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GPIF損失5兆円 2016年4月14日参厚労委 | 福島みずほ公式サイト(社民党 参議院議員 比例区)

福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 GPIFは二〇一五年度の運用実績で五・一兆円の損失を出すという見通しが新聞報道で、これは野村証券の西川チーフ財政アナリストが出しているものですが、もう二〇一六年度に入っておりますので、五・一兆円の損失、この見通しで間違いないでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) GPIFの二〇一五年度の運用実績でございますけれども、民間専門家の方が御指摘のような試算をしているということは、報道を通じて私どもも承知をいたしております。
 二〇一五年度の年金積立金の管理運用実績の状況でございますけれども、これは従来と同様に、業務概況書という形でGPIFにおいて今後公表されるものと承知をいたしております。
○福島みずほ君 でも、見通しってあるでしょう。しかももう二〇一六年度になっているので、これは正しいのか正しくないのか、現状ではどれぐらいの損失が見込まれる見通しだと思っているのか、今の概算はどうなのか、教えてください。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 年度の年金積立金の管理運用実績につきましては、従来から業務概況書という形で、きちんとした分析とともに、また決算も経た上で確定数値としてGPIFから公表されるものでございますので、現時点におきまして私どもとして申し上げられるような見通しその他については持ち合わせていないところでございます。
○福島みずほ君 年金積立金の半分が株に投資をされているということは、国民のほとんど全てが、実は年金に入っている人全てが株の投資者です。株を投資している人間であれば、信託、あるいは銀行、あるいは証券会社に、私の株は損しているのか得しているのか、今幾ら損しているのか、今年、二〇一五年度で幾ら損しているのか聞いて教えてくれなかったら、それは真っ先に不信感を持つでしょう。どうして私は投資者なのに教えてくれないのか、何で教えてもらえないんですか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) まさに、年金保険料は国民からお預かりしております大事な将来の年金資産でございまして、GPIFがそれを将来の年金受給者のためにきちんと運用をするということでございます。
 その上で、従来から、GPIFの運用実績につきましては、国民に分かりやすい形で懇切丁寧にきちんとお示しをするべきである、こういった御指摘を各方面からいただいております。したがいまして、GPIFもこれに応えるということで、業務概況書としてきちんとした分析、国民の方々に、まさにお預かりをしているお金でございますので、分かりやすい御説明とともにお示しする、これを今GPIFにおいて準備をしていると、こういうように承知をいたしております。
○福島みずほ君 私は、せめて毎日出してほしい、あるいは一月ごとに示してほしいぐらいです。何でそんなに時間が掛かるのか分かりません。懇切丁寧な説明など要りません。結果の数字を教えていただくので国民は納得するというふうに思います。
 何で時間が掛かっているのか。二〇一五年度はもうだって終わっているわけでしょう。もう四月ですよ。何でこんなに遅れるのか。もし、これが普通の証券会社や信託、銀行だったら、ふざけるなと言われますよ、私の財産の、投資しているのを今すぐ教えてくれと。何でそんなに時間が掛かるのか、なぜ教えてくれないのかと言って出さなかったら不信感ですよ。
 だから、どうも怪しいというふうに思っていて、どうしてそれをすぐさま言わないのか。言うと国民が不安になるからじゃないですか。でも、国民は株の投資者にさせられているんですよ。塩崎さんが厚生労働大臣になって半分つぎ込んだから、それはもう前以上に株の投資者に国民がなっているんですよ。
 もし、これが五・一兆円の損失だったら、この規模で損失を出すのはリーマン・ショックのあった二〇〇八年度九・三兆円以来であり、まさにアベノミクス・ショックとも言うべきものです。今回の巨額損失の見通しに関する厚生労働大臣の見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは何度も申し上げてきたことで、年金は短期の運用でどうするこうするということではなくて、長期的な観点から運用をしていくということが極めて大事で、これは世界の年金の運用をしている機関は皆同じような発想でやっているわけであります。
 市場の動向によって短期的に損失が生じることもございますけれども、そのような動向はまず第一にほとんど大半は評価損益であって、プラスのときもマイナスのときもあるということで、実現損が出ているわけではまだないわけでございまして、これは長い目で見てどうするかということでございます。
 長期的な観点から安全かつ効率的な運用を行うというのが重要であって、平成十三年度の自主運用開始から昨年の十二月末までの運用益は、これも何度も申し上げているように五十兆円のプラスになっているわけでありますし、平成二十四年度から二十六年度までの三か年では毎年十兆円を超えるプラスということになっているわけであります。
 これらをトータルで見ますと、年明けからの短期的な市場動向によって年金積立金の運用状況が大きく変化したものとは考えていないところでございます。長期的には年金財政上問題があるわけでは決してなくて、むしろ引き続き大幅なプラスを維持しているわけであります。
 御案内のように、資産は負債の、ニーズに応じた運用ということをやらなければいけないので、これは、GPIFに委託をしているのは、名目賃金上昇率プラス一・七というので回してくださいということをお願いをしているわけでございます。
 これは、デフレじゃなくなってきた中で、この名目賃金上昇率も今二%とか三%とかそういうことになっていますから、そうなると、それプラス一・七で回らないと長期的に見た年金に必要な資産が回っていかないということになりますので、そういう中で経済情勢に合わせてポートフォリオを変えたわけでありますから、もしこれを全額国債に投入をする、投資をするということになれば、明らかにこれは長期的な年金財政に必要な利回りは確保できないということになります。ただ一方で、株式市場に投入をする、あるいは価格変動の大きな、国債に比べれば大きな金融商品に投入をすれば、当然標準偏差は大きくなって、ぶれは大きくなります。
 大事なことは、年金でお約束をして支払うといったことが本当に実現できるかどうかが問題であって、仮にこの組合せでないということであるならば、是非どういう組合せだったら一番いいのかということを御提案し、また教えていただければ有り難いなというふうに思います。
○福島みずほ君 それは、こんなに株を投資しないことですよ。日本の株に占めるいわゆる官製相場は一二・七%を占めている。韓国に次いで二番目ぐらいじゃないですか。こんなに多額の株を支えていくのは間違っているというふうに思います。
 それから、なぜ早く出せと言っているかというと、二〇一四年十月、安倍政権は多くの国民の心配を押し切って基本ポートフォリオの見直しを強行しました。初年度からこのように多額の損失が出るということであれば、基本ポートフォリオの見直しは失敗だったと言えるのではないですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、株を半分投資している国はないかのようなことをおっしゃいましたが、決してそんなことはございませんで、それは、まず第一にどこで運用するかにももちろんよります。それで、それによってそれぞれの国の公的年金は運用をされているわけでございまして、例えば、カナダでも国内株式と外国株式合わせて四九%、さらにそこに、いわゆるオルタナティブと言われているプライベートエクイティーがさらに一八%、約二〇%。ですから、これは恐らく先生の感覚からいけば非常にぶれが大きいものだというふうになりますけれども、そういうことには、そういう批判は余りカナダでも行われていませんし、スウェーデンでも国内、外国合わせて四六%の株式を運用をしているわけでございます。
 何度も申し上げますけれども、失敗とかなんとかおっしゃいますが、リーマン・ショックを含めた十年間を見ても、今のポートフォリオで回していった場合の利回りは四・三%で回るというふうに試算をされるわけで、変更前のポートフォリオだと三・二%でありますから、今のポートフォリオの方が、リーマン・ショックのような大きな、先ほど九・三兆円とおっしゃいましたが、これを含んだ十年でも今のポートフォリオの方が利回りは高くなるということでございますので、是非、株式をやめるということで御提案をされるならば、何をもってすれば名目賃金上昇率プラス一・七で回せるのかということを御提起いただくと大変勉強になるなというふうに思います。
○福島みずほ君 厚労省とやっていると、長期的に見れば大丈夫と。でも、俺を信じろ、俺に任せろって一番危険なんですよね。一番危険ですよ。悪いようにはしないと言う人は大抵悪いようにしますから、悪いようにはしない、俺に任せろというのは一番危険なんですよ。
 乱高下がある、でも長期的に見ればいいんだと言うかもしれないんですが、だったら出せばいいじゃないですか。一番の不信感は、乱高下している実際を出さないからなんですよ。俺は悪いようにはしないって、一番悪いようにするんですよ。出せばいいじゃないですか、乱高下している実際を。それを出すとみんなが不安がるから出さないというのはおかしいと思います。
 GPIFは、二〇一五年度運用実績を七月二十九日に公表するとしています。例年七月初旬に公表していることを考えると、参議院選挙の争点隠しにしかほかなりません。三月に締めて三か月以上の時間があるのだから、技術的にも何の問題もありません。公表を七月二十九日まで延ばす根拠はないのではないですか。そんなに長い時間がたつというのは、逆に、そうしたら無能の証明なんではないですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これはもう何度も、先ほど小池先生にも御答弁申し上げたとおりでございまして、今回、初めて確定日付を事前に公表することによって不必要な臆測を呼ばないようにしようということで、GDPと同じような発表の仕方をしていこうじゃないかということで、いつもは七月末までということでありまして、皆さんそれで、いつだいつだということでいろいろな臆測を呼んだわけでありますが、今回は七月二十九日ということを事前に公表することによって確定日付を御提示を申し上げたということでございます。
 したがって、七月末までの発表ということでありましたが、先ほど小池先生がお配りをいただいた最近十何年間かの日付を見ても分かるとおり、いろいろな幅があって、なおかつ今回は保有銘柄の開示についても新たな開示の仕方をしようということで今やっておりますし、それから、何度も申し上げますけれども、十年の歩みですから、分析も今まで以上にやらなければいけないということで、事前に決めた日付までに確実な開示を行おうと思っておりまして、いろいろな形で推測をされる方々がおられて、それはそれで結構なことだと思いますが、私たちは別に隠す必要もないし、隠す意思もないし、普通に淡々と分析をした上で公表をしてもらうということを今前提として動いているところでございます。
○福島みずほ君 だったら七月一日にすればいいじゃないですか、確定日付を。何も問題ないですよ。どうですか。GPIFの運用実績については四半期ごとの結果が毎期おおむね二か月後には公表されております。第四・四半期の結果が四か月後の七月まで出てこないというのはおかしいですよ。
 そんなに損させないって胸を張られるんだったら出せばいいじゃないですか。出してくださいよ。だって過去の実績だから、臆測でも何でもない。七月一日に出せばいいじゃないですか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今大臣からも御答弁申し上げましたけれども、これ従来は七月末までということでございますので、従来から七月末までということでいろんな準備を勘案して、そのまでというものを設定をいたしているわけでございます。
 そこで、その上で、今回はなぜ確定日付にしたかと申しますと、従来から行われているのは、市場が無用な推測をして、それによる混乱を避ける、そういうことで確定日付で出すと。そして、確定日付で出すからには、きちんと今までのような国民に御納得いただけるような準備をした上で出す必要がある。そういう意味で、私ども、大臣が申し上げているように、隠すつもりもございませんし、きちんと公表したいと思っております。
 具体的にはGPIFから公表するわけでございますが、繰り返しになりますが、公表は数字だけではなく、やはり国民の方々が、どうしてそうなったのか、年金財政との関係はどうなるのか、そういうことをきちんと説明を添えて出すのがきちんとした公表である、こういった考え方でGPIFが七月二十九日というものを設定したというふうに承知をいたしております。
○福島みずほ君 国民のむしろ不信を買いますよ。どうしてここだけ先延ばしにするのか、自信があったら早く出せばいいじゃないですか。こんなに投入したポートフォリオは大成功だったんだったら早く出せばいいじゃないですか。争点隠しですよ。
 国家公務員共済年金の二〇一五年度運用実績は、第一・四半期がプラス千百九十六億円、第二・四半期がマイナス二千三百二十二億円、第三・四半期がプラス千八百六十七億円となっております。かなりの乱高下であり、極めて不安定な年金運用になっていると考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(可部哲生君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、国家公務員共済組合連合会の二〇一五年度の運用実績は、ただいま委員が御指摘になったような結果となっております。
 年金積立金の運用につきましては、市場の動向によっては短期的に損失が生ずることもございますけれども、そのような動向に過度にとらわれることなく、長期的な観点から安全かつ効率的な運用に努めていくことが重要であるというふうに考えております。
○福島みずほ君 いや、これ、国家公務員の人が、OBが、OBG聞いたらショック受けますよ。
 地方公務員共済年金の二〇一五年度運用実績は、第一・四半期がプラス五千七百四十七億円、第二・四半期がマイナス一兆五千二百八億円、第三・四半期がプラス五千二百八十六億円、つまりマイナス四千百七十五億円で、かなりの乱高下で極めて不安定な年金運用です。いかがでしょうか。
○政府参考人(北崎秀一君) 地共済の二〇一五年度の運用実績につきましては、先生御指摘のとおりの数字となってございます。
 私どもも、国共済と同様、年金積立金の運用は市場の動向によっては短期的に損失が生ずることもありますけれど、過度にとらわれることなく、長期的な観点から安全かつ効率的な運用に努めていくことが重要であると考えているところであります。
 以上です。
○福島みずほ君 私立学校教職員共済年金の二〇一五年度運用実績は、第一・四半期がプラス六百二十七億円、第二・四半期がマイナス千六百六億円、第三・四半期がプラス六百九億円となっています。これまたかなりの乱高下で不安定な年金運用になっていますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(杉野剛君) 私学事業団の二〇一五年度の運用実績につきましては、先生御指摘のとおりでございます。
 私学事業団におきましても、年金積立金の運用に当たりましては、まずは安全かつ効率的な運用を行い、その結果、必要な年金給付を確保するということが重要でありますけれども、それは長期的な観点から対応すべき課題であると考えているところでございます。
○福島みずほ君 国家公務員、地方公務員、学校の先生たちのOBGの人たちは、この乱高下聞いたらやっぱりショックを受けるというか、長期に見れば大丈夫と言われるけれども、年金財政が本当に大丈夫かと。
 この運用について、今日それぞれ回答していただきましたが、やっぱりこれは私は基本ポートフォリオ見直しは失敗だったんじゃないかと思います。失敗じゃないと大臣がおっしゃるんだったら出せばいいじゃないですか、失敗じゃないって。失敗じゃないというのが参議院選挙後だというから、超怪しいというか、もう信じられないというふうに思っているわけです。
 GPIFの運用実績でも巨額の損失が見込まれる中で、本法案の一連の改正により国民の老後所得をリスクにさらすだけではないでしょうか。これでは、年金は一階から三階まで総ばくち状態ではないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 何度も申し上げますけれども、株式は一つの手段としてポートフォリオとして選ばれているわけでありますので、それに代わるということであれば、どういう組合せのポートフォリオで行くのが、先ほど申し上げたような年金の長期の運用として間違いなく確保しないといけない利回りというものを確保できるのかということを是非御提案をいただいて、我々に勉強させていただけたら有り難いと、こう思うわけでございまして、私どもは資産運用はあくまでも長期的な観点から安全かつ効率的に最大限の努力をしてやるという、それは経済情勢を前提にするわけです、デフレ時代のときと今は全く違うわけでございますので。
 元々、安倍内閣がスタートしたときは、株式市場は一万円ぐらいでありました。今は大体一万六千円台でありまして、そこから見ても時代は随分、経済状況は変わったわけですから、そういう中でどういうふうな組合せかということでポートフォリオを組ませていただいたわけであります。
 したがって、今回、一階、二階部分のことについては今御指摘のようなばくちでは決してありませんし、それから三階建ての、今回御提起申し上げております確定拠出型の年金制度についても、しっかりと投資教育もしながら、そして労使の話合いも大事にしながら、そして何よりも一人一人にお選びをいただくということを大事にしながら運用をしていただくような商品をそろえていただくようなことになっているわけでありますし、これは、自助、共助、公助の組合せでもって人生設計をしっかりと自ら組んでいただくという大事な手だての一つだと思っておりますので、三階までばくち状態だのようなことは全く当たっていないというふうに思います。
○福島みずほ君 アベノミクスが破綻をしたら、これもっとがたがたになりますよね。それから、株がなぜ上がったか。もちろんいろんな理由はあると思いますが、一つは株に大量に投入したからではないですか。これは循環していますよね。そして、やっぱり株はハイリターンの場合もあるけれどハイリスクの場合がある。だから、今日も来ていただきましたが、乱高下をしているわけです。ですから、私はやっぱりこのポートフォリオの見直しは失敗だったというふうに思います。
 繰り返しますが、失敗ではないというんだったら出してくださいよ。出せばいいじゃないですか、参議院選挙前に。私がやった基本的ポートフォリオの見直しは大成功でしたと出せばいいじゃないですか。何で出さないのか、本当にそう思います。
 公的年金では、老後の生活ができない高齢者が急増しております。老後に向けた継続的な自助努力の支援、結果として資産運用の活性化につながるという政府の政策は国民の納得が得られるんでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) ただいまの御指摘は、この法案の目的に関わる御質問だと思います。
 この法案は、先ほどから申し上げておりますように、ライフコースとか働き方の多様化が進む中で企業年金の普及拡大を図る、そして老後に向けた継続的な自助努力を支援するということでございまして、当然、資産運用の活性化というものを目的とするものではないわけでございます。
 今回の改正案の中には中小企業も取り組みやすいような様々な施策を入れさせていただいておりますし、それからまた、個人型の加入につきましても加入可能範囲の拡大をいたしております。その中では、対象となる専業主婦等の方々は、簡単なアンケート調査でも三割以上の方々が加入したいという御意向を示されていることから、これは国民の意向に沿った老後所得確保の支援、こういった取組であるというふうに考えております。
○福島みずほ君 本法案は、確定拠出年金における元本確保型商品の提供義務規定を削除することとしております。中小企業の多くは労働組合がなく、労使協議において労働者の意見が十分に反映されず、元本確保型商品の提供が確約される保証はありません。加入者はより高いリスクにさらされるのではないでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 確定拠出年金におきます運用商品でございますけれども、これ今回、元本確保型商品の義務規定を削除いたしました。商品の性格から申しまして、元本確保型の商品でございましても物価上昇等のリスクは当然あるわけでございまして、基本的にはリスク・リターン特性の異なる商品を組み合わせて提供する、それによって分散投資を通じて加入者の年金水準の確保にも資することとなる、これが基本でございまして、こうした考え方から、今般、元本確保型商品の提供義務を見直すとともに、その点につきまして、商品の選定、提示、これについて労使の判断に委ねる、こういうことにしたわけでございます。
 その中で、今御指摘ございましたように、労働組合のない事業所の場合、従業員による投票などによりまして過半数代表者を選出する、こういった仕組みでございます。この仕組みの中で、中小企業でありましても労働者の意見が十分にきちんと反映させる仕組みでなければなりません。そのために、労使による判断を尊重しながら加入者の意思を反映させる代表者の選出、これが適切になされているかどうか、これにつきましては、先ほど来御答弁申し上げているように、きちんと証拠の把握をいたしまして、必要に応じて指導監督もしてまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 今回のは確定拠出年金を拡大し、国民の資産で株価のつり上げを中心に景気対策を推進するのではないかというふうに思っております。
 厚生労働省には是非、七月二十九と言わず、確定日を早めて、私たちの政策は成功している、基本的ポートフォリオは大成功だったという成果を早く情報開示してくださるよう強く求めます。
 以上で終わります。
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○福島みずほ君 福島みずほです。
 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、確定拠出年金法等の一部を改正する法律案について反対の討論をいたします。
 昨年十一月に発表された一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策には、企業年金、個人年金の普及拡大や公的年金の改革を進め、公私を通じた年金水準の確保を図ると記されています。また、二〇一四年の日本再興戦略改訂には、国民の自助努力促進の観点から、確定拠出年金制度全体の運用資産選択の改善が記されています。
 本法案に反対する第一の理由は、このように公的年金の給付削減を前提として、国民の自助努力、自己責任によって年金の三階部分を増やし、老齢期の所得の確保を国民に押し付ける内容だからです。
 国民年金法の第一条は、国民年金が日本国憲法第二十五条生存権の保障の理念に基づいて、老齢や障害などの場合に国民生活の安定を図ることを目的にしています。政府は、まずこの理念に基づいて公的年金の保障に努力をするべきです。
 二〇一四年度からの消費税増税の影響で年金は実質減少しています。また、昨年度はマクロ経済スライドが初めて発動されました。その上、デフレ下のマクロ経済スライドの適用、支給開始年齢の引上げが検討されています。
 このような状況で、確定拠出年金の拡大による老後に向けた継続的な自助努力の支援という政府の説明は納得を得られないものです。
 第二の理由は、中小企業対象の簡易型確定拠出年金制度の創設、個人型確定拠出年金の加入対象者拡大により、拠出金、つまり国民の資産を活用して株価の引上げなど、金融資本市場の活性化に利用しようとしていることです。限界が見えつつあるアベノミクスの一環であり、誰のための政策か疑問を持たざるを得ません。
 また、第三号被保険者、いわゆる専業主婦や厚生年金が適用されない短時間労働者について個人型確定拠出年金の加入を認めることについても納得がいきません。政府は、女性の活躍を推進するというのであれば、まず、短時間労働者の公的年金保険の適用拡大を積極的に進めるべきです。
 第三の理由は、確定拠出年金における元本確保型商品の提供義務規定を削除していることです。
 元本確保型商品の提供が確約される保障がなくては加入者はより高いリスクにさらされかねません。賃金の水準で年金給付の水準が決まります。雇用の安定と最低賃金の抜本的な引上げは急務です。
 私的保険の拡大で繕うのではなく、土台となる普遍的な社会保障と最低生活保障の仕組みが必要だということを強く申し上げ、私の反対討論を終わります。

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