参議院 厚生労働委員会議事録 2007年03月27日
◆雇用保険法等の一部を改正する法律案
◆下村官房副長官の従軍慰安婦問題についての発言について◆
◆退院支援施設の問題について◆
◆肝炎について◆
◆雇用保険と偽装請負について◆
◆下村官房副長官の従軍慰安婦問題についての発言について◆
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
まず冒頭、これは質問通告してなくて申し訳ないんですが、内閣の構成員としての大臣の見解をお聞きしたく、一問質問いたします。
下村官房副長官が昨日の夜の記者会見で、いわゆる従軍慰安婦問題について、直接的な軍の関与はなかったと私自身認識しているとのお考えを示しました。若干また夜訂正をし、強制連行について軍の関与はなかったということを述べたものだと修正をされましたが、柳澤大臣、この下村官房副長官の発言についての見解をお聞かせください。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはもう度々安倍総理がおっしゃられていることですけれども、この従軍慰安婦の問題については、内閣として河野談話をそのまま引き継ぐということでございますので、官房副長官もそうしたことをきちっと踏まえて発言をなさっているものと私は受け止めている次第です。
○福島みずほ君 河野官房長官談話と下村官房副長官の直接的な軍の関与はなかったというのは明確に矛盾をしていますが、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは私、下村官房副長官の談話をよく詳細知らないわけでありますから、それについてコメントをするということは元々困難であるとしか申し上げられません。
○福島みずほ君 報道では、直接的な軍の関与はなかったと私自身認識している、強制連行について軍の関与はなかったということを述べたものだと修正していらっしゃいますが、明確にこの記者会見の中身は河野官房長官談話に反しています。これについていかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) それはもうさっきのお答えと同じでございまして、報道での話でもって私がいろいろ下村副長官のこの考え方というかその表明された御意見についてコメントをするということは、やっぱり適切でないと思います。
○福島みずほ君 明確にこういう発言していることが明らか、報道の中でこういうふうに発言しているというのが明らかです。これは副官房長官として重要な問題であるというように考えます。
河野官房長官談話と、では、下村官房副長官が、直接的な軍の関与はなかったと私自身認識している、これは明確に反するのではないんですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) それはやっぱり、福島委員のお言葉ではありますけれども、やはり私がここで何かこのコメントをするということは、これはもう実際上可能でないわけですね、本人の言っていることを知らないわけでありますから。報道で今、福島先生がそうおっしゃられますけれども、そういうことについて私がコメントをするというのは適切でないと思います。
○福島みずほ君 では、確認をされた後、また再度御質問したいと思います。これは重要な問題で、しかも昨日予算委員会で安倍総理に内閣としてどうかという確認をしておりますので、内閣の不一致、あるいは官邸の不一致ということで大問題だと考えます。また、官房副長官が誤ったメッセージを国際社会に発する問題であると考えますので、確認をされた後、またこの委員会で質問をいたします。
◆退院支援施設の問題について◆
では次に、退院支援施設の問題について質問をいたします。
これは四月一日から施行ということですが、この中身はどのようなものでしょうか。
○政府参考人(中村吉夫君) 退院支援施設につきましては、受入れ条件が整えば退院可能な精神障害者の方々に、地域生活への移行を進めるために設けようとしている施設でございます。
具体的には、長期に入院されている方々に生活訓練等を行い、地域生活に円滑に移行していただくことを目的としておるものでございます。利用者が地域生活に移行していくための選択肢の一つとして考えておるものでございます。
○福島みずほ君 具体的にはどのような中身でしょうか。
○政府参考人(中村吉夫君) ただいま申し上げましたように、長期に入院されている方々に生活訓練等を行い、地域生活に円滑に移行していただくための施設でございます。
○福島みずほ君 その施設は、従来のその病棟と同じところでもよろしいんでしょうか。フロアの転換でも可能なんでしょうか。食堂、おふろは共用となるんでしょうか。
○政府参考人(中村吉夫君) 一応、病院内の敷地の中でも設置が可能でありますし、病棟の転換ということでも可能でございます。
○福島みずほ君 それがなぜ社会復帰になるんですか。
○政府参考人(中村吉夫君) 退院施設につきましては、障害者自立支援法における日中活動の生活訓練事業又は就労移行支援事業と併せまして、夜間の宿泊を一体的に提供するものでございます。
退院施設につきましてはそういうことでございますので、医療の場から福祉の場に移るということになりますので、病棟と異なりまして外部の福祉サービスを利用することが可能となりまして、地域生活のための訓練や経験を積むことが可能となるというふうに考えております。
○福島みずほ君 社会的入院をなくすということで、どうやって社会復帰をするのかというのが大変重要です。そのためにNGOも含めいろいろ努力をして社会復帰をやっているところがたくさんあります。
今回この質問をするのは、この意味が分からないからなんです。
先ほど、同じ病棟の中のフロアの転換でも可能ということでした。改めてお聞きします。食堂やおふろは従来のその病棟と同じところを使用することもあり得るということでしょうか。
○政府参考人(中村吉夫君) それぞれのケースでケース・バイ・ケースということでございますけれども、おふろ、食堂につきましては共用することも可能というふうに考えております。
○福島みずほ君 同じ病院でフロアをちょっと変えて、従前と同じく食堂も、そしておふろも一緒、どこが社会的な復帰になるんでしょうか。これは看板を立て替えるだけではないかと。
この人たちは社会的入院と数えないことになるということでよろしいですか。
○政府参考人(中村吉夫君) お答え申し上げます。
退院支援施設の利用者につきましてはあくまでも地域移行の途中にいる方ということで認識しておりまして、これでもって社会的入院が解消されるというふうには考えておりません。このため、利用者につきましては、事業者を始めとしまして市町村の職員その他の地域の関係者等の連携によりまして、着実な地域移行のための支援体制づくりを図っていきたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 医療統計上はこれは入院していると数えるのか、社会復帰をしたというふうに数えるのでしょうか。
○政府参考人(中村吉夫君) 今申し上げましたように、退院支援施設の利用者につきましてはあくまでも地域移行の途中にある方ということで認識をしております。
○福島みずほ君 答えてください、入院なのか入院でないのか、どちらですか。
○政府参考人(中村吉夫君) ただいま申し上げましたように、退院支援施設につきましては、社会的入院の患者さんが地域生活へ移行していく過程での選択肢の一つということで、地域移行への途上というような位置付けにしてございます。
はっきり、これは入院している状態にカウントするのか、そうではなくて退院したということになるんですか。
○政府参考人(中村吉夫君) ただいまも御答弁いたしましたように、退院支援施設につきましては、受入れ条件が整えば退院可能な方につきまして移行の途上ということで、そういう位置付けで整理をしてございます。
○福島みずほ君 長年、精神障害者の人たちの社会的入院をどう解消するか、どう地域に復帰するかということはとても大事な課題です。だからお聞きしているんで、ちょっと私頭が悪くてよく分からないんで、はっきり教えてください。これは入院なんですか、入院じゃないんですか。
○政府参考人(中村吉夫君) 何度も同じ答弁をして恐縮でございますけれども、精神病院に入院しておられますけれども条件が整えれば退院が可能な方につきまして、地域への移行の途上ということで位置付けをいたしまして地域生活へのいろいろな訓練を進めていこうというものでございます。
○福島みずほ君 時間がもったいないので、同じことを答えないで端的に答えていただけますでしょうか。
社会的入院者、厚生労働省は約七万人と把握をしています。どうやって、あるいは精神障害者の人を地域へ戻すか、大事な課題です。
じゃ、お聞きします。さっきおっしゃったフロアの転換をやりました。そして、退院支援施設です。食堂、おふろは共用です。そして、一部屋、相変わらず四人部屋です。これは厚生労働省の統計上は入院ではないということでよろしいですね。精神病院に入っていないということになるんですね。
○政府参考人(中村吉夫君) 精神科病院に入院をしておるという数字からは除外されますけれども、あくまでそれは地域に移行する過程におられる方というふうな認識でございます。
○福島みずほ君 それを答えていただければいい。精神科病院に入院してないということですね。
○政府参考人(中村吉夫君) 入院患者という数字としては、今申し上げましたように除外されることになります。
○福島みずほ君 いや、初めからそう答えていただければ、時間は本当にもったいないというふうに思います。
そのように、実は変わっていないんだけれども入院ではないことになるんですね。だから、数字上は一見入院患者が減ったように見えるけれども、入院をしている、入院というか、そこに入っている人にしてみれば変わらないんですよ。一部屋四人部屋ということが続くということでもよろしいですね。
○政府参考人(中村吉夫君) それぞれの施設につきましては、その実態によって四人部屋というようなことが続くというケースもあろうかと思いますけれども、できるだけ生活環境の向上に努めていただきたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 予算はどれぐらい付けて、どのようなものを考えていますか。
○政府参考人(中村吉夫君) 施設整備費としては九十四億でございますけれども、全体としての給付費はその自立支援法の給付の中に含まれるということでございます。
○福島みずほ君 いや、全く不思議で、フロアを変えたり、そのお金を九十五億掛けるとおっしゃいました。そうではなくて、違うやり方で社会復帰をするべきではないでしょうか。
例えば、大阪府では退院促進事業として、例えば精神障害者によるピアサポート活動が重要な役割を果たしていると。少しずつみんなで相談業務を充実させたり、例えば、社会的入院解消のためには退院促進やピアサポート活動の充実、地域での住まい確保、それを徐々に徐々にお互いに助け合いながらやっていくというものが非常に重要だというふうに考えています。
地域生活支援事業という裁量的経費でわずかな予算しか付かないとも聞いております。この地域生活支援事業の予算は四百億円というふうにも聞いていますが、これは支援事業全体の予算であり、社会的入院に関する予算配分は実際にはこの十分の一程度の四十億程度だと言われていますが、それでよろしいでしょうか。
○政府参考人(中村吉夫君) 精神障害者退院促進支援事業につきましては、平成十五年度からモデル事業として実施してまいりましたけれども、障害者自立支援法の中では地域生活支援事業の一つとして実施しておるところでございます。都道府県が行う基礎的事業として位置付けられておるところでございます。
地域生活支援事業に係る予算につきましては、各自治体が地域の実情や障害者のニーズ等を勘案し、自治体の裁量により柔軟にサービスを提供できる事業を統合補助金としたものでございまして、平成十九年度予算におきましては、御指摘がありましたように全体として四百億円を計上しているところでございます。
こうした地域生活支援事業は、自治体の裁量が最大限発揮できるとともに、その創意工夫により事業を効率的、効果的に実施していただくことが期待されておりまして、退院促進支援事業等の活用により、精神障害者の地域生活への移行に資する事業の展開についてもより効果的に実施されていくものと考えております。
このほか、精神障害者の地域生活への移行にかかわる事業といたしましては、平成十八年度の補正予算において、障害者自立支援法の円滑な運用を図るための特別対策といたしまして、退院支援の専門家の養成等を行う退院促進支援事業を盛り込んでおりますし、平成十九年度予算においても、セーフティネット支援対策等事業費補助金において、生活保護を受給しておられる精神障害者の退院促進を計画的に進めるための新たな事業を創設することとしておるところでございます。
○福島みずほ君 地域生活支援事業は、実際は社会的入院に関する予算配分は十分の一程度の四十億程度だというのは、これでよろしいですか。
○政府参考人(中村吉夫君) ただいま申し上げましたように、四百億円の地域生活支援事業につきましては、それぞれの地域の実情に応じて展開されるものでございますので、自治体の判断によるというふうに考えております。
○福島みずほ君 退院支援施設に関して、現在、予定の地域や箇所数はどうなっているでしょうか。なぜ退院支援施設のようなものが必要なのか、その効果についての具体的なエビデンスはあるのでしょうか。
○政府参考人(中村吉夫君) 退院支援施設につきましては、現在のところ、私どもとしてきちんと調査をしているわけではございませんけれども、私どものところに設置をしたいという相談が数件程度ございます。それから、退院支援施設は本年四月から施行されるということになっておりますけれども、病院から地域生活への移行を実践しております福祉関係者あるいは病院関係者からヒアリングをいたしまして、有効な事例を収集してまいっております。有効な事例としては、例えば地域生活に理解のある医療機関や支援者などの取組によりまして、入院中の状態からスーパーでの買物や銭湯通いなど地域生活のための経験を積んで、地域生活を実現されているなどの事例が報告されておるところでございます。
先ほど申し上げましたように、退院支援施設につきましては、医療の場から福祉の場に移るということになりますので、外部のサービス、福祉サービスを利用することが可能になりますし、地域生活のための訓練や経験を積むことなどの支援が効果的に取り入れられることになるというふうに考えております。こうした福祉サービスの実施に当たりましては、先ほど御説明いたしましたように、有効な事例のノウハウを踏まえた運営の取扱いとすることを考えております。
いずれにいたしましても、退院支援施設は社会的入院患者が地域生活へと移行していくための選択肢の一つというふうに考えております。精神障害者退院促進支援事業等、他の施策も併せまして、退院促進を積極的に進めていきたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 厚労省自身、この事業に対する厚生科学研究等の研究はなされたのでしょうか。実際、九十五億掛け箱物を造る、あるいはフロアの転換をするに当たってお金を出すわけですよね。そういうエビデンスはあるんですか。
○政府参考人(中村吉夫君) 先ほど申し上げました施設整備費九十五億というのは障害者に関する施設全体の予算でございまして、この中から退院支援施設にも予算が充当されるということでございます。エビデンスにつきましては、ただいま申し上げましたように、有効な事例等について収集をして、現実の運用に生かされるようなマニュアルを作成していきたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 いや、これから作成するのではなく、現にこういう通院支援施設の件で有効であるというのがあるんですか。
なぜこういう質問をするかというと、日本障害者フォーラムやいろんな団体、NGOが、当事者がこの退院支援施設に反対をしているからです。なぜ反対をしていると思われますか。
○政府参考人(中村吉夫君) 精神障害者退院施設につきましては、実質的な退院、社会復帰につながらないのではないかという懸念が表明されているということには承知をしております。
しかしながら、退院支援施設は、利用者が地域生活に移行していくための選択肢の一つとして必要な施設であるというふうに考えておりまして、これを実効性のあるものとするために、一つは外部の福祉サービスの積極的活用、二つ目といたしましては地域交流の推進等による開かれた施設運営、それから三つ目といたしましては病院からの一定の独立性の確保をするなど、運営上の取扱いをきちっとした上で、実施に当たって十分配慮をしていきたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 当初、昨年十月だった実施時期が四月に延期をされました。当事者やNGOは、これは社会的入院の件数を減らすためだけのものに使われるだけで、実効性がないんじゃないか。それでも、自分たちがいろんなところでやってきた社会復帰のやり方にこそお金を使うべきではないか。要するに、同じ精神科病院のフロアを変えて、食堂もおふろも一緒で、部屋もそのままで、しかし、それはなぜか入院ではないとされるということについて、非常にみんな懸念を表明しているわけですね。
今おっしゃったように、反対があるわけじゃないですか。もう三月の末ですよね。四月から施行ということであれば、見切り発車というふうに思います。もうこの間、障害者自立支援法やリハビリの問題など、厚労省が十分検討しないで見切り発車をしたことで、実は非常に問題が生じてきたというふうに思っています。
この、ちょっと一杯言って済みませんが、当初、昨年十月だった実施時期がなぜ四月に延期されたんですか。
○政府参考人(中村吉夫君) 私どもとしては、先ほど来の答弁で申し上げておりますように、この施策が有効に機能するようにマニュアル等を作成するために時間をいただいたというふうに認識しております。
いずれにいたしましても、精神障害者の退院施設につきましては、入院治療が不要な社会的入院の患者さんのを明確化するということによって、入院による治療が不要な状態にある方が地域に移行していただくということで整理をさせていただいて、そのことを市町村もよく認識した上で取り組んでいただけるというような機会になるでしょうし、私どもといたしましては、地域移行への期間というのを原則二年又は三年というような利用期間で考えておりまして、できるだけ地域移行が進みますように、先ほど来お話をしておりますようなもろもろの施策と併せて実効性を高めていきたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 当初十月だった実施時期が四月に延期されたと。マニュアル作るためとおっしゃいましたが、マニュアルできたんですか。あるいは、当事者、NGOの説得はできたんですか。
○政府参考人(中村吉夫君) 障害者団体の方々とのお話合いにつきましてはせんだって二十三日にも行わせていただきまして、先ほど申し上げましたような、地域生活に移行をするために実効性のあるためのものの実施するに当たっての配慮をするようなことをきちんとお話をさせていただきました。
それから、好事例等につきましては現在まだ整理をしておるところでございます。
○福島みずほ君 現在整理している状況で、まだ合意を作っている段階であれば、四月一日からやるという、もう今日は三月二十七日ですから、四月一日からやるという施行は強引ではないでしょうか。この凍結を強く求めますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど来障害保健福祉部長からるる御説明させていただいているとおり、これはあくまでも利用者が地域生活に移行していくための選択肢の一つというふうに位置付けているわけでありまして、これを本当に実効性のあるものにするためにいろいろな優良事例等の収集に当たってい、そしてその上に立って、共通項と申しますか、そういったことでマニュアル作りをするということでございます。
ですから、すぐそうした努力をひっくり返して凍結とかというようなことを御主張になるのはいかがかなというふうに聞いておった次第です。とにかく前向きに努力をさせていただきたいということをお願い申し上げる次第です。
○福島みずほ君 社会的入院をなくしたり社会復帰をするのであれば、今の精神科病院を前提にしてどうやってケアをするかをやればいいわけです。実際は、病院の中に居続けながら、社会的入院は続けながら、実は社会的入院としてカウントされない、箱物を造ることにお金を使う、あるいは改装することにお金を使う、これは全然、当事者たちも大反対をしている。むしろ、実態が見えなくなるとして大反対をしています。見切り発車でやってろくなことはないということも申し上げたいと思います。障害者差別禁止条約は国連で日本も批准をいたしました。ですから、これについては反対であると、凍結を求めるということを申し上げます。
◆肝炎について◆
次に、肝炎についてお聞きをいたします。これはずっと質問し続けていますが、三月十三日の厚生労働委員会での私の質問に対する答弁として、医療機関が不審に思わないように、肝炎発生との因果関係がはっきりしない段階で、余りあおらないように気を遣っただけであり、審査は中薬審の専門家がしたから問題がないという趣旨を含む答弁をされました。しかしながら、東京地裁の判断は、看過しがたい副作用というものであり、厚生省には認識の甘さがあったと明確に指摘がされております。
一九七七年十二月のアメリカFDAによるフィブリノゲンの具体的な承認取消しが出されております。このような重大な情報が出た当時に、日本での具体的な調査はなぜ行われなかったんでしょうか。また、一九七八年に非A非B肝炎の重篤性についての治験も確立していたのに、どうして実態調査を行わなかったのでしょうか。
さらに、一九八六年秋の集団感染事件が発生してから後、一九八七年四月三十日に加熱製剤の承認を行っておりますが、集団肝炎をきっかけとして、使用実態についてなぜ確認調査を取らなかったんでしょうか。三月二十三日の東京地裁判決でもこれらの点が断罪され、不必要な投与を受け理由なく感染被害を受けた患者がいるとされていますが、国はどのように考えるのでしょうか。国が主張する、有効性、有用性を主張する以前の問題ではないでしょうか。
○政府参考人(高橋直人君) 四点ほどお尋ねがあったかと思います。
まず、一九七七年十二月のアメリカのFDAによるフィブリノゲンの具体的なその承認の取消しの件でございますけれども、まずアメリカでは、出産時に発現する後天性低フィブリノゲン血症のみならず、先天性低フィブリノゲン血症も含めてこの製剤の承認を七七年に取り消しておりますけれども、これはほかの欧州各国、それから日本ではこれはフィブリノゲン製剤はずっと販売され続けております。
このアメリカの七七年のその承認の取消しについて申し上げれば、ウイルスの不活化処理が行われていなかったフィブリノゲン製剤につきまして、ノンAノンB型肝炎ではなくてB型肝炎リスクを考慮して、使用が必要な症例について、代替可能なちょっと一世代前のクリオ製剤で供給可能であると判断して承認を取り消したものというふうに承知をしております。一方、我が国において使われておりましたフィブリノゲン製剤につきましては、これはウイルス不活化処理が行われておりまして、現実に当時、肝炎の発生報告は極めて少のうございました。また、突発的に生じる出産時の大量出血の際には、やはりこの製剤は常備困難なクリオ製剤で代替することは大変難しかったんではないかというふうに考えております。
それから、第二点目の七八年のノンAノンB型肝炎の重篤性の知見というお話がございましたが、これは、七八年現在ですと、やはりそのノンAノンB型肝炎の重篤性についての知見はこれは確立しているような時期ではなかったのではないかというふうに考えております。
例えば、八七年の医学の教科書などを見ても、ノンAノンB型のその肝炎の予後は、ちょっと申し上げますと、例えば、昭和六十二年発行の朝倉書店のこの内科学第四版でございますけれども、持続性肝炎は通常数年の経過をたどるが、最終的には治癒すると言われている。あるいは、同年発行の中山書店の内科学書でございますが、これは慢性肝炎のうち非活動性肝炎の予後は良好で、大部分は非活動性のまま経緯するか治癒するが、一部に活動性に移行するものがあると、こういった記載でございまして、一九八七年当時というのはこういった医学的知見が一般的ではなかったかというふうに考えます。
それから第三点目でございますが、八六年秋の集団感染というお話がございました。集団感染は、これは八七年の一月から三月に起こったものというふうに言われております。厚生労働省の方には、三月の二十四日に青森県の診療所からフィブリノゲン製剤を投与した患者につきましては肝炎が集団発生した旨の報告を受けております。これを受けて、私どもは同年三月二十六日にミドリ十字に対しまして、青森県の診療所における集団肝炎発生に関連しまして全国調査の実施を指示をいたしております。また、すぐその後でございますが、四月八日にミドリ十字社から医療機関における肝炎発生状況の報告を受けまして、厚生省は同社に対しまして早急に調査を実施し、報告するよう指示をいたしております。それから、翌四月九日には、さらにミドリ十字に対しまして、肝炎を発症した患者の現状と肝炎の型を早急に調査する、それから疑いのあるロットの全国調査の結果を時間を追って報告すること、それから青森県下で今回の件の関連のある医師のコメントを入手し報告すること、こういったことを指示をいたしております。
それから、東京地裁のその判決の方でございますけれども、フィブリノゲン製剤につきましては、肝炎のそのリスクの存在することはこれは添付文書に明記をされておりまして、臨床現場の使用については医師の専門的な判断によって個々の症例ごとの利益が、まあリスクとベネフィットを比較考量して使用されるべきものであったというふうに考えております。
今回の東京地裁の判決は、フィブリノゲン製剤の販売数と対象疾患の患者数を比較いたしまして、適用外の使用があった旨を指摘をされております。フィブリノゲン製剤はこれは常備すべき医薬品とされていたわけでございますので、その販売数がそのまま投与数を示すわけではございません。それから、このフィブリノゲン製剤の販売数を全国の産婦人科の施設数で割りまして一施設当たりの販売量を計算しても、適用外の使用をうかがわすようなデータは得られないものでございます。この辺は、ちょっと裁判の中でも私ども主張しております。
○福島みずほ君 旧ミドリ十字が認めているだけでもフィブリノーゲンの肝炎感染患者は一万人。東京地裁判決でも感染から二十年を超えると肝硬変の進展率が増加すると指摘されていて、今るる局長は落ち度はないというふうにおっしゃいましたけれども、もう少しこの、こういう実際もう亡くなっていらっしゃる方や家族の人、今患者さんに私たちは会っていますけれども、もう少し厚労省が対応していればこれは救えたこともたくさんあるのではないかというふうに思います。
肝炎患者の治療支援なんですが、これは衆議院の委員会で山井さんやいろんな方も質問をしております。これは、厚労省は二百億円、B、C合わせて二百億円というふうにも言っておりますけれども、実際もし肝硬変などの救済をすれば肝硬変だけでもこれは何兆円か掛かるんではないか、医療費が掛かるんではないかと言われております。実際、裁判が出て、それからもう一つどうやって救済をするかというのがあると、肝炎患者への治療支援に厚労省はもう一歩踏み込んで行うべきだというふうに思いますが、いかがですか。
○政府参考人(外口崇君) 肝炎の対策を推進することは極めて重要と認識しております。
具体的には早期発見、早期治療の促進、治療水準の向上という観点から、現在、検査体制の強化、診療体制の整備、治療方法等の研究開発等の総合的取組を推進しているところでございまして、今後ともこうした取組を一層推進してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 全体的なそのさっき言った二百億円、B、C合わせて二百億円ぐらい掛かるだろうという、これは衆議院の厚労委員会で出ておりますが、これでよろしいですか。また、救済についてどのような試算をし、積算をし、何をやろうと厚労省はしていますか。
○政府参考人(外口崇君) 二百億円の話でございますけれども、これは、例えばインターフェロン治療を行っている患者さんがこれがレセプトデータを基に例えば年間五万人いると仮定して、現行医療保険制度における平均的な自己負担の状況を前提に、ごく粗い推計を行うと、その治療の自己負担分を仮に無料とする場合には、五万人掛ける約二百八十万円の医療費掛ける平均自己負担割合一七%掛けると約二百億円、そういう試算もございます。
それからあと救済について、治療費助成をどうかという御指摘かと思いますけれども、ウイルス性肝炎の治療費助成については、私どもはその難病と異なり治療法が確立していないわけではないこと、それから結核等の感染症と異なり蔓延防止のための特別な措置を要しないこと等の他の公費医療制度の対象疾病と事情が異なるということもありますので、これはなかなか難しいんではないかと考えております。
○福島みずほ君 患者さんたちと話をしますと、やっぱり治療費が非常に掛かるという話を聞くんですね。これは一つやっぱりある種の薬害、裁判所からは明確にこれは断罪をされていますので、厚生労働省としてこれからの救済をどうあるべきか。ある程度の試算もされているでしょうから、それに向けて、これみんな何万人という人たちがこれから肝硬変などになったりすれば、よっぽどそれが三兆円ぐらい掛かるんじゃないかというふうにも言われていますので、厚労省は一歩踏み込んできちっと助成などに踏み切るべきだということをあえてまた申し上げます。
これは今までも私も言って、ほかの委員とも質問がダブるのですが、柳澤大臣になってなぜ当事者の人と会わないのかと。問題は、やっぱり裁判の判決で完膚なきまでに言われて、救済がもう政治的な決着しかないというふうに思います。裁判は訴訟当事者同士が、弁護士同士が、当事者同士が会うことは、もうこれはもう当たり前というか普通のことでありますし、問題の解決をどうするかというのを政治が決断をすべきときだと私は考えております。
また、三権分立に反するという答弁がかつてありました。三権分立に反しません。三権分立は司法が行政に介入するとか、行政のチェックをどうやるかという、三権分立とはそういうことであって、判決が出てそして控訴中、争っている途中でも当事者が話し合うということは、これは日常的にもされていることで、何ら三権分立上も問題はありません。
大臣、大臣在任中に是非この一歩踏み込んで政治的解決をすべきだというふうに思います。そのためにもとにかく当事者と会って話を聞くということを是非やっていただきたい。改めていかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 裁判の争点をまた別途に議論をする場を設けるということには私はかなりちゅうちょを感じて、前から、そうではなくて一般的な肝炎対策等について話し合うということであればそれはまた担当者がお会いするということも考えたいということを申し上げている次第でございます。
この一歩踏み込んだ支援ということで、もし治療費助成についておっしゃられているのであれば、今健康局長が答弁したように、私どもは他の公費医療制度の対象疾病とは事情が異なるというふうに認識をしておりまして、これはこれでまた大変難しい問題であると、このように考えている次第でございます。
○福島みずほ君 在外被爆者の問題、それから原爆認定の問題、じん肺の問題、それから中国残留邦人の問題、そしてこの肝炎の問題、とにかく当事者、命が続く限りという思いでやっています。そのためにも政治的解決、それは国会としてもやりますが、行政としても一歩踏み込んでやっていただきたいということを改めて申し上げます。
◆雇用保険と偽装請負について◆
雇用保険の国庫負担金削減について同僚委員たちから話が出ました。私もやはりその点をまず指摘せざるを得ません。厚生労働省は毎年二千二百億円社会保障関係費削減をやっております。平成十九年度予算、生活保護制度見直し四百二十億円、雇用保険の国庫負担見直し千八百十億円。
私が言いたいのは、今回の国庫負担金削減は、制度から必然的に起こったことではなく社会保障費削減ありきから出てきた数字合わせではないか、これについてはいかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これはそういうことよりも前から御説明をさせていただいておりますように、一連の行政改革のこの計画、こういったことを踏まえて行われているわけでございまして、何かこの二千二百億円ありきということで考えられているという御指摘は当たっていないというふうに考えます。
○福島みずほ君 雇用保険は働く人にとってのセーフティーネットです。その制度からどうするか、景気が良くなったからどうするかならまだ分かるけれども、今おっしゃったとおり、そして今日この委員会で出ているとおり、行政改革という観点から国庫負担金の削減が提案をされています。見事に二千二百億円ずつ毎年削減をしています。平成十九年度も正に二千二百億円、ちょうどぴったり数字上削減なんですね。
ギリシャ寓話に、追いはぎの人が旅人を捕まえてベッドに縛り付けてベッドに合わせて手足を切るという、まあ恐ろしい話ですが、という寓話があります。やっていることはそういうことじゃないですか。実際こうだからこうしますではなくて、行政改革ということから二千二百億円見事に毎年削減をしています。ターゲットになったのが雇用保険であり、だから千八百十億円これは削減するのだと。
働く人のセーフティーネットをこういう形で削減をするということに反対です。むしろ、安易に引き下げると、廃止することはもう許されないというふうに考えます。
今後、景気が後退した場合、国庫負担金の増額をするのでしょうか。
○政府参考人(高橋満君) 今後、雇用保険制度の安定的な運営を確保するために必要が生じたというような場合には、その時点で、雇用保険財政の状況でありますとか雇用失業情勢、また国家財政の状況等も踏まえながら国庫負担の在り方については適切に検討をすべきものと考えておるところでございます。
○福島みずほ君 厚生労働省は毎年社会保障関係予算を申し上げたとおり二千二百億円削減していますが、二〇〇八年度予算においても削減をするのでしょうか。国民の生活、特に命に直結する社会保障費の一律的な削減は認められないと、予算の十分な確保をお願いしますが、いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 骨太の方針、いわゆる骨太の方針二〇〇六では、社会保障における歳出の削減については本文の別紙で、過去五年間の改革を踏まえて今後五年間においても改革努力を継続することとすると、そういうふうにうたっているわけでございますが、その上で、別表におきまして、今後、国、地方を合わせた社会保障の削減額について一・六兆円程度のマイナスというか、削減ということとされているところでございます。
したがいまして、平成二十年度につきましては、具体的な削減額につきましては、これは経済財政状況なども踏まえながら今後決めていくこととなるわけでございますけれども、いずれにせよ、骨太方針二〇〇六で示された方針を踏まえまして、社会保障費の伸びの抑制に努めていかなければならないと、このように考えております。
○福島みずほ君 初めに削減ありきで社会保障費が数字上だけで削減されていくことがこの間の、五年間ぐらいの問題点を生んできたと思います。厚労省は財務省や骨太方針に反旗を翻してくださいよ。私たちもそれは応援します。社会保障費を削って何やるんだというふうに思っていますので、これはもう二千二百億円毎年ようかん切るみたいに形式的に削らないでくれ、命を削らないでくれ、けんかしてくれと、防衛省でもどこでもけんかしてくれということを強く申し上げます。
特例一時金についてお聞きをします。
出稼ぎ労働者は年間三万人余り、季節労働者は二十万人余り、特例一時金が果たす役割は大変大きいです。出稼ぎの人たち、青森や北海道出身の人たちに会ってきました。一時金の給付水準を下げることについての認識、それから過疎が進む地域に住むからこそ第一次産業に頼らなければならない産業構造がありますが、収入の実情を無視しているのではないでしょうか。やはりお聞きをいたします。
○副大臣(武見敬三君) 循環的な給付である特例一時金については、かねてより、これは複数回、平成十一年及び平成十四年にわたりまして労働政策審議会から見直しの必要性が指摘されております。今回、通年雇用対策の見直し強化に合わせて一定の見直しを行うこととしたわけでございます。
また、見直しに当たっては、季節労働者の現状や関係者からの御要請等を踏まえました。その結果、暫定措置というものを四十日分を設けたところでございます。現在二十三万人程度いらっしゃるということであります。その点については私どももきちんと重く受け止めなきゃいけないというふうに思っておりますが、また同時に、循環的な給付ということで、十回以上の循環的な給付を受けられている方が約五割存在しているということも事実です。その背景には、御指摘のような北海道の様々な季節条件であるとか経済構造というのがあることも私ども踏まえておりますが、その上で、こうした暫定措置を設けて対応と、こう考えておるわけであります。
○福島みずほ君 当分の間とはどれぐらいの間でしょうか。
○副大臣(武見敬三君) 当分の間の期間については、冬の寒冷地に対する地域雇用対策の効果や給付を受けている季節労働者の実態、動向などを踏まえて適切な時期までとするべきであると考えているわけであります。これは正にこうした政策の効果というものを一つ一つ見極めながら、その状況を踏まえた上で適切に考えるということであります。
○福島みずほ君 もう御存じ、地域間格差が拡大をして、所得格差が拡大をしている中で、やっぱり出稼ぎの人たちをこうやって切るのかという思いになるんですね。
出稼ぎ労働者への送り出し地における健康診断の廃止が盛り込まれています。健康を守るための代替案が保障されているのか、就労地における出稼ぎ労働者の相談窓口など、出稼ぎ労働者援護事業の廃止も検討されていますが、この代替案が一体あるのかと。平成十八年度予算で関連事業予算八千七百万円を削減することで労働者の安心と健康を無視するのかということをお聞きしたいというふうに思います。
○政府参考人(高橋満君) 出稼ぎ労働者の皆さんに対する健康診断の問題でございますが、従来、北海道あるいは各県が実施をいたします出稼ぎ労働者援護対策事業として実施をされてきたわけでございまして、国としてこれに補助金を交付してきたというのが実態でございました。
十八年度をもってこの補助金を廃止をいたすことといたしておるわけでございますが、これに伴いまして、就労前の健康診断の実施を継続するか否か、これは道県の判断にゆだねられることになるわけでございますが、国といたしましては、現実には受入れ事業所の方で七割強という率で健康診断は実施されているという実情にあるわけでございますが、ただ未実施の受入れ先事業所に対しましては、十九年度、来年度におきまして新たに出稼ぎ労働者就労支援員というのを就労地の方にも配置をいたすことといたしておりまして、こうした支援員を活用する中で未実施事業所に対しましての必要に応じた健康診断の実施についての助言、指導といったことを通じて、出稼ぎ労働者の健康確保に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○福島みずほ君 関連事業予算八千七百万円、そんなに多額ではないんですね。是非、健康診断や相談窓口を廃止しないように強く要請をいたします。幾ら雇い主に対して努力せよと言っても、やっぱりきちっと行政がやるということの違いは大変大きいと思います。
次に、若年雇用労働者への対応についてお聞きをいたします。
今度のこの法案がフリーターや派遣労働者、偽装請負、日雇派遣、あるいは今非常に多いスポット派遣と言われる人たち、携帯電話で呼び出されて行くスポット派遣の労働者の人たちがこの被保険者に該当しないという問題などについてはどうお考えでしょうか。
○政府参考人(高橋満君) 雇用保険制度におきます日雇労働被保険者の扱いでございますが、既に御案内のとおりかと思いますが、日々雇用される者又は三十日以内の期間を定めて雇用される者であって、一定の要件を満たした場合に適用されるわけでございます。ただ他方、こういう形で就労をされる労働者でありましても、同一の事業主に直近二か月の各月におきまして十八日以上雇用される場合には、原則としては日雇労働被保険者ではなく一般被保険者になると、こういう扱いになるわけでございます。
いずれにしましても、今委員が御指摘のその日雇派遣と申しますか、スポット派遣と様々な言い方があるようでございますが、御指摘のような就労形態で働く労働者にかかわりまして、事業主の方から雇用保険の適用について相談、照会が現在なされておりまして、これを受けまして当該事業所の雇用実態がどういうものなのかといったことを今調査をしておるところでございまして、その結果を踏まえながら被保険者資格の有無等については慎重に判断をしてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 慎重にでなく是非前向きに考慮をお願いいたします。
次に、他の委員からも出ておりますが、私も、今回、被保険者資格と受給資格を一般被保険者に一本化というのはいいと思うんですが、一般被保険者が、六か月ではなくて、受給資格が十二月になると。これは、だから被保険者資格の取得が延長されることになると。結局、短時間被保険者の水準まで引き下げられることになると。雇用の劣化や悪質事業主が増えている今日、一般被保険者が、離職前二年間のうち十一日勤務の月が合計十二か月なければならないというのは決して容易なことではありません。みんな細切れ雇用で雇われていますし、毎日スポット派遣で違うところに行っている。これは結局改悪になるんじゃないかということについてはいかがですか。
○政府参考人(高橋満君) 今回の受給資格要件の見直しにかかわりまして、御指摘ありましたように、被保険者資格を一本化するということに伴いましてこの受給資格要件も一本化する。一本化するに当たりましては、循環的な給付や安易な離職を防ぐことが重要であるということ、それから解雇、倒産などの場合の労働者が予見できない失業について配慮をすると、こういうような観点から、解雇、倒産等による離職者については六か月以上、自己都合離職者等につきましては十二か月以上と、こういうことで設定をしたいというものであるわけでございます。
なお、期間雇用者あるいは正当な理由のある自己都合離職者等々については、一定の配慮を、今回のその六か月から一年未満の間でこの受給資格要件の変更に伴って影響のある方々について十分に配慮をしてまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 十分な配慮をするといっても、実際は十二月に延長されて条件が引き下げられるんですね。これは明確な改悪であり、今のように雇用の劣化が起きている段階では本当に改悪がひどいことになるというふうに思います。
予算委員会でずっと直接雇用義務、派遣についての話をしてきました。厚生労働省は、指導はしてもデータを取っていないということに本当に驚いております。厚生労働省は全国の労働局に、上がってきたり、いろいろ指導しているわけですね。そのうち、指導したうち直接雇用義務がどれだけ上がったか、どれだけ直接雇用義務の成果を上げたかについて一切データを取っていないというのは非常に分からないんですね。
行政指導をしたらどんな効果が出たかというのを見るのが当然じゃないですか。本当にそれはないんですか。ちょっとそれが、わざと出していないのか、それとも、なぜその行政指導をした結果が行政が発表できないのか、私はどうしても分かりません。
○政府参考人(高橋満君) いわゆる偽装請負にかかわりまして私ども、これを是正を求めていくその中で、是正をしていく中で、現にそこで働いておられる労働者の雇用というものが失われるということがあるとこれは大変な問題でございます。そういう意味で、この是正指導をやっていく上で、労働者の雇用が失われることがないようにすることを前提にということで指導をさせていただいております。
この具体的な労働者の雇用が失われることがないような措置として、もちろん発注先におきます直接雇用ということもその一つの選択肢でございますが、それ以外にも様々な対応があり得るわけでございまして、それらを派遣先、派遣元等々、双方の企業が適正な方法で改善をするよう指導をしておるわけでございまして、私ども、これまで法違反の是正を指導し、それに対して是正を確認をすると、その後。その際にどういう形で雇用の安定を図ったかという実は詳細な措置まで報告を求めていないというのが実態でございます。
先生からも、この点いろいろ御指摘をいただいておるわけでございまして、私ども、今後、この直接雇用も含めた雇用の安定の措置の把握にも今後ちょっと努めてまいりたいと、今いろいろ検討したいというふうに考えておるところでございます。
○福島みずほ君 それは当たり前のことで、よろしくお願いします。
というのは、偽装請負があって、雇用を打ち切られないなんて当たり前のことじゃないですか。その結果、直接雇用になったのか、雇用が正社員なのか契約社員なのか、それとも請負という形で徹底したのか、派遣のままなのか、それについては非常に大きいじゃないですか。キヤノンの宇都宮工場では完全請負ですというふうに居直られましたよ。口利いてません、一切指示も出してませんと。請負、偽装請負、派遣、請負とくるくるくるくる変えながら、そうやって居直っちゃうわけですよ。労働者の本当に、労働局が入りながら、正社員や労働条件の向上に結び付いていません。現地の労働局は厚労省の中央と話をしておりますというふうに言っております。
先ほども、キヤノンのケースで三千五百人、ただ正社員は千人だけということで、報道に関しての質問がありました。
三月二十五日付けの中日新聞で、偽装請負指導厳格に、三年超なら直接雇用要求との指導を決めたという報道がありました。厚労省に聞いたら、この報道の基になるような発表は今回特にしていないということでした。ただ、偽装請負の是正指導や発注者の直接雇用などを徹底させていただきたいと。みんながやっぱり正社員になったり、より良い労働条件を求めている。雇用が打ち切られないなんというのは当たり前で、それを指導というふうには言わないと思います。
今局長が、これからある程度データを取るというふうにおっしゃいました。直接雇用に向けて厚労省が頑張ってほしい。一言お願いします。局長。
○政府参考人(高橋満君) 是正指導をする中で、どういうような形で是正をしていただいたか、特に雇用の安定の措置ということにつきましても十分把握をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○福島みずほ君 直接雇用義務で是非正社員の道へ開くように、厚労省は是非汗をかいてください。それについては心から応援をします。
終わります。
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