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2007年

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参議院 法務委員会、厚生労働委員会連合審査会 2007年05月24日

◆少年法等の一部を改正する法律案に関する質疑


◆少年法等の一部を改正する法律案に関する質疑◆


 

◆少年法等の一部を改正する法律案に関する質疑◆

○福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。
 一問、拷問禁止委員会が先日、日本政府に対して勧告を出したことについて一言お聞きをいたします。刑務所の処遇の改善など評価されたところはありますが、日本の問題についてかなり厳しく勧告が出ております。
 警察に特にお聞きをいたします。代用監獄の廃止と捜査の可視化、それから、特に国際基準に適合するよう警察拘禁期間の上限を設定すること、代用監獄の廃止について出た勧告をどう改善されるのか、一言答えてください。

○政府参考人(巽高英君)
 お答え申し上げます。
 拷問禁止委員会の意見において、いわゆる代用刑事施設問題や警察の取調べ等に関する御指摘がありました。これについては、五月九日及び十日にジュネーブで行われた拷問禁止委員会の審査において、日本政府代表団からは、警察の留置施設においては捜査と留置が分離され被留置者の人権に配慮した処遇がなされていることや、警察捜査の在り方等について御説明いたしましたけれども、結果として議員御指摘のような指摘がなされたということは残念なことだと考えております。
 いずれにいたしましても、今回出されました意見につきましては、今後その内容を十分に検討いたしまして、適切に対処してまいりたいと考えているところでございます。

○福島みずほ君
 厳しい勧告が出ておりまして、国際人権規約の勧告を踏まえて、例えば法務省では、革手錠の廃止や刑務所の改革やあるいは入管法や改善が様々な点でされて、ほかの点でもされてきました。是非この勧告を受け止めて、やはり日本の中で人権状況を変えていくことがなされるよう、今後また質問いたしますが、よろしくお願いいたします。
 おおむねということがやはり法律として変だというふうに思っておりまして、このおおむね十二歳のおおむねについて、これはやはり処遇を決めるのに法の下の平等に反するのではないか、一歳ぐらいの上限があって、おおむね十二歳のおおむねということがどうも納得がいかないのですが、法の下の平等に反する、あるいは画一的な処理をしないと個別的に不利益を被る人がいるのではないか、この点について、法務省、いかがでしょうか。

○政府参考人(小津博司君)
 おおむねという文言につきましては、現行の少年院法におきましても、例えば、初等少年院は心身に故障のない十四歳以上おおむね十六歳未満の者を収容する等々、中等少年院、特別少年院、それぞれについて同様の文言を用いているわけでございます。
 家庭裁判所の処遇の判断、そして少年院の方から見ますと、どういう年齢の者を受け入れるかということでございます。そして、それは結局のところ、それぞれの対象少年にふさわしい処遇をするという観点から定められることでございますので、法の下の平等等々の観点から問題があるとは認識しておりません。

○福島みずほ君
 子供にとって、あるいはやはり刑事手続につながるものに関しておおむねというふうに書いてあることが、どうしても個別判断にゆだねられ、裁量の範囲を広げ、法の下の平等の観点からも問題があると考えます。  捜査の可視化についてですが、拷問禁止委員会の方からも捜査の可視化については基本的に勧告が出ておりますが、弁護士である付添人を選任できる、質問に当たっては強制にわたることがあってはならないというふうに一歩前進をしておりますが、はっきりと弁護人の選任権があるということの告知、あるいは、やはり不利益な処遇につながる可能性が最高裁の判例からもあるわけですから、この問題について、子供はどうしても誘導に非常に従いやすいということはもう常に指摘をされ、冤罪を生むと言われておりますので、まず弁護人の選任権についてきちっと告知をすべき、それから捜査の可視化について、ビデオテープの録音などをきちっとして冤罪をなくすべき、これについていかがですか。

○政府参考人(小津博司君)
 このたび、本法案に対する修正がなされまして、触法少年の調査についても付添人を付けることができるとなったわけでございます。
 委員御指摘の点につきましては、基本的には二点。まず、この触法少年の調査手続は刑事手続ではないということでございまして、刑事に関する言わば弁護人選任権等々の問題をそのまま当てはめることはできない。それから、それでは刑事の場面ではどうだろうかと申しますと、これは身柄を拘束された場合に弁護人選任権の告知をするということになっておりまして、触法少年につきましてはそのような意味での身柄の拘束がないということにつきましても付け加えさせていただきます。
 可視化の問題につきましては、司法制度改革審議会以降、いろいろと御議論のあるところでございまして、現在、刑事の司法の分野におきまして、法曹の三者でもいろいろと議論をしております。捜査をする側からいたしますと、やはりそのような器具が入っておりますと、ざっくばらんにいろんなこと、話を聞く、心を打ち明けてもらうということについて支障があるということを繰り返し申し上げさせていただいているわけでございますが、いずれにいたしましても、この点につきましては慎重に引き続き議論をさせていただきたいと思っております。
 ということでございますので、少年につきましては、刑事ではございませんで、また別途慎重な検討が必要ではないかと考えております。

○福島みずほ君
 鹿児島志布志事件、富山の事件、たくさんの冤罪事件が今指摘をされています。捜査の可視化については是非実現をしていただきたい。  それから、前者の件ですが、付添人の権利の告知に関しては、かなり刑事手続に近い、あるいは子供にとって明確に不利益を生じさせる、身柄の拘束があるかどうかも含めて、あるものですので、この付添人について権利があるだけではなくて告知をすべきだ、この点についてもう一歩突っ込んで御答弁をお願いします。

○政府参考人(小津博司君)
 繰り返しになって恐縮でございますけれども、この付添人選任権の告知を法律上、捜査側の義務としてあるいは少年の側の権利として定めることにつきましては、私がただいま申し上げましたような理由によりまして、相当ではないと考えているところでございます。

○福島みずほ君
 これはこの委員会でも議論になっておりますが、子供は知識がない、だからこそ家族や子供に権利の告知をする必要がある、要するに、より強くケアをする必要があると考えています。法律に載っけるのが不適当というのは理解できませんが、法律に載せないにしても、ガイドラインやマニュアルできっちり明示していただけますか。

○政府参考人(小津博司君)
 御指摘は、警察が調査をされる場合のマニュアルという御趣旨であろうかと思います。
 これまでの法務委員会の御審議の中でも、警察御当局の方から、全体として、今回のこの法案が成立した場合には、それを踏まえてマニュアルと申しますか、警察のルールと申しますか、それを新しくしていくという趣旨の御答弁をしておられるものと承知しております。

○福島みずほ君
 この少年法の改正法の議論の中で、やっぱり子供はより強いケアやより強い保護が必要であるということはすべてにわたって言えることなので、私は法律に告知をすべきだと思いますが、少なくとも本人が様々などんなリーガルサービスを受けられるのか、どんな保護が受けられるのか、必ずマニュアルの点でも盛り込んでくださるよう強く要請をいたします。
 軽微な罪を犯した触法少年の保護については、国際的にも脱施設収容の流れにありますが、この点について保護局長、どうお考えでしょうか。

○政府参考人(小津博司君)
 よろしいでしょうか。

○福島みずほ君
 どうぞ、刑事局長でいいです。

○政府参考人(小津博司君)
 済みません。
 脱施設収容という御指摘がございました。その脱施設収容ということが果たして国際的にそのようになっているのかどうかということにつきましては、私どもといたしましてそのように判断しているわけではございません。諸外国におきまして、確かに、なるべく施設の外で処遇をしようという考え方が強くなった時期があり、またある時期には、それがやっぱりいろいろ問題を生じるから施設の中で処遇をすることにもっと重点を置くべきだというふうになったということもあろうと思います。もちろん、施設の中で処遇をするということは言わば必要最小限の場合にするべきだということは、私どももそのように考えて取り組んでいるところでございます。

○福島みずほ君
 十四歳未満の触法少年のケアは、これからも引き続き児童相談所、児童自立支援施設のラインが中心に担うということで、厚生労働省、よろしいですね。

○国務大臣(柳澤伯夫君)
 十四歳未満のいわゆる触法少年につきましては、これまで児童相談所における指導を行っておりまして、児童自立支援施設へ措置した場合は家庭に近く開放的なケアの下で自立支援を図る、こういうことで、今後ともこのケアが基本となるものと考えております。
 ただ、無断外出を繰り返したり、開放処遇がむしろ子供の本人の落ち着いた生活環境の確保という点でマイナスになるケース等が訴えられておりまして、児童支援施設における開放的なケアに必ずしもなじまない、そういう触法少年がいるということでございます。
 少年院の収容年齢の引下げにつきましては、個々の子供に最適な処遇を選択させると、そういうことでございまして、処遇の選択肢を広げるという意味で、子供の適切な自立支援の観点から意義が見いだせるものと考えております。

○福島みずほ君
 厚生労働省、頑張ってくださいよ。
 児童自立支援施設の収容率、定員充足率は三九・三%、これは二〇〇二年ですが、少年院は満員です。国立の児童自立支援施設は、かぎが掛かるところもありますし、各都道府県も含め、国立もとても頑張っています。ですから、児童自立支援でやはり厚生労働省、本当に頑張ってほしいというふうに思っています。
 それで、何が必要なのか、児童自立支援でケアをするのが難しい子供がいるとすれば何を改善すればいいのか、施設側の人数、設備、ケアの内容などについて、もし厚生労働省からの意見があれば教えてください。

○政府参考人(大谷泰夫君)
 児童自立支援施設には、重大な触法事案の加害少年やあるいは発達障害等のある子供等、様々な状況にある子供が入所しております。このような子供に対しましては、その個々の子供の特性に応じまして支援、援助を行うことが重要でありまして、その個々のケースに応じた自立支援計画を策定して、これに基づき支援を行うということ、また施設に配置されている医師あるいは心理療法担当職員によるカウンセリングや心理療法等のケアの実施、こういったことで立ち直りや社会的自立に向けてこれまでも成果を上げてきたものと考えております。
 ただ、このほか、今後更に適切な支援を行うという見地から、職員等の任用要件を更に厳格化していくであるとか、医療機関との連携を強化する、あるいは職員の専門性を高めるための研修をする、また先駆的な取組事例を研究する、こういったことを積極的に進めまして、この児童自立支援施設の機能の充実強化、援助技術の向上を図っていきたいと考えております。

○福島みずほ君
 児童自立支援施設に入所した子供の六割に虐待経験があり、その抑圧された怒りで自分の加害行為に向き合うことを困難にしている側面があると言われています。子供の被害者性に注目したケアというのはどうやっていらっしゃるんでしょうか。

○政府参考人(大谷泰夫君)
 今御指摘ありましたように、児童自立支援施設に入所されるお子さんの六割には原因としての虐待経験があったというようなことが報告されているところでありまして、こういったお子さんにつきましては愛着関係の形成というものが重要であり、できる限り家庭的な環境の中で、職員との個別的な関係を重視したきめ細かなケアを提供していくということが必要であると考えております。
 さらにまた、専門的なケアが必要とされる子供に対しましては、個別に施設に配置されている医師あるいは心理療法担当職員によるカウンセリングであるとか、あるいは心理療法等のケアを必要に応じて実施しているところでありますけれども、こういった虐待経験、そういったことを何とか家族的な環境の中で乗り越えて自立させるように努めているところであります。

○福島みずほ君
 スタッフへの教育はどのように行っているでしょうか。

○政府参考人(大谷泰夫君)
 児童自立支援施設の職員に対しましては、その資質の向上を図りますために、国立武蔵野学院において新任施設長研修を始め、多様な研修を行っております。今、新任の施設長について申し上げましたけれども、その他、施設職員の専門研修としまして、スーパーバイザー研修、あるいは中堅職員の研修、あるいは自立支援専門員の研修、その他各種の研修を行ってその資質の向上に努めております。

○福島みずほ君
 施設の現場は頑張っていて、いろんな努力を大変しています。今回の少年法改正が、児童自立支援施設でやれないというところから改正してくれという話ではなくて、凶悪な小学生も少年院に送るべきだというふうな、子供に対する厳罰化の方向から出ていることが極めて問題だと考えています。
 少年院に行っても、もちろん私たちは現場の人たちが物すごく苦労して頑張っていることも知っています。ただ、同時に、やはり子供は大変可塑性が富むと。そして、実際私たちは、加害者性を持っている子供も、一皮むけばやっぱり物すごい被害の中で苦しんで生きてきて、どうやっていいか分からないという、そういう子供自身の今までの生育歴などについてもやはり非常に考えるところが大です。
 とすれば、小学生の子供、もちろん私も子供がいますので、小学生の段階でおおむね十二歳として、小学生で少年院、まあ十八歳までいるわけですが、そこに送り込むことが果たしていいのかどうか、本当に現場から出た少年法の改正なのかと。現場から、どうしても自立支援施設で手に負えないからやってくれという話ではなくて、子供はけしからぬという話からやっぱりこれは出ているんではないか。それは違うだろうというふうに思っています。
 厚労省は、だから、いつも厚生労働委員会で頑張れ頑張れと言って、この点も本当に頑張っていただきたいし、さっき予算の話もありましたが、私たちも子供のためには本当に応援したい。その子供が大きくなってもう一回犯罪を繰り返さないように、子供たちを本当に応援したいというふうに思っています。
 政府案は、我が国の少年非行防止施策の基本理念を、福祉、医療、教育による援助・支援型から、警察中心の取締り・監視型へと転換させるものではないか。そこに、例えば付添人の権利の告知もない。それから、強制にわたらないという修正案はあって一歩前進ですが、子供は誘導に乗りやすい、一杯冤罪が起きるのではないか、本当にいいのかというところから極めて問題があると申し上げ、私の質問を終わります。


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