参議院 厚生労働委員会 2007年05月24日
◆短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案に関する反対討論
◆短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案に関する反対討論◆
◆短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案に関する反対討論◆
○福島みずほ君 私は、社会民主党・護憲連合を代表し、内閣提出短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案に反対し、共産党、社民党提出の修正案に賛成する立場から討論を行います。
政府提出案に反対する第一の理由は、差別的取扱いの禁止の対象となるパート労働者が極めて限定的であり、厚生労働省も差別禁止の対象となる人数を把握していないという、ずさんで根拠のない法律であるからです。政府案は三つの高いハードル、職務同一短時間労働者、人材活用、期間の定めのない労働契約をクリアしなければ差別禁止の対象とならず、多くのパート労働者を救済する内容とはなっておりません。また、差別的取扱いの対象は雇用主の判断に任せられ、既に差別禁止の対象には当たらないという事業主からの判断を言い渡されたパート労働者もおり、高い三つのハードルをクリアしたとしても実効性が極めて低いものとなっており、大変問題です。
特に、期間の定めのない労働契約を差別禁止の要件にすることは、不安定な有期契約労働者が更に増加し、この法改正をきっかけに雇い止めや細切れ雇用への不利益変更を余儀なくされる可能性さえあります。これではパート労働者の処遇が底辺に張り付けられ、格差が固定化することとなります。
第二に、パートタイム労働者の約七割は女性です。四月から施行された改正均等法では、募集、採用、昇進に当たって転居を伴う転勤を要件とすることは間接差別として禁止されました。にもかかわらず、このパート労働法においては、配転、転勤の有無を基準とする日本型均衡処遇ルールを基に作られており、改正均等法の間接差別の概念が全く生かされておりません。
第三に、大多数のパート労働者が対象となる均衡処遇が努力義務にすぎないからです。実効性が期待できないばかりか、逆に差別禁止の対象ではないという理由で差別を放置しても許されるということになりかねません。
第四に、福利厚生が厚生労働省令で定められた三つの施設に限定されるということも問題です。三つの施設以外にも、同じ職場で働く労働者として、業務の円滑な遂行に資する多くの福利厚生制度があります。これは、パートタイム労働者の現状を全く反映していない点が問題です。
パート法の審議中であった五月二十一日、規制改革会議、再チャレンジワーキンググループ、労働タスクフォースが、「脱格差と活力をもたらす労働市場へ」という意見書を発表しました。内閣総理大臣の諮問である規制改革会議のワーキンググループの出した意見書は、有期雇用の雇い止め法理を否定する立法、同一労働同一賃金の否定、職種別賃金の否定など、具体的に提言しています。政府は、明確に労働者を守り、労働市場において女性の差別的取扱いがなされぬよう、パート法改正において指針を後退させないことや、均等待遇など明記するなどが必要でしたし、今後も毅然とした方針を示すべきです。
フルタイムパートの問題や有期雇用の問題など、厚生労働省は、問題視をしていながら何も手を打たないという態度も許せません。一九九三年の法制定以降、初めての大幅なパートタイム法改正であり、大きな期待が寄せられてきました。しかし、今回の改正では、差別是正の実効性がほとんどないばかりか、逆にパート労働者への差別や格差を拡大、固定化しかねないものであると言わざるを得ません。
社民党は、同一価値労働同一賃金の観点に立ち、パート労働者の均等待遇の確保、差別禁止の取組をより一層強め、すべてのパートタイム労働者と一緒に待遇改善のため、今後とも、政府に働き掛け、取り組んでまいります。
また、共産党と共同提出した修正案については、パートタイム労働者全体の待遇改善を一歩進めるものであることから賛成いたします。
以上、両案に対する討論といたします。
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