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2005年
 
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参議院 厚生労働委員会 2005年 6月16日  
   
 
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◆ 介護保険法等の一部を改正する法律案の審議 


●ホテルコストなどの利用者負担について
●地域包括支援センターについて
●法案に対する反対討論


●ホテルコストなどの利用者負担について●

○福島みずほ君
  社民党の福島みずほです。
  参議院でこの介護保険改悪法案が議論になり、様々な問題点が出てきました。とてもこのまま成立させるわけにはいかない悪法だと思います。
  社民党は、介護保険という制度が介護の社会化という点で必要であるということで賛成をもちろんして、制度は必要だと考えております。しかし、今回の改悪法案は、財政縮減のことだけで、現場の人たちにしわ寄せを本当にする改悪法案だと考え、賛成をするわけにはいきません。
  ホテルコストなどについて、税制の大幅な見直しについて一言お聞きをいたします。
  平成十八年度、平成十七年度分から実施される税制改正、公的年金控除額の引下げ、老齢者控除の廃止等によって住民税非課税世帯が課税対象となるケースは概算で約百万人です。これに併せて、居住費、食費の軽減を受けられる低所得者は減少をいたします。
  政府は、激変緩和措置を、利用料負担段階が二段階上昇する者は一段階にとどめる等を行うと答弁をしていますが、経過措置にすぎません。税制改正による影響は、国税、地方税のアップ、国民保険料、介護保険料のアップ、施設利用料のアップ等に連動をいたします。さらに、定率減税の縮小が追い打ちを掛けております。高齢者にとっては何重もの打撃です。法案はこの部分を無視しております。
  本日も、この問題、ホテルコストの問題などについて、保険料及び利用料についての二年間の負担軽減措置についての確認答弁がありました。しかし、私は思います。一気に殺してしまうのか、それとも二年間の猶予を与えてじわじわ殺すのかと、そういう違いになってしまうのではないでしょうか。二年間の猶予があったとしても、それはしょせん激変緩和措置にしかすぎません。最終的には負担増です。この点について、大臣、いかがでしょうか。
  二年前は健康保険の改悪。去年はこの委員会で年金の改悪法案。介護の保険料は引き上げる、給付は引き下げる。そして、今回、介護保険のやはりしわ寄せ、ホテルコスト、どんな人も最低三万一千円、月に負担しなくちゃいけない。もっと、おとといの答弁でも、契約で決まるので食費、光熱費は上がる可能性がある。そして、来年は医療制度の見直し、二〇〇七年は税制の見直し、税制の提言があります。骨太方針が提案をされましたけれども、構造改革の中での二極分化、その中での福祉切捨て、これは断固として許せないと思いますが、大臣、いかがですか、これで大丈夫なんでしょうか。

○国務大臣(尾辻秀久君)
  今回、ホテルコストなど負担をお願いするものが幾つかあります。それはそれぞれ、やはりどうしても負担をお願いしなきゃならないということがありますのでお願いするわけでございまして、そのことをお願いするということに当たって、できるだけ、当然のこと、負担の軽減措置を講ずる方がいいだろうということでいろいろなまた措置を講ずるわけでございます。したがいまして、基本的にどうしてもお願いしなきゃならない、またその方がいいと思われることをお願いしているわけでありますから、それは基本的な部分をまず御理解いただきたいと思うわけでございます。
  個々の話についていろいろまた御説明申し上げてもいいわけでありますが、基本的なところで申し上げましたので、そのように御理解いただきたいと存じます。

○福島みずほ君
  この委員会の中で、では事業主としてどうなるのかという質問に対して十分私は答えが出たとは思いません。実際、払えない人をじゃ追い出すのかということが現場で起きてしまいます。在宅生活を支えるショートステイ、デイサービス、デイケアにも負担増が及びます。在宅と施設の不公平を是正するという改正の理由に矛盾するものではないでしょうか。

○国務大臣(尾辻秀久君)
  今具体的にお述べになりましたことも、今回私どもが負担をお願いしておる部分でございます。今般の見直しにおきましては、負担の公平性という観点から、ここのことにつきましては負担の公平性ということでお願いをしているわけでございますけれども、介護保険施設等における居住費、食費について、在宅の方と同様、保険給付の対象外として、施設給付においても介護に関する部分に給付を重点化しておることといたしております。
  そこで、さらに具体的に御指摘になりましたところのショートステイでありますとか通所サービスについては、これはそもそもが居宅サービスでございます。この居宅サービス、基本的な居宅サービスであるこれらのサービスを、今度は、利用していない在宅生活者の方々もあるわけでございますから、この両方の方の公平性、負担の公平性ということを考えますと、大きくは施設に入っておられる方との公平性ということで言ったわけでございますけれども、さらにその二つの間の公平性というふうに考えますと全く同じ関係になるわけでございますから、滞在費、食費について保険給付の対象外として、介護に関する部分に給付を重点化するということにしたことでございます。そこにおいて整合性を取ったということでございます。

○福島みずほ君
  ショートステイやデイサービス、デイケアの段階における例えば食事が非常に本人の例えば栄養にとって重要であるということは指摘がされています。今回、保険の対象外となることによって、例えばデイサービスに行くのにお握りをコンビニで買っていくとか、極端ですけれども、非常にそういうことが起き得るのではないか。公平といいながら、結局はあらゆるところで負担増になっていくのではないか。在宅と施設の不公平を是正すると言うけれども、在宅で今度はショートステイ、デイサービスを利用する人にも負担増が及ぶという問題があります。保険制度の下でどこまで低所得者対策を行うかにとって、もっときめ細かい議論が必要です。低所得者に対する利用料の軽減措置がない中で、今回わざわざ保険の対象外とする介護保険三施設の居住費、食費について、低所得者対策を保険料で行うのはなぜですか。保険料の対象にしない、だけれども低所得者対策は保険料で行う、これは制度として矛盾していると考えますが、いかがですか。

○政府参考人(中村秀一君)
  お答え申し上げます。
  介護保険制度でも、利用料につきまして負担が無理なものにならないよう高額介護サービス制度というのを設けておりまして、例えば、一番低所得の方は月々の一割負担の上限を一万五千円にするとか、世帯全員が住民税非課税の方の場合二万四千六百円にするとか、そういう言わば負担の上限額を低くする配慮を行っております。こういうふうに配慮された上限額をカバーしておりますのは保険料、皆さんの保険料と税でその部分をカバーしているということでございまして、今回のいわゆる補足的給付もそういう考え方に立ちまして、介護保険制度の中で低所得者対策を行っているわけでございます。

○福島みずほ君
  この委員会を通じて税とそれから保険の仕分について質問をしてきました。やはりここで理解できないのは、低所得者に対する利用料の軽減措置がない、そして保険の対象外と介護保険三施設の居住費、食費はなる、にもかかわらず、低所得者対策を保険料で行うというのが理解できないんです。局長はそれに真っ正面から答えていないと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(中村秀一君)
  お答えを申し上げます。
  低所得者に対する利用料の軽減措置は、今御説明いたしましたようにございます。低所得者には、一般に三万七千二百円の月額上限に対して一万五千円、二万四千六百円と、こういうふうにしているということが第一点。今、食事のコストも一日七百八十円、食事療養費の中で食材費相当という設定になっておりますが、一番低所得の方は一日三百円、全世帯員が住民税非課税の場合は五百円と、こういうように利用料の軽減措置が今あるわけでございます。それが第一点です。第二点、この軽減措置は介護保険の財源で行われている。介護保険の財源は税と保険料から成っておりますので、税と保険料でやっております。今度の補足給付も同じ考え方に立って税と保険料でやるということです。
  なお、委員からの御質問は、保険料と税の関係が整理されてないのではないかということでございますが、社会保険は、民間保険と違って私は一定の所得再分配は許されると、こういうふうに考えておりまして、保険料の体系も上限があるとか様々なそういう措置が講じられ、所得再分配効果もあるわけでございまして、それが社会保険の社会保険たるゆえんだというふうに考えておりますので、税と保険料の考え方の整理する際にも、そういう社会保険というシステムのことについてやっぱり考えていただく必要があるんではないかと思っております。

○福島みずほ君
  いや、それは違いますよ。税金を投入するという部分があるからこそ税金の使い道について私たちは言っているわけで、介護保険の中に税金が使われていることはもちろん了解をしています。
  私の問題関心は、保険の対象外としながら、居住費、食費についての低所得者対策を介護保険という保険制度の中でやるのはどうなのかという質問です。それは、今まで一貫して地域包括支援センターの業務についても保険と税の関係について聞いてきたところです。なぜ人が介護保険の保険料を払うのか。その介護保険という制度の中において、保険料をそのために使うということが税でやるべきなのか保険でやるべきなのか、ここでもまたあいまいになってきているというふうに思います。私は、今回、どこまで低所得者対策を行うかについてもっと議論をすべきであると。このままで保険料負担者の理解が得られるとは思っていないということを申し上げます。
  本日も出ましたが、新たな負担を課すに当たって、十月実施は余りにも周知期間が短いです。保険者である自治体も次の議会は九月です。他の多くは四月施行予定であるのに、なぜホテルコストと食事の自己負担化のみ先行して十月実施なのでしょうか。

○国務大臣(尾辻秀久君)
  これも先ほどお答えしたことでございますけれども、今回こうした見直しをお願いします大きな理由の一つでございますが、保険給付費が伸び続けておりまして、来年度はまた保険料の見直しの時期でございますが、その際には引上げが見込まれる保険者がかなりあります。そうした中で、給付の適正化というのは喫緊の課題でありまして、保険者である自治体を始めとする関係者からも、居住費、食費に関する見直しは早急に行うことが求められております。したがって、この見直し、早急に行うという意味において十月実施をお願いしておるところでございます。

○福島みずほ君
  大臣はそう答弁をされますが、私の一番違和感は、とにかく財政、お金の点だけで、現場の事情も説明責任も周知徹底の期間も関係なく強行がされるということです。そこに根本的な問題があります。やはり、要支援、要介護一の人たちの家事援助サービスを抑制する意味で、隠れみのとして新予防給付が使われているのではないか。それから、施設に入っている、特養などに入っている人からもしっかりお金を取ると、ホテルコストを、とにかく周知徹底の期間が不十分なまま。これから地方議会はもう大混乱ですよ、九月の段階で。十月からもうとにかくホテルコストを負担をしていただくという、本当に財政の点からだけ言われる。
  じゃ、重度の要介護四、五の人たちの施設の中での処遇、あるいは在宅の処遇がじゃ手厚くなるかというと、そうではありません。保険料のお金が地域包括センターという形で、だばっとどこかに、分からない、今まで税でやっていたようなところに流れていく。一方で、どこに行くか、保険料が、分からない、一方で物すごく縮減をしていく、こういうお金の使い道は将来に必ず禍根を残すというふうに考えています。
  大臣、お金のことだけしか言わなくて、現場の福祉をこんなに早急に激変して本当によいのでしょうか。

○国務大臣(尾辻秀久君)
  十月実施が余りにも急ぎ過ぎではないかというお尋ねでございましたから、早急に実施しなきゃならない理由として財政ということからの御説明を申し上げたわけでございます。
  ただ、居住費、食費をいただこうということについてのそもそもの理由は、先ほど申し上げましたように、施設にいる方とそれから自宅におられる方、居宅の方という、この両方の間の方の公平性を求めるということでお願いをするわけでございますから、基本的には、今度の居住費、食費を施設におられる方御自身でお出しくださいという、保険の外に置きますということは、これは負担の公平性という理由でもって行うということもまた御理解いただきたいと存じます。

○福島みずほ君
  やはり理解ができません。介護保険制度をつくったときの契約と全く違う中身が今回スタートをする。月何万もの負担は個人にとってもかなり多額です。
  今、本当に高齢者の問題は、自分自身の親の問題でもあり、本当にみんなの問題でもあります。自宅で重度の人を介護するのがやはり本当になかなか難しい。地域で見たいと思っても難しい。じゃ施設に入れるか、それだって待機をしなければなかなか入ることはできません。今回、要支援、要介護一などでは入れないことになるわけですから、なかなか入れない、待機者が多い。じゃ、施設に入ったら、今入っている人たちに関してホテルコストなど最低月三万一千円掛かると。どっちに行っても本当に大変という事態が起きます。
  私は、厚生労働省が財務省に頭を下げるのが嫌なのかどうなのかよく分かりませんが、この介護保険の制度の中で無理やり財政の面からだけで制度を切って急いでいくというのは、本当に厚生労働省としての責任を全うしていないというふうに考えます。

●地域包括支援センターについて●
  次に、地域包括支援センターについてお聞きをいたします。
  現在、在宅介護支援センター、一万軒あります。この五年間、みんな頑張ってそれぞれ在宅介護支援センターができてきたわけですが、地域包括支援センターとのすみ分けは一体どうなるのでしょうか。

○政府参考人(中村秀一君)
  お答えを申し上げます。
  在宅介護支援センターは、平成二年度に創設されまして、今日現在に至るまで八千九百二十四か所できております。在宅介護支援センターが大幅に整備されましたのは介護保険制度ができる前でございまして、市町村からの委託を受けて地域における老人福祉にかかわる総合的な相談、援助を行う機関として重要な役割を果たしてきたわけでございます。
  今回の改正におきまして在宅介護支援センターにつきましては、介護保険制度ができましてから居宅介護支援事業所を兼ねる結果になった在宅介護支援センターも数多くございます。地域型の在宅介護支援センターはほとんど、九一・三%ケアマネ事業所も兼ねておられると。また、職員配置もそれほど厚くできなかったために、いろいろな財政上の制約もあり、相談業務、介護予防、ケアマネジャーの支援の役割など十分果たせてこなかったという問題点を抱えておりました。こういう反省に立ちまして、今回、公正中立の確保、市町村の関与を強め、地域包括ケアの中核機関としての機能強化、介護予防マネジメントの本格的な取組を実現するため、地域包括支援センターを置くこととしたわけでございます。
  在宅介護支援センターにつきましては、地域包括支援センターの委託を受ける部分もあるかもしれませんけれども、地域包括支援センターの指定を受けない在宅介護支援センターについては、地域の実情に応じまして、老人福祉一般に関する相談・支援機関としての活動、居宅介護支援事業としてケアプランを作成する、包括的支援事業以外の地域支援事業の委託を市町村から受けると、こういった様々な役割が期待されるのではないかと考えております。

○福島みずほ君
  この委員会の質疑を通して、地域包括支援センターが一体どういうものになるのか具体的に余り見えてきていません。
  衆議院の厚生労働委員会では、例えば、質問で、東京都の説明では、この包括支援センター、給付費の三%を上限としているけれども、ある区においては、三%といえばそこは三億円、既に老人保健事業だけでもう三億円を超えている、地域包括支援センターの人件費をこの中から出すととても十分な財政はない、厚生労働省は三%を超えたものは地域で負担してくださいという話をしているけれども、現行サービスを落とすわけにはいかないと。結局、地域包括支援センターがまた成り立っていかないのではないかというようにも思っています。これまた衆議院の答弁で、人口二、三万人に一か所が一つの目安、五千か所、六千か所ぐらいではないか、町村等において三人全部そろえられるかどうか、小規模の場合などについての簡便的なやり方などについて工夫の余地があると局長は答弁しています。
  では、お聞きをいたします。この地域包括支援センター、三人必要だというふうになっております。社会福祉士、保健師、主任ケアマネジャー、三人いて何百件とここで処理していくというふうに言われているんですが、三人そろわなかったらどうなるんですか。

○政府参考人(中村秀一君)
  お答えを申し上げます。
  今委員から御指摘のとおり、地域包括支援センターの配置の基準として、専門職、それぞれの異なる専門機能を持った専門職を配置していただきたいということで、三種類の専門職を掲げております。
  財源のお話もございましたけれども、この地域支援事業が創設されますと、従来の事業から財源的に後退することはないというふうに考えておりますので、この委員会でも御議論ございましたが、東京都の区の例も出ましたけれども、少なくとも、この地域支援事業が導入されましたら、現在も一般財源で持ち出しをしている区につきまして持ち出しがむしろ減ると、こういうことになるというふうに考えております。
  三人の専門職については、むしろ、できなかったらどうするかということではなく、配置をしていただくようお願いをしているところであり、十八年四月に間に合わない場合は、二十年度までの間、二年間で条例で定めるときをスタートにしていただく猶予期間も置かせていただいているというところでございます。

○福島みずほ君
  この地域包括支援センターが絵の、かいたもちになるか、うまく機能しないんではないかと心配をしています。せっかく今まで在宅介護支援センター、五年間掛けてみんなでつくってきました。このもっともらしい表に社会福祉士、保健師、主任ケアマネジャー、三人とありますが、局長は答弁で、三人全部そろえられるかどうか、工夫の余地があるのではないかと答えています。
  結局、この三人の機能分担と、どういうことを地域包括支援センターでやっていくのかよく見えません。しかも、それなりの今までのすみ分けがどうなるか、今までつくったものをつぶしてしまうかなど、本当に問題となります。
  老人健診について聞いてきました。六十五歳以上の介護予防事業に老人健診が入ってくる。健診のお金も聞きましたが、現行だと、自己負担千三百円、集団健診は四千二百四十七円。保健所は自己負担千二百円、全部で四千二十三円。医療機関は自己負担二千四百円、集団は七千九百三十三円となっています。今でも利用料という形では本人負担しているのですが、将来この地域包括支援センターの中で老人健診が行われるとなれば、被保険率も下がり、むしろ予防が阻害されるのではないでしょうか。
  結局、医療保険の中でこの利用料が決まると。とすると、自己負担千三百円というよりはるかに高くなることも考えられます。その点はまだ確定できてないのではないですか。

○政府参考人(中村秀一君)
  お答えを申し上げます。
  老人保健事業の健診の費用負担については、今委員の方から御紹介があったところでございます。同じ言わば種類の市町村の事業という意味で、同じ形式の地域支援事業を実施いたしましたので、老人保健事業の考え方も踏まえながら、無理のない範囲で、事業に要した費用の一部について利用料として御負担をいただくことを考えております。

○福島みずほ君
  結局、具体的に利用料が幾らになるか分からないわけです。しかし、少なくとも今まで税でやっていたものが介護保険のシステムの中に入るわけですから、利用料が高くなる。と、健診をあきらめてしまう、やれない人たちが出てくる。このことは、結局、保険財政が悪化すれば必要な事業の縮小などが出てくるのではないか。悪化になる、老人健診が落ちるということを申し上げます。
  重度要介護者を自宅で受けられるよう介護保険を充実させることが先決です。現行の介護保険サービスでは、利用者負担上限額まで使っても重度の要介護者を支えることは困難です。在宅と施設のバランスを図るのであれば、重度要介護者に対する在宅サービスを充実すべきです。
  また、平成十六年度から特養ホーム建設費の補助金が三分の二に縮減され、自治体は整備計画のめどが立っておりません。特養待機者が全国で三十四万人を超えるという現実を見据えるべきで、そのことに対する回答が今回の介護保険改悪法案にはない。よって、賛成できないということを申し上げ、私の質問を終わります。

 

●反対討論●
○福島みずほ君
  私は、社会民主党・護憲連合を代表して、介護保険法等の一部を改正する法律案について反対討論をいたします。
  第一の理由は、新予防給付の導入によって、要支援一、二に振り分けられる軽度の要介護者、百五十万人から百六十万人のサービスが抑制されることです。サービスが予防目的に限定され、利用限度額も低く抑えられれば、利用者が在宅の生活を継続することが困難になります。政府は、適切なケアマネジメントに基づいて提供される家事援助は認められると答弁をしていますが、法案の細部は政省令によって定められるため、利用者の不安は払拭できません。
  また、新たな介護予防メニューの切り札として出された筋力向上トレーニングは、市町村モデル事業中間報告からも、効果の明らかなサービスであるという結果は得られませんでした。高価なマシンと専門家を必要とする筋力向上トレーニングの費用対効果が全く検証されていないことも非常に問題です。
  第二の理由は、介護保険三施設における居住費、食費を保険から外して自己負担化することによる利用者への負担増です。同負担は、在宅の生活を支えるかなめであるショートステイ、デイサービスなどにも及び、在宅と施設の不公平感を是正するという改正理由にも矛盾しています。
  また、低所得者への配慮も不十分で、年金収入を上回る負担を余儀なくされる利用者が出てきます。十七年度税制改正により、来年度から住民税課税ラインが変わり、居住費、食費の軽減対象から外れる層が増え、事実上、低所得者は介護保険三施設の利用を制限されることになりかねません。税、保険料、居住費、食費、重複する負担増についても考慮がなされていません。
  一方、在宅や他の施設の低所得者について利用料の軽減がない中で、今回、保険外とする居住費、食費についてのみ保険料で軽減を行うことも安易なやり方です。
  施設と居住の違い、施設が食事の提供に責任を持つことの意義、食事の持つ介護予防効果、施設建設における公費補助の大きさなどを考慮し、居住費、食費は引き続き保険給付内にとどめるべきです。同負担の施行予定を本年十月としていることについては、余りに周知期間が短く、乱暴です。
  第三の理由は、地域支援事業への介護保険料の投入が保険財政を悪化しかねないという点です。地域支援事業の介護予防対象者は、認定で自立とされた非該当者で、本来、給付の対象ではありません。また、老人保健事業、介護予防・地域支え合い事業などを地域支援事業に再編することは、公費支出を保険料に肩代わりさせ、国の責任を弱めることにつながります。介護保険制度が国民の信頼を得ていくためには、保険料の使途を厳格にすべきです。
  本法案は、在宅で暮らす重度の高齢者とその家族の困難、地域間格差の是正、そして介護労働者の労働条件等について何ら改善策を示していないばかりか、介護予防を隠れみのに国庫負担の抑制のみを優先させ、利用者、保険料負担者に過重な負担を強いるものにほかなりません。
  本委員会において公聴会、中央公聴会をやろうということがある程度提案をされ、一時期、地方公聴会の日程も決まりました。しかし、それが中止あるいは延期と残念ながらなり、今日に至るも地方公聴会、中央公聴会は実現をしておりません。介護保険といった国民の生活に密着した制度こそ地方公聴会、中央公聴会がなされるべきです。
  様々な問題点が出てきている今、会期の本当に終了が間近に迫った本当に切迫した今に、なぜ、課題山積の今、疑問点が出てきている今、地方公聴会、中央公聴会もやらないまま採決に至ったのか、怒りに堪えません。
  以上をもって私の反対討論といたします。

 


 
       

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