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2000年6月5日発行
11 号



   
「神の国」から「人の社会」へ
   
国会報告
いい法律、悪い法律どんどん通る 国会の動き、要注意・要チェック
   
対談1
 東門(とうもん)みつ子さん・福島瑞穂
「平和発信と男女平等参画を進めたい」
   
対談2
安田せつ子さん・福島瑞穂
「命や環境を最優先する政治に変えよう」
   
書評
共生と協調の社会へ向けて―未来への扉を開く
 『聖杯と剣』〈リーアン・アイスラー著/法政大学出版局〉
(評者:戸田綾美)
コラム:「なぜ西村真悟さんは強姦発言を連発するのか」
   
OPINION
大詰めを迎えた「自然エネルギー促進法」
飯田哲也
 「やり直せるよ」というメッセージ ―アミティの哲学―
 坂上 香
   
MIZUHO NOTES
   
 
   
   

 
6

OPINION
 大詰めを迎えた「自然エネルギー促進法」
 飯田哲也(「自然エネルギー促進法」推進ネットワーク代表)
 Tetsunari Iida

4月半ば、自然エネルギー促進議員連盟から「自然エネルギー発電促進法」の統一案が提示され、成立に向け、いよいよ大詰めを迎えている。解散含みの国会状況だが、国会上程に持ち込めれば、解散後の召集国会にも成立が期待される。
 当初、われわれ「自然エネルギー促進法」推進ネットワークがドイツに倣って提案していた「自然エネルギーからの電力の買取りを義務づける法案」(買取り義務づけ法)に加えて、同議員連盟では、米国で始まった「自然エネルギーからの供給割合を義務づける法案」(RPS法)、さらには日本的な計画公表を盛り込んだ法案などが提案され、調停に苦慮していた。そのため同議員連盟では、電力会社や通産省などの当事者の声も聞きつつ、成立を優先して内部での調整を図ってきた。
 その結果、「買取り義務づけ」や「供給割合義務づけ」などの「強い」措置は見送られたが、「買い取り約款」という、自然エネルギーからの電力に対する新たな買取りルールが定められることとなった。これまで電力会社だけに委ねられていた買取りが、こうして公共政策に移行しただけでも大きな成果といえよう。成立を重視して土壇場で妥協を重ねたとはいえ、自然エネルギーの促進には大きな効果が期待される。しかも、成立すれば、エネルギー政策では市民と政治が実質的に主導した初めての法案となる。
 折しも、法案の中身としても「密室」のプロセスにおいても対極にある「原発促進法」が自民党の一部から提案され、真正面から「対決」の構図にある。いずれを選ぶか、その選択には、エネルギー政策と日本の未来がかかっているといっても過言ではないだろう。

「やり直せるよ」というメッセージ〜「アミティ」の哲学〜
 坂上 香(ドキュメンタリー・ディレクター)
 Kaori Sakagami

95年から現在に至るまで、私は、米国・アリゾナ州に拠点を持つ犯罪者のための更正施設「アミティ」の取材を行ってきた。これはNHK衛星放送でドキュメンタリー番組として放映され、反響を呼んだ。『癒しと和解への旅』(坂上香著/岩波書店)のエピローグにおいても触れた。
 「アミティは画期的だが、ああいう考え方は日本では受け入れられない。まず、土壌が違うから」
 番組を見た多くの人から、何度この言葉を耳にしたことだろう。そしてその度に「そうだよね」と変に納得してしまう自分と、「そういうあんた達が土壌を変えようとしないんじゃないか!」という苛立つ自分との間で揺れ続けてきた。
 この4月、その「アミティ」から2名のスタッフ(女性)が来日した。犯罪の凶悪報道が続き、厳罰化傾向の強まる中で苛立っていた私は、番組を見て心を動かされたという人に声をかけ、招へい企画を立ち上げたのだ。事務所も資金もない全くのど素人数名が、4ヶ月余りで300万円近くの資金を集め、2週間の講演ツアーを実現した。
 全国8ヶ所の会場には、延べ2000人が足を運んだ。私は各会場で、アミティの話を聞く参加者の表情が、共感と希望でみるみるうちに和らいでゆくのを何度も目の当たりにした。非行や犯罪を犯した人を家族に持つ人々、また、アルコールや薬物依存症、暴力、盗癖、摂食障害…様々な問題を抱える当事者達が、自らの境遇や問題を語る場面もあった。「やり直せるよ」という講演者のメッセージと彼らを温かく包み込む会場の人々。涙が溢れてどうしようもなかった。
 「土壌が違う」ことを理由に何もしないでいるのはよそう。そう思わせてくれる2週間だった。

 

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