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国会活動-予算委員会

国連女性差別撤廃委勧告 2016年3月17日参予算委

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 国連女性差別撤廃委員会が先日出した総括所見について、総括所見のフォローアップについて、民法改正と複合差別について、勧告の履行のためにとられた措置に関する情報を二年以内に文書で提供するよう要請されています。
 履行のためにどのような措置をとるつもりですか。

○国務大臣(岩城光英君) お答えをいたします。
 本年三月七日に公表されました女子差別撤廃委員会の最終見解においてフォローアップが求められている勧告の内容は、次のとおりであると認識しております。
 まず、民法につきましては、一つに、現行の夫婦同氏制度を改正し、婚姻前の氏を引き続き名のることができるようにすること、二つ目に、女性のみ十六歳としている婚姻年齢を男性と同等の十八歳に引き上げること、三つ目に、女性の再婚禁止期間の廃止等の改正を遅滞なく行うようにというものであります。
 次に、委員御指摘の複合差別につきましては、まず、マイノリティー女性に対する性差別的なスピーチ等を規制する法の整備、さらに、マイノリティー女性に対する偏見を解消する取組の効果のモニター及び評価を行うようにというものであると認識をしております。
 そこで、まず民法の改正について言及されたもののうち、選択的夫婦別氏制度の導入及び男女の婚姻年齢の統一についてでありますが、これは、我が国の家族の在り方に深く関わるものであり、国民の間にも様々な意見がありますことから慎重に対応を検討する必要があると考えておりますが、国民的な議論や国会における議論の深まりを関心を持って注視しているところでございます。
 また、女性の再婚禁止期間の規定につきましては、昨年十二月十六日の最高裁判所大法廷の違憲判決を受け、民法第七百三十三条第一項の定める再婚禁止期間を六か月から百日に短縮するなどの措置を講ずることを内容とする法律案を今国会に提出をしております。
 他方で、いわゆる複合差別についてでありますが、法務省としては、最終見解の趣旨を尊重しつつ、我が国の実情等を踏まえ、必要に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。
 いずれにしましても、女子差別撤廃委員会の指摘も踏まえ、どのような対応が可能か検討するとともに、今後もフォローアップの機会等を通じまして、我が国の立場や状況について十分な説明をし、理解が得られるよう適切に対応してまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 是非履行をお願いします。
 複合差別については、勧告は、法律を作ること、措置の効果の監視と評価を定期的に行うことをフォローアップとして言っています。いかがですか。

○国務大臣(岩城光英君) 先ほども申し上げましたとおり、この女子差別撤廃委員会の御指摘も踏まえ、どのような対応が可能か検討してまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 是非履行をお願いします。
 人種差別やヘイトスピーチは人間の尊厳に対する重大な人権侵害と考えますが、いかがですか。

○国務大臣(岩城光英君) 人種差別、それからいわゆるヘイトスピーチとされる言動は極めて残念なことであり、あってはならないことであると考えております。
 私たち法務省としましては、「ヘイトスピーチ、許さない。」というメッセージをポスター等に明確に示し、啓発活動、これを実施しております。そして、今後も、一人一人の人間としての尊厳が守られるような社会を実現するため、引き続き粘り強くかつ地道な啓発活動を行うとともに、人権相談等を通じまして人権侵害の疑いがある事案を認知した場合には、人権侵犯事件として立件し、適切な救済に努めてまいりたいと考えております。

○国務大臣(岸田文雄君) 我が国としては、自由、民主主義、基本的人権、法の支配、こうした基本的な価値観を重視しながら外交を進めております。
 御指摘の人種差別、これは、人種、民族的出身等に基づく区別、排除等によって平等の立場での人種及び基本的自由を享受することを妨げる行為であると認識をいたします。人種差別撤廃条約の締約国としてしっかり取り組んでいかなければならないと考えます。
 ヘイトスピーチについては、一部の国や民族を排除しようという言動があること、極めて遺憾であり、あってはならないと考えます。

○福島みずほ君 街頭での、ゴキブリ死ねとか帰れという、そういうデモなどが後を絶ちません。法務大臣、これは具体的な人権侵害ではないですか。

○国務大臣(岩城光英君) 一般的に申し上げますと、人権侵害とは特定の者の人権を具体的に侵害する行為を意味するものであります。したがいまして、人権侵害に当たるか否かは具体的な事案に即して判断されるべきであると、そのように考えております。

○福島みずほ君 法務省が二〇一六年度予算案でユニバーサル社会の実現に向けた新たな人権擁護施策の推進を新しい法務省の方針とし、二〇二〇年オリンピック開催をめどに人権大国日本の構築を掲げたことは評価をいたします。それを促した背景の一つとして、ヘイトスピーチ等による外国人排除運動に対する国連自由権規約委員会等からの是正勧告があるという理解でよろしいでしょうか。

○国務大臣(岩城光英君) 東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控えまして、訪日外国人の数が急速に増加する中、外国人の人権がより重大な課題となっていくことが予想されます。また、本年四月一日に施行されます障害者差別解消法の下、障害のある人に関する理解を一層促進する必要があります。
 そこで、外国人や障害のある人の人権を始めとした国内の人権状況をより良いものにするため、人種、障害の有無などの違いを理解し、自然に受け入れ、互いに認め合うことのできるユニバーサル社会を目指し、人権大国日本を構築することとしたものでございます。こうした施策を推進することとするに当たりましては、近年、いわゆるヘイトスピーチが大きな社会問題となり、マスメディアやインターネット等で大きく報道されるなどしたことや、自由権規約委員会及び人種差別撤廃委員会から勧告があったことなどを踏まえております。
 法務省の人権擁護機関としましては、常に我が国の人権状況に関する諸事情を広く把握し、的確な取組、対応を実施できるよう今後も努めてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 二〇一四年には国連自由権規約委員会と人種差別撤廃委員会の両方からヘイトスピーチについて禁止などの適切な措置をとることが勧告されております。どのような検討がされ、実行されるんでしょうか。

○委員長(岸宏一君) 岩城法務大臣、端的な答弁をお願いします。

○国務大臣(岩城光英君) 人種差別を禁止する特別かつ包括的な法についてということでありますが、法律による規制につきましては、現行法の下でも、いわゆるヘイトスピーチとされる言動が民法の不法行為に該当する場合には、そのような行為を行った者に損害賠償責任が発生いたします。また、一定の場合には刑法の名誉毀損罪等が成立し得ることから、刑事事件として取り上げるべきものがあれば刑罰法令を適用して適切に対処しております。
 他方、民法の不法行為にも刑事罰の対象にもならない行為に対する規制については、正当な言論までも不当に萎縮させることになりかねず、表現の自由との関係を慎重に検討しなければならないと承知をしております。
 法務省といたしましては、現行法の適切な適用をしつつ、引き続き粘り強くかつ地道な啓発活動を行うとともに、人権相談等を通じて人権侵害の疑いがある事案を認知した場合は、人権侵犯事件として立件し、適切な救済に努めてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君 現行法では止まらないので議員立法として法律が出ておりますが、新たな立法が必要だと考えます。人権大国日本の構築のためには、国連の人権諸機関から度々指摘され、世界的には整備されている制度を日本が整備しなければならないのではないか。例えば個人通報制度の受入れについて、これまで国連のどこの機関からいつ勧告されたのか、全て挙げてください。

○政府参考人(水嶋光一君) お答え申し上げます。
 個人通報制度の受入れの検討に関しましては、国連の人権諸条約の委員会から公表された最終見解におきましてそれぞれ次のとおり勧告されております。
 自由権規約委員会からは一九九三年、九八年、二〇〇八年、二〇一四年でございます。社会権規約委員会からは二〇一三年。女子差別撤廃委員会からは二〇〇九年と二〇一六年。児童の権利委員会からは二〇一〇年。人種差別撤廃委員会からは二〇〇一年、二〇一〇年、二〇一四年。それから、拷問禁止委員会からは二〇〇七年と二〇一三年でございます。

○福島みずほ君 規約人権委員会と女性差別撤廃委員会において個人通報制度を批准している国はそれぞれ何か国ですか。

○政府参考人(水嶋光一君) 御指摘の個人通報制度を規定しております選択議定書につきましては、自由権規約については百十五か国、女子差別撤廃条約については百六か国がそれぞれ締結をしております。

○福島みずほ君 日本政府が推薦し、自由権規約委員を二十年務め、委員長にもなった京都大学安藤仁介名誉教授は、日本がこの点で肩身の狭い思いをしたと述懐をしています。
 二〇二〇年オリンピックをめどに人権大国を構築し、また、五月に伊勢サミットを開催するなら、その前に個人通報制度を採択し、サミットでそれを紹介すべきではないでしょうか。もう十分検討はできており、政府が決断すればすぐに採択は可能ではないでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君) 我が国として人権諸条約の実施の効果的な担保を図る、こういった観点から、個人通報制度、注目すべき制度と認識をしております。
 個人通報制度の受入れに当たっては、我が国の司法制度や立法政策との関連での問題の有無、実施体制の検討課題があると認識をしており、その是非については、各方面から寄せられる意見も踏まえつつ引き続き真剣に検討を進めている、こうした状況にあります。
 御指摘の個人通報制度、すぐに進めるべきではないかという御指摘ですが、今申し上げました点をしっかりと検討しながら、真剣に検討を続けていきたいと考えています。

○福島みずほ君 検討は理解できるんですが、最高裁も、これは批准しても構わない、自分たちがハードルではないと言っています。何がハードルなんですか。人権大国と言うのであれば、これはもう批准すべきではないですか。

○国務大臣(岸田文雄君) 検討の中身ですが、要は、個人通報制度、これは委員会から見解が各国に示されることになるわけですが、この委員会が国内判決と異なる見解を示した場合にどう対応するのか、あるいはこの司法手続が行われている最中に見解が示された場合どのように対応するのか等、我が国の司法制度や立法制度との関係において検討する必要がある、こういった認識で検討が続けられています。
 まずは、人権関係の諸条約に基づく国連等に設けられた委員会に対する個人からの通報事例、これを可能な限り収集する、こういった作業を進めながら、今の点につきましても検討を続けているということであります。

○福島みずほ君 日本が批准しない理由が分からないんですね。先進国ではほとんどこれはもう批准している、韓国もどこも批准している、そういう中でなぜできないのか、諸外国がやっていて日本がやれないわけはないと。
 私は、人権大国ということでこれを批准すべきであると、ヘイトスピーチをなくすために前進すべきだということを申し上げ、質問を終わります。
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