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2007年

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参議院 予算委員会議事録 2007年03月06日

◆質疑


◆労働問題ついて◆


 

◆労働問題ついて◆

○委員長(尾辻秀久君)
 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。

○福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。  先日、二月二十八日、社民党は、キヤノン、宇都宮にあります、栃木県宇都宮市にあるキヤノン光学機器事業所に調査団を派遣をいたしました。衆議院でも議論になりました。  二〇〇三年に労働者派遣事業法が改悪をされ、製造業も派遣が可能となりました。そのキヤノンの工場で話を聞いて驚きました。偽装請負、指揮命令は請負はできませんが、偽装請負、請負をやっている、二〇〇五年の段階で派遣に切り替える、そして一年たって、当時は製造は一年しかできない、一年たつと直接雇用義務が発生する、一年たったらまた、二〇〇六年、請負に戻しました。つまり、同じ人たちなのに請負、派遣、請負とやっている。結局、正社員にしないために請負と派遣を使って、それぞれ偽装の潜脱、派遣の潜脱をやっている。これが日本の大企業の中で正に起きていることです。これが本当に問題だと。いったん非正規雇用の中に入ると正規の社員になれない。今の若者たちの中に、将来が見えない、雇用が不安定、十年働いても給料が上がらない、そのことを生んでおります。  それで、この労働者派遣事業法、二〇〇三年、製造業にも解禁するに当たって、政府・与党は賛成、野党は反対をしました。こういう雇用の劣化が起きるというからこそ反対をしました。  ところで、今の段階で直接雇用義務が労働者派遣事業法に規定があります。総理、お聞きをいたします。直接雇用義務、これの指導をもっとやるべきではないですか、いかがですか。(発言する者あり)いや、総理にお願いします。結構です。いや、総理。いや、総理、お願いします。

○国務大臣(柳澤伯夫君)
 派遣労働法で一年、あるいはこの二十六業種以外では一年あるいはこれから三年になるということですけれども、そういうことについて直接の雇用を働き掛けると、契約を申し込むと、こういう義務は生じますから、法律の命ずるところの、法律に沿ってそのようなことをやっていただくということは、これはもう欠くべからざることでございます。

○福島みずほ君
 大臣から直接雇用義務について、これはやらなければならないことだという力強い答弁がありました。  ところで、厚労省に聞きましたところ、監督をした、指導した中で直接雇用したケースがあるかというふうに聞きましたところ、そういうデータはないというのが答えでした。ですから、先ほど厚労大臣が新聞、二月二十七日にもあります、偽装請負、直接雇用を指導するということに沿って今日、答弁をされたと私は理解をいたします。大企業の中で請負を放置している、あるいは派遣を放置している、あるいは潜脱をやっている、これについて直接雇用を厚労省が挙げてやっていただけるということで、力強い答弁ありがとうございました。  ところで、総理、いやちょっと、総理、お聞きをいたします。  二〇〇三年に製造業について派遣が可能となりました。私は、それが今の若者の雇用の悪化を招いた大きな理由だと考えます。せめて二〇〇三年度の段階、製造業について派遣を認めない、これに戻すべきではないでしょうか。いかがですか。  いや、総理、お願いします。総理、ちょっと総理。

○委員長(尾辻秀久君)
 補充の答弁があるんですか。

○福島みずほ君
 いや、委員長、総理、質問時間が短いので総理にしてください。

○委員長(尾辻秀久君)
 補充の答弁ですか。それじゃ、補充の答弁をさせます。柳澤厚生労働大臣。

○国務大臣(柳澤伯夫君)
 先ほど、直接雇用を福島委員は、させるという力強い答弁云々という私の答弁をある意味で確認するような形で、実は私の言っていることと違うことをおっしゃっています。それは、私は雇用の申込みをしなければならないということを申し上げたのでございまして、直接雇用をするということを申し上げたんではございません。  それから、直接雇用に限らず、雇用の安定を図るための措置を講ずるということが私どもの趣旨でありますので、実際に直接雇用をする場合もありますし、それからその違法な、あるいは適法でない状態を本来の状態に戻すというようなこともあります。  というようなことで、この状態を、雇用の安定を図るための措置ということで、法違反を是正するということを指導しているということでありますので、誤解のないように、また御勝手な確認というのは、大変申し訳ないですが、お避けいただくようにお願い申し上げます。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)
 先ほど、私への質問でございますが、近年の言わば非正規雇用者の増加についてでありますが、この背景には経済産業構造の変化、また、これはやはり価値観の多様化ということもあるんだろうと、このように思います。企業や労働者が様々な働き方を求めているというのも私は事実だと思いますよ。例えば、三割の方が今後も派遣労働者として働きたいと、このように希望しているのも事実でございます。労働者派遣法等の労働分野の規制改革もこうした多様な働き方を可能にするという観点から行われたものであります。  他方、景気の持続的な拡大や、政府が講じてまいりました様々な施策によって正規社員が増えているのも事実であります。四四半期連続正規社員が増えているという事実も見ていただきたいと思いますし、また、企業においても我々が今中途採用を増やしていく、あるいは正規社員を、非正規の方々で正規になりたいという方々がいればその方々にもっと道を開いていくべきだと、このような正に目標を掲げているわけでありますが、そうした中において幾つかの企業が、ではそういう意味において、今までたくさんの非正規社員を雇用していたけれども、この方々を正規にしようという会社も次々と現れていることも事実であって、こうした傾向がもっともっと拡大をしていくように、そのためにも更に成長していかなければいけない、景気を持続していかなければいけないと、このように考えております。

○福島みずほ君
 厚生労働大臣と総理大臣の発言を聞いて、現場の実態が全く分かっていらっしゃらないと思います。というのは、若い人たち、あるいは非正規雇用で働いている人たちは正規社員になる回路が本当にないんです。厚労省にも聞きました、正社員になるという直接雇用義務をした例のデータはあるかと。そういうデータは取っていないというのが回答でした。  宇都宮のキヤノンでも、実際、正社員になりたいといってみんなは訴えたわけです。労働組合をつくったわけです。  今、年収が三百万円以下の世帯は四割です。そして、派遣の人たちの八割は年収が三百万円以下、パートの人たちは二百万円以下の人が九割です。みんな貧困層、働けど働けど我が暮らし楽にならず、じっと手を見るという。将来、五年、十年、まあ一年後も自分がどういう働き方をしているのか分からない、とっても生活が不安、心が不安、人生が不安な中で生きています。多様な働き方があるとか多様な生き方があるなんという、そういうレベルではないんですよ。選んでいないんですよ。みんなは正社員になりたくても、いったん非正規になれば、その回路がない。それを法律がつくり、法律が現時点においても解決しようとしないからこそ、この予算委員会で質問をしているのです。格差が労働者派遣事業法の改悪の一つによっても生じているのであれば、製造業がばっと派遣で増えたわけですから、法律によって私たちは解決をすべきです。  次に、社会保障の問題について移ります。  見てください。(資料提示)社会保障費削減の動向、二〇〇二年から二〇〇七年予算。今日、予算案の審議ですが、二千二百億円ずつ削減目標、厚労省、厚生労働省、社会保障関係費の削減目標です。一律に、形式的に二千二百億円の削減が提案をされています。  国民の皆さんも記憶にあると思います。二〇〇三年は健康保険の改悪、二〇〇四年は年金の改悪、二〇〇五年は障害者自立支援法と介護保険の改悪、二〇〇六年は医療制度の改悪です。そして、二〇〇七年は生活保護、これについての見直しが言われております。  そこで、二つ質問をいたします。  生きている人間がいるのに、なぜ削減目標二千二百億円、こう形式的にたたき切るのか。そのために現場では、例えば介護保険、特養老人ホーム、月に三万一千円負担増、出なくちゃいけない。障害者自立支援、原則一割負担、引きこもりになる、あるいは自殺した障害者の人がいる。あるいはリハビリ、百八十日で原則打切り。現場をどんどんどんどん命の必要な部分を打ち切っています。国家にとって必要がない人間は死ねというのかと言っている人たちがいます。  この社会が、障害者や高齢者やリハビリが必要な人たち、それをどう扱っているのか。現場で何が起きているのか。二千二百億円削減、形式的になぜやるのか。それから、今年度生活保護費四百二十億円の削減、これはなぜ行うのか。それについてお答えください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)
 福島委員は、自分が決めた論理で、その論理に当てはまることしかおっしゃらない。先ほど、パートから、例えば非正規から正規に行く道が全くないとおっしゃったけど、そんなことは全く事実とは違うと思いますよ。  例えば、このワールドストアパートナーズは六千人の契約社員のうち五千人を正社員にするということを発表していますね。そしてまた、例えばNTT西日本も四千人を正社員化すると、パートタイマーの人をですね、このように宣言をしています。そういう会社は幾つもたくさん出てきているんです。そういう道も出てきたということは、よくこれを冷静にそういう事実もちゃんと見ていただきたいと、このように思います。  全くないとおっしゃったから、私はちょっとした例を挙げたわけであって、まだまだ膨大なこれは例もあるということも申し上げておきたい、このように思います。  そして、今の御質問でありますが、まず生活保護は、これは最後のセーフティーネットとして重要な役割を担っている制度でございます。制度の公平性の観点から、自立促進等のまた観点から、国民生活の実態等を踏まえて、制度の在り方について適宜見直しを行っていくことが必要であります。  平成十九年度予算案においては、母子加算の見直し、すべての自治体で就労支援プログラムを策定をして、生活保護受給者の就労等を促進すること、また不動産を担保とした、言わばリバースモーゲージを導入すること等としたところでございます。特に、この母子加算については、現行の母子加算を含めた生活保護の基準額は母子世帯全体の平均的な所得層の消費水準をこれ上回っているわけでありまして、このため、今回の見直しは、生活保護を受けている母子世帯と受けていない母子世帯の公平性を図っていくという観点に立って、激変緩和にも留意をしながら段階的に行うことにしています。  その際、現状の一律、機械的な加算を廃止をする一方で、生活保護を受けている母子世帯の自立を促進する観点から、就労している母子世帯等に対しては自立支援を目的とした給付を創設することとしています。あわせて、来年度中に全自治体で就労支援プログラムを策定をして、これに基づいて、個々の母子世帯を始めとする被保護世帯の状況に応じたきめ細かな支援や、福祉事務所とハローワークとの連携による就労支援を一層促進することなどによって、生活保護を受けている世帯の自立をしっかりと支援をしていかなければならないと、このように考えているところであります。  また、リバースモーゲージについては、高齢者世帯が不動産を所有している場合に、生活保護を受け、死亡時に扶養義務者が不動産を相続することは社会的公平の観点から問題であることから、不動産を担保とした貸付制度を導入して、貸付金によって生活費を賄うこととしたものであります。  このように、今般の生活保護の見直しは、いずれも制度の公平性の観点、自立促進等の観点から必要な改革であると、こう考えているところでございます。

○福島みずほ君
 母子家庭の就労支援がどれほどうまくいっていないか、総理は御存じないと思います。そして、比較するものが違います。母子家庭の中で比較するのではなくて、共働きや普通の世帯と比較すべきです。  母子世帯では手当や年金の平均は二百二十四万円。先ほども言いました、生活保護に頼らざるを得ないところが今百四十二万世帯、増えているんですよ。なぜか、歴然としています。さっき私は言いました、年収三百万円以下の世帯が四割になっている。貧困層が増えているわけだから生活保護を必要な人たちは増えているわけです。私たちが障害者自立支援法などに反対をしたときに、最後生活保護があると言いました。しかし、今年度の予算案で生活保護を四百二十億削るということで怒っているわけです。  次のパネルを見てください。(資料提示)  グアム移転経費の内訳、これ防衛省からいただきました。日本側の分担が六十・九億ドル、約七千億円です。家族住宅について一体どういう家族住宅を造るのか、それについて七千億円の明細を出してほしい、そういうふうに今日まで言いましたが、防衛省は一切、七千億円ということしか明らかにしてくれません。  生活保護の母子加算は単年度、節約をして、これ六十億円です。六十億円は確かに大金です。でも、生活保護の母子加算削減して単年度六十億、それに比べてこれは七千億円なんです。一体国民の税金をだれのために何のために使うのか。外国の土地に外国の基地を造る、そのための住宅費を含め七千億円、将来日本は税金使う。でも、どうして生活保護九万一千世帯の母子家庭が生活保護の母子加算の、頼りにしています、九万一千世帯、それを単年度で削減して六十億円。六十億と七千億、一体何に日本政府は税金を使うのか、そのことを言いたいと思います。  そして、先ほど総理は全くない、私は全くというのはちょっと極端かもしれませんが、なかなか正規雇用になる道がありません。そして、今年度に出てくるチャレンジという、再チャレンジという名の労働法制はうそっぱちです。ちっともチャレンジにはなりません。  パート法案については、パート法案については、差別禁止をする部分は、期間の定めがなくて、しかも正社員的パートというふうに法案でなっています。これは一%にも満たない人であるというふうに私たちは理解をしています。これはとんでもないパート法の法案です。というのは、パートの人たちの中で一%だけ差別禁止をするのであれば、残りの九九%はじゃ差別禁止が掛からないのか。これを出して再チャレンジあるいは正社員化、正社員と同様の均等待遇があるというのは全くのまやかしです。  それで、私は今日、格差拡大の問題と、それから社会保障の切捨ての問題について質問をしたのは理由があります。  私たちは、柳澤大臣の、女性は子供を産む機械ということに怒りました。それはなぜか。国家が上から見下ろして、十把一からげに、女性たちを十把一からげに言って、十把一からげに上から見下ろして、十五歳から五十歳、子供を産む役目の人は頭一人分頑張ってほしいと、こう言ったわけです。一人一人の生きていく人生や生活や悩みや苦しみを全く見ることなく、上から役割を押し付けている。自己責任という形で女性たちに頑張れと言っている。それは違うだろうというふうに思いました。  ところで、同じことは他の政策にも行き渡っているんじゃないか。私は、いろんな工場現場で、あるいは派遣で働いている人、スポット派遣で働いている人たちなど、いろんな話を聞きました。日本版エグゼンプション、これは一日の時間規制をなくすという法案で、今国会には出てこないことになっておりますが、これは断念はまだされていません。じゃ、女性は産む機械であれば、労働者は二十四時間働く機械なのか。じゃ、産む機械から生まれる子供は工業製品なのでしょうか。  これから全国学力テストが始まります。全国一斉学力テストが始まります。また、学校の外部考査が始まります。それは教育再生会議が学校の外部考査と言っています。また、教員の免許更新制、世界で教師の免許更新制を採用しているのはアメリカの一部の州だけです。つまり、産む機械、そして二十四時間働ける機械、そして子供たちは品質管理をするようにやっていくのでしょうか。そこで、愛国心、忠誠心ですね、国家に対する忠誠心を押し付けて、そのように国民を支配をしていくというところが今の政治なのではないでしょうか。  だから、さっき掲げた二千二百億円の削減、今年度の予算案に含まれている四百二十億円の生活保護の削減も、現場で一体何が起きるのか。今、役所に行って生活保護の書類の交付さえなかなかもらえないという人たちが出ております。一体国民をどう見ているのか。  これは、自民党新憲法草案が正に国民を統治の対象として、管理の対象として見ているのだというふうに思っております。それは日本国憲法は一人一人が大事だという、そういうことをやっていて、その自民党新憲法草案にのっとるような、そのような福祉の切捨てや格差の拡大について、これは反対をしなければならないというふうに考えています。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)
 もういかにこれ福島委員が決め付けをしているということがはっきり分かったと思います。先ほど、全く正規社員になる道はないとおっしゃったけれども、少ないというふうにおっしゃった。大分それは違いますね。極めて少ない、これは大分違いますね。  そしてまた、言わば再チャレンジの支援、これは全然うそっぱちと言った。しかし、それは恐らく半年後、一年後にあなたが言ったことはいかに違ったかということが私ははっきりすると、このように思います。  そしてまた、今、生活保護の見直しについて四百二十億円削減したとおっしゃった、だから大変だとおっしゃった。それは違います。全く違うということをまず申し上げておきたい。  そのうちの百八十億円は、例えば人工透析費用であります、生活保護者の方の。これは今般の障害者自立支援法に基づいてこれは医療に変わったわけであって、この方々に対しての給付は全く変わらない。百八十億円はただ付け替えただけということをまず申し上げておかなければならない。これは生活保護から変わりましたけれども、医療の方にして全くこれは全部給付するということについては変わらないということはまず申し上げておきたいと思います。  そしてまた、リバースモーゲージの六十億円、そしてまた就労支援等々において、また就労、退院の促進の百億円等々については、これはこういう政策を打っていった結果、この方々が言わば就労することによって見込まれる額であって、言わばこれは就労することによって減っていく額でありますから、言わば完全な削減、取り上げるという削減ではない。また、リバースモーゲージの導入ということも、リバースモーゲージが進んでいくことによって六十億円程度、そういう効果が出てくるであろうと、こういうことであります。  ですから、四百二十億円のうち、これは事実上母子加算の見直しということにおいては六十億円程度であると、こういうことは申し上げておきたいと思います。

○委員長(尾辻秀久君)
 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)


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