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2007年

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参議院 厚生労働委員会議事録 2007年04月25日

◆社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案


◆参考人質疑◆


 

◆参考人質疑◆

○福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。今日はありがとうございます。
 私も現場の声を是非もっと聞きたいと思いまして、こういう制度を導入して、例えば研修したり、費用も掛かって、仕事も過酷にやっていると、その中で現場の介護福祉士さんたちの不安や不満はないのかという点について、石橋参考人、いかがでしょうか。

○参考人(石橋真二君)
 この介護福祉士法が改正するなら、当たってということですか。  特には、現場の方たちにつきましては、先ほども申し上げましたように、やっぱり介護福祉士の社会的評価が高まるというのは、元々私たちはその思いでありましたから、このような形で、すべての者が養成課程を経て、すべての者が国家試験を受けて、ほかの医療、福祉と、専門職と肩を並べるということがやはり目標でありましたから、それに対しては特に不満はないと思いますし、ただし、そのことによってやはりそれなりの、その介護福祉士の社会的評価、待遇面の向上というものにやっぱりつながっていくことが何よりも期待されるところだというふうに私は思っております。

○福島みずほ君
 今度の法案が、国家試験で付与し、国家試験で資格の取得をしていくということで、これと例えば介護報酬や労働条件の向上がタイアップしていればいいと思いますし、また、今回の法案が地位の向上につながるという面があるということは私も評価できると思います。
 ただ、私たちは、現実に働いていて、通信添削でもいいというのは厚生労働省の答弁だったんですが、やっぱりお金も掛け、通信添削かあるいは研修を受け、費用を払うという点で、現場の働いている人には負担になる面もあるのではないかと率直に思うのですが、その点で板山参考人、いかがでしょうか。

○参考人(板山賢治君)
 正に御指摘のとおりであります。
 ただ、現実は、今、福祉の現場で、特に施設を中心にして申し上げますと、四〇%は非正規職員。正規職員が六〇%おられますが、この六割の中で資格を持つ人がどのくらいいるかというのが実は問題なんで、実は私どもの法人などは、契約職員であっても正規職員であっても、資格を持てば契約職員は正規職員に登用する、又は給料も上がる。同時に、正規職員の中で資格を持たない者についても、資格を持てば資格手当を支給する、そういう資格に対応する処遇を私どもの法人は考えている。ただ、これは全国的に見るとごく一部であります。そこで、問題は、現場で苦労をしながらも、自分で自己投資しながらも自らの資質を高める努力をする、そのことの可能性とそのことのメリット、それが相伴えば、努力をすることについて苦労しながらもやる、取り組んでいく、挑戦するだろうと思うんです。そこで、そういう有資格者に対して資格手当を支給する、あるいは登用する、正規職員に、そういう法人を財政的にバックアップしてもらう、そういう制度的な施策が今回の資格保有、資格レベルアップを通してもし実現できるならばすばらしいことだと思っています。

○福島みずほ君
 法案の四十七条の二に、資質向上の責務というものが書かれています。社会福祉士又は介護福祉士は、社会福祉及び介護を取り巻く環境の変化に、業務の内容の変化に適応するため、相談援助又は介護等に関する知識及び技能の向上に努めなければならない。これは必要なことだとは思うのですが、この資質向上の責務に対応して国や公共団体の経済的な援助、バックアップがなければなかなかそれはできないと思いますが、板山参考人、いかがでしょうか。

○参考人(板山賢治君)
 御指摘のとおりです。
 ただ、もちろん事業主自体も、今法律に書いてありますように、当事者本人と共同して、協力しながら努力をする。しかし、それに呼び水的にこの資格制度改正に伴って行政的にも財政的にも一種の誘導政策が取られるならば一層拍車が掛かって効果が上がるであろうと、このように思います。

○福島みずほ君
 石橋参考人、いかがでしょうか。

○参考人(石橋真二君)
 その件につきましては、やはりもう介護の分野につきましては、日々医療と同様に常に新しいことを覚えていかなければいけないようなその状況、資質向上をしなければいけない状況になっておりますが、特に今度の人材確保の基本指針というその中におきまして、単なる労働条件の向上ということをきちんと明記するだけではなくて、やはり研修の責務とか研修しやすい体制をバックアップするというようなものをきちっと人材確保の基本指針の中に盛り込んでいけば、ある程度拘束性があって、その施設側の方の事業者側についてもそういった研修に出しやすくなってくるんじゃないでしょうか。それを今後望みたいと思っております。

○福島みずほ君
 介護福祉士さんは非常に勉強して勉強してというんじゃなくても、人格的に優れているとか、あるいはコミュニケーションをとても取りやすい人がいるとか、あるいは受ける側にとってAという人はいいけれどもBという人は嫌、でも別の人はAは、評価が人によって様々だったりすると思うんですね。むしろ、研修や勉強ももちろん必要なことですが、むしろ個別的な状況におけるスキルアップや人間性もコミュニケーション能力としてとても重要だと思うんです。とすると、国家資格に通った通らないでランクを付けていく、あるいはその下に今度は准という別の准介護福祉士がまた登場するわけで、介護福祉士さんのヒエラルヒーみたいなのができると、これは本当のその人の能力と違う分野での資格取得になるんではないかと懸念もあるのですが、その点、板山参考人、いかがでしょうか。

○参考人(板山賢治君)
 この介護福祉士、介護に携わる人の評価は大変難しい。おっしゃるように、お年寄りとこれ一対一のマン・ツー・マン、ウマが合うか合わないか、コミュニケーションが取れるか取れないか、あるいは言葉が通ずるか通じないか、様々な意味でサービスがいいか悪いかなんということは評価は大変難しいんですね。私ども福祉の現場では、基本的には業績評価あるいは事業の能力評価というのは単純には入れない、導入しない、そう考えている。
 ただし、この国家資格というのは、一定の教育課程を経て、今度は特に国家試験、試験を経て、そして得られる資格でありますから、資格を持つ者と持たない者とには差を付けたい、また付けてもいいのではないか、こう考えておりまして、私ども現在でも資格手当というものをちゃんと手当てをしておりますし、同時に、資格を取れば正規職員に登用する道も開いておりますし、あるいはリーダーとか福祉施設長への登用も資格を持つ者を優先的にしたいと、こう考えておりますので、資格にとらわれるのもどうかと思いますけれども、資格はやっぱり有力な人物評価のメルクマールになると考えております。

○福島みずほ君
 小島参考人にお聞きをします。
 地位の向上という点は大賛成なんですが、社民党としては、やはりEPAとの関係で、安価な外国人労働者を入れると、より労働条件がやはり悪くなってしまうのではないか。その点について、大分議論で出ていますが、お聞きをしたいと思います。

○参考人(小島茂君)
 今回の大きな問題は、フィリピンとのEPAの協定の問題から出ておりますけれども、基本的に、国境を越えてといいますか、人の移動の問題について考えてみますと、やはり私たち労働組合、連合の立場で言いますと、例えば今、福祉現場で人手不足だということで、外国人の職員を入れたらどうかという議論もありますけれども、それに対しては、今の福祉現場の職員の労働環境あるいは賃金上の極めて劣悪な状況に置かれているという中で、それで人が集まらないということが、現実には今の法案審議で出てくると思うんです。それに対して、じゃ、外国人をそこに入れてそこを何とかしようという話は、それは違うだろうというふうに思っております。ますますそうすると、今の労働環境あるいは職場の人手不足といいますか、それは国内の人たちが志を持って働くという場にはならないということになってしまいますので、それは逆効果になるというふうに思っております。
 今回のフィリピンとのEPAの問題については、これは単に人手不足だから人を入れるという話ではなくて、言わば限定的に、人事交流といいますか、そういう位置付けで介護福祉士分野としては六百名という数字が限定されたということも聞いておりますので、これは単に人手不足だから入れるという話ではなくて、本来の趣旨は、日本の介護現場にフィリピンの方との人事交流といいますか、そういう位置付けをされておりますので、この枠をそう大きく広げるという話にはならないというふうに思っております。

○福島みずほ君
 タイやインドネシアとの関係でも今議論があるようですが、その点については小島参考人、いかがでしょうか。

○参考人(小島茂君)
 そういう意味では、今回の介護福祉士の受入れの問題が一つの布石になるだろうというふうに思っておりますので、今回の准介護福祉士というのをこのまま通ってしまいますと、ここが突破口になってますます枠を入れざるを得ないというような形で、正に福祉現場、介護福祉士の職場、現場での問題点を更に大きくしていく、それが更には国際的な問題になっていくというようなことになりかねないと思いますので、そういう意味では、今回はきちっとやっぱりそこは歯止めを掛けるという対応というのが求められているんだろうというふうに思っております。

○福島みずほ君
 介護福祉士の各施設における配置義務のことなんですが、施設には介護職員が配置されていればよく、その者は無資格者でも構わないわけです。そうすると、極めてお金も投与し、研修も受けた、国家資格を取ったとしても、実は施設に介護職員が配置されればいいわけで、その者は無資格者でも構わなければ、実際取るメリットというものがどれほどあるのかというふうにも思うことがあるんですが、その点について、板山参考人、いかがでしょうか。

○参考人(板山賢治君)
 これは福祉に携わる事業者、同時に行政の姿勢そのものの基本だと思うんですね。そういう資格はない人でもだれでも介護の仕事は従事できるものだと考えるなら、こんな資格制度は要らない、法律も作る必要はなかったと思うんです。なぜ法律ができたか、どうしてこうした資格制度のスキルアップを御議論をいただいているか。それは、先生の御指摘のそんなものではない。やっぱり人が人の、人らしく生きていく、人間らしく生きる、その姿勢を持ちながら、バックアップ、支える行動を取る。それは人間であると同時に、より専門的な技術を持ち、理論を持ち、訓練を受けた人であった方がベターであると、そう考えるところに社会福祉の専門学校ができたり大学ができたり、この資格制度ができたはずでありますから、その歴史は私たちは絶対否定してはいけないし、発展させていきたいと思っております。
 現場では、私どもの方、この五年余り、私は介護福祉士の資格を持たない者は新規に正規職員としては採用しないという人事政策を掲げて取り組んできた。ただ、このごろは、その介護福祉士の資格を持った者すらが参加してくれない、採用に応じてくれませんので、契約職員、非資格職員を採用していかざるを得ない羽目に追い込まれている。
 だから、先ほど来、資格は取ったけれどもというふうにならないように、この資格制度改正の中で是非、処遇、配置、今介護保険では三対一が原則でありますが、私どもはもう二・四対一で取り組んでいる。そういうふうに、利用者は重度化しているし、難しくなってきている。その現実をしっかり踏まえて、この法律改正でも御議論をいただきたい。
 これは、中村先生などいらっしゃるわけでありますから、是非、あるいは下田先生もいらっしゃるわけでありますから、皆様方の御意見として附帯決議等で是非政府を叱咤激励していただければ有り難いと、このように思います。

○福島みずほ君
 現場で働く人たちからいろんな声が寄せられております。例えば、介護福祉基礎研修の六か月、六百時間養成については、現場労働者の研修義務であるならば、その間の賃金保障を国や自治体として考えてもらえないかという要請や、あるいは実務経験を積むための指定施設というのが例えば障害者の小規模作業所は含まれていない。是非こういうのは含めてもらいたいと、いろんな声が寄せられているんですが、その点について、板山参考人、いかがでしょうか。

○参考人(板山賢治君)
 ちょっと、私ですか、その問題についてはお答えをする資格がないですね。

○福島みずほ君
 厚生労働省ですか。
 介護保険が改正をされたわけですが、予防介護をやっている人が予想よりもすごく低いとか、様々な問題点が出ておりますが、介護保険の改正における問題点などについて、小島参考人、話せる限り話してください。

○参考人(小島茂君)
 確かに前回の、五年後の、介護施行五年後の見直しで大きな制度改正が介護保険についてありました。
 一つの柱は、御指摘しているように、介護予防という考え方を柱にした見直しと、それともう一つは、地域密着型という形での地域の施設等、在宅を支援するというような形での考え方というのが示されたということ。もう一つは、介護施設のホテルコストの自己負担という問題も出ています。大きく言えば、その三つが前回の改正の柱になっていたかというふうに思っております。
 その中に、この社会福祉士の関係でいえば、地域包括支援センター、そこに必置義務というふうに入っていますけれども、その介護保険制度の問題としまして、一つは、その介護予防の問題は必ずしも十分に今各地域でこれが機能していないという指摘がされているんです。この辺についてはもう少し検証して、何が問題かということを検証する必要があるだろうと思います。
 その中で位置付けられている地域包括支援センター、それが言わば、その地域包括支援センターの役割としては、地域の介護予防のところと、それから様々なネットワークを通じた権利擁護を始め、地域の福祉を支えていくという役割があります。それが十分にまだすべての地域でこの地域包括支援センターが設置されていないという状況がありますので、ここがどうこれから機能するかということも大きな課題だと思います。ここについてはもう少しきちっと検証していくということが必要ではないかというふうに思います。
 それと、それを支える正に財源としての介護報酬の在り方、あるいは、今の介護保険が半分保険料、半分公費が入っておりますけれども、その比率が果たしてそれでいいのかということがあります。
 それと、介護予防についても介護保険の方から一部保険料が入っておりますけれども、その辺が、もう少しやはりもう一度検討する必要があるんではないかと。介護保険の守備範囲と介護予防との関係あるいは地域福祉との関係、これをもう一度再整理をする段階ではないかというふうに思っておりますけれども。

○福島みずほ君
 板山参考人、介護保険の改正後の課題、問題点についてお願いします。

○参考人(板山賢治君)
 これはもう極めて多岐にわたりまして、ここで私から簡単に御説明するわけにいきませんが、少なくとも高齢者、利用者の人たちのためになるような行政施策あるいは事業運営を私たちは心掛けなければいけない。利用者負担だけに頼るような、行政的な費用負担は、肩代わりさせるような、弱い者にしわ寄せするような施策であってはならない。一人一人の人間らしい暮らしをバックアップできるようにしていきたい、そんな思いを持って取り組んでおりますが、なかなか厳しい状況にあります。

○福島みずほ君
 どうもありがとうございました。


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