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国会活動-厚生労働委員会

子供の甲状腺がん 2016年5月19日参厚労委

190-参-厚生労働委員会-020号 2016年05月19日(未定稿)

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 子供たちの甲状腺がんの問題についてお聞きをいたします。現在、福島県民健康調査において、甲状腺がん又は疑いの子供たちは百六十六人、手術後確定は百十六名となっています。国立がんセンターによる試算では、二〇〇一年―二〇一〇年のがん罹患者、全国推計値に基づいて計算した場合、福島県において十八歳までに臨床診断される甲状腺がんは二・一人となっております。国立がんセンターがん予防・検診研究センター長の津金昌一郎博士は、約六十倍の多発としています。
 福島県県民健康調査委員会における中間取りまとめでは、これを踏襲して、「わが国の地域がん登録で把握されている甲状腺がんの罹患統計などから推計される有病数に比べて数十倍のオーダーで多い」という中間取りまとめを現にしております。ですから、現在、福島県県民健康調査における、これやはり多発ではないでしょうか、見解をお聞きします。

○政府参考人(北島智子君) 環境省が開催しました住民の健康管理に係る専門家会議の中間取りまとめにおきましては、今回の原発事故後の住民における甲状腺の被曝線量はチェルノブイリ事故後の線量よりも低いことや、チェルノブイリ事故で甲状腺がんの増加が報告されたのは事故から四、五年後のことであることなども踏まえた上で、先行検査で発見された甲状腺がんについて、原発事故由来のものであることを積極的に示唆する根拠は現時点では認められないとされているところです。
 また、福島県が開催した検討委員会の取りまとめでも、これまでに発見された甲状腺がんについては放射線の影響とは考えにくいと評価されております。
 津金先生の福島県の甲状腺がんについて多発していると評価している旨の御発言がございましたが、津金昌一郎先生からは、福島県の甲状腺がんについて自分としては多く診断しているとは考えているが、多発している、多く発生しているとは述べていないにもかかわらず、多発していると述べているかのように言われることは遺憾であると考えている旨をお伺いしておりますので、申し添えさせていただきます。

○福島みずほ君 私は、原発に起因しているかということは聞いておりませんが、先に答えていただきましたが、私がお聞きしたのは、数として多いのではないかということです。福島県県民健康調査委員会における中間取りまとめでも、数十倍の多発、推定される有病数に比べて数十倍のオーダーで多いという中間取りまとめを行っております。これは多いのではないんですか。多いかどうかという質問をしています。

○政府参考人(北島智子君) 環境省といたしましては、多発と表現するのではなく、例えば県民健康調査における中間取りまとめでの記載のように、甲状腺がんの罹患統計などから推定される有病率に比べて数十倍のオーダーとなっていると正確に表現することが適切であると考えております。

○福島みずほ君 数十倍のオーダーで多いんだったら多発しているんじゃないですか。

○政府参考人(北島智子君) 例えば、辞書では多発という言葉につきましては多く発生することと記載しておりまして、今回の検査におきましては、比較するものが非常に少ないということもありまして、通常どのぐらいの方が症状のない甲状腺がんを持っているかどうかということに比べて多いかどうかを判断できる段階にはないと考えております。

○福島みずほ君 いや、冗談はやめてくださいよ。だって、中間報告で推定される有病数に比べて数十倍のオーダーで多いと言っているんですよ。そして、ちゃんと多いと言っているわけだから多いんでしょう。
 じゃ、多いということは認められますか。数十倍のオーダーで多い、いかがですか。

○政府参考人(北島智子君) これまでの統計につきましては、症状があって病院にかかった方の数を集計しているものでございますので、直接比較することは困難であると思いますけれども、その病院にかかった方との数を比べれば、その数十倍のオーダーになっているということでございます。

○福島みずほ君 数十倍のオーダーで多い、多いということですね。今までより多い。なぜならば、今まで国立がんセンターによる試算では、二〇一〇年時点の福島県の十八歳以下の甲状腺がん有病者数は二・〇です。有病者数とは、潜在的なものも含めて実際に病気を持っている数ですから、実際発症していなくても二・〇なんですよ。それが今この数字なわけですから、これはとても多いでしょう。多いということは多く発見されている、これは認められますか。

○政府参考人(北島智子君) 大変精度の高い超音波機器で症状のないお子さんを検査していることによってたくさん発見されているということは認めております。

○福島みずほ君 違いますよ。手術を受けた子供たち九十六人の症例について、福島県立医大の鈴木眞一教授によるペーパーが八月三十一日公開をされました。リンパ節転移が七十二例に上ること、リンパ節転移、甲状腺外浸潤、それから遠隔転移などのいずれに該当する症例が九二%に上っています。だから、軽いとかというのじゃないんじゃないですか。実際、転移している例とか重症の例が、深刻な例が多いんですよ。

○政府参考人(北島智子君) 子供の甲状腺がんに関しましては、リンパ節転移がある例が多いということは学会等でも認められておりますが、そのリンパ節転移や浸潤がある例が必ずしも予後の悪いことに結び付くとは認定されておりません。

○福島みずほ君 ただ、もちろん術後の観察によって変化することは私も論文を読んで分かりました。しかし、何でもないのにというのではないんですよ。
 じゃ、多く発見されている、これは認めますか。

○政府参考人(北島智子君) 調査によってたくさん見付かっているということは認めております。

○福島みずほ君 調査によって多く発見されていることは認める、環境省から答弁ありますが、これ、環境省の管轄と一般的に言われていますが、病気というのはやっぱり厚労省ですよね。
 厚労省、これは質問通告しておりませんが、やっぱりこれ多く発見されている。いかがですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 今、県民調査の話をされておられたと思いますが、これはあくまでも環境省の事例は厚労省の技術支援の立場でございまして、私ども通告もいただいておりませんので、この辺は私どもがコメントする問題ではないというふうにまず思います。

○福島みずほ君 今日、環境省が多く発見されていると答弁してくださいました。これはやっぱりゆゆしい事態で、担当は直接、この甲状腺がんは環境省かもしれません。でも、福島の子供たち、実は福島県だけではありません、子供たちの甲状腺がんが発見されています。やはりこれは多く発見されている、大変な事態だと思います。これからさらにチェルノブイリの例によれば増えるかもしれないということを指摘する専門家もいます。
   〔委員長退席、理事羽生田俊君着席〕
 大臣、質問通告しておりませんが、是非子供たちの、とりわけ福島県の子供たちの甲状腺がん、関心を持って厚労省としてもやっていただきたい、いかがでしょうか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、この特定の調査、県民調査については環境省がおやりになっているので、私どもは技術的な支援を申し上げているということでございますが、もちろん、健康という意味においては国民全体に私どもは責任を負っていますので、これはどこと言わず、しっかり見ていかなければいけないということはそのとおりでございます。

○福島みずほ君 厚生労働省は是非関心を持って、子供たちの甲状腺がん始めとした健康について是非心を砕いていただきたいということを強く要望しておきます。
 では次に、福島県県民調査以外において、福島県及び近隣県の小児甲状腺がんの状況を把握しておりますか。

○政府参考人(北島智子君) お答えいたします。
 福島県及び近隣県における甲状腺がん等の疾病に関しては、環境省で開催いたしました専門家会議の中間取りまとめを踏まえまして、全国がん登録のデータ等を活用した疾病罹患動向の把握を進めていくこととしております。

○福島みずほ君 近隣県の小児がんについて、それはちゃんと調査をしているんでしょうか、改めて。

○政府参考人(北島智子君) これまで、がん登録等のデータを用いて研究班ベースでそういった情報を収集しているところでございます。

○福島みずほ君 どれぐらいありますか。

○政府参考人(北島智子君) 今まさに研究を実施中でございまして、結果がまとまり次第公表していく予定としております。

○福島みずほ君 いつですか。甲状腺がんの近隣県の子供たちのデータはいつ出てくるんですか。

○政府参考人(北島智子君) 研究班でございますので、研究が取りまとまり次第発表していただくということになってございます。

○福島みずほ君 実は、近隣県でもう甲状腺がんが出ているということが言われています、報告を受けています。
 だとすると、福島県の子供しか健康診断調査の、これは、国、やっていないわけですけれども、県境を越えて放射性物質プルームはばらまかれました。県によって閉じ込められているわけではありません。これはもう強く何度も言ってきましたが、福島県以外の子供たちにおいてもホットスポット地域を始め健康診断をやるべきだということを強く申し上げたいというふうに思います。
 それで、実は、福島県立医大以外でも百三の病院で受診するということができるということは知っているんですが、実は、私の知っている例で、全国歩くと、実は、福島県立医大ではなく別の病院で、信頼できる病院で手術を受けたいという子供たちの例を聞きます。これはやはり安全に、あるいは確実にと親が思っているからだと思います。
 この場合は診療報酬の対象になるのであって、全額免除ではないということでよろしいでしょうか。

○政府参考人(北島智子君) 検査につきましては元々診療報酬の対象外が原則だと認識しておりますが、それに伴う医療につきましては診療報酬の対象となっていると認識しております。
 なお、甲状腺の検査サポート事業につきましては、この県民健康調査の甲状腺検査を受けていただいた方に対して実施しているものでございます。

○福島みずほ君 健康診断調査を受けていない人について、ほかのところで発見された人については、では医療費の控除というのはないわけですよね。

○政府参考人(北島智子君) 福島県内でございますと十八歳以下の医療費を県として無料にしていると伺っておりますが、それ以上のお子さん又は他県にいらしているお子さんにつきましては、この医療費の補助、支援は受けられない仕組みになっております。
 福島県で行われている甲状腺検査サポート事業は、福島県が実施する甲状腺検査において必要なしこり、結節性病変が見付かった方に対して、医療に係る経済的負担を支援しつつ、診療情報を御提供いただくことで甲状腺検査の充実を図る事業となっております。
 こうしたことから、この甲状腺検査事業の対象になっている方にサポートしているというものでございます。

○福島みずほ君 結局、情報提供ということとある意味バーターで医療費の援助をしているので、ですから、この県民健康調査以外の検査で甲状腺がんが見付かった人は対象になっていないという点は極めて問題だと思います。
 甲状腺がんになった子供たちは、その七五%がリンパ節転移をしており、また甲状腺外浸潤や遠隔転移の症例も多いです。一度手術をした後、再発している症例もあります。
 しかし、こうした症例については、福島県立医大内の甲状腺検査専門委員会診断基準等検討部会で検討されるものの、同委員会は非公開です。ちなみに、同委員会は国の福島県民健康管理基金が充てられています。患者のプライバシーに配慮しつつも、きちんと公開し、対策を検討すべきだと考えますが、いかがですか。

○政府参考人(北島智子君) 御指摘の検討部会は、甲状腺検査専門委員会診断基準等検討部会かと思いますけれども、この検討部会につきましては個人情報を取り扱うため非公開で行われておりますが、その概要につきましては福島県立医科大学のウエブサイトにおきまして個人情報にも配慮した上で既に公開されていると伺っております。

○福島みずほ君 この福島県外の子供たちについても検査及び医療費の減免措置を打ち出すべきではないですか、改めて。
   〔理事羽生田俊君退席、委員長着席〕

○政府参考人(北島智子君) 県民健康調査の甲状腺検査につきましては、県外に避難された方等県外のお子さんたちにも受診の機会があります。そういったことで、この福島県の県民健康調査の一環として受けていただいた方につきましては県外のお子さんでもサポート事業の対象にしているところでございます。

○福島みずほ君 一巡目と二巡目とありますが、一巡目、二巡目合わせると百六十六人、二〇一四年から始まった二巡目検査で甲状腺がん又は疑いとされた子供たちは五十一人、この中には一巡目の検査で問題なしとされた子供が四十七名含まれています。
 問題なのは受診率の低下です。一巡目検査の受診率は八一・七%であったのに対し、二巡目の検査の受診率は激減し六二・一%です。でも、二巡目の検査で初めて、一巡目では問題ないとされた子供に甲状腺がんが発見されている。これらの健康診断調査、甲状腺についてずっと続けていかれるということでよろしいですね。

○政府参考人(北島智子君) 甲状腺がんの検査を含めた県民健康調査につきましては、当初より三十年を予定しております。

○福島みずほ君 きちっと二巡目についても、あるいはしっかり健康診断調査を受けるように、アピールや啓発もお願いします。
 女性が自分は甲状腺がんが見付かって手術をして、だから、皆さんどうか検査を受けてくださいというのを訴えているというのを聞きましたし、また、福島県では甲状腺がん患者の会がつくられて、情報交換と支え合いというのも始まっています。
 北島部長、改めて、多く発見されているということをお認めになって、対策を講ずるべきではないですか。

○政府参考人(北島智子君) 冒頭に申し上げましたとおり、この専門家会議の中間取りまとめ、また福島県が開催した県民健康調査の検討委員会の取りまとめでも、この甲状腺がんにつきましては放射線の影響とは考えにくい等と評価されているところでございます。
 ただ、チェルノブイリ事故でも甲状腺がんが発見されたのが事故後四、五年後からと伺っておりますので、この調査の結果をこれからもしっかりと注視してまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 今日、環境省が多く発見されているということを認められましたので、やっぱりこの多発の現状を踏まえてしっかり対策を取るべきである、厚労省も是非関心を持って心を砕いていただきたいということを申し上げ、質問を終わります。
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