■ DV防止法案
参議院の「共生社会に関する調査会」において、男女平等、その中でも女性への暴力について取り組んできた。1999年秋には、イタリア・イギリス・ノルウェーに、調査会として視察に行った。2000年4月から調査会のもとにプロジェクトチームが作られ、私はその中の1人として、DV(ドメスティック・バイオレンス)防止法案を作ってきた。超党派で通常国会に上程し、今国会の成立をめざしている。タイトルは、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律案(仮称)」である。
罰則付きの保護命令を新設したため、男性のみに適用される刑罰だと憲法違反の恐れも出てきてしまい、「女性に対する」というのではなく、男女共用の法律となった。ただし、なぜこの法律を制定するに至ったかを明らかにするため、男女平等の視点を置いた前文を設けた。
特長は5つあり、第1に、罰則付き(懲役1年以下又は100万円以下の罰金)の保護命令を新設したことである。地方裁判所は、6か月間の接近禁止命令、または、2週間の退去命令を出すことができる。同居をしている場合は、「退去させる」という命令を出すことになり、退去をした後、必要があれば、「接近をするな」という接近禁止命令を求めることもできる。この命令に反した場合は、刑事罰の対象となる。これが、新しい制度である。ストーカー行為規制法は、中止命令を警察の行政処分として行うため、DV防止法は何としても裁判所(それも対立的構造を扱うことに慣れた地方裁判所)が、違反した場合の罰則付きの命令を出すようにしたのである。
第2に、保護命令の申立ての場合は@配偶者暴力相談支援センター又は警察に相談し保護などを求めた場合は、その報告書か、A公証人役場で申立人の供述を記載した書面の認証を受けたもののいずれかが必要である。これは、将来もっと簡単に申し立てられるように見直されるべきところだと考える。第3に配偶者暴力相談支援センターを置くことである。第4に、国及び地方公共団体のNGOに対する援助を明記していることである。第5に、教育・啓発の条文や3年以内の見直し規定を設けた。
DV被害者が使いやすいように法律を運用したい。
■平和の安全保障
議員になってうーんと変わったことは、テーマが広がったことと動きがうんと国際的になったことである。もちろん前からあちこち行っていたが、国際的な枠組みの中でやっていこうということは格段に増えた。
社民党は、日本・中国・韓国・朝鮮民主主義人民共和国・モンゴル・ロシア・アメリカ・カナダの8か国によって、多国間の対話を進めるための「北東アジア総合安全保障機構」を創設することを提唱している。土井たか子さん・田英夫さんを中心に、今まで韓国、モンゴル(国連で非核を宣言している)、そして中国を訪問してきた。私は今年の1月上旬、中国訪問に一緒に行った。江沢民さんを含めていろんな人たちと話をすることができた。また、3月5日・6日と2日間、東京で、社会主義インターアジア太平洋委員会が、社民党をホストとして開かれた。社会主義といっても、現在は、社会民主主義で、イギリスの労働党もドイツの社民党もみんな社会主義インターに加盟している。本当にうらやましいのは、ヨーロッパの多くの社民党が、政権党になっていることである。アジアの中でもニュージーランドは、労働党政権であり、オーストラリアも労働党は、現在、政権党ではないものの、近い将来なるとも言われている。
今回の3月5日・6日の会議には、韓国のミレニアム党と北朝鮮の労働党が同席し、また、ビルマのアウン・サン・スー・チーさん率いるNLDの人も出席した。そして、東京宣言を採択した。朝鮮半島統一プロセスの継続的発展と信頼醸成に取り組むこと、日本の社民党の提案する「北東アジア総合安全保障機構」の創設の支持、沖縄の米軍基地の計画的・段階的整理・縮小およぴ撤去を求める提案の支持が盛り込まれている(宣言文がほしい方は言ってください)。4月の下旬には、社会主義インターは、土井さんを団長として、韓国・北朝鮮を訪れる予定である。
戦争によって血を流すのでなく、とにかく平和のために汗をかきたい。沖縄選出の東門美津子さんは、米軍のことでアメリカの女性議員たちと対話をしようとしている。
具体的に平和のためのプログラムづくり、実践をしていく。これで、がんばりたい。
■民法改正案
夫婦別姓選択制の導入と、両親が婚姻届を出さないで生まれてきた子ども(婚外子)の法定相続分差別の撤廃を盛り込んだ民法改正案を、超党派で国会上程しようとがんばっている。
与党の中の公明党は、長い間民法改正案に賛成である。自民党の中も少しずつだが、女性の進出と世代交替も進んでいる。そんなことも少しは影響をしているかもしれない。
ところで、KSD疑惑で逮捕された村上正邦さんは、参議院で証人喚問された。それを見ていて感無量だった。法制審議会が5年間かけて民法改正の答申を法務大臣に出したのは、1996年春。ところが、このとき法務省は改正案を国会上程できなかった。自民党の中でこの法案をつぶした急先鋒が村上正邦さんだった。私の法律事務所にも「夫婦別姓は家族を崩壊させる」というパンフレットを送ってきた。
その後、野党は、何度も議員立法として提出。衆議院と参議院のそれぞれの法務委員会で審議入りをしたものの廃案になっている。
しかし、ここ10年間の動きは大きいのではないだろうか。現に国会議員の中でも別姓は、珍しいことでもなんでもなくなっている。社民党の中では婚姻届を出さない共同生活を送っている人が、私と北川れん子さんと植田むねのりさん。阿部知子さんも別姓である。
国会に来て思うことは、「夫婦別姓は家族を崩壊させるなんて言う人に限って愛人がいる」ということである。「滅私奉公(これは森喜朗さんの座右の銘である)と言う人に限ってゴルフをやめない」のであり、「もののふとして死に場所を求めてきたと言う人に限って、証言拒否14回」ということである。「国を愛する心を育てるなんて言う人に限って自分のことしか考えていない」ということである。それにしても「憲法を改正すべきだという人に限って、汚職事件が起きる」ということもある。村上正邦さんは、参議院の憲法調査会の会長だった。
参議院選挙の前までに、民法改正が実現できるようがんばります。
■人種差別撤廃に向けて
日本は、最近、拷問禁止条約や人種差別撤廃条約を批准したものの条約が有効に活用されているとは言えない。裁判で条約が利用されたことは1例しかない。日本政府は2000年1月に、第1・2回定期報告書を提出した。しかし、残念ながら、差別の現実やこれからの改革についての記述はほとんど見られない。
先日3月8・9日に、ジュネーブの国連人種差別撤廃委員会で、その報告書が審査された。日本からも大勢のNGOがロビイングに訪れた。3月20日、日本政府に対して最終勧告が出された。かなり具体的でいい勧告であり、今後の差別撤廃に向け、大いなる力になることは間違いない。
2001年夏、南アフリカ共和国のダーバンで、国連主催による「反人種主義・差別撤廃世界会議」が開催される。日本においては、石原都知事の外国人排外発言をはじめとして、ひどい状況である。法制度上の問題点だけでなく、雇用、住居、教育、日常生活の面での差別など数多く存在している。人種差別撤廃条約や国際会議、国連での審理は日本の中での在日韓国・朝鮮人、アイヌ民族、外国からの移住労働者、被差別部落出身者などに対する差別や排外主義をなくしていくための有効な機会である。
これからどういうことが必要だろうか。
まず、第1に、人種差別禁止法を作ることである。男女平等のために、男女共同参画社会基本法が存在するように、人種差別を撤廃するために人種差別禁止法を作る必要がある。第2に、人権救済のための第三者機関をきちんと設けることがある。
社民党の中でも人種差別禁止法案を作ろうとしている。雇用や教育や地域や、家を借りたり、お店に入ったりするときのサービスを受けるにあたって差別を受けないと規定することは必要であろう。論点のポイントは、まず第1に、刑罰の規定を設けるかどうかであろう。第2に、その中でも表現活動についても刑罰の規定を設けるかどうかである。正直言って、私自身も今、迷っている。差別的表現は許せない反面、刑罰を課すとなると別の問題点も生じてくる。皆さんのご意見はどうでしょうか?
日本の中にあるさまざまな人種差別に、具体的にどんなものがあるかをみんなで共有し、法案を作ることをやっていく。運用面の改善もめざしたい。
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