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1999年12月22日発行
9号



   
さらば1999年 こんにちは2000年
   
国会報告
   
「女・子ども・お年寄りを中心に据えた社会を実現したい」
対談 阿部知子・福島瑞穂
   
福島事務所のミレニアムの抱負 2000〜3000
   
福島事務所で考えた2005年の社民党の広告
   
MIZUHO NOTES
   
 
   
 
   
   

 
3

  

阿部知子(あべともこ)
  千葉徳洲会病院院長
  衆議院・神奈川(藤沢)予定候補
福島瑞穂

■社会がどうなればいいのかな?

福島瑞穂 阿部さんと直接知り合うようになったのは、この前の参議院選挙で神奈川選挙区から社民党で立候補されたときからですね。阿部さんのほうが私より10歳ほど年上で,頼もしくて,社民党のイデオローグになるように思いました。私は阿部さんの演説を聞くと、「そうだ、そうだ、もっともだ。まったくその通りだ」となるわけで、阿部さんの演説を聞いた人は、皆さんそう思うんじゃないでしょうか。今日は21世紀の抱負や、社会がどうなったら気持ちいいかなとかですね。そんなことを一緒に話しましょう。
阿部知子 私は、ある日から急に社民党って言って出たわけです。それまでの社民党を知っていたわけでもないし、逆に瑞穂さんのほうが、お父様とお母様かな、社会党支持でずっと来られたということで…。
福島 そうですね。
阿部 21世紀のキーワードは、「女・子ども・高齢者」。
 従来であれば、社会の中心じゃなくて、端っこのほうに寄せられてて、女性政策とか、対子ども政策、高齢者対策とか、中心じゃなく、1つの政策で手当てしてあげる相手だった人を中心に据えないと世の中住みやすくないんだなというのが分かりかけたのが、21世紀の入口だと思うのね。
 逆に言うと、子どものこと、お年寄りのこと、女性達の暮らしのこと、生きていくことを中心に据えた、皆が生きやすい政策を党として体現できるのはどこか。ヨーロッパの社会民主主義っていうことも自分の意識の中にあったし、やはり土井さんが率いる社民党が、唯一そういう香りを持っている。現実の政策には申し訳ないけど至らないこともあって、社民党のとった政策の中でいくつか合意できない部分もハッキリしてあるのね。だけど、党をつくるときには、中心、骨格って何なのか。それは、女・子ども・高齢者です。それを社会の中心に据え直していける政党ということです。
 なんで私がそういう思いになるかというと、小児科医として、亡くなるような患者さんを診てきたわけね。で、ある意味では、子どもでも死が訪れるって一番避けたいもんじゃない。たとえば、親の死、おばあちゃんの死というのは、順送りと思えるとか、納得できるけど、子どもの死は,非常に不条理で、不合理で,でも納得するしかないということをやってきて、いつも死んでいく子にも、幸せな時間があり、幸せな毎日があるということを考えてきたし、魅せられてきた。そういうのをやっていると、やっぱり、社会がどうなればいいのかなって考えてしまう。
 今までの社会党ないし社民党は働く者の党としてやってきた。それは間違ってはいないし、そこで頑張ってつくってきた反戦平和も大事。でも,大きな発想の転換で、皆が余力で、女・子ども・老人のことを考えていた部分を,そうじゃなくて、皆が情けは人のためならずで、自分達も活き活きとハッピーライフを生きるためにというふうにしていきたい。
 ちょうどそんなときに社民党が小さくなった。その分、新しい質のもの,今,ここをやらなくてはいけない。労働運動も大事、平和運動も大事、その中で、その鼎(かなえ)っていうの、三本柱が作れる時代になったかなって思う。

■女性達の政治参加は不可欠
福島 私達はたまたま女性だし、たまたま子どもがいたりしてますよね。ずるずる引きずって。私の女友達が、人間は何か痛みをもっているとまともになるということを言ったのね。国会の中にいると、痛みのない人が多くて、自分は間違っても戦争には行かないし盗聴もされない、自分は盗聴する側、コマを回す側と思っている人ばかりなので、とても居心地が悪い。それを大きく変えたいと思いますよね。
阿部 時代の変わり目で、多くの女性達が暮らす感覚を政治に当たり前に持ち込まなくちゃいけない。小さい者、弱い者について、たまたま女性が育児とか、保育とか、介護に携わってきたことで歴史的に培われてきた能力、そういうものが政治の世界にも必要になったと思うから女性達の政治参加は不可欠だと思う。とりあえず、個々の女性の資質を問う前に議員の半分は女性にしてほしい、当たり前なんだから。それから論議が重ねられて、政治の方向も見えていくと思う。
福島 今は過渡期で社民党もパッと花咲く時期ではないけれど、辛抱の時期がないと花も咲かないわけだから。世の中は暗いし、悪い法律はバンバン通るけれども、何か希望があるんですね。
阿部 変わっていっている時期であるという実感はね、それは悪いほうにもいいほうにも変わるということなのね。でも、子どもの成長を見てるとやっぱり1つひとつバランスを崩しながら、次のいいバランスにもっていってるのね。成長というのは、子どもを見ていると、顔だってだんだん変わってでき上がっていくし、過渡期というのは、むしろいい時期だと思う。出てきた法律は、ヒドイのばっかりだけど、だけどそこで問われているもの、じゃどうすればいいかということは、むしろいろいろとやりようがあって、楽しい時期だと思う。

■優しさは力
福島 今,私は社会民主主義みたいなものをまともに根づかせたいと思っていて、そのために頑張りたいと思っているんですね。だって生きていくのがしんどいもんね。
阿部 皆がしんどさをもっていると思う。若い子達もそうだし、過剰な競争というのかな、人を蹴落とすだけの生き方って,「もういいよ」っていうことで、子ども達だってね、違う形で優しくなりたいと思っているでしょう。
福島 私達の子どもの頃って、もっと学歴主義でしたよね。それが壊れてきた。
阿部 それは就職先がないということで壊れざるを得なかったところもあるし、そんなにして、その先に何があるのって考えるし…。
福島 男の人もいい学校出ていい会社に入れば、その後はエスカレーター式に上がるというのが壊れて、女の人もそういう人をつかまえれば、一生安泰というのも壊れたんですよね。
阿部 私は病院にいるから働く女性が多いわけね。私は、院長なんだけど、当たり前に働き出しているというわけで、特別なことじゃない、働くことは当たり前なのよ。
福島 空気吸うみたいに当たり前なのよ。なぜ女は働くかという議論はやめてくれ! だって食うためだもの。
阿部 食うためだし、生きるためだし、楽しく生きるためよ。孤立しないためだし、そうなって当たり前だし、そうなっていくために条件を変えていかなくちゃいけないでしょう。
 あのね。社民党のチラシで、「優しさは力」っていうのがあったのね。今の時代というのは、優しいというのが力なのね。人を差別しない。踏んづけられた人の痛みを知る。そしてやっぱりパイが小さければ、ちっちゃなパイを一緒に分けて食べようと。自分だけがバッと取って、あんたこれだけなんてしない。優しさが力というのは、今までの社民党のキャッチフレーズの中で最高だと思う。大好きよ。
福島 阿部さんは、医者でしょう。私、それは阿部さんの中にあるような気がするね。
阿部 医者をしてきたからね。どんなにマッチョで威張っていても、病気を1つ得れば、人間がいかに脆(もろ)く、弱く、はかないか、見てしまうわけよね。強いことばかり言ってたって、人間は紙一重。本当にあなた強者、あなた弱者っていうのじゃないの。ホント紙一重。そういうの毎日だから。
福島 それはもう絶対的に強者なんてありえない。どんな人でも強い所と弱い所がある。
阿部 自分が強い所ばっかりでがんばらなきゃいけない、強い所だけで生きてやると思ったとき、実は,自分も辛くなっちゃうわけよ。私は、団塊の世代の多くの男性の中に、指導的立場の人の中に、申し訳ないけど、優しさというのが見えてこない。政治家なら、政治を力だと思っている姿しか…。
福島 数が力だ。政権奪取。
阿部 そう。どこの党とは言わないけど、私は嫌なの。それに対して、何を対峙するかといったら、当たり前の女性達が政治参加しようということよね。それは市政もそうだし、県政・国政はもちろん。
 土井さんがやったことですごかったというのは、一見それまでの候補者らしくない女性を擁立したことだと思う。これまでは議員の妻が夫が死んだ後に候補者になるというような形しかなかったわけね。
福島 乱世だからチャンバラで生き抜かなくちゃいけない,そこが面白いんだと。でもそこで男のような政治をやるつもりもないと、21世紀は女がハードボイルドをやるのだと思ったりとかね。だからタフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がないと…。
 ただ歴史とかいろいろ見ていると、原始女性は太陽であって…ではないけれど、歴史の中でやっぱり共生社会があって後に殺戮の競争の原理が出てきて…。昔は城壁を囲って都市つくる前に、戦いに備えるのではない集落があったりするでしょう。だから1000年、2000年、もっと長いスパンで見ると、すごく波があって、かなり男女共生的な所とかなり殺戮の歴史があるから、非常に今は、歴史の面で恵まれないという面もあって、面白いところではあるよね。

■いろんな女の人が出てくるといいね
阿部 あのね、最後にメッセージだけど、私とか瑞穂さんは、比較的社会的に医者とか、弁護士とか、強い資格で、私なら、包丁、じゃないメス、いや聴診器一個持って、瑞穂さんなら口先ひとつで、生きていけるような仕事について、たまたま政治が変わったらいいなってやっているけど、もっと当たり前に働いている女性達の立場とか、そういうのを体現した候補者がたくさんうんと出てほしい。
福島 いろんな女の人が出てくるといいね。
阿部 もちろん労働運動も大事、働く女性達の働き方の問題としてもね。一緒に組み込んでね。それは男性の働き方が変わることだし、そういう人達が、もっともっと何でもありでね。それから山中えつ子さんみたいにNPOで活躍しているような人。今.NPOに1000万人の人が参加しているわけね。
福島 素敵な人が山ほどいますよね。
阿部 だから候補者どんどんもってきて頂戴。
福島 仲間をつくるのが本当に夢なんです。いろんな飴玉みたいでそれぞれ個性があって、良さが違う中で、そういう人が、全国津々浦々さまざまな所にネットワークを組んでいくことで社会を変えられると思っているんですよね。何か目標があって変えられるというよりも、すごく長いスパンの中で変わっていくだろうとか…。でも法律ももう少しまともなものを作りたいですね。
阿部 そうです。是非! 頑張ってください。
福島 お互いに頑張りましょう。今日はどうもありがとうございました。


 

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