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2007年

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参議院 予算委員会議事録 2007年03月13日

◆質疑・農業・食の安全等に関する集中審議


◆午前―冤罪事件について◆
◆午後―農業・食の安全等に関する集中審議―地球温暖化防止について◆
◆午後―農業・食の安全等に関する集中審議―松岡大臣の光熱水費問題について◆


 

◆午前―冤罪事件について◆

○委員長(尾辻秀久君)
 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。

○福島みずほ君
 鹿児島の公職選挙法で無罪が確定したケースについてどのように反省をしていらっしゃるでしょうか。警察、検察、両方。警察と検察、両方です。

○国務大臣(長勢甚遠君)
 今回の判決では、自白が客観的事実と矛盾することや変遷していることなどを理由として信用できないとされているところでありまして、自白の信用性の吟味や裏付け捜査が不十分であったと承知をしております。こういうことのないように今後十分に気を付けていかなきゃならぬし、またそのように指示をいたしております。

○福島みずほ君
 警察はどのように反省していますか。また、どのような処分を行っていらっしゃいますか。

○政府参考人(縄田修君)
 二月二十三日に無罪の判決が言い渡されました。鹿児島県警察におきましては、公判への対応の中あるいは捜査経過等につきまして随時検討を行ってきたところであります。私どもとも情報を交換しながら、今回の判決内容も十分吟味をいたしました。  その結果、供述の内容及び供述の変遷という点に関して、供述の信用性の吟味が十分でなかったということを受けて、供述内容を十分に吟味した捜査、供述の内容と裏付けの状況も十分照らしながら判断していくということが大事だろうということ、あるいは供与金の原資が全く解明されていないなど、客観的証拠等による供述の裏付けが十分でなかったこと、こういったことを受けまして、裏付け捜査の徹底による供述の信用性を十分吟味すること、あるいは長時間あるいは長期間にわたる追及的、強圧的な取調べ、あるいは取調官による不適切な言動の存在が強くうかがわれ、自白の信用性に疑問が残ると判断されたことを受けまして、自白の信用性の担保に配慮した取調べを実施する、こういったことが大事だろうということで認識をいたしております。  いずれにいたしましても、刑事裁判におきまして、事実の証明がないというふうなことにされたことは誠に重く受け止め、こういった事案、生かすべきは生かす、十分反省をしながら対応していきたいと、こういうふうに思っております。  先ほど、処分というお尋ねがございましたが、鹿児島県警察におきましては、こういったことも踏まえまして、当時の捜査主任官及び本部の捜査二課から派遣された班長等につきまして、現場での指揮が全般にわたって不十分であったと認められたということで、鹿児島県警察本部長から厳重に注意ということで処分が行われております。  また、警察庁におきましても、捜査全般の指揮監督が不十分であったということで警察庁長官自ら元鹿児島県警察本部長に対しまして注意を行ったということでございます。

○福島みずほ君
 検察の処分はどのようなものでしょうか。

○国務大臣(長勢甚遠君)
 本件については、先ほど申し上げたとおり、反省すべき点、今後の糧としなきゃならない教訓がたくさん含まれておるわけでありまして、それを十分今後吟味し、捜査に生かしていきたいと思っておりますが、ただ、検察官が職務上の義務に違反したとまでは認められないと思っておりますので、処分をする必要はないものと考えております。

○福島みずほ君
 この買収事件は、全員無罪、否認の元県会議員は三百九十五日間拘留されています。先ほどあるように厳重処分、厳重注意のみです、警察は。検察の方は処分なしです。このようなものでよろしいんでしょうか。  警察、検察、両方お願いします。

○政府参考人(縄田修君)
 私どもの先ほどの人事的な措置の関係で若干御説明申し上げますと、鹿児島県警察におきましては、当初、端緒の情報を得て、これは物品の買収等でございますけれども、そういったことから捜査を始め、それから現金の買収の供述が得られたということで捜査をしていったわけでありまして、そういった意味合いでは、情報に基づき法令にのっとって捜査をいたしているということでございまして、そういった中で、この大きな義務違反ということが見いだせないということで、今後捜査に生かすべきということから、先ほど申し上げましたように、警察本部長あるいは警察庁長官から担当の捜査責任者に対しまして注意ということで措置がなされたということでございます。

○福島みずほ君
 強引な密室捜査をやりながら厳重注意だけというのは全く理解できません。  富山で三年間刑務所に服役していた冤罪事件、これはどのように反省していらっしゃるでしょうか。  警察、検察、両方、処分についてもお願いします。

○国務大臣(長勢甚遠君)
 富山の事件におきましては、自白及び客観的証拠の吟味が十分ではなかった面があったということでございますので、深く反省をしなきゃならぬと思っておりますが、先ほど言いましたように、吟味が不十分であったという点はあるとしても、職務の義務に違反するというところまでは言えないと思いますので、処分は今考えておりません。

○福島みずほ君
 警察の方はいかがでしょうか。これは冤罪で、刑務所に入った人はアリバイがあり、かつ現場の足跡が違っていたというケースです。いかがですか。

○政府参考人(縄田修君)
 お尋ねの事案、平成十四年の一月と三月、富山県下で発生した強姦事件等の捜査にかかわるものでございます。  当時の捜査で聞き込み捜査等を実施いたしまして容疑者が浮上し、それから写真面割りとか面通し等々もやり、容疑者が一応浮上したということで取調べを行って、概括的な自供を得て逮捕したものでありますが、委員御指摘のように、私どもの反省点といたしましては、大筋供述があるとはいえ、遺留足跡、これは若干一センチ程度ですが、本人の足の大きさと違う足跡等がございました。それから、アリバイについての裏付け等が不十分であった。これは、ちょうど被害者が供述をする、推定される犯行時間帯と、それからこの当該男性の自宅からの発信の状況等につきまして十分精査をすればといいますか、アリバイの存在についてそういう視点からの捜査をすればもう少し解明がなされた可能性があるというようなこと等々、裏付け捜査が必ずしも十分でなかったという点が大きな反省点であります。  この事案につきましては、供述と裏付け、これを十分吟味した上で事実の認定がなされるべきだろうと、こういうふうに考えておるところでございます。  この件につきましても、正にこのようなことがあってはならぬわけでありまして、担当職員に、当時の捜査幹部等につきまして、富山県の警察本部長から厳重注意をいたしたところでございます。

○福島みずほ君
 甚大な被害を起こしながら厳重注意のみ、検察処分はなしです。  ところで、元ボクサーで死刑の確定判決を得ているいわゆる袴田事件について、担当だった元裁判官が無罪だったというふうに言っております。四十五通の自白調書のうち四十四通が任意性に疑いがあるとして排除されたケースですが、この点をどう考えていらっしゃるでしょうか。最高裁、お願いします。

○最高裁判所長官代理者(小川正持君)
 お答え申し上げます。  再審開始決定をするか否か、今その再審請求が係属しているわけでございますが、その点につきましては担当する裁判体が提出された資料に基づいて判断する事項でございまして、事務当局の方でこの点についてお答えすべき事柄ではないと考えております。

○福島みずほ君
 重大な事実が出てきたと思っています。  「それでもボクはやってない」という痴漢冤罪の今映画がヒットをしております。  ところで、刑事訴訟法の一部改正法案、被害者が裁判に参加する制度が国会に出されると言われています。論告求刑を検察官と同時に被害者、遺族がやるということでよろしいですね。

○国務大臣(長勢甚遠君)
 被害者が法廷で意見を述べるということができるようにしたいと考えております。

○福島みずほ君
 論告求刑もやると聞いていますが、そうですか。

○政府参考人(小津博司君)
 現在、検察官が行う事実及び法律の適用についての意見のことを論告求刑と呼び習わしているわけでございます。このたびの法律では、犯罪被害者の方が一定の要件の下でやはり意見を言えるようにしようということでございます。

○福島みずほ君
 検察官は懲役十五年、被害者は死刑にしてくれと言った場合、裁判官はどちらを聞くんでしょうか。法務省刑事局。

○政府参考人(小津博司君)
 訴追の責任を負っている者は検察官でございまして、その立場で検察官が行う意見のことを論告求刑と言い習わしているわけでございます。今度の制度で被害者の方も意見を言うということになります。ちなみに、現行法におきましても、犯罪被害者の方が御自分の心情について意見を述べるという制度は既にあるわけでございます。  いずれにいたしましても、裁判所はすべての証拠、そこで述べられた事柄を踏まえて御判断なされるものと承知しております。

○福島みずほ君
 非常に危うくなると思います。  現行法でも被害者は意見陳述の機会はあります。しかし、今度は自分で質問をしたりするわけですね。有罪か無罪かを考える制度、そして裁判員制度が二年後に始まります。先ほどのように冤罪が、被害者がこの人が犯人だと思い込んでいて、法廷であんたが犯人だとか死刑になってくれと言って、それに太刀打ちできるのか。論告求刑が二通り出て一体どうするのか。被害者の遺族の人の中にも、導入に関しては裁判員制度が根付いた後じっくり時間を掛けて検討してほしいなどの意見が出ております。  刑事裁判の制度を大きく揺るがすこの案は極めて問題があるということを申し上げて、私の質問を終わります。

○委員長(尾辻秀久君)
 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。

◆午後―農業・食の安全等に関する集中審議―地球温暖化防止について◆

○委員長(尾辻秀久君)
 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。

○福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。  ゴア氏の「不都合な真実」には私もショックを受けました。林野庁の試算によれば、地球温暖化防止対策のマイナス六%のうち、森林吸収量で達成する目標、三・八%を確保するには、平成十九年度―二十四年度まで毎年、千から一千三百三十億円が必要とのことです。しかし、平成十九年度予算においては、十八年度補正予算含めて、国費として七百六十五億円しかありません。大臣、この点について、補正予算などを使わず、本来の予算の中できちっと安定財源を確保すべきだと考えますが、いかがですか。

○国務大臣(松岡利勝君)
 福島先生にお答えいたしますが、御指摘のとおりでございまして、京都議定書の目標、約束ですね、これを達成していくためには、あと六年間で約百二十万ヘクタールの間伐を更に追加的に整備しなければならない、このような必要性がございます。  そこで、十九年度におきましては、これは総理の特段の大英断もございまして、また財務省、尾身大臣の御配慮もございまして、七百六十五億円という、正にいまだかつてない追加的な、補正と当初合わせましてそういった予算措置をいただいたところでございます。  そこで、先生の、安定的にずっと当初でやってはどうかという意味の御質問なんだろうと思いますが、いずれにいたしましても、当初も補正も含めまして、百二十万ヘクタールが達成できますようなそういう努力を我々はしてまいりたいと、そしてまた、財務省の方にもそれはお願いを申し上げたいと、このように思っております。

◆午後―農業・食の安全等に関する集中審議―松岡大臣の光熱水費問題について◆

○福島みずほ君
 次に、水の安全についてです。  松岡大臣は、三月九日の定例記者会見で次のように発言しています。今、水道水を飲んでいる人は、ほとんどいないんじゃないですか。しかし、これも水道水です。引き続き将来にわたって安心な水道水の供給をするために所轄官庁である厚生労働省とともに水道関係者も皆懸命の努力をしているところです。食の安全、安心を所轄する農水大臣が、このように国民の生活に直結する水道水に対して愚弄するような発言をすることは問題です。食や水の安全を確保することこそ、農水大臣の仕事ではないですか。  安倍総理にお聞きをいたします。本来、水道光熱費、光熱水費ゼロであるはずが多額の計上がされている松岡大臣の政治資金規正法のこの記載、全く理解ができませんし、不自然です。総理、国民がこれで納得するとお思いですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)
 この事務所費等の扱いについての議論も既になされているところでございますが、この光熱費等については、松岡大臣から、この委員会の場においても法律にのっとって適切に報告をしていると、このように答弁をしていると思います。

○福島みずほ君
 だからどうだというんですか。中身については一切明らかにしていません。つまり、本来ゼロだというはずのものが何百万円、累計すると四千四百七十四万円も計上されているわけです。これは国民は理解できないですよ。総理、総理はこの松岡大臣の説明に納得していらっしゃるんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)
 法律の要求に従って松岡大臣は報告をしていると、このように答弁をしていると思います。

○福島みずほ君
 納得しているかどうかについてお聞きをしています。記載があることは私たちも理解できます。それが政治資金規正法の要求によって松岡大臣が計上している、その客観的事実は分かります。問題は中身です。その中身について総理は納得していらっしゃるんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)
 この政治資金規正法というのは、これは言わば政治資金の入りや出について透明性を確保する、あるいはまた、それと同時に政治活動の自由という観点等々も含めて規定をしているわけであって、その法律の要求するところによって報告をしているということではないかと思います。

○福島みずほ君
 納得しているかどうかについてお聞きをします。総理は納得していますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)
 私の申し上げておりますのは、ルールが要求するところに従って答弁を、お答えをしているということでございます。

○福島みずほ君
 総理は私の問いに全く答えていません。  計上はしてある、それはもう事実です。しかし、納得しているかどうかですよ。国民は納得していません。私も納得していません。本来ゼロのはずが、なぜ計上されるのか。総理は納得しているんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)
 ルールにのっとって、言わば法律の求めるところに従って松岡大臣は報告をしているということでございます。

○福島みずほ君
 納得できるんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)
 松岡大臣はルールに従って答弁をしていると、そのように私は了解をいたしております。

○福島みずほ君
 じゃ、これでいいんですか。  政治資金規正法上、透明性が求められると言いました。私たちもそれを求めています。中身が分からない、全く不自然、説明をすべきです。総理、どうですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)
 各議員が議員の責任において報告をしているわけであって、その報告に当たってルール違反があってはならないのは当然だろうと、このように思います。  その際、政治資金規正法が求めている手続に従って報告をしているということではないでしょうか。

○福島みずほ君
 松岡大臣は、あなたの美しい内閣を担う閣僚ではないですか。  松岡大臣は、昨日、こう答えています、私の質問に。私個人だけに、私だけの判断でそれを求められましてもそれはお答えすることはできません。これは各党各派において協議の上、その上でどういう対応になるかというふうにおっしゃっています。  野党は全部、証人喚問要求、明らかにせよ、透明性を高めろと言っています。自民党が松岡大臣をかばっているんですか、安倍総理がかばっているんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)
 この国会におきましては、光熱費の問題だけではなくて、事務所費の問題等々についてもいろんな議論がありました。そうした議論を踏まえて、この中身は幾ら以上であればどこまで公表すべきかどうかということについて、これから正に法律の改正も踏まえて建設的な議論もしていかなければならないと思います。  ですから、私は党に対しまして、党の党改革実行本部に対しまして、この事務所費の在り方の問題やこの報告の仕方等々の問題、あるいは領収書を添付するかどうかという問題もあるでしょう。そしてまた、果たしてそれはどれぐらいの金額以上についてこれは、詳細について報告するべきかどうか、あるいは領収書の添付をどうするかどうかということも議論をしながら、そしてそのときに政治資金規正法の改正も必要となるのかどうか、私は、そうした政治資金規正法の改正も視野に入れながら自由民主党において議論をしていくように指示をいたしておる次第であります。  先ほども答弁をいたしましたように、現在、与党において議論が深められ、そして私もこれを取りまとめるように指示をしているということでございます。

○福島みずほ君
 これから政治資金規正法の改革をすることは必要です。私たちは領収書を全部添付すべきだということを主張しています。それはこれからのことです。  今日私が議論しているのは、松岡大臣が政治資金規正法上、虚偽記載をしているのではないかという刑事責任に発展するかもしれないという問題についてです。全くそのことについて説明責任を松岡大臣は尽くしていません。安倍総理の任命責任が明確にこれは問題となります。しかも、任命責任だけではありません。この期に及んで、説明責任を尽くせとなぜ言わないんですか。なぜ言えないんですか。それは言えないからなんですか。自民党がかばっている。安倍総理がかばっている。  安倍総理は、だれでも分かる、通常はゼロのはずが、なぜこれだけ計上されているか。だれもこれを不自然と思っていますよ。それについて、大臣、松岡大臣が一切明らかにしない。そのことをなぜかばい続けるのか。  結局、これは権力のおごりです。証人喚問も応じない、まあまだ、応じてほしいですが、証人喚問を是非応じていただきたい。そして、権力のおごりとしてかばい続ける安倍内閣は政治とお金の問題にメスを入れることができないひどい内閣だということを申し上げ、私の質問を終わります。

○委員長(尾辻秀久君)
 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて農業・食の安全等に関する集中審議は終了いたしました。


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