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2007年

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参議院 厚生労働委員会 2007年06月18日

◆日本年金機構法案、国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案及び厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律案、以上三案一括参考人質疑


◆参考人質疑◆


 

◆参考人質疑◆

○福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。
 まず、磯村参考人にお聞きをいたします。
 この間、例えば漢字を仮名に変換をするときに適当に入れてしまっているという問題や、あるいは旧台帳など台帳を捨てているという問題、それから十年前、基礎年金番号を導入するときにもっと広報をしてみんなから、今通知をして戻すというようなことをやるべきだと思いますが、そのことを十年前にやっていたらもう少し事態は変わっていただろうと思うのですが、特にこの台帳を捨てている、通達を出して捨てている、先日、昭和十七年から昭和二十九年までの旧台帳を捨てているという答弁で、マイクロフィルムに撮っているからいいんだと言うんですが、なぜ大事な旧台帳というか、永年保存となっているのに捨てるのか、全く理解ができないんですが、もう素朴な疑問、どうしてこんなひどいことが起きるのか、それについての御意見をお聞かせください。

○参考人(磯村元史君)
 難しいですな。ただ、一つ言えますことは、原簿を捨てるということは、これは法令違反の疑いがありますね。
 それから、漢字を仮名に入力するというときの問題といたしましては、当時、昭和五十年代から仮名入力をしていたと思うんですけれども、当時はもう既に漢字ラインプリンターというのが開発されておりました。私、現役のときには自分で使っておりましたので承知しておりますが、なぜその漢字ラインプリンターを組み込んだハードを入れなかったのか。お金をけちったんじゃないのかなとも思いたくなるんですけれども、その辺がむしろ解明のポイントになるんじゃないかというふうに思われます。
 直接の御答弁にならない説明で申し訳ありませんが。

○福島みずほ君
 NTTデータベースと日立に一兆四千億円お金を掛けて、コンピューターのお金を使ってきた、そして著作権は社会保険庁が持たないということですが、そのコンピューターというか、このデータの処理、それから全体の仕組みについての問題点と提言をお願いします。

○参考人(磯村元史君)
 尽きるところは一つだろうと思います。要は、単年度主義会計を改めない限りこの問題は解決できないと思います。
 なぜならば、ソフト資産というのは繰延資産になるわけでございます。繰延資産になるということは、今の官庁、単年度式会計ではなかなか容易に導入できないというふうに伺っております。まあ、私はそうでもないと思うんですけどね。
 以上でございます。

○福島みずほ君
 佐藤参考人にお聞きをいたします。
 私は、厚生省年金局や社会保険庁の業務文書を提出して、きちっとやはり年金記録に関してどういう文書をかつて出してきたかということなどを明らかにすべきであると。
 それから、今ワンビシアーカイブズというところに、民間の倉庫に七千九百万円使って例えば台帳のマイクロフィルムなどを預けているというふうに聞いているんですが、年金記録の管理状況をすべて正確に把握すること、どこにどんな台帳があって、どこにどの部分のマイクロフィルムがあってどういう管理をしているのかなど情報公開をこの際徹底的にやらないとまた雲散霧消するんじゃないか、大変心配をしています。その点についてどうお考えでしょうか。

○参考人(佐藤英善君)
 まず、あれでございますかね、総務省の検証委員会というのが今動いていますね、あれはそういうことをまずおやりになるんじゃないんですか、一つはね。
 それから、一般的に情報公開をどういう形で、だれでもできるようにすべきなのか、あるいは国会が求めるべきなのか、いろんなレベルございますよね。国民それぞれが求めるということになりますと混乱を招いちゃうかもしれない。それであれば、国会のレベルであるとか検証委員会とか、責任を持ったところできちっと求められまして、それでおやりになるというのが、まずどうでございますかね、その方が僕は実効性が高いと思うんですけどね。そういうことであれば、どうぞ。

○福島みずほ君
 国会として求めたいと思いますが、いかがお思いでしょうか。

○参考人(佐藤英善君)
 それはよろしいんじゃないですか、国権の最高機関ですからね。

○福島みずほ君
 山田参考人にお聞きをいたします。
 今回の法律改正の中に、やはり事務費として保険料を使うということの提案があるわけです。この点については、幾ら限定的といっても、法文の解釈上どうしても拡張解釈もあり得るわけで、事務費について保険料を使うということはやめるべきだと思いますが、この点についてどうお考えでしょうか。

○参考人(山田稔君)
 私はやめるべきだというふうに思っています。
 やっぱり国民といいますか、加入者側からすると、自分たちが加入をして保険料を払っている、それはすべて自分たちの年金につながるという信頼も含めて加入をしてきているわけですから、拡大解釈ができ得るような状態に広げていくべきでは決してないというふうに私は思っています。

○福島みずほ君
 磯村参考人にお聞きをいたします。
 三年前、年金積立金の使い方や、あるいは資産運用で株を買ったりすることはどうかといった議論を、三年前この委員会で非常に展開をしました。年金積立金というのはどうあるべきか、あるいはその運用についてどうあるべきか、監視についてどうあるべきかについての御見解を教えてください。

○参考人(磯村元史君)
 年金積立金というのは老後の資金でございます。老後の資金の運用は、まず減らすべきではないというのが原則だろうと私は思っております。減らすべきでないんであれば、少なくとも市場変動のリスクのあるもの、すなわち株式あるいは外債、こういった市場変動のリスクのあるものについての運用はすべきではないと思っております。したがいまして、今の運用のやり方は非常に問題を含んでおると。現実に、数年前には数兆円の損失を出して問題になったことがあって、やっと最近、過去の損失も取り消してやっと水面下に浮上したように聞いておりますけれども。
 一方では、今運用利回りの予定を年率、毎年でございますよ、毎年、百五十兆円の資金を四・一%に回そうとしております。この毎年四・一%というのは大変なことでございます。といいますのは、ほぼ八割近いものを債券で運用せざるを得ませんので、七割、八割の債券の運用、例えばこれが一・五ぐらいしか回りませんと、残り二、三割の市場変動のあるものの利回りを、これは計算してみればすぐ出てまいりますけれども、一〇%強に回さないと全体としての予定利率四・一%を維持できないわけですね。それを公約にするというふうなことは非常に危険極まりない運用であるなというふうに思っております。
 以上でございます。

○福島みずほ君
 磯村参考人に、事前に配付された論文に、例えば数十の天下りポストが新たにできることになると、焼け太りとはこのことであるというふうに批判をされていらっしゃるのですが、今回の法案についての評価、それからなぜ焼け太りという可能性を指摘されるのか、教えてください。

○参考人(磯村元史君)
 まず、焼け太りと指摘しました文章の意図は、もう既に御審議をいただいております政府管掌健康保険の各都道府県移管といいましょうか、その部分についてでございます。
 その際申し上げましたのは、実は健康保険に限らず保険というのは大数の法則でもって運営するのをよしとしております。したがって、分母が小さくなる分割というのは保険の理屈に反するわけでございます。なぜ反してまで各都道府県に保険者の機能を移さなければならないのか。推測いたしますと、多分、天下りのポストをつくりたいからであろうと、こういう推測を下したわけでございます。
 以上でございます。

○福島みずほ君
 各政党も、社民党もマイ年金通帳といったものを例えば作って、それを本人が見て常に確認をしたりというふうにするとやっぱり本人の意識も高くなりますし、また記憶漏れが補充できたりと思うのですが、佐藤参考人、こういうふうな提案についてはどうお考えでしょうか。

○参考人(佐藤英善君)
 実は私自身も被害者なんですよ。なぜかと申しますと、私の名前は佐藤英善と書きますけど、読み方はヒデタケなんですね。そうしましたら、大学を出まして一年半ばかり民間企業出ましたら、その分が、大分前でしたけど、ちょっと確かめてみましたら間違えておりました。しかし、直観的に多分ヒデヨシと読んだんじゃないかと思いまして、コンピューターで調べていただいたらすぐ出てきたんですよね。今そういうことを気が付いたんですね。
 それで、手続を取りましてそれをつないだんですけど、六十歳を過ぎていましたんで、ある部分は、一年数か月分は消えちゃったんです、時効で。そこで、年金手帳が来たのが多分六十歳になる直前とか、ある一定の時期なんでしょうね。常時持っているようなものじゃないんですよね、しかも私はもう少し先にもらおうと思っていましたから、だから余り関心がなかった。
 そういうことを考えますと、常時関心が持てるような何か仕組みも取るのも、それはよろしいんじゃないでしょうかね、やっぱり、と思いますが。

○福島みずほ君
 貴重な被害体験をどうもありがとうございます。
 磯村参考人にお聞きをします。
 ちょっと膨大で申し訳ないんですが、安倍総理はコンピューターの五千万件の照合をまたやると、五千万件のうち受給者だけか分かりませんが。私というか社民党自身は、もっと台帳、マイクロフィルムとそれからオンラインのをきちっと照合をすべきだ、あるいは台帳を全部やっぱり、ほこりかぶったのも含めて全部出して照合をすべきだとか、あるいは今回の時効の援用をしないということの金額などもいろんな見積り出ておりますが、莫大なお金が掛かると思うんですね。
 これは、ちょっと突然聞いて済みませんが、どれぐらい費用が掛かるというふうに思われているのか、あるいはこの費用は一体どこから出すべきかという点についてお考えを教えてください。

○参考人(磯村元史君)
 正直なところどれぐらい掛かるか見当が付きませんが、ただ、今委員おっしゃいましたように、現在多分ワンビシアーカイブズの倉庫及び高井戸の業務センター、こういったところに保管されているであろう資料並びに各市町村にもしやあるかも分からない原簿でございますね、こういったものはいったん全部集中して名寄せをすべきだろうと思います。名寄せというのは、人間の名前に、あるいは番号に書類を合わせることでございます。これをやらない限り、必ずや根拠がない、判定委員会でも判定ができないといううらみが残ります。これは必ず残ります。
 したがって、そのための費用がどれぐらい掛かるかは、正直、原簿なり書類なりを集めてみないと分かりませんが、じゃ、その財源はどうするんだということでございます。
 これは大変途方もない意見かも分かりませんが、例えば、今公務員、国家公務員百万人、地方公務員三百万人、合計四百万人おられます。これの年間の給料が約三十兆円でございます。今回の事件は、民間企業であれば社員全体が連帯して負うべきものであります。日本国、株式会社日本国の社員はだれかというと、公務員でございます。そのほかに、株式会社日本の取締役は国会議員の皆さん方であります。したがって、現国会議員の皆さん方と社員であるべき公務員の皆さん方が連帯してこのお金を負担する。まあ全部とは言いません、ごく一部で結構です。
 例えば、今三十兆円のわずか〇・一%でございますと、年収五百万の人は五千円出せばいいんですよ。そうすると、全体で三百億円集まります。それから、国家公務員共済組合と地方公務員共済組合の年金の積立金が約五十兆円ございます。これも〇・一%拠出していただくと、そうしますとこれ五百億円出てきます。両方で約八百億円出てまいりますが、これを財源の一部にするというふうなことで、今回の件は本当に皆さん済みませんでしたと、公務員寄ってたかって、国会議員も含めて頭をそって、お金を出しておわびしますと言うと一件落着すると思います。
 以上でございます。

○福島みずほ君
 今回、民間委託というのが一つのポイントになっているのですが、他方、一九八〇年代、アルバイトや派遣の人にデータを入れさせたと。もちろん、派遣が駄目、パートが駄目、アルバイトが駄目というわけではないんですが、そのときの管理体制と指示の徹底などが不十分だったんではないか。最近も新聞に、当時入力した人がおぼつかない感じでやっていたというふうな実体験が出ておりましたけれども、今回の民間委託で一体この年金業務がどうなるのか、大変心配をしています。
 この年金相談も、インターネットで派遣で募集をしている。経験、学歴不問で十八歳から六十五歳までで、どなたでもできる仕事ですというふうな中身なんですね。これでみんなの今の年金の不安にこたえられるかという思いがあるんですが。
 山田参考人にお聞きをします。この民間委託ということが、本当にこれで年金安心してきちっとできるのか、あるいは分割をしてどこが最終的に責任を負うのか、その点についてはいかがでしょうか。

○参考人(山田稔君)
 今、年金機構法案が出て、民間といいますか、そちらありきの議論が進んでいますが、本当に国民が心配していることがどうして民間じゃないと駄目なんですかというのが率直な疑問だというふうに思います。どうして、これだけの問題を起こした社会保険庁といいますか、国、厚生労働省、社会保険庁が、本当に責任を感じて自らの手で解決をするということがどうしてできないんですかというのが、私は率直な意見だというふうに思っています。
 この間、確かにアルバイトの方とかが入力に携わられてという問題があるかというふうに思っていますが、それはその方々の問題というよりも、システムとして非常に問題があったということを聞いております。そういう点では、民間だから駄目、公務員だから駄目、そういうことじゃなくて、私は、今回の問題はだれが責任を負うのかという点では、正に国、厚生労働省、社会保険庁がまず責任をしっかり負うべきだというふうに思っています。
 なぜこれほどまでに社会保険庁の解体を急がなければならないのかというのは、国民にとっちゃ全く分からぬ議論だというふうに思っています。これだけの問題が出たからこそ、余計に、社会保険庁の解体をストップさせてでも、全力を挙げて問題解決に当たるという姿勢を国が示すべきだと私は思っています。

○福島みずほ君
 ありがとうございます。
 磯村参考人が先ほど、これだけデータの問題など問題になっているところでこの法案を通すと、逆に雲散霧消するというか、一体どこがどう責任を負うのか、あるいはノウハウがどうなるのか、あるいは関連するデータの保存が、ただでさえ今分割をしているわけですが、どうなるのかとおっしゃいましたけれども、私もそれを実はとても心配をしています、前のことが分からなくなってしまうんではないか。その点についてはいかがでしょうか。

○参考人(磯村元史君)
 過去の省庁再編のとき及び情報公開法の施行のときに、実は政府の保有する文書ががくっと減ったことがございます。これはどこかのホームページに出ていますですね、役所の。その理由は定かではございませんが、多分、省庁再編によって文書が破棄されたというふうなコメントが付いておりました。
 事ほどさように、これは民間企業でもそうですけれども、どこの組織体でも組織が変わると大体文書の整理をいたします。そのときに原簿を捨てるということも実はないわけではございません、既に原簿は大分捨てられておりますけれども。そういう部分のほかに、先ほども陳述のときに申し上げました頭の中に入っているノウハウですね、これが人の異動によってなくなってしまう、これが実は一番怖うございます。このノウハウの消滅というのは書類の消滅以上の被害かも分かりません。
 以上でございます。

○福島みずほ君
 西沢参考人に同じことをお聞きをします。
 これだけデータの問題や、それから、実は今の時点でいろんな新しい事実、入力されてないものやいろんなことが明らかになっています。今回、六分割して機構を変えてしまう、このことでむしろ問題点が、所在がまた不明確になるんではないか。この点についてはどうお考えでしょうか。

○参考人(西沢和彦君)
 最初、佐藤参考人がおっしゃいましたと思うんですが、こういう趣旨だったと思うんですけれども、結局、人だとおっしゃいました。それは、社会保険庁にしようが日本年金機構にしようが、その中で働くトップや従業員の人だという趣旨だと思うんですね。我々は組織形態論ばかり話していますけれども、その中にいる人たちが意識を継続してモラル高くしてくれていれば委員御指摘のようなことが軽減されるわけで、組織論をするよりも人のモラル、意思ですね、彼らをたたくというよりも、今であれば彼らの精神面、体の健康面をむしろ気遣って一生懸命やってもらうとか、そんな人論というんでしょうか、テクニカルなものよりも人論がむしろ重要のような気がします。
 ちょっと済みません、答えになってなくて。

○福島みずほ君
 どうもありがとうございました。


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