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2005年

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参議院 厚生労働委員会 2005年7月28日

◆障害者自立支援法案の審議


●障害者施策の予算や当事者の声について●
●憲法25条と障害者施策について●
●憲法13条と障害者施策について●
●憲法14条と障害者施策について●
●家族の扶養義務について●


 

●障害者施策の予算や当事者の声について●

○福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。  今日は、障害者自立支援法案、私たちは障害者自立阻害法案だと考えますが、この議論の初日です。ですから、そもそも論、憲法論から展開をしていきたいと思います。
 尾辻大臣、七月五日、千百名の障害のある人たちなどが請願にやってきました。車いすやあるいはつえをついて皆さん来られました。どうしてこの法案に関してそのように反対が強いと思われますでしょうか。

○国務大臣(尾辻秀久君)
 一言で言いますと、今回私どもがこの法案を提出するに当たって、利用者の皆さんから、原則としてでありますけれども、もちろんそのことについて随分私どもなりの配慮をさせていただきながらでありまして、そのことは今日も御説明申し上げておるところでありますけれども、申し上げましたように、原則として一割の御負担をお願いする、そのことについての不安を持っておられるんだろうというふうには存じております。

○福島みずほ君
 当事者が当事者抜きに自分たちのことを決めないでと大きな反対があることを大臣としてどう受け止めていますか。

○国務大臣(尾辻秀久君)
 そういう御意見をお述べになる方がおられることは承知をいたしておりますけれども、このことにつきましては、私が大臣になります前に党の方の部会長をいたしておりましたけれども、そのころから団体の皆さん方とは何回も勉強会を重ねてまいりました。そうした積み重ねの上でこの法案ができ上がっておるということも御理解いただきたいと存じます。

○福島みずほ君
 いや、今もって皆さん反対しているんですよ。生存権、生きる権利が奪われると反対をしています。  今日資料をお配りしましたが、諸外国で比べて日本の障害者関連予算は極めて低いです。ILO基準によっても、OECDの基準によっても大変低い。この実態を財務省どう見ていますか。

○政府参考人(鈴木正規君)
 まず、予算の話ですので、全体像をちょっと御説明させていただければと思いますが、我が国の社会保障関係費、約二十兆を超える歳出としておりまして、一般歳出の四三%を占めるに至っております。その中で障害者施策につきましては、十七年度予算で、厳しい財政事情ではありますけれども、全体では七千五百三十二億円、前年比で八・五%、それから特に、居住生活支援費については九百三十億円、前年比五四%という大幅な増を図っているところでございます。そういう意味で、十七年度予算におきましては、社会保障、なかんずく障害者施策については重点的に措置したところでございます。
 お配りの資料につきましては、それぞれの国におけますこの分類額について若干の定義の違いがあるんだと、必ずしもなかなか正確に比較できているものではないのではないかというふうな気もいたしておりますけれども、私どものこうした財政上の措置についても御理解いただければと思っております。

 

●憲法25条と障害者施策について●

○福島みずほ君
 いや、決して多くないんですよ。諸外国に比べて、アメリカに比べても低い。ヨーロッパに比べても断トツに低い七千億円じゃないですか。米軍への思いやり予算は約三千億円。だれに対して、何のための思いやりを発揮すべきかというふうに思います。
 憲法二十五条との関係についてお聞きをいたします。
 どうしても障害のある人たちあるいは人権を考える人たちの賛同をこの法案が得られない最大の理由は、応益負担ということが全面に打ち出されている、一割負担があって生きていけないということにあります。これは益だから利用料を払えと言われることが極めておかしいというふうに思います。障害を持って生きる人たちは、わがままなわけでもなく、どこか行きたいと言っているわけでもなく、当たり前の、最低限度の生活を地域でやりたいというふうに考えているわけです。それに関して、支援費が増加したのは、今まで必要なのに我慢していただけであって、ようやく地域に人々が出れるようになった。それをなぜ抑制するのかというふうに思っております。
 トイレに行くこと、食事をすること、おふろに入ること、これらは益なんでしょうか。

○政府参考人(塩田幸雄君)
 憲法二十五条との関係でいえば、一項で、セーフティーネットというか、生活保護というか、最低限度の保障をするという趣旨の規定があって、二項は、そういうふうにならないために様々な福祉政策を講じるということだろうと思います。
 そういう意味で、現行の支援費制度も憲法の二十五条第二項の趣旨に沿ったものだと思いますし、今提案している自立支援法案もそういう趣旨に立ったものだと思います。
 障害者が生活する上でのいろんな介護の支援とか就労の支援とか、そういうものを充実するというのが正に憲法二十五条の趣旨でありまして、そういうことと今回の費用負担、いろんな配慮をしておりますので、結果的に障害者の方がそういう健康で文化的な生活ができるための施策として御提案をしておりますし、そのためのいろんな配慮もしていると、そういうつもりでございます。

○福島みずほ君
 健康で文化的な最低限度の生活を営めなくなるから反対をしています。
 これは衆議院の委員会で出ておりますが、いろんな方のデータが出てきています。これは参考人の尾上さんが言っていますが、例えば一級年金その他で十二万円の収入。家賃三万円、食費三万円、水光熱費二万円、その他二万円というぎりぎりの生活をしている。この人からも、障害基礎年金一級を受けているということで、二万四千六百円の負担が求められる。この生活の中でどうやって払わなければならないのか。どうですか。

○政府参考人(塩田幸雄君)
 一律定率負担と所得に応じた負担のミックスの負担をお願いしているということでありまして、低所得の方について限度額を設けて、更にいろんな配慮をするという大前提の中でありますけれども、いろんな障害者の生活の実態は、基礎年金だけで生活している方も当然いらっしゃると思いますが、基礎年金だけじゃなくて、仕送りであったとか預貯金であるとかあるいは就労があるとか、いろんな方がいると思います。最終的には生活保護というセーフティーネットもあるわけですけれども、そういういろんな生活ができるぎりぎりのところの御負担をお願いするという趣旨で提案しているつもりでございます。

○福島みずほ君
 様々な方からデータをもらいました。これでやっていけない、それがもうたくさん寄せられています。生活保護以下の暮らしですよ、皆さん。どうやってこれで食べていくのか、説明できないじゃないですか。どうして十一万円の収入で月二万四千六百円負担してやっていけるのか。
 問題なのは、減免があるとか上限設定があるということではなくて、応益負担であるということです。障害のある人たちは、例えばバリアフリーであるとかエレベーターがあるとか、そういうことで生きていけます。それは、個人で金を払えって言われるのではなくて、社会がその人たちのハンディをなくすようにしているからこそ普通に地域で生きていけるわけです。応益負担と言われたら生きていけないですよ。
 最大の問題点は、重い障害のある人は、実はたくさんの、ほかの人よりはたくさんのサービスが要る。要するにサービスの利用料が大変増えるわけです。つまり、その人が背負っているハンディをできるだけいろんな形でなくしていくことこそ政治の課題なのに、重い負担を持っている人にもっと重荷を負えって負担をするわけですから、生きていけないですよ。

○副大臣(西博義君)
 今回のこの改正において、この負担を義務的なことにして、そして同時に利用者の負担を見直すということにしているところが大きな特徴でございます。
 この際に、重度の方、それから所得の少ない方に配慮いたしまして、月額の負担上限、これを数段階設ける、それから個別の収入に着目して利用者負担を減免する仕組みを設ける、それから社会福祉法人が一定の低所得の方に対して軽減措置を講じて、それを公費が助成をするというようなことをしているわけでございます。
 これらの見直しによって、重度の障害者も必要なサービスを受けていただいて、社会全体として支える仕組みとなるというふうに考えております。

○福島みずほ君
 質問の意図を全く理解していただいていません。
 つまり、応益負担をすることが問題だと言っているんです。例外規定を設けても、上限規定を設けても、減免規定を設けても、基本的にサービスを得るんだったら金を払えと言われる。だとしたら、利用を抑制するじゃないですか。ワンランク下げますよと言われても、生活レベルがそれだけ下がるわけです。そのことについて全く答えていないですよ。そこをとらえて、最低限度の文化的生活が営めない、憲法二十五条の保障をなくしてしまうのがこの自立支援法案だと思います。
 お金のある人から金を取るのならいいですよ。でも、障害のある人、重い人からとにかく応益負担で段階的に多く金を取る、この仕組みが怒りを買わなくてどうするというふうに思います。
 大臣どうですか、私が質問している意味が分かりますか。

○国務大臣(尾辻秀久君)
 そのことについても、申し上げておりますけれども、まず一つは、社会保障全体の制度の中での整合性ということもございます。その他の制度との整合性、そして特に私どもが気になりますのはやはり介護保険でありまして、今後、介護保険の普遍化というようなことがある、それも想定の中に入れて私どもは考えなきゃならぬと思っています。  じゃ、介護保険の普遍化ということで、それを想定に入れますとどうしても介護保険との整合性というのは気になるところでありまして、そうした整合性の中からこの定率の負担をお願いするというのは、これは私どもとしてはお願いをせざるを得ないというふうにも考えておるところでありまして、答えの一つとしては申し上げておきたいと存じます。

○福島みずほ君 いや、障害者の問題は違います。
 それから、このような考え方になっていけば、どんどんどんどん負担増というか、払えない人にも基本的には負担を設けていくということになります。多くの障害者は既に生活保護より低い所得水準にあって、応益負担が導入されれば生活水準が下がっていきます。
 では、例えば透析を受けている人、例えば六十三歳の透析患者で入院治療の場合というのでデータをもらいました。低所得層での患者負担額二千五百から五千円増、従来、更生医療で支給されていた入院時の食事代約二万四千円が負担増と。月に二万四千円負担増と言われたら払えなくなります。このような実態もどうお考えですか。

○政府参考人(塩田幸雄君)
 透析を受けている方々については、更生医療が適用されている一方で医療費の月額一万円の限度額は変わっているという、そういう制度の費用負担になっていると思います。
 そういう中で、どんどん負担増は、御指摘のとおり負担増はありますけれども、食費について言えば、やはり在宅でおられる方も同じように食費の負担がありますし、医療保険の中でも標準的な医療費の負担はしていただくということになっております。また、福祉サービスの方にも標準的な食事の負担をしていただくということはありますので、負担増ではありますけれども、そこは是非御理解をいただきたいと思います。

○福島みずほ君 いや、負担増でみんなは生きていけないって言っているわけですよ。実際、収入、例えば年金が六万六千円、その中で一万五千円払えと言われてどうやって暮らしていくのか。局長、どうやって暮らしていくのか教えてください。六万六千円で一万五千円払う、どうやって暮らしていくんですか。

○政府参考人(塩田幸雄君) 何度も申し上げますが、障害を持つ方々が地域で暮らせるためのサービスの質と量をどう高めていくかということが出発点でございまして、そのための国や自治体の負担の在り方、その中で、障害を持つ方でサービスを受ける方にもそれなりの御負担をということが出発点でありまして、単純な応益負担を求めているのではなくて、受けたサービスと所得との両方ミックスした形で、できる範囲内の御負担をお願いしたいということを申し上げているつもりでございます。
 それから、大臣が申し上げましたような、将来の地域福祉の施策である介護保険のことも今後の課題でありますが、考えていくことが障害者福祉のすそ野を広げるという意味でも避けて通れないテーマであることは間違いないことでありますし、最終的には、余り申し上げたくありませんが、生活保護という選択があるわけですが、それが推奨すべきものじゃありませんけれども、いろんな形で、負担できる範囲内で、いろんな工夫をしながら、負担の激変緩和とかしておりますので、是非御理解をいただきたいと思います。

●憲法13条と障害者施策について●

○福島みずほ君
 いや、理解できません。
 この障害者自立支援法案は、障害者を本当に切り捨てる法案です。生活保護を受けろと言うけれども、受けられないですよ。いろんな資産調査や全部明らかになって、また現在、生活保護は非常に限定的になっています。障害者は全員生活保護を受けろと言うんですか。それも本当に問題です。
 次に、私は、今回の法案が憲法二十五条、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」、国は、すべての生活面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないという憲法に違反している法律であると考えます。
 次に、憲法十三条との関係で申し上げます。すべて国民は、個人として尊重される幸福追求権、これが憲法十三条で規定がされています。
 ところで、家族の扶養義務。扶養義務を廃止するとしながら、福祉サービスの利用は生計を一にする家族の負担を勘案するというふうになっています。法案の中身でも、例えば資料の提供、十二条、市町村長は、自立支援給付に関して必要があると認めるときは、障害者等、障害児の保護者、障害者等の配偶者又は障害者等の属する世帯の世帯主などなど、資産又は収入の状況につき、資料の提供を求め、銀行、信託会社その他の機関若しくは障害者の雇用主その他の関係人に報告を求めることができるとなっています。
 つまり、個人として尊重されるということではなく、家族に負担をさせる、しかも資料を提供しなくちゃいけない。結局、家族に面倒を見てもらえと、障害のある人たちは家族が責任を持てということになり、実質的には一割負担は家族が払うことになります。これは問題だと考えますが、いかがですか。

○国務大臣(尾辻秀久君)
 先ほどからのまず御議論について申し上げておきたいと存じます。
 私どもは、今後、障害者の皆さんに対する施策の費用、これが大きくなるということを当然考えなきゃいけないから、その大きくなるものに対して備えようとしておるわけであります。パイを大きくしようとしておるわけでありますから、全体のパイを大きくするためにどうするかということを考えておるわけでありますし、そして、その全体のパイを大きくしたそのまたパイを確実なものにしたいということで義務的経費にするということを言っておるわけでございますから、そのことは是非御理解をいただきたいと思います。その中で個々の話が出てくる、その個々の話は丁寧に丁寧に対応していきたいということをまた繰り返し申し上げておるわけでございますので、是非そこのところは御理解をいただきたいと存じます。

○福島みずほ君
 全然全体のパイは大きくなっていません。
 冒頭言いましたけれども、予算としてちっとも、障害者の人に関する予算は、諸外国と比べてもそんなに大きくないわけですよ。で、個人の応益負担をやることで人が本当に生きられない。二十五条の話にまた戻って恐縮ですが、結局、かつて女の人は家にじっとして引っ込んどれと言われていた時代がありました。応益負担にすると、作業所に通うサービスを得るのだって費用を負担しなくちゃいけない、工賃が一万円のところで実際サービスを受けるのに応益負担をしなくちゃいけない。だったら、障害者はとにかく家にじっとして外に出るなと、こういう法律ですよ。それについていかがですか。

○国務大臣(尾辻秀久君)
 今外国との比較をまず言われましたけれども、これは比較の仕方がいろいろあろうかというふうに存じます。ただ、この予算が増えておるか増えてないかということで申し上げると、これはやはり明確にさせておいていただきたいと存じます。
 先ほどもお答え申し上げましたけれども、平成十五年度で六千六百五十九億円、平成十六年度で六千九百四十二億円、ここで四・二%伸びております。さらに、平成十七年度で七千五百三十二億円、八・五%伸びておるわけでございます。そのように毎年予算を伸ばしてきておる。しかも、先ほど来申し上げておりますが、そして先生方の御指摘にもあるわけでありますが、極めて財政的に苦しい、そしてその他の予算がほとんどゼロかマイナスになっている中で伸ばしてきておるという、このことだけは是非御理解をいただいておきたいと思います。
 そして、これが更に今後伸びるわけですから、伸びるのをどうするかというのは極めて大きな課題なんです。それを何とかしたいと思っていて今度のことも申し上げておるということだけは是非御理解いただきたいと存じます。

○福島みずほ君 ちびちびと増えていることは分かっています。そんなのはもちろん分かっている。しかし、それはむしろ、今まで障害のある人たちが外に出られない、障害のある子供を抱えたら親のせいだと言われる、その中でみんな我慢していたわけですよ。それが少々増えてきた。厚生労働省はなぜ頑張って予算取ろうとしないんですか。
 ところで、今回の法案の一項の「目的」のところ、「障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、」という文言があります。これは障害者基本法の中でなくなったものです。憲法十四条との関係でいいますと、「能力及び適性に応じ、」ということは、能力と適性に応じ、例えば分離教育などに能力と適性に応じということで使われてきたという面があります。これが入った理由は何なんでしょうか。

○政府参考人(塩田幸雄君)
 私たちがこの法案の立案に当たって、障害者に限らずすべての人間というのは一人一人何らかの能力と適性を持っているという、そういう大前提で考えたつもりでありまして、そういう趣旨で障害者お一人お一人がお持ちの能力や適性を最大限に生かしていく、そのために、介護サービスとか就労支援とか、いろんな社会参加とか移動支援とか、そういうもののサービスのパイをどう増やすか、質をどう高めるかという観点から立案をした、そういう趣旨で盛り込んだつもりでございます。

●憲法14条と障害者施策について●

○福島みずほ君
 いや、ちょっと納得がいかなくて、障害者基本法よりもこの法律がやはり後退をしている、障害者基本法よりも障害者の範囲も狭いですし、それから、基本法の旧法の六条の「障害者は、その有する能力を活用することにより、」云々、「自立への努力」などはなくなりました。ところが、今回、突然「能力及び適性に応じ、」というのが入っている。これは悪くすると、能力及び残存能力、いろんな能力を高めることはもちろん必要だけれども、これが能力及び適性に応じなさいという分離などに使われるのではないかというふうに大変不安を感じております。
 国連決議、障害者が他の同年齢の市民と同様の権利を有するというふうにしています。憲法十四条は法の下の平等、実質的平等を規定しているのですが、応益負担というふうにすることでこの平等も実現できない、遠のくと考えますが、いかがですか。

○国務大臣(尾辻秀久君)
 憲法十四条を引いてのお話でございました。
 先ほど来申し上げておるわけでございますが、この法案は、今後とも新たな利用者が見込まれる中で、サービスを必要とするすべての障害者の皆さんに対して、より安定的な制度の下で障害者の自立支援につながる良質な福祉サービスを公費により提供する制度づくりを目指すものでございます。
 具体的には、全国どこでも必要なサービスを公平に利用できるように、支給決定のルールを公平、透明なものとする、在宅サービスについての国等の費用負担を義務的なものとする、市町村等にサービスの種類ごとの必要な見込み量を定めた障害福祉計画の策定を義務付けるなどのことを御提案申し上げておるところでございます。また、サービスの利用者負担につきましては、重度の方に配慮した所得に応じた負担上限額や、所得の少ない方がおられることにも配慮したきめ細かな低所得者対策も提案しているところでございます。
 このように、この法案は全体として現在よりも障害者の実質的な平等の確保に資するものであると考えておるところでございます。

●家族の扶養義務について●

○福島みずほ君
 負担増になることがどうして実質的に平等の確保になるのか、明らかに負担増になる応益負担そのものが問題であり、幾ら減免規定や上限規定を設けても、生活保護を受ければいいというふうな形でなったとしても、それは駄目なんだということの趣旨がやっぱり分かっていただけていないと思います。
 先ほど扶養義務の、要するに世帯で扶養義務があるということが、なりかねないということについて明確な答弁をいただいておりません。家族の扶養義務の強化になって、家族に迷惑を掛けられないと抑制的になる、この点について一言答弁お願いします。

○国務大臣(尾辻秀久君)
 今、最初の部分についてだけは申し上げておきたいと思いますけれども、現在でも、先ほど来これまたお示しをいただいておりますように、すべての障害者の皆さんがサービスを受けておられるわけではない、まだ十割に達していないというお話もございました。ですから、これからすべての皆さんにサービスを受けていただこうとする、そういうことを考えておるわけでございますから、それは正に公平につながるんじゃないでしょうか。私はそう思っておりますということを最初のお話の部分についてはお答え申し上げたいと存じます。
 後段の部分については西副大臣よりお答えいたします。

○副大臣(西博義君)
 今までの支援制度は、これは一定の扶養義務者にも負担義務が課せられていたということでございますが、今回の法律は、その負担を廃止して、障害者本人のみを法律上の負担義務者としているところでございます。その上で、利用者本人の負担について、その負担能力に応じて月ごとの負担の限度額を決めると、そのときに、経済的な面において世帯の構成員がお互い支え合うという生活実態があることを踏まえて、介護保険などと同様に、生計を一にする世帯全体で負担能力を判定をさせていただくというところでございます。
 その範囲はどうかということで種々議論がございますが、今回は、そういう意味では、月ごとの負担上限を決める場合に生計を一にする世帯の所得で決定するということが原則でございますけれども、障害者と同一の世帯に属する親、兄弟、子供等がいる場合であっても、その親、兄弟、子供等が税制と医療保険のいずれにおいても障害者を扶養しないということになったときには、障害者本人及び配偶者の所得に基づくことも選択できるということにしたところでございます。

○委員長(岸宏一君)
 福島さん、時間でございますので、手短に。

○福島みずほ君
 はい。
 公平にということですが、公平に障害者の人たちが生きられない法案になるだろうというふうに思います。
 今日は初日ですが、たくさんいろいろ質問する必要があり、これについて強行に採決をしたり、ひどいことが行われないよう、命を大事にする厚生省に立ち戻っていただきたいということを申し上げ、私の本日の質問を終わります。


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