■機密費
2001年度の機密費の予算は、官房機密費が16億円、外務省機密費が55億円、他の諸庁の分も合わせて合計78億円。衆議院の予算案が成立したが、何と1円も削減されていない。参議院の予算審議ではなんとかしたいものだ。
機密費の問題の最大のものは、全くのブラックボックスで、何に使われているかわからないということである。国会で、そして、国民によってチェックができないのである。全くのフリーハンド。国会の中で今まで質問し続けてきたけれど、項目すら明らかにされていない。
まず、第1に、外務省機密費から官房機密費に対して「上納」されている。これは明らかな財政法違反である。結局、機密費というのは、行政から国会までにまたがる使途一切自由の巨大なお財布である。
第2に、内部にいる人からもらったメモや証言などによっても、税金の使い道として全くおかしい使い方がされていることがわかった。おせんべつや評論家に対する訳のわからない支払い(与党に対する協力費としか思えない)や自民党の選挙対策に使われたり、国会議員に多額に払われたりしている。サミットに随行した外務省の職員には、局長クラスで、40万円、次が、30万円、次が20万円という具合に役職に応じて自動的に支払われた。おかしい。公務員が、仕事をしたことについて、多額のお金を受け取るのは、おかしい。前室長が、馬を買ったり、マンションを買ったりしたのはおかしい。しかし、彼個人の問題ではなく、他の機密費の使われ方もおかしいのである。もっと言えば、機密費そのものの存在がおかしいのである。
機密費は、政権維持装置として使われてきた。家来にするための「アメ」であり、「キビダンゴ」である。内閣が、国会やメディアや評論家の人に言うことをきかせるために使われてきた。また、行政内部の飲み食いや「手当」としても使われてきた。政治を腐らせ、行政を腐らせてきた。
これからどんどん追及して中身を明らかにしていく必要がある。情報社会の時代に全くのブラック・ボックスはおかしい。今後も追及していきます。
■有事法制と教育
森総理の1月の施政方針演説の中で、一番ギョッとしたのは、有事法制について研究を進めるといったくだりである。秋の臨時国会では、有事立法が出てくると言われている。森総理が総理ではなくなっても、この点は引き継がれるのではないか。
有事法制には、第1に国家機密法、第2に国家総動員法(日米ガイドライン周辺事態法は、国家総動員法の面を持っている)、第3に、平時およぴ戦時における基本的人権の制限という面の3つによって成り立っていると思う。
基本的人権を制限するような立法が、秋から出てくるのではないか。外に向かって無理な争いをするときは、内部の管理を強める必要がある。
総理大臣の諮問機関である教育改革国民会議は、去年の12月、報告を出した。小・中学生は2週間、高校生は1か月、18歳になると一定期間(中間報告では1年間となっていた)、集団生活で、すべての人が奉仕をするというものである。こんなものを通すのだったら、まず、国会議員から全員で集団で1年間奉仕をしてからやるべきだと思ったりする。
若いときの貴重な(若くなくても貴重だけれど)1年間を何と思っているのだろう。いじめにあっている子どもにとっての集団生活は厳しいだろうなと思うし、不登校の子はどうなるんだろうと考える。教育についての法律をどう変えようとしているか本当に要注意である。
日の丸・君が代、国旗・国歌法が国会で成立するときの政府の答弁は、「強制はしません」というものだった。繰り返し繰り返し「強制はしません」と答弁をしたにもかかわらず、野党の指摘どおり強制がすさまじい勢いで進んでいる。
「新しい歴史教科書を作る会」の教科書も恐ろしい。歴史を社会科学としてやろうという姿勢は全くない。以前、ニュース・レターの中で「子どもがターゲット」と書いたけれども、まさにそのことが著々と進んでいる。どんな教科書で勉強をするのか大人たちももっともっと議論をすべきである。
「国家のために奉仕をする子ども」を育てようとしているとしか思えない。
■青少年社会環境対策基本法案
今、本当に子どもたちは、受難の時代である。14 歳といえども大人だ、普通の裁判所で検察官の尋問も受け、「受刑者」となるべきだと少年法は改悪された。他方、子どもなのだから、「有害環境」から守ってあげるべきだと自民党は、「青少年社会環境対策基本法案」を国会に上程しようとしている。子どもたちはまさに「対象」である。
子どもたちは為政者たちにとっていい味が出るダシである。他に、たとえば、警察庁は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案」を提出する予定である。これは、18
歳未満の人が、テレホンクラブを利用しないように、FAXなどで身分証明書などを送り、年齢を確認して、18歳未満の者が、テレホンクラブを利用できないようにするものである。「いいじゃない」と思われる人がいるかもしれない。とんでもない。テレクラを利用する人間は、すべて、名前と年齢確認がされるのである。そもそも素朴に18歳未満の人間がなぜテレクラを利用できないのかと私は思うし、仮に18歳未満は利用させるべきではないと考えるにしても、18歳より上か下かを判断するために、すべての人の確認をすることになり、おかしい。集積した情報が悪用されたらとんでもないことになる。子どもをダシにとんでもないことをするな!
「青少年社会環境対策基本法案」も子どもをダシに、政治がメディアに介入しようとしているのではないか。まず第1に、この法案は、「急激な情報化の進展、過度の商業主義的風潮のまん延」が「青少年有害社会環境の弊害を深刻化・増大」させていると決めつけている。第2に、法案が言う『青少年有害環境』が極めて漫然としていることである。法案は、これについて、「青少年の性若しくは暴力に関する価値観の形成に悪影響を及ぼし、又は性的な逸脱行為若しくは残虐な行為を誘発し、若しくは助長する等青少年の健全な育成を阻害するおそれのある社会環境をいう」と言う。しかし、これはいくらでもどんな解釈でもできる内容である。第3に、内閣総理大臣(えっ!)又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、事業者に対し、必要な指導・助言・勧告・氏名の公表ができる。まさに政治によるメディア介入である。
■エネルギー基本法案
自民党は、今国会に「エネルギー基本法案」を上程する予定と言われている。何が何でもこの上程をさせないようにいろんな人とがんばりたい。
去年の臨時国会では、あれよあれよという間に原子力発電促進法が成立してしまった。アメリカのハワイ沖で、えひめ丸をひっくり返した原子力潜水艦のように、「急浮上」して、衆議院でも参議院でも何と数時開の審議で成立させてしまったのである。原子力発電所の立地などに関しては、「特別会計」からお金が出ていたのであるが、「一般会計」からもお金が出るようにしたのである。
これに味をしめたのか、今回もかなり法案を伏せておいて、「急浮上」させて、あれよあれよという間に成立させてしまおうというのではないか。なぜ今このような「エネルギー基本法案」を成立させなければならないのかわからない。
自民党のある国会議員が、雑誌のインタビューで「国が原子力発電に責任を持つということを明らかにしない限り、電力会社は原子力をやれない」という旨を答えている。
この法案は、第1にタイトルは、「エネルギー基本法」だけれども、原子力をエネルギーの根幹にすえる原子力位置づけ法、あるいは、原子力押し付け法である。
そして、第2に、自然エネルギーの促進については抑制的に働く。なぜなら、エネルギーの「質・量・時間」を問題にしており、これらのキーワードは、たとえば、「風力発電の電気は、質が悪い」(本当はそんなことはないのだが)というように、自然エネルギーをけなすときに使う言葉だからである。自然エネルギーを促進するのではなく、自然エネルギーを抑制するために、この法律は使われるだろう。
第3に、肝心の国会などによるエネルギーに対する民主主義的コントロールも全く盛り込まれていない。21世紀初頭にこんな、逆行する法律なんてとんでもない。そんな大問題ありの法律をこっそり通そうとするのも本当におかしい。21世紀に作るべきは、原子力押し付け法ではないはずだ。自然エネルギーを促進する法律であるべきだ。また、国会、ひいては、国民による民主主義的コントロールもなされるべきである。
社民党は、対案を作っている。しかし、重要なことは、こんな法案を、国会に上程させないことである。
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