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2006年

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参議院 厚生労働委員会 2006年11月30日

◆質疑


◆肝炎の問題について◆
◆結核予防法の廃止について◆
◆児童扶養手当の削減・母子家庭問題について◆
◆反対討論◆


 

◆肝炎の問題について◆

○福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。  まず初めに、C型肝炎の問題についてお聞きをいたします。  八五年生まれの大学生から手紙が来ました。聞いてください。  私は生まれて間もないころ、赤ちゃんのときに旧ミドリ十字の血液製剤クリスマシンを投与され、C型肝炎に感染させられました。特に症状がなかったためか、私はもちろん両親もだれもC型肝炎に感染していることを知りませんでした。十五年後、高校一年生のときに病院で検査をした際に感染が分かりました。当時の私はクリスマシンの危険性について知らなかったので、まさか感染していないだろうと思いながら検査を受けました。しかし、診察室に入り、医師から陽性の結果を聞いたときは衝撃を受けました。医師からC型肝炎の説明を受けたはずなのですが、頭の中では自分がC型肝炎に感染しているという事実だけで一杯になってしまって、ほとんど空返事で、内容をしっかり理解することはできませんでした。私は、一年前にペグインターフェロンとリバビリオンの併用療法をしようかどうか、医師と相談しながら考えていました。そのときに病院の事務で試算された治療の金額は、一年間におよそ百二十万円という高額なものでした。私の両親は私たちが払うよと言ってくれたのですが、自分の病気の治療のことなのにとても申し訳ない気持ちになりました。このようなたくさんのお金を出さなければ治療できない現状は、多くの肝炎患者を苦しめています。  別の小林さんという方からもお手紙をいただきました。  肝炎患者を取り巻く状況は、現在、格差を感じずにはいられません。完治する人、しない人、インターフェロンを受けれる人、そうでない人、がんの進行を必死に遅らせて頑張っている人と、様々ですが、みんな治りたいという願いは一緒だと思います。やはり、現在の社会保険制度ではなかなか肝炎治療を受けながら社会生活を営むのは困難ではないかと感じています。私の病気は慢性肝炎です。三十四歳になりますが、治療のこともあり、福岡市で臨時職員をしています。金銭的な理由からインターフェロン治療をちゅうちょしております。  そもそも、なぜ薬害肝炎の問題が起きるのかということも、これは根本的に解決しなければなりません。しかし、被害に遭った人たち、全く本人の過失なく被害に遭った人たちは、やはり治療費に苦しみ、また救援を大変求めています。  大臣、この当事者の声をどうお聞きになられますか。

○国務大臣(柳澤伯夫君)
 私も同情を申し上げるというか、お気の毒な事態だというふうに思っておることはもう間違いありません。ただ、私も行政の責任者でして、制度を構築する、あるいは発動するという場合には、これはもう公平公正、他との均衡、こういったものを常に念頭に置いて判断をしなければならないということでありまして、この立場からは、従来申し上げてきましたとおり、むしろこの、むしろと申しますか、この検診の強化などの早期発見、あるいはその早期の治療の促進、あるいは治療水準の向上など、感染者の健康の保持増進や不安の解消を図ることでもってこの肝炎対策に取り組んでいきたいと、このように考えております。

○福島みずほ君 柳澤大臣が他の省庁の大臣だったらそれでいいかもしれません。金融大臣、それなどだったらそれはいいかもしれません。公平公正はとても重要な政治の要素です。しかし、厚生労働省というのであれば、やっぱりそこは涙を、やっぱり患者さんやいろんな人の涙を流さないで済むようにどうこたえていくかと、その部分がなかったらやっぱり人は救われない、そう思っています。  この委員会で、先ほど川崎大臣の名前も出ましたが、尾辻大臣、例えば在外被爆者やハンセン病や、在外のハンセン病の問題などについて、裁判の原告たちと例えば会う、会って救済に取り組む、厚生労働省と実は超党派の国会議員が対立するのではなく、立法も含めてどう解決するかということで、この厚生労働委員会も一緒に力を合わせて問題の解決に向かおうとして成功した例も幾つもあります。柳澤大臣、どうか在任中に涙が流さなくて済む解決をしていただきたいと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君)
 先ほど来申し上げていることの繰り返しですけれども、公費負担医療制度の対象疾病、これまでのものとどういう関係に立つかということを私として考えなきゃなりません。  したがいまして、涙の点はよく分かりますけれども、どこでどういうことをなすべきかということは、やはり行政の基本に戻って判断すべきだと私は考えております。

○福島みずほ君
 先ほど在外被爆者と言ったのは在外のハンセン病の人たちなので、ちょっと訂正します。済みません。  判決が出ているわけですよね。これはもう既に判決が出て、控訴中ではありますが、裁判所はこれは国に責任があると、これは明言をしています。私は、大阪地裁と福岡地裁で国の過失の認定があり、現在控訴中ではありますが、第一審で裁判所が国の過失があると判決を出したことを厚生労働省は重く受け止めてほしいというふうに思います。この判決を受けて早期に解決することが患者さんを苦しめない、それから早期に解決する方が医療費の点からも本当はいいのだというふうに思います。  柳澤大臣、どうか、どうせこれは解決しなくちゃいけないんですよ。いつか解決しなくちゃいけない。だとしたら、早期解決の方が両当事者にとってもいいはずです。いかがですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君)
 解決するということで、どういうことを意味されたかあれですけれども、私、必ずしも十分に御理解をさせていただいたかどうかは分かりませんけれども、我々としては、先ほど言ったような検診の強化その他の措置でもってこの肝炎対策の充実を図っていくということが私どもの道だというふうに考えているわけでございます。

○福島みずほ君
 最高裁で判決が出た後、どういうふうに取り組もうと思っていらっしゃいますか。

○国務大臣(柳澤伯夫君)
 やはり国の制度について、これについて判断をいただくという場合には、しっかりした法律構成、法律判断がそこにあったということでございまして、私どもとしては、それに従ってそれに沿った措置を早速講じているということでございます。

○福島みずほ君
 先ほど申し上げました六月二十一日、大阪地裁、八月三十日、福岡地裁、出ています。東京は八月、仙台は十月。名古屋地裁は来年一月に結審予定というふうになっております。  大臣、もうこれは取り組むべきときですよ。判決が一審出て、最高裁まで行って闘えというのではなく、これはもう解決をすべきであると。これはもう過失の認定をされているわけですから、厚労省としては、じゃこれをどう解決するか。  先ほど、百二十万治療費が年間掛かる、こういうことについてすべての人が百二十万払えるわけではないじゃないですか、大臣、いかがですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君)
 これは医療費だと思います。ですから、また自己負担とはまた別途の話ではないかと、このようにお聞きいたしました。

○福島みずほ君
 では、治療費の公費助成はどのような状況か教えてください。

○政府参考人(外口崇君)
 肝炎治療の医療費の負担の仕組みでございますけれども、これは医療保険が適用されておりますので、高額療養費制度によって患者負担には上限が設けられているところでございます。

○福島みずほ君
 インターフェロンは医療費ベースで一人当たり総額二百八十万円、公費助成は通常は二割負担なので実質負担は約六十万円。で、ある程度収入があると百万とか百二十万掛かる、それでよろしいですね。

○政府参考人(外口崇君)
 大体御指摘のとおりであると思います。平均すると、医療費が約二百八十万で、自己負担額が約八十万ぐらいになるかと思います。

○福島みずほ君
 自己負担が八十万、ちょっと収入が多いと百万、百二十万というのはやはりこれは多いですよ。今年収がどんどん下がっている人も多くて、自分の過失でも全くない、自分が赤ん坊のときにたまたま薬が使われて、自分の例えばあずかり知らないところで、あるいは輸血でかかってしまった。で、今年間百万払え、治療費助成受けても百万円、これでは本当にやっていけないというのは当然だと思います。  大臣、是非、この問題について、検診の無料化、公費助成を進めてくれということは改めて強く申し上げます。ただ、現に被害が生じている部分についてもう一歩進めて救済をしていただきたい、いかがですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君)
 これはもう、検診を含めて、公費負担の問題というのは一つのルールに基づいて行われているということでありまして、それ以外の制度を仕組むということになれば、私ども、先ほど言ったように、行政制度の基本に立ち返ってこれを考えていかなきゃならないと、こういうことです。

○福島みずほ君
 在外被爆者の問題でも法律では穴の部分だったわけですね。それをどう救済するか。あるいは、ハンセン病の問題だってどうするか。全部、この厚生労働委員会は、制度的に欠陥で問題がある部分をどう私たちは工夫して救済するかということを現にやってきたわけです。駄目だから駄目だって言うんだったら本当に救われない。大臣、是非当事者に会っていただきたいということを私も改めて申し上げます。いかがですか。厚労相は今までやってきたんですよ、大臣たちは。いかがですか。

○国務大臣(柳澤伯夫君)
 私どもの前任者がいろんな努力をしたということについての御評価のお言葉をいただきました。私も前任者たちのやられたことについてはいろいろと勉強をさせていただいております。  この問題につきましては、先ほど来申し上げておるような基本的な立場でありますが、これからまたいろいろと福島委員の御評価いただいた先輩大臣に倣って努力をしていきたいと思います。

○福島みずほ君
 最後に努力をされるというふうにおっしゃいましたので、是非涙の分かる厚労相でいてくださるよう心からお願い申し上げます。じゃ、会いに行きますので、よろしくお願いします。  

◆結核予防法の廃止について◆

○福島みずほ君
 では、次に、感染症法改正、結核予防法の廃止についてお聞きをいたします。  医療費の公費負担に関して、一般病院に入院後結核と判明した場合、その期間は公費負担の対象とならないのでしょうか。また、結核の疑いで結核病床に入院した後に結核ではないと判明した場合についての公費負担について教えてください。

○政府参考人(外口崇君)
 感染症法におきましては、法に規定する入院の勧告が行われた以降の入院が感染症法に基づく入院となります。当該措置は、公衆衛生の観点から知事が入院の必要性を判断した結果なされるものでありますが、他方、勧告前の入院は当該患者自身の判断による入院となりますので、これは公費負担の対象となりません。  それからまた、結核の疑いで入院した後に結核ではないと判明した場合であっても、結核の疑いで入院していた期間については感染症法の規定に基づく公費負担の対象とする方向で考えております。

○福島みずほ君
 結核の発生率については他の委員も先日質問されましたが、最も多い大阪市と最も少ない長野県では五・五倍の開きがあります。特に都市部においては、外国人労働者あるいはホームレスの人たちが結核になるケースが今後増大すると予想されます。都道府県ごとに地域における医療関係者の育成対策並びに結核発生の予防策はどのように考えられているでしょうか。

○政府参考人(外口崇君)
 外国人労働者やホームレスの方などは結核の罹患率が高く、またその治療を開始した場合、それを中断するリスクが高いと考えられております。さらに、こうした方は都市部に多くおられますことから、都市部において結核対策は大変重要な課題となっております。こうしたリスクの高い人に対しては個別に対応していくことが必要であり、保健所等において服薬状況を確認しながら指導する直接服薬確認療法、いわゆるDOTSを推進することがその対策として重要であります。  また、こうしたDOTS等の結核対策を推進するためには、結核対策に知見を有します医療関係者の育成が重要なポイントとなります。医療関係者に対しては、国庫補助の下、財団法人結核予防会において、医師を始め、診療放射線技師、保健師、看護師、臨床検査技師等、医療従事者に対してこれまで様々な研修コースが実施されてきました。  厚生労働省としては、引き続きこれらの研修を支援するとともに、学会等関係機関と連携を図りながら、今後とも結核の診療に携わる医療従事者の人材確保、人材育成に取り組んでまいりたいと考えております。

○福島みずほ君
 結核予防法が廃止されることになりますと、結核を冠とする法律がなくなってしまう。ですから、まだ病気があり、まだ日本は結核患者の方がいて、死亡例もあるにもかかわらず、どうもそこがやっぱり薄まってしまうのではないかというのが率直な当事者の皆さんの心配です。後退をするのではないか。  ですから、また改めてお聞きしますが、後退をしないために、保健所や医療現場での周知徹底や努力、あるいは厚生労働省として早急な実態の把握と、入院や退院をどうするか、退院後の対策をどうするか、国の責務としてのガイドラインやマニュアル作りや専門施設の設置が重要であると考えますが、いかがですか。

○政府参考人(外口崇君)
 改正感染症法におきましては、結核にかかわる措置に関し、人権を尊重した適正手続を拡充するとともに、入院勧告の規定など、感染症対策全般に共通する規定が適用されることになります。  さらに、結核対策にとって固有に必要となる定期健康診断や通院医療、直接服薬確認療法、DOTSについて、感染症法において引き続き関係規定を設けるとともに、今般の改正により、疫学調査や動物の輸入に関する措置など、従来の結核予防法にない措置が新たに結核について行えるようになります。  御指摘のとおり、結核は引き続き我が国において無視できない重要な感染症として十分な対策を講ずる必要があると認識しており、今回の法改正による措置も活用しながら、保健所や医療現場における周知も含め、結核対策の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。  また、国の責務としてガイドラインやマニュアル作りという御指摘もございました。現在のところ、ガイドラインの、特に多剤耐性結核菌等についてのガイドラインの作成が必要だと考えておりますけれども、厚生労働科学研究費において現在研究を進めているところでございます。また、多剤耐性結核治療の施設整備につきましても、平成十一年より多剤耐性結核専門医療機関整備事業を開始して、都道府県域を越えた広域圏拠点施設の整備を図っているところでございます。  私も、結核予防法と感染症法のこの統合に当たりまして、特に結核の治療に長らく当たってこられた方から随分いろんな意見をお聞きしました。それで、彼らはやはり今後の運営を、一部の方は心配されておりますんで、よくよく現場がこれからどう変わっていくかということについても意見をよくお聞きしながら、適正な運用を図っていきたいと思っております。

○福島みずほ君
 補助金の拡充など、是非よろしくお願いしますが、いかがですか。

○政府参考人(外口崇君)
 結核対策についての補助金につきましては、患者さんの減、それから様々な要因により減少していることが事実関係としてございますけれども、やはりこれからの結核対策、特に外国人労働者とかホームレスの方々とか、そういったところに対してきめ細かく対応していくためにはやはり必要な予算というものがあると思いますので、予算の確保に努力していきたいと思っております。

○福島みずほ君
 それはよろしくお願いいたします。  法案第二条、基本理念にある人権の尊重には、患者だけでなく施設周辺の住民に対する人権尊重が含まれますか。

○政府参考人(外口崇君)
 感染症法は、公衆衛生、社会防衛上やむを得ない理由から、感染症患者に対して入院命令や就業制限など基本的な人権に一定の制限を掛けるものであることから、これらの感染症患者に対する法的な措置に際して、人権尊重の観点を明確にしているところであります。  このような趣旨から、周辺住民の方の人権をおろそかにするということではございませんけれども、この法律上では第二条の基本理念において規定する「感染症の患者等」ないし「これらの者」には施設周辺の住民は含まれてはおりません。

○福島みずほ君
 社民党はその点が問題であると考えます。  前回もバイオセーフティーとバイオテロの関係で、じゃ、実はバイオセーフティーの方の理念がこの法案に盛り込まれていない、住民ということに対する視点がないのではないかという趣旨の質問をしました。二条のところの人権の尊重に施設周辺の住民に対する人権尊重など含まれておりません。周辺住民の安全のため、安心のために、施設の安全性に関する情報公開のみならず、感染症情報や施設の運営管理実態の情報も含まれるのでしょうか。  二十八日の答弁で、WHO決議を踏まえた地域のリスク管理の視点の重要性等から云々という、地域住民の理解が得られるような取組について努めていきたいとの答弁がありましたが、具体的にはどんな情報を想定しているのでしょうか。武蔵村山の感染研究所ではP4レベルの実験ができる施設にありながら、住民の反対があり、運用が行われていないという事実があります。情報提供に問題があるのではないでしょうか。

○政府参考人(外口崇君)
 病原体の保管状況等の情報が生物テロ等に悪用されることを防止するため、個別の施設ごとに所持する病原体の種類など個別具体的な情報は、これは公開が難しいですが、例えば我が国における所持施設の全体的な概要といった情報は、これは公開できると思います。具体的には、病原体の種類ごとの所持施設数あるいは国による立入検査の件数、それから立入検査を踏まえた施設基準、保管の基準等の遵守状況、施設の安全管理の実態の概要等であります。  これらの情報の公開を行いつつ、例えば国立感染症研究所におきましては施設見学の機会を設定するなど、地域住民の理解が得られるよう努めていきたいと考えております。

○福島みずほ君
 生物テロ対策の名の下に情報が国に一元管理されていれば、都道府県、市町村、住民への情報提供が迅速に行われず、情報が明らかにされなければ、テロのみならず事故の場合の対処が取れないのではないでしょうか。

○政府参考人(外口崇君)
 今般の感染症法の改正による病原体等の規制については、生物テロ等による感染症の発生及び蔓延防止を趣旨とするものであり、これら病原体等の盗取、テロ等の犯罪等の防止等の危機管理上の観点から、所持者等に関する情報は国で一元的に管理することとしております。  万が一、テロや災害等によって病原体等が流出し患者が発生した状況においては、住民の保健サービスを担う保健所を始めとした関係自治体の役割が重要であり、それらとの連携協力体制は必要不可欠であると考えております。  このため、今後、保健所との連携協力体制をも踏まえた緊急対応要領を作成するなど、病原体等の流出事例の発生時において必要な情報交換を含め適切な対処が行えるよう備えてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君
 二十八日にも質問しましたけれども、私が理解できないのは、警察庁や海上保安庁などによる施設の立入り等は犯罪捜査のためには行わないというふうに条文上なっていることです。しかし、警察が立入検査をするということは、犯罪捜査のためとしか考えられません。条文の作り方に無理があるのではないか。警察庁が立入検査をするんだけれども犯罪捜査でないという場合など想定できるのでしょうか。あるいは、犯罪捜査のためでないにもかかわらず、一般的に入ることができるのでしょうか。

○政府参考人(外口崇君)
 先般の答弁の繰り返しになりますけれども、今回の改正では、病原体所持者等の規制を新たに講じ、患者や感染者の方に対する措置としては、むしろ人権保障のための措置を充実しているところであります。  いずれにせよ、今後御指摘のような懸念が具体化することのないよう、今回の法改正の趣旨に即した法律の運用を行ってまいりたいと思います。

○福島みずほ君
 質問に端的に答えてください。  警察庁が立入検査をするのが犯罪捜査のためでない場合というのはどういう場合を想定していますか。

○政府参考人(外口崇君)
 例えば、その病原体等の運搬が適正になされているかどうかを確認するために入るということはあると思います。

○福島みずほ君
 それは厚労省がやればいいんじゃないですか。

○政府参考人(外口崇君)
 都道府県の公安委員会に届け出ることになっておりますので、それを確認のために入るということは十分あり得ることだと思っております。

○福島みずほ君
 これは公安委員会がそのような場合に入るということを念頭に置いているのですか。具体例を言ってください。それ以外は含まれないんでしょうか。(発言する者あり)してます。

○政府参考人(外口崇君)
 先ほども申し上げましたような病原体の運搬が適正に行われているかどうかということがございますし、それからあとは、公共の安全の維持又は海上の安全の維持のため特に必要があると認めるときは、これは入ることになると思います。

○福島みずほ君
 公安委員会以外に権限を持っているところはあるわけですよね。各都道府県の厚生労働のところ、部分は持っていると思いますが。  なぜこういうことを言うかというと、どうもやはりこの法案そのものが立入りやいろんなことはあって、サイバーテロに関することはあるにしても、サイバーセーフティーの部分がないので、犯罪捜査のためではなくどういう場合に立ち入るかを再度確認させてください。

○政府参考人(外口崇君)
 立入検査のところでございますけれども、厚生労働大臣又は都道府県公安委員会は、この章の規定の施行に必要な限度で、当該職員に、特定病原体等所持者の事務所又は事業所に立ち入り、その者の帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、関係者に質問させ、又は検査のため必要な最小限度において、特定病原体等若しくは特定病原体等によって汚染された物を無償で収去させることができると規定されております。  ですから、先ほど申し上げましたように、例えばその運搬とか所持等によることが適切に行われているかどうか、必要な場合に立ち入るということでございます。

○福島みずほ君
 それは条文に書いてありますので、それは理解できます。  厚生労働大臣がやることと警察庁がやることというのは何か区別があるんでしょうか。

○政府参考人(外口崇君)
 これはどちらも一緒になりますけれども、先ほどからちょっと繰り返しになりますけれども、立入検査等については、これは犯罪捜査のために認められたものと解してはならないとされておりますし、施行に必要な限度で行う旨法律に規定しているところでございます。

○委員長(鶴保庸介君)
 速記を止めてください。    〔速記中止〕

○委員長(鶴保庸介君)
 速記を起こしてください。

○政府参考人(外口崇君)
 厚生労働省とそれから警察の方の仕切りの問題が一つあると思うんですけれども、例えば警察の方は、運搬の安全確保になりますと、例えば道路の輸送とかそういったものに関しましては、厚生労働省よりもそれは、その地域の警察の方がそれは熟知しているわけですからそちらが対応することになると思います。

○福島みずほ君 私が条文見て疑問を持ったのは、厚生労働大臣と警察がやると。今の答弁でも、先ほども一緒にやるとおっしゃったので、その仕分が、できれば厚生労働省が責任を持ってこのセーフティーのことに関してやっていただきたいと。このバイオセーフティーについては厚労省が責任を持ってやり、公安委員会、警察庁がやることは例外的になるのかというふうなことを要望したいというふうに思っています。  要するに、一緒にやると言ったけれども、その権限分配や、それから犯罪捜査にならないというのであれば限られた場合になるとか、というふうなことを言っていただきたいと思いますが、最後に答弁お願いいたします。

○政府参考人(外口崇君)
 この犯罪捜査のために認められたものと解してはならないということが、この規定が適切に行われているかどうかについて、これは、法で規定されておりますように、警察庁長官又は海上保安庁長官との連携等を通じて、御指摘のような懸念が生じないよう対応してまいりたいと思います。

○福島みずほ君
 新しい法律ですので、それはしっかりお願いします。

◆児童扶養手当の削減・母子家庭問題について◆

○福島みずほ君
  残りの時間、駆け足ですが、十一月二十八日の答弁で、二〇〇八年に始まる児童扶養手当の一部支給停止措置の施行と母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法により、二年前倒しをして全国母子世帯等調査の実施を十一月一日より始めたということについてお聞きをします。  この結果をどのように使っていくのか。二年前倒しをして調査をしていくということは、この結果によって削減率を決めるのか。結果の数字によっては削減しないということもあり得るのでしょうか。

○政府参考人(大谷泰夫君)
 全国母子世帯の調査、これはおおむね五年ごとに実施しているところでありますが、前回は平成十五年に実施いたしました。今般、児童扶養手当の一部支給停止を控えまして二年前倒しして本年実施することとした、これは一昨日申し上げたところでございます。  この児童扶養手当の一部支給停止に当たりましては、これは関係政令を定めることとされておりまして、支給停止の水準につきましては、現在調査中の全国母子世帯等調査の結果を含め、その他関連データも参考にして考えたいというふうに考えております。  いずれにせよ、今後、改正法の附帯決議の御趣旨も踏まえながら検討を進めたいと思います。

○福島みずほ君
 その附帯決議で、母子福祉団体など幅広く関係者の意見を聞くことということが衆参両院で附帯決議となっております。この関係者の意見を公的に聞くという準備はあるのでしょうか。

○政府参考人(大谷泰夫君)
 御指摘の附帯決議に基づく関係者の意見でありますが、これは母子福祉団体など幅広く関係者の意見を聞くことというふうにされておりまして、この政令を制定するに当たりましては、こうした附帯決議の趣旨も踏まえて対応していきたいと考えているところでありますが、現在その全国の母子世帯等の調査をまだ実施している段階でありまして、具体的な進め方につきましては今後検討させていただきたいと思います。

○福島みずほ君
 議事録は残すということでよろしいでしょうか。

○政府参考人(大谷泰夫君)
 どういう形で聞き取りをするかということでありますけれども、行政の透明性については配慮してまいりたいと考えておりますので、当然議事録は残すものと考えております。

○福島みずほ君
 また、有識者や学識経験者、母子福祉団体などで構成する検討会などをつくって十分検討していただいて、やっぱり実態調査を踏まえて削減率をどうするのか、これでいいのかということを検討していただきたいと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(大谷泰夫君)
 今後いろいろ慎重に検討してまいりたいと思います。

○福島みずほ君
 慎重に……

○委員長(鶴保庸介君)
 時間ですので手短にお願いします。

○福島みずほ君
 慎重にというのがよく、是非、前倒しで実態調査をするわけですし、かつて国会で削減するということは決めたけれども本当にいいのかという問題なので、やはりこれはきちっと検討してやっていただきたい、検討会を開くなどしてやっていただきたい。最後にどうですか。

○政府参考人(大谷泰夫君)
 検討会という形を取るかも含めまして手続についてはまた慎重に考えさせてください。

○福島みずほ君
 前向きにお願いします。

○政府参考人(大谷泰夫君)
 はい。

○福島みずほ君
 以上です。

○委員長(鶴保庸介君)
 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。

○委員長(鶴保庸介君)
 これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

◆反対討論◆

○福島みずほ君
 私は、社会民主党・市民連合を代表し、内閣提出の感染症法改正案に対し、反対の討論を行います。  当法案は、感染症の病原体等の管理体制の確立、また感染症の分類の見直しを行い、また結核予防法を廃止して感染症法に統合するものであり、併せて生物テロによる感染症の発生や蔓延を防止するものと厚生労働省は説明しています。  しかし、この法案は、病原体の適正な管理を施設内に求めており、施設がある地域全体の安心、安全を確立していくという視点が欠落していると言わざるを得ません。また、患者の視点から作られた法律である感染症法に生物テロ対策を組み入れたことで、公衆衛生並びに感染症対策に警察の介入を招く可能性があります。  そこで、次の理由からこの法案に反対するものです。  まず第一は、バイオセーフティーへの対策が不十分であることです。病原体等を特定の個人や団体が不特定多数に、人々に被害や混乱を与えることを目的に使用することは生物テロでありますが、バイオセーフティーは病原体等を取り扱う個人や機関が事故や規則違反で引き起こす災害であります。  バイオセーフティーについてWHOがガイドラインを出しており、そこでは、病原体等を保有する周辺の住民に対して正確な情報を提供すると同時に感染予防策を取ることが明記されています。つまり、地域住民に対する情報公開が重要であるというのがバイオセーフティーの考え方であり、この点がこの法案には欠けております。  第二の理由は、生物テロ対策のためといいながら、この法案では、研究機関や大学などに対する警察などの立入捜査に十分な歯止めがないことです。  この法案では、警察などの立入捜査を犯罪捜査のために認められたものと解してはならないとしていますが、警察や海上保安庁の職員が立入検査をすることは犯罪捜査のために認められるものととらえるべきではないでしょうか。生物テロ対策としてこの法案が想定している警察や海上保安庁の捜査について極めて規制部分が不十分であり、感染症の患者並びに病原体の管理のための法案にはふさわしくないと考えます。  最後に、日本においてバイオハザードに対する国としての体系的な対応策、すなわちバイオセーフティー政策を確立するために独立した法律を作ることを強く訴え、反対討論といたします。

○委員長(鶴保庸介君)
 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

○委員長(鶴保庸介君)
 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、津田君から発言を求められておりますので、これを許します。津田弥太郎君。

○津田弥太郎君
 私は、ただいま可決されました感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。  一、国の基本指針については、今回の改正の趣旨を踏まえ、生物テロによる感染症の発生及びまん延を防止する対策を含め、総合的な感染症予防対策を推進する観点から、その策定に向け、速やかに検討を行い、実効性のあるものとすること。あわせて、都道府県の予防計画について、基本指針に即して速やかに策定されるよう、都道府県に対し適切な指導を行うこと。  二、結核対策については、結核予防法が果たしてきた役割の大きさと未だに結核が主要な感染症である現実とを踏まえ、結核予防法廃止後においても結核対策の一層の充実を図ること。特に、最近の結核の発生動向にかんがみ、発病しやすい高齢者等及び感染を受けやすい医療従事者等に対する対策の強化に努めること。  三、地域における結核対策の中核機関である保健所については、その役割が十分果たせるよう体制の強化に努めること。また、結核患者の治療成功率の向上に向けて、医師等に対する結核の標準治療法の一層の周知や研修に取り組むこと。  四、感染症診査協議会については、結核がその診査対象になること及び感染症患者の人権を一層尊重するために同協議会の役割が増大することにかんがみ、各地域において同協議会が十分な機能を果たせるよう、必要な支援策を講ずること。  五、慢性の感染症に係る医師の届出に関する省令の策定及び運用に当たっては、患者に対する差別、偏見につながることのないよう、人権を十分尊重すること。また、収集された感染症情報が患者の治療等に真に役立つよう、実態を適切に把握し、これを感染症施策の展開に反映させるとともに、感染症のまん延を防止する対策を講ずること。  六、病原体等の所持等に関する情報の管理については、厳重な管理システムの構築、取扱基準の策定及び遵守を徹底することにより、万が一にも漏出することがないよう万全を期すこと。  七、病原体等の管理基準等に関する政省令の策定に当たっては、医療機関、検査機関、研究機関等の実態に留意し、遵守可能な合理的なものとすること。また、移送に当たっての届出等の手続については、業務に支障が生じないよう十分周知するとともに、円滑な窓口業務が実施されるよう留意すること。  八、生物テロの発生や災害等により病原体等が流出したケースを想定した緊急対応マニュアルを示し、保健所その他の関係機関が住民の健康を守るために迅速かつ的確な対応がとれるよう、その周知を図るとともに、実地訓練の実施を促進すること。  九、感染症に関する研究を推進し、一類感染症等の国内発生や生物テロなどの緊急時に備えるため、周辺への安全配慮の下、P4施設を確保し、稼働させること。  十、新型インフルエンザの発生に備え、実効性のある計画を策定し、国と地方との連携等について訓練を実施するなど国内における初動態勢の確保に努めるとともに、その流行の拡大に備え、医療機関等で使用するマスクや消毒薬等が十分確保されるよう、必要な対策を講ずること。また、新型インフルエンザが発生する危険性が高いとされる東南アジア地域の各国と緊密な情報交換を行うとともに、保健医療分野における支援を含め協力関係を更に推進すること。  十一、感染症のワクチン、新薬等の研究・開発については、国による支援の強化を図り、その一層の促進に努めること。特に、新型インフルエンザワクチンについては、その緊急性にかんがみ、早急な開発・製造を可能とする体制整備を進めること。  十二、感染症は過去の疾病ではなく、日常的な疾病であることから、医師をはじめとする医療関係者に対し定期的に研修を実施し、診断、治療、感染予防等の知識の普及に努めるとともに、指定医療機関における感染症専門医等の確保など医療機関の体制整備を図ること。また、感染症専門医、研究者の養成のため、海外への派遣研修などの事業を更に充実させること。あわせて、その際に必要な財政支援措置を講ずること。  十三、感染症指定医療機関への感染症患者等の搬送については、その体制を更に整備するため、必要な対策を推進すること。  十四、院内感染対策については、安心かつ安全な医療を確保するため、その充実を図るとともに、相談体制の整備に努めること。また、医療従事者等に対して、ワクチンで予防できる疾患に対する予防接種が行われるよう配慮すること。  十五、肝炎対策については、検査体制の強化、診療体制の整備、有効性の高い治療法の確保方策、研究開発の推進、普及啓発・相談指導等、総合的な対策のより一層の充実を図ること。  十六、感染症に対する理解の促進及び感染症のまん延防止のため、国民に対し、感染症に関する知識の普及及び啓発を十分に行うこと。特に、性感染症については、若年層に対し、その予防教育を含めた正しい知識の普及に努めること。  十七、地球規模化する感染症問題については、海外の事例の収集、分析等を踏まえ、新感染症等への速やかな対応が可能となるよう研究機関の体制整備等を図るとともに、海外における患者情報の把握及び発生源対策が重要であることにかんがみ、WHO、二国間協議等を通じた国際医療協力の一層の推進を図ること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。



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