■団体規制法
団体規制法が本当に残念ながら成立した。12月27日から施行されるので、スピード施行となった。
正式名称は、「無差別大量殺人行為を行なった団体の規制に関する法律」。一般的に、オウム特別立法と呼ばれた。しかし、条文上は、オウム真理教のみに適用されるとは読めないものである。法律が成立するときに、違憲であるとして大反対運動が起きた破防法ですら、「団体が継続又は反復して将来さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行う明かなおそれがあると認めるに足りる十分な理由があるとき」には団体活動を制限することができるとしているのに対し、このような要件すら必要とされていない。精神的自由権は、いったん制限されてしまうと回復が困難になるため、「明白かつ現在の危険」といった要件がない限り、制限できないのに全くひどいものである。被害者救済法も団体規制法の適用を受けた団体について、破産法の特例を定めたもので、問題である。団体規制法を前提としない被害者救済法を修正案として出したが、否決をされた。
■子どもへの虐待
新聞を見ると子どもへの虐待のニュースが後をたたない。口も聞けないような乳児や小さな子が虐待によって命を奪われるということは本当に痛ましい。国会のなかでも活発に議論がされるようになった。たとえば、衆議院の青少年問題に関する特別委員会で児童虐待防止に対する対策が話し合われ、12月に決議が出された。通常国会のなかでも議論になる予定である。
社民党では合同部会を作り、検討を続けている。子どもの虐待については、法律の面、制度の面で多くの問題があるので、拙速ではなくきちんと立法をしていくべきだと考える。虐待の通告義務の徹底や児童相談所の対応(スタッフの人員増は必要です)、引き離し、親権制限(親権の一時停止などの制度は必要)、親のケアについて、子どものケア全般について、虐待防止・禁止、宣言の規定などが課題ではないだろうか。「実の親子で暮らさないとかわいそう」「施設はかわいそう」という偏見も打ち破っていく必要があるのでは。私も勉強しています。
■女性への暴力
参議院の共生社会に関する調査会において、女性への暴力をテーマに議論をしてきて、中間報告が出た。9月末から10月にかけて、イタリア、イギリス、ノルウェーに、調査会で視察に行った。ノルウェーのように男女平等が進んでいる国でも、殺される女性の半分は、夫あるいは恋人に殺されている。(日本とアメリカは約3割) でもノルウェーの自立支援の取り組みやイギリス・ノルウェーのシェルター(緊急避難所)活動などは大変参考になった。
イギリスの家庭内暴力禁止法は、妻に家の占有権を認め、夫に、接近禁止命令を出すことができる。暴力を振るわれている妻が何もかも捨てて家を出ざるを得ない日本の状況と何と違うのだろう。行く所がなく、じっと耐えている人も一杯いる。韓国・台湾などアジアの国々でも家庭内暴力禁止法は成立した。日本でもみんなで力を合わせて法律を作りたい。2000年は、女性への暴力禁止法と民法(夫婦別姓選択制など)が成立する年にしたいものだ。共生社会に関する調査会では、意思決定の場への女性の進出もテーマにしている。
■税金の使われ方
実は、国会に来てそんなにカルチャーショックは受けなかった。法務委員会に入ったこともあって今までの延長線上でやっている感じもある。でもカルチャーショックを受けた一番のことは、扱う金額の大きさである。弁護士として扱う金額はそんなに大きくなかった。せいぜい何億というくらい。しかし、国会の予算は、一般会計で83兆5400億円。何億円と聞いて、一瞬「少ないな」と思ってしまうこともあってドキッとなる。国会はどこの世界よりも「ヤクザな世界」である。それは何といっても83兆円というお金のぶんどり合戦をするところだからだろう。
ところで、今年の国債依存率は、43.4パーセント。税収よりも国債の金額が初めて上回った。とんでもない。人のカネだと思って、こんなバラまきをしていいのだろうか。年金改悪法は、みんなのがんばりで、継続審議となった。1994年に、国会で年金の国税負担を将来3分の1から2分の1に引き上げると決められたのに、それも将来先送りとしている。銀行につぎ込む何十兆円の一部でも年金にまわせば解決するのに。税金の配分が間違っている。
■定期借家法
国会でいつも思うことだけれど、悪だくみを持つ法律は、美辞麗句で飾られている。「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」と聞くと、「いい法律じゃない」と思われるかもしれない。しかし、条文を読むとそうじゃないんだよね。
定期借家法によると、期間が満了すると、正当事由がなくても家主の気の向くままに借主は明け渡しを要求されることになる。期間満了後継続する場合でも6ヶ月の予告でいつでも契約を終了させることができる。引き続き借りたい場合は、貸し主の条件(たとえば家賃の値上げ)を飲まざるを得ないということになるのではないか。
転勤のときに一時期だけ人に貸したいので、借主へ明け渡し請求がすぐできるほうがいいと思う人もいるかもしれない。しかし、こんなリロケーションは、1992年から施行されている借地借家法において期限付建物賃貸借という制度が設けられ、活用されている。「良質な賃貸住宅等の供給促進」になるとは思えないけどな。「使用価値」「生活財」を「交換価値」「生産財」が圧迫する時代である。
■沖縄普天間基地移設問題
沖縄が普天間基地移設問題で再び大きく揺れている。普天間基地撤去決定は、多くの米軍基地を押し付けられた沖縄の人々への配慮からだった。危険、騒音などに苦しめられていたからである。それをまた「沖縄の別のところ」では、もっと便利な施設にするというだけにすぎない。代替施設予定地とされる名護市は、住民投票で移設反対を多くの市民が表明したところです。大田元知事を破った稲嶺知事が行なった決断は、このような経過をすべて踏みにじるものである。稲嶺知事の決断の直前、アメリカ国防総省の一つの報告書が明らかになった。そこには「普天間代替基地は運用年数40年、耐用年数は200年」と書かれている。やはり長期にわたって使える機能強化が目的であることがはっきりした。一方で稲嶺知事は代替基地の使用は15年間に限定している。この限定がある限り、名護であれ沖縄のどこであれ、代替基地にはなり得ないとも言える。政府に国防総省報告書の提出を求めたところ、なんと「持っていない」と回答。どうやら政府はアメリカには40年、沖縄には15年という二枚舌を使うつもりらしい。
■脱原発へ
太陽光,熱・風・波力による発電、小水力、バイオマス(木くず・家畜のフン尿など)などの再生可能な自然エネルギーなどによる発電を促進しようと自然エネルギー促進議員連盟が発足した。約250人の国会議員が参加。超党派の大きな議員連盟である。勉強会もし、また、自然エネルギーの割合を高めるようにがんばりたいものである。
10月のJCOの事故は大変ショックだった。中性子線が19時間出続けたにもかかわらず、住民は屋内待避をして、室内で被曝し続けてしまった。
新しくできた原子力防災法は、政府が対策本部を設置し、都道府県へ指示、都道府県が市町村に指示するというマニュアルを法律化したものである。現場での地元の首長さんの自由な判断により避難命令ができなくなるのではないかと心配である。
社民党は脱原子力政策プログラムを検討中。脱原発へ向けて具体的なプログラムを実践します。
■盗聴法その後
1999年は盗聴法が成立したくやしい年。施行は2000年8月。それまでに法律を廃止したいものだといろんな人と運動を始めた。どうか一緒にやって下さい。
決算委員会で質問をした。警察庁と法務省は、それぞれ別々に盗聴について予算要求をしている。警察庁はDVD(デジタルビデオディスク)を使用する1台約750万円かかる専用の「盗聴用記録装置」62台を来年度予算として要求している。750万円もするDVDとは一体どんな機能を持っているのか驚きである。国会答弁では政府は、「複数のテープレコーダーを同時に回す」などと説明し、DVDのことなど全く説明も予定されていないのである。ひどい話である。これからも追及していく必要がある。
ところで、神奈川県警などの不祥事が、盗聴法成立後吹き出してきた。捜査上知り得た証拠を悪用したり、地位利用による個人情報の漏洩のケースなどを見ると、盗聴法が悪用された場合が想像されゾーッとする。警察については、監視のための第三者機関が必要である。
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