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2007年

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参議院 厚生労働委員会 2007年05月24日

◆児童虐待の防止等に関する法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案に関する質疑


◆児童虐待の防止等に関する法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案に関する質疑◆


 

◆児童虐待の防止等に関する法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案に関する質疑◆

○福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。
 提案者の皆さんは本当に児童虐待について取り組まれ、改正法を超党派で作り上げられたことに私も心から感謝と敬意を表したいと思います。どうもありがとうございます。一緒に頑張りましょうという感じですが。
 改正法案で想定している、警察の支援を受けた立入調査はどの範囲までかということについて、今まで質問も出ております。これは、従来同様、児童相談所職員への同行、保護者への説得、児童相談所職員に同行、保護者の妨害を受けたり子供への加害が想定される際の住居への立入り、警察署で待機といった範囲なのか、それとも、地方自治体から要望があるように、迅速な家への立入りの際の解錠、錠を解くという、警察署や警察官の判断で立入調査まで含まれるのか、いかがでしょうか。

○衆議院議員(やまぎわ大志郎君)
 今御指摘いただいたのは、これは二つに分けるべきものだろうと思っております。
 現行法における立入調査というものは、改正しようとしている中でもそのまま盛り込まれている理念でございますから、同じでございます。
 それに加えまして、臨検、捜索というものが今回あったわけでございまして、これは、現行法で認められている立入調査が拒否されて、かつその後の都道府県知事からの出頭要求にも応じない場合において、児童虐待の疑いがあるときに裁判官の許可状を改めていただいて、その上で、解錠などが一番代表的でしょうけれども、措置を行う立入り、児童の捜索を可能とするものでありまして、この臨検、捜索の実施主体は都道府県知事、具体的には児童相談所の職員でありまして、警察署長や警察官の判断で行われるものでは決してございません。警察署長や警察官は都道府県知事からの求めに応じて、臨検、捜索を実施する児童相談所の職員等に同行してその他の必要な援助をすると、このように決めているところであります。

○福島みずほ君
 この委員会の中でも不登校とネグレクトの区分けは可能かという質問が出ておりまして、私も、不登校の子供を抱える方たちからも是非きちっと聞いてほしいという連絡を受けました。
 不登校の相談については、本人や家族から相談を受けてから動くのか、それとも児童相談所がネグレクトと判断した場合に動くのか。これは五月十五日に東京都を相手取った裁判で、就学義務違反によるネグレクト、過剰医療による、精神的虐待による児童相談所の一時保護は誤りだと父親が訴えたようなケースも出てきております。
 例えば、いきなり児童相談所職員が家庭を訪れるよりも、スクールソーシャルワーカー派遣などを通じて親の警戒心を解くとか、いろんな工夫が必要だと思いますが、この点についてどうでしょうか。

○衆議院議員(高井美穂君)
 御指摘のとおり、長期にわたり子供が登校しない場合、児童相談所は保護者、子供本人から相談があった段階で対応を開始することが一般的であるというふうに思ってはおります。
 こうした場合において不登校相談として対応することとなりますけれども、一見この不登校に見える場合であっても、家に閉じ込め、子供の健康への配慮を怠っている場合などはネグレクト等の児童虐待に該当し得ることでありますので、学校等からの通告によって児童虐待として対応する場合もあるとは認識をしておりますが、先ほど小池委員の質問にもありましたとおり、やはり不登校であるという単にその理由だけで安易に、やはり直ちにネグレクトというふうに該当するようにはならないというふうに認識をしております。

○福島みずほ君
 離婚の相談などで弁護士として行くと、例えばたまたまそのお子さんが不登校だったりすると、学校に行かせようとして例えばちょっと争うとか口論になったりとか、やっぱり実態としてはいろんなことが起こり得ると。そうすると、やっぱり親も必死だし、子供の言い分ももちろんあるわけで、問題が何かあるからこそいろんなことが起きるわけで、これがネグレクトや虐待というふうにストレートになると、やはりちょっとそれは違うんだと、監禁したと言われるけど、そうではなくて、違うんだというのもあると思うんですね。
 その辺、もう一言お願いいたします。

○衆議院議員(高井美穂君)
 おっしゃるとおり様々な複雑な事例があると思いますが、不登校かこのネグレクトに当たる登校禁止かの判断に関しては、児童相談所において保護者、子供本人との面接、それから家庭環境、家族の状況等の調査、学校関係者への聴き取りなど総合的に判断するものであると思います。
 この判断の重要なポイントとしては、繰り返し申し上げますけれども、子供の意思でありまして、子供の意思に反して登校させないことが明らかになればネグレクトに該当するということでございますので、慎重にやはりケースをきちんと見ながら対応したいというふうに思っております。

○福島みずほ君
 児童相談所運営指針、平成十三年版では、現場の運用は、あくまで登校していない児童本人又はその保護者からの相談に基づき援助活動を開始することを原則となっていたのが、この主語が消えて、不登校の相談を受け付けた場合は、教育機関と十分な連携を取った上で対応すると変わったということがあります。
 ですから、児童相談所が何らかの形で動かざるを得ない場合があることは分かりますが、突然児童相談所職員が家庭を訪れるというよりも、さっき言いましたスクールソーシャルワーカー派遣などを通じてちょっと徐々にやるといった運用上の工夫は必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○衆議院議員(伊藤渉君)
 若干繰り返しになりますが、長期にわたって子供が登校しない場合は、児童相談所は保護者、子供本人から相談があった段階で対応を開始する、これが一般的なんだろうと思います。個別具体的にいろんな状況があると思いますが、一般的にはそういうことなんだろうと思います。
 こうした場合において、不登校相談として対応することとなるわけですけれども、不登校の場合であっても、例えば家に閉じ込め、子供の健康への配慮を怠っている場合などはネグレクト等の児童虐待に該当し得ることから、学校等からの通告によって児童虐待として対応する場合もあると、そのように考えております。

○福島みずほ君
 警察の支援を受けて親子分離した際の子供へのケアについてどうお考えでしょうか。

○衆議院議員(石井郁子君)
 児童虐待の対応というのは、子供の生命、身体の安全に直結することもあることから、子供の保護が最優先に行われるべきものだというふうに認識しております。
 こうした子供の保護を最優先にした対応というのは、保護者との峻烈な摩擦が生じる、対立関係を招くとの指摘もあるところでございますけれども、こうした介入的アプローチに関しては、むしろ介入を契機として保護者側の変化につながる、新たな関係構築が可能になる、そういうケースも見られるという報告もあります。また、最近では、児童専従組織を設置して、対立関係が生じる調査や一時保護などの初期対応を担当させる一方で、その後のフォローについては別の担当者が対応する、そういう役割分担をしている児童相談所も増加しております。
 いずれにしても、親子再統合に向けて児童相談所と保護者との関係が確保されるということが重要でありまして、個々のケースの状況や各地域の実情に応じた適切な対応が図られるべきものだと考えております。

○福島みずほ君
 今日、委員会でもまた出てダブって済みませんが、児童養護施設や児童自立支援施設で児童が二重虐待されないための施策についてお聞きをいたします。ここ十年間、報道されただけでも、全国各地の六十八の児童養護施設などで施設内虐待が行われております。
 これはどういう体制をつくるかについて是非御意見をお聞かせください。

○衆議院議員(やまぎわ大志郎君)
 この児童養護施設に保護者のいない子供あるいは保護者から虐待を受けた子供が入るわけですけれども、そもそも社会的弱者としてどうしても逃げ場がなくてそこに入ってきた子供たちでありますから、こういった子供たちが入った、入所した施設において更に虐待を受けるなんということは、これはもう絶対にあってはいけないことだと、我々、皆さん、そういう認識は持っているところでございますが、御指摘のとおり、残念ながらこういうケースというのはあるということもまた認識しております。
 このような施設内虐待の未然防止あるいは早期発見に資するために、現在でも、苦情解決窓口の設置、責任者の配置、第三者委員の設置等による苦情受付体制を整備、順次しているところでございますし、また子供がいつでも相談や意見表明ができるよう、子供の権利や子供の相談先となる児童相談所のケースワーカーの担当者を記した児童の権利ノートを子供に渡す等の取組、あるいは施設が第三者評価を受けること等によって支援の質の向上や運営の透明性を図るなどというような権利擁護が図られる体制づくりが進められてはおります。しかしながら、昨今、施設内虐待が後を絶たないということを踏まえますと、このような対策では不十分だという認識に基づきまして、制度的な対応も含めて施設内虐待の防止を図るための方策を更にこれは検討する必要があると認識しております。
 今回の改正では、このため附則において、施設内虐待の防止を含む児童養護施設等の運営の質的向上に係る方策に関し、検討し必要な措置を講ずる規定を設けているところでありまして、今後政府において速やかに検討作業が進められることを我々としても期待しております。

○福島みずほ君
 ありがとうございます。  施設を巣立った人たちのケアについてお聞きをいたします。これはどのようになされるのか。虐待され保護された子供たちが成長し施設を離れた後も継続したサポートが必要なのではないか。
 児童養護施設出身者の居場所をつくる若い人たちのグループ日向ぼっこが、新宿区にある自立援助ホーム新宿寮の一部を借りて例えばスタートをしました。やはり、お互いの体験を語り合う座談会や高卒認定試験の学習会、社会保障制度や消費者金融への調査などの勉強会を企画しているということで、施設というのももちろん年齢がたてば巣立っていかなければならないわけで、その継続したサポートなどについて御意見をお聞かせください。

○衆議院議員(高井美穂君)
 御指摘の点、大変重要だと思っております。
 施設を退所した子供たちは、言わばそこから新たな人生のスタートを切ることになるわけでございますが、その際、進学、就職、それから住まいの確保など、自立に向けた様々な支援が必要だというふうに考えています。子供たちが転職や結婚、子育てなど、人生のいろいろな場面で悩んだときに相談できる場所としても、児童養護施設、自立援助ホームが実家として、実家というような形で役目を果たすことは大変重要であるというふうに考えておりまして、こうした施設等において相談支援を行う体制の充実強化が更に進めることが必要だと思っております。  そして、本法案の附則におきましても御指摘があったような件を盛り込んでおります。児童養護施設等に入所した児童に対する自立の支援、更なる充実を速やかに検討し必要な措置を講ずることというふうに書いており、この規定に基づきまして、退所後の継続した支援、相談支援の在り方等も含め自立支援の充実を図られることが必要だというふうに思っております。

○福島みずほ君
 法改正で従来以上に児童相談所と警察が一緒に動き、一時保護することが増えることが想定されます。児童相談所と親との関係の修復について、どのようにお考えでしょうか。

○衆議院議員(伊藤渉君)
 児童相談所と親との修復。
 例えば、虐待を受けたケースでありましても、親子の分離、子供の心理的な負担を行う行為でございます。まして立入調査が行われた場合には、より深く心理的な外傷を受けることもあり得ると思います。こうしたことから、親子分離をした際には、子供自身のせいで親と離れて生活をすることになったわけではないこと、また親子が分かれて生活することの必要性などについて、子供の心情に即して丁寧に説明することが必要であると考えております。
 このように、子供が受ける心理的外傷の危険性にかんがみまして、親子分離の当初やその後の各段階に応じて専門家によるきめ細かなケアが行われているものと現在認識をしております。

○福島みずほ君
 虐待をした親の支援はどのような体制を取るべきかについては、他の委員からも質問がありました。そのとき様々な施策を先ほど高井美穂議員がおっしゃってくださったんですが、心理療法や親教育だけではなく、さいたま市などが行っているホームヘルプなど具体的な親支援の在宅福祉サービスなども必要ではないかと。児童福祉法では子育て支援事業として法定化されましたが、実施している自治体はまだ一部です。
 改めて、親への支援についてお聞きをいたします。

○衆議院議員(石井郁子君)
 本当に親への支援というのがやっぱり重要だと、まだまだこれから充実させていかなきゃいけない課題だということは十分認識しているところでございますが、児童虐待の防止に当たっては、まずは児童虐待の発生を予防するということが肝心、重要だと。育児不安を抱える保護者に対してやっぱり適切な支援を行う、子育ての孤立化を防止していくということが必要だというふうに考えております。
 各地で子育てに関する相談、子育て親子の交流の場を提供する地域子育て支援拠点の整備が進められていますけれども、まだ始まったばかりのところが多いと思いますが、本年度からは新たに生後四か月までの全戸訪問事業がスタートしました。直接家庭に出向いて相談に乗る仕組みがスタートされているところでございます。
 虐待を行った保護者に対しては、児童虐待防止法の十一条において、虐待を行った保護者に対する指導が適切に行わなければならないと定められました。児童相談所においては、児童福祉司による指導が行われると、児童心理司や精神科医によるカウンセリング等が実施されています。今お話しのように、地域によって保健所や児童養護施設などが専門的なプログラムを実施しているところも出てきているところです。
 しかし、こうした保護者に対する指導、援助、それは今言わば始まったばかりというふうなところもありますし、地域の実情に応じて実施されていると。実施内容、実施状況、ばらつきがあります。民間などもいろいろ創意的な取組をしているところも聞いておりますけれども、今後、より実効性の高い指導、援助を実施していけるような保護者指導の標準化を進めると、より有効なプログラムの開発等をやっぱり進めていかなきゃいけないということを認識しているところでございます。
 いろんな実例あるんですけど、それはおきまして、こういう状況だと思います。

○福島みずほ君
 この厚生労働委員会でかつて児童相談所の視察に行ったことがあります。東京都でしたけれども、そこは、虐待に遭った子供もいれば、そうでない子供もいれば、あるいはたまたま親や保護してくれる大人がいないために一時的にいわゆる預けられる子供もいれば、実に様々な子供がいました。それから、年齢も御存じばらつきがあります。職員は必死でやっていますし、また親との対応にも非常に忙殺をされると。一番大きなキャパシティーを持っている東京都のその児童相談所ですらこういう状況なのだということをとても思いました。元気一杯の子供たちが勉強したり遊んだり暮らすには、とても正直まだまだ本当に不十分だということを思いました。
 もう一つ、児童養護施設なのですが、ここを卒業した子供のうち、大学進学をする子供が本当にいないと。それで、御存じ児童養護施設だと個室がなくて、必ず共同室というか、個室ではないんですね。高校ぐらいになると、狭くても個室が欲しいなとか、勉強部屋の個室が欲しいな、三畳でも欲しいなと思うんじゃないかと、非常にプライバシーが欲しいと思うと思うんですね。
 その点では、なかなか児童相談所や子供のセンターや児童養護施設に対する子供の予算の掛け方や、それはやっぱり不足している。児童養護施設に入って、やっぱり大学には本当に行っていないんですよね。それは、ちょっと質問通告をしていないのですが、やはりそこから子供たちは巣立っていくので、こういう子供に対するケアの予算や仕組みについて意見を聞かせてください。

○衆議院議員(小宮山洋子君)
 おっしゃるとおりだと思っております。先ほど申し上げた昨年の暮れに超党派で予算要求をしたときにも、その点も、特に社民党の保坂議員などもよく調査をされて強くおっしゃいまして、私たちも主張をいたしましたし、今回そういう意味も含めて、附則のところにその自立支援、これから先のことについても書き込ませていただきましたので、またここのところは、この改正に取り組みました超党派の勉強会、議員の集まりは解散はいたしませんので、法改正は一つのステップでございまして、またるるこの委員会でも御指摘があったことについても、予算措置やらしっかりした自立支援のところについても、大学進学も本当に今出ているお金がわずかで、ほとんど現実問題として行けない状況もありますので、そこも改善をしていけるように、これも先ほども申し上げましたが、参議院の皆様も是非力を合わせて一緒に後押しをしていければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○福島みずほ君
 どうありがとうございました。
 終わります。


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