に当たっても、従来に加えて、事業所内の介護職員から照会があった場合に当該職員の賃金引上げの内容について書面を用いるなど分かりやすく回答するといったことも求めておるところでございますので、きちっとその事業所内の職員には丁寧に説明するということをセットでやるということではないかというふうに思います。

 福島みずほ君
 職員は、丁寧に説明されても、自分の賃金ゼロじゃないですか。そんなこと説明されても仕方ないと思いますよ。
 自民党からもおかしいという意見が出ている。
 つまり、事業所に任せてしまったら、みんなの賃金がちゃんとちゃんと一人ずつ上がらないんですよ。私たちは、多分これは与野党問わず、やっぱり介護で頑張る人をみんな一人一人応援したいというふうに思っているわけで、これは是非、事業所に任せるんじゃなくて、幅広く公平に処遇改善すべき旨、通達やガイドラインを出すべきじゃないですか

 政府参考人(蒲原基道君)
 そこは重ねてになりますけれども、そういう事業の中における、個別というか、そういう賃金の決定自体についてはやはり労使間でまず自律的に決定するというのが一つの考え方だと思います。
 したがって、こういう処遇改善やるときに、そこまで具体的にガイドラインを決めるというよりも、額としてはちゃんと出して、それを分配する。
 ただし、分配の中身についてはきちんと事業所の職員に説明していくという、こういう仕組みが適切ではないかというふうに考えております。

 福島みずほ君
 全然駄目だと思います。そんなことやっていたら、賃金上がらないじゃないですか、一人一人の働く人を応援するというふうにしないと。やっぱり事業所に任せています、でも、私たちは、現場に行くと、賃金が上がっていません、賃金が上がっていません、低賃金ですという話、山のように聞くわけですよ。そのからくりがここにもあるわけで、これは是非変えていただきたい。大臣、どうですか

 国務大臣(塩崎恭久君)
 お気持ちはよく分かりますが、それぞれ経営体ですので、財政力というか体力がそれぞれだろうと思います。したがって、基本給に必ずという、反映させろということを厚労省から指示をするということになれば、当然ボーナスであったり退職金であったり、いろんな形ではねてきますので、それが可能なところと可能ではないところと、いろいろあると思うんです。
 したがって、私どもとしては、絶えず、どういうふうに中で割り振っていくのか、そして、それをどう働いていらっしゃる方々に周知をして納得をいただくという民主的なプロセスを取って、その上でやっていただくかということは少なくともチェックをして、かつてはそういうことのチェックを十分していなかった時代もあったわけでありますが、それはちゃんとやっていただくようにチェックをしようということですが、最終的な細かな、何に充当していくのかということについてはなかなか指示をするというのは難しいのかなというふうに思います。

 福島みずほ君
 たくさん質問したいことがまだ残っておりますが、時間ですので、終わります。


 ■反対討論
 福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。
 希望の会(自由・社民)を代表し、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論を行います。
 第一に、今回の法案が、介護保険制度の根幹である介護の社会化や公的介護保障の充実を完全に破壊するものであるからです。
 政府は、二〇一五年の法改正で介護保険の本人二割負担を強行しました。その十分な検証もしないまま、今回更に三割負担へと拡大しようとしています。年金収入三百四十万円以上の人々を現役並みと一方的に位置付け、三割負担を強いるのは、生活破壊そのものです。
 反対理由の第二は、財政的インセンティブの名の下、自立支援や重度化防止を自治体同士で競わせ、本人の頑張りや自治体の工夫に介護の社会的責任を転嫁する内容となっているからです。
 一人の人間の人生が老いとともに最期の瞬間に向かっていくプロセスは様々であり、自助努力が必ずしも重度化防止や回復につながらない人もいらっしゃいます。そうした様々な住民を抱える自治体に対して財政的インセンティブを示すことが介護保険のあるべき姿とは到底思えません。
 反対理由の第三は、本法案の中で新たに打ち出されている共生型サービスが、効率化や生産性の向上の名の下、実際には安上がりな人員体制で複合的ニーズに対応させてしまう内容となっているからです。
 介護給付の居宅サービス十二事業、予防給付の介護予防サービス十事業を始めとする合計三十四もの事業が盛り込まれているにもかかわらず、その詳しい中身については省令に基づく自治体条例に委ねられているなど、具体的内容が明らかにされないまま法案だけが先行されようとしています。
 反対理由の第四は、こうした福祉の切捨てや軽度者を狙い撃ちにした介護制度の破壊が、所管省庁である厚生労働省ではなく財政審主導で進められているという点です。今回の利用者負担三割の導入についても、そのうち全員が三割になるでしょうと公言する識者さえ早くも出ています。このまま社会保障の切捨てが際限なく進めば、日本はもはや福祉国家と言えない状態に陥ると言っても過言ではありません。
 岡山市において、現在、六十五歳の誕生日の三日前に福祉支援サービスを打ち切られた男性障害者が裁判を起こしています。この男性は、処分を受けたとき、生きていくことを奪われたような気がしましたと訴えています。介護保険優先原則を進めてきた厚労省は、この男性の声をどのように受け止めるのでしょうか。
 今こそ、介護保険制度の本来の目的に立ち戻るべきです。全ての人々が安心して介護福祉サービスを受けられる社会をつくり上げるべきであると強く申し上げ、私の反対討論を終わります。
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