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2007年

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参議院 厚生労働委員会議事録 2007年04月19日

◆質疑


◆生協法の改正について◆
◆医療観察法について◆


 

◆生協法の改正について◆

○福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。
 六十年ぶりの生協法の改正です。社民党は、基本的に賛成の立場から、しかし是非、生協をエンカレッジする立場で施策をやってほしいという思いを込めて質問をしたいというふうに思っております。
 生協については、ちょっと個人的で済みませんが、私の母がカネミ油症の事件が起きたときに報道でびっくりして、家族のために一生懸命料理を作ってこういう被害が起きるなんて信じられないとびっくりをして、それから母親が、私が小さいときですが、地元の生協に入って、組合員をやっていました。今も実は、複数、生協に地元で入っています。粉石けん運動や、それから有機の野菜や、安心、安全な食べ物ということで、私は生協で育ててもらったというふうに思っています。
 私も大学を卒業してから地元の生協に入って、子育てをして、働いて、生協の組合員をやってきました。班活動などもとても楽しかったですし、今は政治家、議員になってちょっと余りに忙しくてできないんですが、安心な食べ物を、地域の女性たちと活動しながら、現場のというか、末端のというか、組合員としてやってきて有意義ですし、大変楽しい活動でした。ですから、是非、そのような自発的な生協活動を、是非本当に応援してほしいというふうに思います。
 また、安心な食材だけではなくて、粉石けん運動や環境をどう守っていくかという、あるいは生協によっては遺伝子組み換え食品は使わないといった運動など、非常に広範囲な社会的な活動とも結び付いています。ですから、組合員のための生協ですが、組合を超えてやはり社会のためにやっているという面も大変あるというふうに思っています。
 ですから、ここで厚生労働省にお聞きしたいのは、やっぱりそういう生協活動というものを是非エンカレッジするような施策をやってほしい。国は育成策としてどう考えているのか、またこの法案で、規制、規制、規制という方向ではなく、応援する方向でやってほしい、その点についていかがでしょうか。

○国務大臣(柳澤伯夫君)
 生協は、随分長い間、我が国の戦争後の社会におきまして活発な活動をされてきまして、今日ではその規模あるいは抱える組合員数などにおきまして大きな存在になっているということは、先ほど来申し上げているとおりでございます。
 その活動は、組合員の生活の向上に寄与するため、購買事業、共済事業、利用事業などを行っているわけでございますが、その上に、最近では組合員の自主的活動としての家事援助であるとか、あるいは多重債務者支援等の活動を行っておりますし、また、今委員から御指摘がありましたように、食の安全であるとか、あるいは環境に配慮した食品の開発であるとかというものについて非常に先駆的な活動をしておるということは、私どもよく認識しているところでございます。
 このような生協の取組につきましては、今委員も御指摘になられたとおり、組合員のみならず、国民生活全体に対しても貢献しているというふうに考えておりまして、厚生労働省といたしましては、こうした取組を育成、発展させていく必要があるというふうに考えております。
 今回の法律改正も、決してこのような社会に対して積極的な貢献をしている自主的な取組について阻害をしようなどというようなことは毫も我々考えていないところでございまして、先ほど来申し上げておりますように、いろいろと経済主体につきまして社会的な関心も高まる中で、そうしたことに対して、しっかりしたガバナンスであるとかあるいは透明性であるとかといったような、そういう社会の要請、現在の社会の要請にこたえていく、そういうことを考えて今回改正を御提案申し上げている次第でございます。

○福島みずほ君
 組合員のための生協ですが、他方、先ほども質問の中で他の委員が発言をされましたが、EUでは基本的に県域の規制や非組合員の利用の禁止はないと。オーストリア、イギリスでは国内全域で事業展開する生協もあると。EUの生協では買物をする人の半数以上が非組合員であると。ヨーロッパは社会民主主義が非常に活発ですから、手づくりの相互扶助としての生協活動というのは非常に活発で、それが社会の中でみんなに支持され、買物も組合員以外の人もやっているという現状があります。
 ですから、私も、基本的にはみんなの生協という、もちろん組合員の生協ですが、みんなの生協という思いが非常にあります。
 例えば、今回例外的な員外利用を認めることとなりましたけれど、特に保育所などへの食材提供については、中小小売商の事業活動への影響を考慮しつつ行政庁が判断するとありますが、具体的に何をどのように判断して認可をしていくのでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君)
 お答えを申し上げます。
 員外利用の問題、ヨーロッパの例などを引かれてお話ございましたが、保護策と規制策と、規制とバランスがあるような点もございまして、各国の事情、様々だと思います。
 今お尋ねの保育所、老人ホーム等への食材の提供についてでございますが、この員外利用の問題を議論されましたときに、関係の方々から、保育所や老人ホームへ食材の提供を頼まれることがあるんだけれども、全員の方が、保育園、老人ホームの利用者の方全員が生協の組合員とは限らないと。そういった場合に、依頼をされて保育所、老人ホームへ食材提供するのに、地域では生協が最もふさわしいんだけれども、この員外利用の規定によってうまくいかないことがあるというようなお話がございましたので、これらのような状況につきましても員外利用を認めるということで対応したいと考えております。
 その際、員外利用を認める場合に、今回の法律では、中小小売の方々に影響を及ぼす可能性がある場合につきましては行政庁の許可が必要ということでございますので、どのような基準かというお話でございますが、むしろその地域の実態を踏まえまして、保育、老人ホーム等への食材の提供を生協にお任せした場合に大変打撃を受ける事業者がいて倒産問題なんかが生じるというような地域での判断の問題になるのではないかと考えております。

○福島みずほ君
 パブリックコメントの中にも、多くこの員外利用規制を考えてほしいというものがたくさんあります。
 例えば、許可要件の中で、保育所、老人ホーム等への食材提供としているが、病院からの要望もあるため、追加してほしい。高齢者の食事サービスに携わっているが、毎日の食材調達の際、団体利用できないので個人組合員の利用しかできず、精算が煩わしい、団体も利用できるようにしてもらいたい。あるいは、山間へき地、離島等における物資提供について、商工会議所等が認めた場合などは許可できるよう、山間へき地、離島あるいは商工業者と連携した町づくりへの参加等における物資提供としていただきたい。法人の利用を員外利用の対象とするのではなく、法人も生協に加入できるよう個人組合員の構成枠に法人を是非加えてほしいなど、パブリックコメントはたくさん具体的なものがあります。
 最近は生協と商店街が競合するのではなくて、むしろ共存するというふうにも言われております。また、生協の製品は産直なので、安いし安心だし顔が見えるし、あるいは低農薬、有機農薬など安心な食材という点もあって、病院や保育所などでは非常に歓迎されるというふうにも思いますが、改めてどうでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君)
 お答え申し上げます。
 今委員からのいろいろ御指摘なり御要望があったような、そういったことを議論の俎上にのせた上、例えば今、法人の会員のお話ございましたけれども、これは消費生活協同組合、組合員は法人はなれないというのは大原則でございますので、そういった意味で、消費生活協同組合法の言わばDNAに組み込まれている、そういった生協の本旨というものを一方に踏まえながら、しかし様々な地域での御要望なり、例えば職域組合の母体企業や大学でいろいろ学会をする場合などについて、一時的に来られる方への対応も大学生協としてはしたいとか、様々なそういう御要望の両方を考えまして、現在の生協の本旨に基づき、また、そういった中で地域への貢献、それから政策、例えば行政が委託事業として生協にお願いする場合のような政策的な要請、そういったこととの整合性を考えまして、今御提案申し上げておりますような員外利用規制の案にしているという点でございまして、是非その点については御理解を賜りたいと思っております。

○福島みずほ君
 員外利用限度については、組合員の利用分量の額の五分の一までとしておりますが、どのようにその利用限度を測るのでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君)
 私ども考えておりますのは、まずは、その五分の一とか百分の百とか様々な限度がございますが、利用分量の言わば費用の額で算定をしたいというふうに考えております。算定期間については、期間がないとその量が出ませんので、年度を単位とするということで考えております。
 具体的な測定方法になりますと、購買生協では、例えば販売したものの総量の中で員外利用の方々のシェアがどのくらいであるかということを調べる必要になるわけでございまして、そういうことを把握していただくために、余り手間が掛からず、厳密にやれば幾らでも厳密にやる方法は提案できますけれども、実際問題として、日々、事業をされている中でリーズナブルな方法でその量が把握できるということについて、これは実際に事業をやっている方々とよく相談して、御無理のないやり方でその量の把握について検討をさせていただきたいと考えております。

○福島みずほ君
 是非、事務が煩雑にならないように、この点は是非、今後、工夫していただきたいと思います。
 素朴な質問で、海外の事例は員外利用規制を設けていない生協が多くありますが、なぜ日本では員外利用規制を外すことができないんでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君)
 素朴な疑問という委員の御指摘でございますが、海外の例で申し上げますと、例えば日本では消費生活協同組合事業の類型に位置付けられ、例えば税制上、利用者、ユーザーの方が限られていると、そういう中での事業だということ、そういった意味での公共性の度合いとか、そのユーザーが限られているという一種の規制の下で事業をされている、しかしそのユーザーのために一生懸命やっているという公共性の勘案で税制上の優遇も認められていると。そこの規制と助成とのバランスでそのような措置が講じられているものと理解しております。
 外国の生協の場合は、というか、この協同組合の場合は、株式会社方式になるか、協同組合のままでいるかということについても選択制であったり、また税制上の優遇措置などないというような中で、言わば助成もない代わりに、そういった意味で垣根も低くしていると、そういった事情もあるのではないかというふうに私ども考えております。

○福島みずほ君
 ただ、生協の果たす役割を考えれば、員外利用の規制の例外については、余り厳格でなく、要望が強く、いい食材であればやっぱりみんなが使えるようにするということを是非よろしくお願いします。
 また、組合員を獲得するための事業としてお試し利用などがありますが、実際使ってみないといいかどうか分からないというのもあるので、それで加入しようかどうしようかということを判断するので、是非導入を認める方向での検討を要望したいというふうに思っております。
 次に、臨時総会についてお聞きをいたします。
 法案の三十五条に臨時総会の開催規定が定められていますが、理事会は五分の一以上の組合員の請求があった場合、二十日以内に開催しなければならないとされています。会社法の規定では、臨時株主総会の開催規定は開催までの期間が八週間になっております。二十日以内というのは余りに短期間過ぎるのではないでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君)
 会社法の規定など、委員の御指摘のとおりだと思いますが、現行の生協法においても臨時総会の招集請求があったときには二十日以内に招集しなければならないというふうにされておりますし、組合員自らが出資し、利用し、運営参加と、こういうことをうたっている生協でございますので、総会が組合員の意思を反映させる上で速やかな総会招集を決めているということは、それなりに合理性があるのではないかと考えております。
 なお、よその法律のことも申し上げて恐縮ですが、農協法など他の協同組合法においても、生協法と同様に招集の請求があった日から二十日以内に臨時総会を招集すべきこととされておりまして、私ども、そういったことも勘案しながら、法第三十五条二項のような規定というふうにいたしているところでございます。

○福島みずほ君
 一か月を切って二十日というと、やはり余りに短い。会社法が八週間ですので、これは見直しのときなど是非考慮をしていただきたいと思います。
 剰余金なんですが、剰余金は現状では組合員の教育事業に充てられているとのことですが、今回の改正では福祉活動を助成する事業にも充てることが可能とされております。
 今年度の組合員向け教育事業とはどんな内容なのでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君)
 お答え申し上げます。
 現在、生協法においては、剰余金が出た場合に毎年度の剰余金の二十分の一を組合員及び組合従業員の組合事業に関する知識の向上に図る事業として充てなければならないと、こういうふうにされておりまして、例えば日本生活協同組合連合会の会員生協六百一生協がこの規定によりまして教育文化事業に支出した費用は、十七年度で七十八億円に上るというふうに伺っております。
 どういう事業かと申しますと、具体的には研究会、学習会、講演会、あるいは機関紙、パンフレット、それから組合員組織の運営諸活動に関する費用などに充てられているというふうに伺っておりますし、事業の具体的な例としては、食品添加物について学習しながら調理を行う親子料理教室の開催でございますとか、取扱商品の紹介記事を含みます機関紙の発行など、そういった経費といたしまして充てられているというふうに承知いたしております。

○福島みずほ君
 共済事業についてですが、現在、共済事業規約の認可が不要とされている共済金額、掛金の総額は五万円、これは昭和三十四年の設定であり、現在の貨幣価値では三十万円以上と考えられております。
 政省令によってどの程度の金額を基準とするのでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君)
 現在、共済契約者一人当たりの共済金額の総額が五万円未満の共済事業については、自治的な互助活動の範囲を出ないものとして共済事業規約の認可を不要といたしております。
 御指摘のとおり、五万円という額は変わっておりませんが、例えば保険業法では十万円とされておること、それから農協法では規制の対象から外されている金額はない、すべて規制の対象になっているというようなこと等を考えながら決めてまいりたいと思いますが、今私どもが事務的に考えておりますのは、保険業法などと並んで十万円というふうに考えております。

○福島みずほ君
 五万円は昭和三十四年の設定ですので、是非、この点については今の貨幣価値との勘案して決めていただきたいと思います。
 現行制度は、行政庁が解散命令を出せる事例として、規定に基づかない事業を行った場合、員外利用の規定に違反した場合、理由なく事業を一年間以上休止した場合などの限定的なものでした。しかし、今回の改正では、すべての法令違反に対して解散命令が可能となっております。組合の自発的、自主的な活動を萎縮させてしまうことがないよう、行政庁が解散命令を出すことについては極めて慎重にすべきだと考えますが、いかがですか。

○政府参考人(中村秀一君)
 御指摘のとおりだと思いまして、我々もそういうことを望んでいるわけではございませんので、正に相互扶助組織として、また自発的な国民の生活協同組織として健全な運営をしていただきたいと思っておりますし、そういった意味で、解散命令でありますとか役員解任命令でありますとか、そういったことの発動がしなくて済むような運営であってほしいというふうに考えております。

○福島みずほ君
 是非、生協を規制の対象というよりも、エンカレッジする対象として是非厚労省は取り組んでくださるよう要望します。

◆医療観察法について◆


 今日は法務省に来ていただいたので、済みません、時間が短くなって申し訳ありません。
 医療観察法が施行からちょうど一年半、それの検証をやはりすべきだというふうに考えております。執行猶予や無罪判決が出た後に本法による申立てを受けるケースがあります。本来なら、起訴、不起訴を決める段階で真剣に検討をするべきであり、必要であれば拘置所に留置する間に治療をしていくべきではないでしょうか。

○政府参考人(三浦守君)
 お答えいたします。
 検察当局におきましては、個別の具体的事件におきまして、犯行に至る経緯、犯行態様、さらには犯行後の状況などについて必要な捜査を尽くすとともに、被疑者の責任能力につきましても精神鑑定を行ったり専門家の意見を聞くなど、諸事情を総合的に勘案いたしまして適切に判断を行い、事案の真相を解明するよう努め、その上で、起訴、不起訴を判断しているというふうに承知しているところでございます。
 ただ、その上で、裁判の結果として、被告人、弁護人側の主張、立証を含め、審理が行われた結果として責任能力が問題とされ、執行猶予あるいは無罪判決ということを受けることがあるというものでありまして、その場合に、その段階でこの医療観察法による申立てを行うということでございまして、以上のような状況を御理解いただければというふうに思います。

○福島みずほ君
 審判過程で、主治医や鑑定人との面会など情報交換を精神障害者が行わないケースが見受けられます。このような規制はするべきではないと考えますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(中村吉夫君)
 お答えいたします。
 鑑定入院は、検察官等による申立てを受けた対象者について鑑定その他医療的観察を行うものでございますが、鑑定入院中の処遇や治療については精神保健福祉法に準じて行われるべきものであり、入院患者に対する行動制限につきましても精神保健福祉法に準ずる取扱いとしているところでございます。
 行動制限は、主治医等の判断により、その医療又は保護に欠くことのできない限度においてのみ行われるべきものでありまして、御指摘のように、鑑定入院の全期間にわたって情報交換等の制限を行うことは一般的には考えにくいことと思っております。
 また、鑑定については、対象者の精神障害の類型や過去の病歴などに加え、対象者本人の性格も踏まえて行うことが必要と考えられますので、鑑定入院を行う医療機関の主治医や鑑定医による診察、鑑定等については、基本的には対象者との直接的な接触の機会が設けられるべきであり、御指摘のような規制は設けるべきではないというふうに考えております。

○福島みずほ君 時間ですので、終わります。


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