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2006年

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参議院 厚生労働委員会議事録 2006年11月28日

◆質疑


◆リハビリの打ち切りについて◆
◆児童扶養手当の削減・母子家庭問題について◆
◆結核予防法が感染症法に統合される問題について◆


 

◆リハビリの打ち切りについて◆

○福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。  感染症法に入る前に二点お聞きをいたします。  まず初めに、リハビリの打切りの問題です。  この点は何度か質問してきました。十一月二日、私の質問に対して水田政府参考人は、リハビリの打切りの、百八十日などの打切りの制度を導入した理由について、次のようにおっしゃっています。高齢者リハビリテーション研究会専門家会合におきまして、長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われていると、こういう御指摘があったということがまず出発点でございますと答弁をされています。  本日に至るまで、この指摘の資料が出てきておりません。どういうことでしょうか。

○政府参考人(水田邦雄君)
 今回の診療報酬改定、リハビリテーションの見直しを行ったわけでございます。その中で算定日数上限が導入されたわけでございますけれども、その直接の契機と申しますか、これは今委員が引用されました高齢者リハビリテーション研究会の報告書で、長期にわたって効果が明らかでないリハビリテーションが行われていると、こういう指摘があったわけでございます。ただ、より基本的に今回のリハビリテーションの診療報酬改定の基本にありますものは、最もその重点的に行われるべき急性期のリハビリテーション医療が十分に行われていないと、こういう指摘があったことを受けたものでございます。  それで、それは全体関連しているものでございます。リハビリといいましても、やはり専門医あるいは理学療法士といった医療資源、限られているわけであります。そういった制約条件の中で、急性期に集中してリハビリテーションを実施するようにするために、一日当たりの算定単位数の上限を引き上げる一方で、この算定日数上限を設けまして、より計画的なリハビリに取り組んでいただけるような仕組みに今改めたところでございます。この早期リハビリの必要性につきましては、これは委員もお認めになると思いますけれども、教科書にも出ていることがございますし、研究報告も多数あるわけであります。  したがいまして、それにつきましては委員にも提出させていただいたところでございます。

○福島みずほ君
 はっきり言いますが、研究会の中の議事録を全部点検いたしました。急性期こそ集中的なリハビリ訓練が必要という指摘は石神委員という方がされています。それはそうだろうと。急性期こそ集中的なリハビリ訓練が必要だという指摘はそのとおりだと思います。  しかし、水田参考人、あなたはずっと高齢者リハビリテーション研究会専門家会合において長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われていると指摘があったと言っています。しかし、どんなに議事録を点検しても出てきません。厚生労働省に今日まで何回も何回もこの指摘があったという資料を提出せよと言っていますが、今日に至るまで出てきておりません。これはどういうことですか。指摘がなかったにもかかわらず、勝手にそういう報告をしてリハビリの百八十日などの打切りを決めたのは問題ではないですか。

○政府参考人(水田邦雄君)
 その点につきまして精査をいたしましたところ、会議の場におきましては、この長期にわたる効果がないリハビリテーションに関して特段の意見は出されてございませんが、報告書の取りまとめ時におきまして委員の意見調整をする段階で記述が加えられ、特に各委員から異論が出されることなく合意に至ったものと、このように認識しております。  さらに、診療報酬改定に当たりましては、これは中医協にも報告され、その点については説明をした上で今回の改定は定まったものでございます。

○福島みずほ君
 いい加減にしてください。  水田参考人ははっきりと、私の答弁に対して繰り返し、しかも、これは十一月二日、この厚生労働委員会の答弁です。「今回のリハビリの見直しにおきまして算定日数上限を設けましたのは、これは高齢者リハビリテーション研究会専門家会合におきまして、長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われていると、こういう御指摘があったということがまず出発点でございます。」、議事録に一切出てこないんですよ、こういうことは。集中的なリハビリ訓練が必要だという指摘は出てきます。しかしこれは、この委員会のすべての方が急性期にこそ集中的なリハビリ訓練が必要だということに合意をされると思います。どんなに、ないんですよ、そういう指摘は。  長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われているという指摘、これはあったのか。今まで出てきていません。じゃ具体的にこういう資料があるのかと何回も今まで、本日まで、これは怪しいと思ったので聞き続けてきましたが、今まで資料も出てこないんですよ。  つまり、私は何を言いたいかというと、根拠がないんですよ。議事録にも出てこないんですよ。だれも指摘していないんですよ。それを、なぜこの答弁の中で、長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われていると、こういう御指摘があったことが出発点だということをなぜ言えるのか。

○政府参考人(水田邦雄君)
 リハビリテーション研究会の会合でと申し上げたのは、その意見調整も含めたものであったとこの際は言わざるを得ないわけでございますけれども、私どもは、報告書で最終的に委員の合意が得られて提出されたものが、それが私ども意見の集約だと思っておりますので、正にそういった指摘があり、その指摘がリハビリテーション研究会の会合だけではなくて中医協というもう一つ別の場でも開陳され、それにつきましては議論として成立をしたわけでございますので、これにつきまして私どもが牽強付会であったというものではないと考えております。

○福島みずほ君
 自民党も、自民議員がリハビリ制限検証連盟を発足させたというふうな記事が出ております。  問題じゃないですか。その研究会の中でだれも長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われているなんということを言った人いないんですよ。みんなこのリハビリの打切りで、みんなというかいろんな人がこのリハビリの打切りで苦しんでいます。  水田局長ははっきり言っているわけじゃないですか、長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われていると、こういう御指摘があった、指摘などないんですよ。やらせじゃないですか。つまり、ないんですよ。  ないにもかかわらず勝手に報告書に書いて、そしてここで、なぜか、なぜかと聞いたらそういう御指摘があったと言うけれど、じゃどういう指摘があるのか。だれが、具体的にどこに長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われているという実証研究があったのか。アンケート、例えば実態調査をしたらそういうのが出てきたのか。そういう資料は一切出てこないんですよ。どうですか。

○政府参考人(水田邦雄君)
 繰り返しになりますけれども、意見として示された、私どもは報告書そのものが専門家の意見であると考えておりますので、はっきりここに書いてある、長期にわたる効果がないリハビリテーション云々ということは言われているわけであります。これは委員の間で合意された事項でありますので、私どもが何か作ったというものではございません。

○福島みずほ君
 研究会、私は、リハビリがあって、そのリハビリに基本的に原則として制限日数を付けるということはやっぱり物すごい変更だと思います。この極めて重要なことがその専門家会合においてだれも、だれもというか、長期にわたって効果が明らかでないリハビリがあるからということを言っていないわけですよ。それが報告書になぜか書かれていて、そして、私は、じゃ、長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われていると、そこに、どこにどういう実態があり、だれがどう指摘をし、どうしたのかって聞いても出てこない。議事録を全部見ましたが、出てこないんですよ。おかしいじゃないですか。  要するに、私は、法律を作るには立法趣旨が必要である、制度の変更をするためには変更の理由が必要である。しかし、この委員会の中で、効果が明らかでないリハビリが行われている、でも私たちはその立証を示されていないんですよ。おかしいじゃないですか。

○政府参考人(水田邦雄君)
 その点につきましては、正に委員の共通認識であったがゆえにそういった報告書の文言がまとめられたものだと承知をしております。  それから、今回はリハビリテーションに関しまして診療報酬改定が行われたわけでありますけれども、これは、全体マイナス改定の中でこれについては特に削減はしていないわけであります。その中で、一方で早期のリハビリを充実しなきゃいかぬと、この要請があったわけでありますんで、そのためにはやはり算定日数上限という考え方を導入して計画的にリハビリに取り組んでいただく、緊張感を持ってやっていただくというところで全体の整合性を保つ必要が診療報酬改定の場面においてはあったわけでございます。

○福島みずほ君
 繰り返しますが、急性期にこそ集中的なリハビリ訓練が必要である、早期のリハビリが重要である、これはだれも納得することです。しかし、その問題と、百日あるいは百八十日という期間制限を原則として設けるということは別のこと、段差があることじゃないですか。  私がなぜこう言うかというと、水田局長はここの委員会で、長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われると、こういう御指摘があったということがまず出発点でございます、しかし、繰り返しますが、専門家会合においてだれもそういう指摘をしていないんです。そして、私たちは国会議員ですから、国民に対して、国会議員に対して説明責任を有していると思うんですよ。どこに長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われているという、どこにそういうのがあるのかと聞いても、あるいはだれがそういうふうなことを指摘、会合でしたのかと聞いても出てこないんですよ。資料がないものを私たちはどうやって信用ができるんですか。

○政府参考人(水田邦雄君)
 高齢者リハビリテーション研究会の委員のメンバー、これ自体は公表してございます。この委員の方々が合意をして報告書をまとめられたわけでありますから、その発言者ははっきりをしていると思います。私どもは、こういった現場の経験を積まれた方々の御意見は御意見として尊重するということでございます。  ただ、データ云々に関しましては、むしろ私ども、早期リハビリを実現するために全体として効率化をする要素もなきゃならないということでこの算定日数上限を導入しようとしたわけでありますが、その日数の設定に当たりましては、平成十六年度のリハビリテーション・消炎鎮痛等処置に関する調査を、データを参考にいたしまして、関係学会等にも意見を聞いた上で定めたものでございます。

○福島みずほ君
 委員会は議事録が公開されていますし、だれがどういう発言したか全部分かります。私が言っているのは、その中で長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われているなんていう指摘はされていないんですよ。どこにも存在しない。この会議の中で一回も出てきていないし、証拠も出てきていないし、そういう発言をした人もいないんですよ。議事録には出ていない。それは厚生労働省も、そんなのはないと、出せない、ない、存在しないということを認めていますよ。あるのは、集中的なリハビリ訓練が必要だということだけです。でも、集中的なリハビリ訓練が必要だということと、それから長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われているというのは全然別問題じゃないですか。  厚生労働省は行政を担当するものです。ですから、審議会で出てこなかった意見を報告書にまとめるに当たっては、本当にそういう実態があるのかどうか、そしてそれに基づいて百日、百八十日という期間制限を設けることが妥当かどうかという政策判断をなさるはずですよね、なさるべきですよね。だって、そのことによって何十万、何百万、何千万という人が影響を受けるわけですから。  今日に至るまでそういう言い方もデータも出てきていないんです。いかがですか。

○政府参考人(水田邦雄君)
 もう繰り返しになるわけでありますけれども、私ども、委員の意見は報告書に尽くされていると思っております。それは、会合というのは意見調整の場面であったかもしれません。そこはつまびらかにいたしませんけれども、そういったものが出ているわけでありますんで、それはそれとして受け止めていただきたいと思います。  その上で、そういった専門家の経験に踏まえた意見を踏まえて、私ども政策判断として、一体の整合性ある早期のリハの重点化を図るということと併せまして、それを実現するために一体的な政策としてこの算定日数上限を入れたわけでございます。  日数につきましては、先ほども言いましたように、データもございますし、関係学会とも調整の上定めたものでございます。

○福島みずほ君
 データはないんですよ。長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われている。  じゃ、このデータ、出してくださいよ。

○政府参考人(水田邦雄君)
 それは、繰り返し申し上げていますように、現場に精通した専門家の経験に基づく判断として申されたことだというふうに私何回も申し上げております。

○福島みずほ君
 いや、不思議ですよ。会合で一切そういう議論も、記載も、一切そういう討論も、そういう発言もないんですよ。全くないんですよ、そういう発言が。そして、じゃそういうことを出せと言ったって出てこないんですよ。  何でこういうことが盛られているのか。 ○政府参考人(水田邦雄君) 議事録には載っておりませんけれども、一般論として申し上げまして、委員が共通認識として持っていることであれば、それは最終報告書の段階で意見集約、調整の段階でそれが報告書に盛り込まれるということはそれはあり得ることであろうし、今回正にこういった委員会の報告書としてまとめられたのが、その中にこういった記述があるということでございます。

○福島みずほ君
 どうしてこのことをずっと聞いているかといいますと、このリハビリの打切りについてはいろんな人から声が上がっていると、先ほども言いましたが、自民党の中でもこの見直しの議連が発足しているわけです。  なぜこういうことが導入されたかという、十分その実態の検証と影響の把握を厚生労働省はやったのかというそもそも論なんです。データを出せと言っても出てこない。会議、会合において指摘があった。でも、じゃ、専門家会合において指摘があった、だれがどういう指摘したんですか。どういうデータに基づいてどうなったんですか。会議で一切出てこなかった、議事録で出なかったことが突然出てくると、百八十日で打ち切るというのはどこでどういう判断をされたんですか。

○政府参考人(水田邦雄君)
 繰り返しになりますけど、報告書はこのリハビリテーション研究会の委員がまとめられてございますので、私どもは報告書がすべてであると思っております。  それから、百八十日という算定日数上限につきましては、これは専門家、関係学会にも意見を聴いた上で中医協にお諮りをして決めたものでございます。で、その基には平成十六年度のリハビリテーション・消炎鎮痛等処置に係る調査のデータを用いたものでございます。

○福島みずほ君
 全く納得がいきません。初めに結論がありきか、どこかでとても無理をしたと、厚労省がどこかで見切り発車をしたんじゃないですか。全然そういう議論、長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われているなんていうことがないのに、私は、やはりこういう御指摘があったということが出発点だと、この委員会で趣旨を説明しているけれど、こんなことないんですよ、データも出てこなければ、だれも会議で指摘をしていない。この点については納得を本当にしません。  大臣、私はこの点について予算委員会から始めずっと大臣に質問していますが、どうですか。これは見直す必要があるんじゃないですか。データすら出てきてないんですよ。

○国務大臣(柳澤伯夫君)
 今、水田局長との間の御議論、聞いておりまして、水田局長の言っているこの取りまとめの文書が、それが研究会の文書であるということは、これは御理解願いたいと思います。  その上で申し上げますと、お医者さんがなおリハビリに効果があるとされる場合は、これは継続してリハビリをやっていただいて結構ですと、こういうことも同時に私ども申し上げておりますので、そういう個別判断にかからしめているということには一つの合理性があると我々は思っているということでございます。

○福島みずほ君
 納得しません。  百八十日、百日ということを導入することが、長期にわたって効果が明らかでないリハビリが行われているということが出発点だと言っているわけです。その出発点に関して、納得いくデータも、こういうことがありますとかいうことは一切ないんですよ。ですから、理由の説明が、それを裏付ける資料が一切出てこない、そしてそのことと百日、百八十日に打ち切ったということにも飛躍があるというふうに考えております。  これはずっと質問していますが、やはり納得いく質問がないし、今日に至るまで厚労省からはこういう客観的な指摘があったものは存在しませんというふうに、要するに報告書以外にですね、言われていて、それは余りにずさんな見切り発車であると言わざるを得ません。このリハビリの打切りについては見直しが早急にされるべきだということを強く主張します。  

◆児童扶養手当の削減・母子家庭問題について◆

○福島みずほ君
  次に、児童扶養手当の削減、母子家庭問題について一言お聞きをいたします。  母子家庭の現在の状況についてどのように把握していますか。

○政府参考人(大谷泰夫君)
 母子家庭の世帯構成、それから就労、それから所得等の状況につきましては、おおむね五年に一度の全国母子世帯等調査により実態を把握することとしておりまして、前回は平成十五年の十一月の調査でございました。  これにつきましては、母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法によりまして、平成十九年度までに集中的に母子家庭の母の就業を支援する必要があること、またもう一つの理由として、平成二十年四月より児童扶養手当の一部支給停止措置が施行されること、こういった理由から更にその母子家庭の就労や養育費等の状況を喫緊に把握する必要がありまして、全国母子世帯等調査を二年前倒しして、本年十一月一日現在の状況調査を現在実施しておるところでございます。

○福島みずほ君
 母子家庭の就労支援について、実施率はどうなっているでしょうか。  それから、今の格差拡大と言われる社会で一番影響を受けているのは実は母子家庭などではないかというふうに思っておりますが、どうですか。

○政府参考人(大谷泰夫君)
 母子家庭の母に対する就業支援策といたしましては、平成十五年度より、一つは都道府県、指定都市、中核市に設置されます母子家庭等就業・自立支援センター事業というのがあり、また都道府県、市等において実施する職業能力開発などのためのこれは三種類の母子家庭自立支援給付金の事業、また、本年度からは都道府県、市等におきまして個々の児童扶養手当受給者についての自立支援プログラムを策定して、ハローワーク等労働部局と連携して自立支援を行います母子自立支援プログラム策定事業、これらを実施しておるところでございます。  その実施率でありますが、母子家庭等就業・自立支援センター事業については、平成十八年度におきましては八十九か所ということで実施率が八九・九%。また、母子家庭自立支援給付金事業のうちの自立支援教育訓練給付金制度につきましては、平成十八年度におきましては六百二十三か所で実施されておりまして、実施率は七二・七%となっております。いずれも年々その実施自治体は増加しておりまして、それらの事業を利用した母子家庭の母の就業者数も年々増加しておるところでございます。  このように取組が進んできているところでありますが、先ほど申しました特別措置法の期限が来年度までとなっておりますことから、これらの事業を実施する自治体を更に拡大することが重要と考えておりまして、現在すべての都道府県に赴き、自治体に対して直接こうした事業の実施と充実を働き掛けておるところでございます。

○福島みずほ君
 そもそも四割支給、二十万円限度の自立教育訓練給付金制度や最後の三分の一期間に十万三千円給付する高等技能訓練促進費で母子の就労状況が良くなると言えるのかと現場ではやっぱりすごく使いづらいという声を聞きます。  各県の母子就業・自立支援センターで紹介する仕事はパートや非常勤が多いので大変不安定です。元々就労率が高い母子家庭ですから、就労支援によって賃金が高くなった、あるいは安定性の高い常用雇用の就労が増えたことにならなければ、就労支援の実が上がったとは言えないのではないでしょうか。このようなデータはあるのでしょうか。

○政府参考人(大谷泰夫君)
 今の御指摘にずばりそのもののデータではないかもしれませんが、その実績を若干申し上げますと、都道府県、指定都市や中核市で設置されております母子家庭等就業・自立支援センターの支援を受けて就職された方が平成十六年度で六千三百人であるとか、あるいは都道府県、市等で実施する職業能力開発などのための給付金事業について見ますと、自立支援教育訓練給付金事業の受給者の四六・二%が就職できた、あるいは高等技能訓練促進費事業の受給者の四八・〇%が国家資格を取得できたというような事実もございます。あと、まだ数はそう多くはございませんけれども、母子自立支援プログラムで昨年モデル実施した経過について見ますと、九か月で三五・七%が就職できたと。  それなりの成果は上がってきておるんではないかと考えております。

○福島みずほ君
 もちろん、頑張ってくださいというか、頑張っていただいているとは思うのですが、問題は、全体の中での格差拡大の中で、パートや非常勤職が多いので、実質は母子家庭の平均年収などが極端にやっぱり低いという問題です。ですから、みんな頑張って働いているんですよ。しかし、やはりパートや非常勤だったりするので、そこで就労支援の実が上がっているとか非常に追い風になっているとかいうことにはならないんじゃないか。  ですから、児童扶養手当の削減について、二〇〇八年から児童扶養手当五年間支給を経過した人の手当の減額が決まっておりますが、このある種の二極分化の中で、母子家庭の年収が全く上がらない、女性の二人に一人がパート、派遣という現状の中でこの施策が妥当かどうかということについてはいかがでしょうか。

○副大臣(武見敬三君)
 ただいまの御指摘でありますが、まず、平成十五年に母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法の制定によって、こうした母子家庭の就業支援、自立支援、これを更に充実させていくというのがまず大きな柱として確立し、充実させていくということであろうと思います。  その上でこの一部支給停止の具体的内容についてでありますけれども、この児童扶養手当法について、障害を有する方や三歳未満の児童の養育者に対して配慮するよう定められております。平成十四年改正時の附帯決議においても、今後、「子育て・生活支援策、就労支援策、養育費確保策、経済的支援策等の進展状況及び離婚の状況などを十分踏まえて」決めることとされているところであることから、今後全国母子世帯等調査の結果などを十分踏まえつつ検討を進めたいというふうに考えております。

○福島みずほ君
 削減は決まっているのですが、よく言われるように、児童扶養手当が母子家庭の命綱ということが言われております。母子家庭の年収が全く上がっていない、非正規雇用が拡大をしている、女性の貧困の問題、母子家庭のいわゆる貧困の問題などを踏まえて、これについては是非見直し、あるいは内容について検討していただきたいと強く申し上げます。

 

◆結核予防法が感染症法に統合される問題について◆

結核予防法が感染症法に統合されるに当たって、三十日ごとの診査会で入院日数が決められますが、一律的な対応ではなく、患者さんのそれぞれの事情を考慮した対応が必要ではないか。例えば、雪深い地域で冬の時期に入院されたいわゆる独居老人やホームレスの人が退院してその後の治療の継続をチェックできるのかなどの問題があります。この点はいかがでしょうか。

○政府参考人(外口崇君)
 今回の改正後における結核にかかわる入院につきましては、人権を尊重しつつ、客観的な検査結果等により入院日数が決められるものと考えております。  また、独居老人やホームレスの方など社会的弱者の方々については、結核の罹患率が高く、また、その治療を開始した場合、それを中断するリスクが高いことも考えられております。このため、保健所等において服薬状況を確認しながら指導をする直接服薬確認療法、いわゆるDOTSを推進することがその対策として重要であります。  退院後における治療の継続に関しては、患者さんのリスクや生活形態、地域の実情等に応じて様々な形態のDOTSを実施することとしており、地域の医療機関とも連携しつつ、こうした退院後の地域DOTSを着実に進めてまいることによって対応したいと考えております。

○福島みずほ君
 結核の診療報酬が極めて低い中で、結核病床の稼働率が低いことが病院運営にとっては非常に厳しい現状にあります。しかし、結核病棟を都道府県ごとに確保しておく中で、負担は病棟を持つ病院の負担となっております。こうした問題をどのように改善できるのか。  また、複数疾患を持っている患者さんが非常に増えている中で、結核であれば結核病棟を保有する病院にしか入院できないとなっております。しかし、一般病院でも陰圧管理が可能な病室での受入れができるように国として取り組む必要があるのではないでしょうか。

○政府参考人(外口崇君)
 平成十六年における結核病床の利用率は四八・六%となっており、結核病床の空き病床について様々な御要望があることも承知しております。  しかしながら、一方で、結核については高齢者等の患者数が増加するなど依然として厳しい状況にありますので、こうした動向を踏まえると、地域における結核対策を確保する観点から、結核病床の扱いについては慎重に判断をする必要があると認識しております。  現在、空き病床に対する財政措置については特段の措置を講じておりませんが、空床問題については、病床区分の見直しに対する御要望や感染の動向など、総合的な観点から検討していく必要があると考えております。  また、議員御指摘の複数疾患を持つ結核患者の入院についてでございますが、これは結核患者収容モデル事業というのをやっておりまして、その実施要領に基づきまして、合併症を有する結核患者等に対して、一定の条件の下で、一般病床又は精神病床において収容治療をするためのより適切な基準を策定するべくモデル事業を行っております。  今後、当該モデル事業による実施状況を踏まえ、中長期的な観点から一般病床又は精神病床において結核の患者さんを収容治療するためのより適切な基準の策定に向けた検討を行ってまいりたいと考えております。

○福島みずほ君
 今回の法改正の趣旨ですが、衆議院の委員会の中で、アメリカとかイギリスはバイオテロ、ドイツやEUの一般的な考え方はバイオセーフティーという考え方で両方入っているというふうに政府参考人は答えています。しかし、私がこの法案を見るところ、バイオテロに対する考え方はあるとしても、バイオセーフティーの考え方はないと思いますが、どこにそれが出ているんでしょうか。

○政府参考人(外口崇君)
 病原体等の管理につきましては、諸外国において管理体制の適正化を図っているところでありますが、我が国においては、病原体等の管理は、現状では研究者、施設管理者等の自主性にゆだねられ、これを規制する法的な枠組みが存在しておりません。  で、このような中で、病原体等の適正な管理について、入院や消毒等の措置を定める感染症法において、これらの措置と一体的、総合的に取り扱うわけでございますけれども、これは生物テロ対策だけでありませんで、バイオセーフティー対策という観点からも、その施設ごとの基準やその届出、それから取扱責任者等が定められるわけでございますので、そういった点でバイオセーフティー対策というものも強化されるものと考えております。

○福島みずほ君
 しかし、衆議院の参考人は、川本参考人は、バイオセーフティーの観点が弱いんではないかと言っておりますし、例えば、東京都新宿区の国立感染症研究所、この実験をめぐり、周辺の住民たちが実験差止めを求めた裁判の高裁判決で、この判決文の中で、適正、円滑に安全管理業務を遂行するためには、その実情を地域住民を始めとする国民一般に広く情報公開等して、その理解と協力を得ることが最も重要であると考えられると確定判決で示されています。  つまり、地域住民に対する情報公開という、住民に対しての公開が重要だというのがバイオセーフティーの一つの考え方、避難をするとか、何が問題かということを住民が知るということがバイオセーフティーだとすれば、その観点がこの法案の中に具体的には実は入っていないんですね。  住民に対するそのような観点というのはあるんでしょうか。

○政府参考人(外口崇君)
 バイオセーフティーに関する考え方につきましては、国際的にはWHOの総会におきまして、二〇〇五年五月でありますけれども、実験室におけるバイオセーフティー強化に関する決議というものがなされております。その中で、加盟国は実験者と地域を病原体等から守るために実験室における有効な対策を実施する旨の内容が盛り込まれており、厚生労働省としてもこの内容を踏まえて病原体等の適切な取扱いを確保していきたいと考えております。そして、そのWHO決議を踏まえた地域のリスク管理の視点の重要性等から、今後公開できる情報とできない情報を精査しつつ、御指摘の国立感染症研究所におきましても、施設見学の機会を設定するなどの地域住民の理解が得られるような取組について努めていきたいと考えております。

○福島みずほ君
 私が指摘をしているのは、バイオテロの考え方とバイオセーフティーの考え方がある。おっしゃったとおり、国連の決議がある。だとしたら、バイオセーフティーの考え方をこの法案の中にきちっと反映すべきであるという指摘です。それがないということです。  次に質問をいたします。  五十六条の三十一なのですが、立入検査を厚生労働省、警察職員などができるとしています。で、三項に「第一項の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。」とありますが、私は矛盾していると思うんですね。警察や海上保安庁の職員に立入検査を認めるということは、これはどうしてもバイオテロの考え方、犯罪捜査のために認められるものだと。警察が犯罪捜査以外の点で立入検査をするということはあり得ないというふうに思うんですが、いかがですか。

○委員長(鶴保庸介君)
 局長、時間ですので手短に答弁いただきますように。外口局長。

○政府参考人(外口崇君)
 はい。  今回の法改正におきましては、生物テロを含めた感染症の発生及びその蔓延を防止するため、病原体等に関する必要な規制を設けることとしており、不当な人権の制約を課すものではないと考えております。  また、本規制により、警察庁や海上保安庁などによる施設への立入り等が認められておりますが、これら立入検査等については、犯罪捜査のために認められたものと解してはならないとされているほか、施行に必要な限度で行う旨、法律に規定しているところであります。このため、これらの規定が適切に行われているかどうかについては、法で規定されているように、警察庁長官又は海上保安庁長官との連携等を通じて御指摘のような懸念が生じないよう対応してまいりたいと考えております。

○福島みずほ君
 終わります。


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