|
◆ 介護保険法等の一部を改正する法律案の審議
●スクリーニングについて●
●筋力トレーニングについて●
●財源について●
●介護従事者の労働条件について●
●居住費と食費の負担について●
●スクリーニングについて●
○福島みずほ君
答弁を聞いていても全然改善が見えてこないという、そういうふうに思っています。
私は今日何点かまとめてお聞きをいたします。
筋力トレーニングの問題についてお聞きする前に、お聞きする中で、介護予防事業の中で、要支援、要介護になるおそれの高い者のスクリーニングに関してその基準と内容を公表すべきではないかという点はいかがですか。
○政府参考人(中村秀一君)
お答えを申し上げます。
私ども、生活習慣病予防の方でも、例えば保健指導が必要な方、あるいはそういった意味で対策が必要な方々について基準を示しております。したがいまして、この介護予防事業の中で具体的な基準や方法につきましてはマニュアルとして取りまとめ、市町村の方で実施できますように対応してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君
介護予防のスクリーニングには地域支援事業の前提となりますが、その基準と内容は不明確です。現時点においてそれを明らかにすべきではないですか。
○政府参考人(中村秀一君)
高齢者の介護予防を進めるに当たりましては、生活機能の低下を早期に発見し、早期に集中的な対応を行うことが必要であるというふうに考えております。
したがって、先ほども御議論ございましたが、六十五歳以上の方を対象に、生活機能低下の対象者になるかどうか、そういった意味での健康診査的な、イメージでいえば、事業を実施したいと、こういうふうに考えております。
今の健康診査は、現に老人保健事業で健康診査を行っております。健康診査につきましては、生活習慣病対策ということでやってきておりますので、このたびは生活機能の低下のおそれということも加えなければなりませんので、そういった意味で、スクリーニングの項目としてそういった項目を加えるということにさせていただきたいと考えております。
○福島みずほ君
答弁を聞いていても、どういう中身になるかさっぱり分からないと。高齢者の分断につながらないように配慮すべきではないでしょうか。おそれの高い者と認定されなくても、希望者には一定の条件でサービスを提供する必要があるのではないでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君)
例えば生活習慣病対策でも、糖尿病のおそれがあるとか血糖値が高いとか血圧が高いということがある方に対しては、様々な生活指導なり、いろんなことがなされると。それと同じようなことでございまして、高齢者の方を分断というようなことではないと思います。
いろいろ御希望の、アクティビティーに対する御希望ということはあろうかと思いますが、そこは介護予防という枠組みではなく地域の様々な活動ということで、そういったニーズには市町村の方でこたえていただけるんではないかと考えております。
○福島みずほ君
そうであるならば、別に新たにこの介護予防事業などをやる必要はないのではないでしょうか。現在でも栄養改善と口腔ケアは居宅療養管理に入っております。新たに筋トレを入れるために大幅改正をする必要があるとは思いません。いかがですか。
○政府参考人(中村秀一君)
今の居宅療養管理と申しますのは、言わば介護保険の中の給付のメニューでございます。地域支援事業のお話でありましたら、それはそういう対象になる前の方々に対してのプログラムでございますので、そういった意味で重なりがあると、こういうことではないというのが第一点でございます。
それから、居宅療養管理というのは、言わば在宅で療養を受けている方で通院とかそういったことが困難であるという要件がございますので、ある意味で、要支援の方とか軽度の方々が必ずしも居宅療養管理の対象にならないんじゃないかというふうに考えておりますので、予防給付として組み立てる場合に多くの方がサービスを受けやすいような形態を考えたいということを今考えているところでございます。
○福島みずほ君
しかし、要支援、要介護になるおそれの高い者しか介護予防事業には入ることはできないわけです。
また、私の率直な疑問は、介護予防は要介護二から五には要らないのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君)
お答えを申し上げます。
言わば市町村の事業として、介護予防の事業として実施するのは、言わば市町村の方が、要支援、要介護になるおそれが高い方といって、言わばストライクゾーンを決めて実施するわけでございますが、例えば普通の状態にある方が言わば健康の保持増進に努められるというのはなお結構なことでございますので、そこはその地域支援事業という枠組みの中でなく、自主的な活動なり、あるいは市町村がそういった方々を巻き込む事業としていろんな事業が組み立てられるんではないかと、そういうことを申し上げているところでございます。
○福島みずほ君
私の聞いていることに答えていません。私は、今日はスクリーニングに関して基準を明確にしてほしいということを先ほど要望いたしました。
先ほど質問したのは、介護予防は要介護二から五には要らないのかということについて答えていません。
○政府参考人(中村秀一君)
お答え申し上げます。
要介護状態を維持する、あるいは重度化させない、重度な方に対してもできるだけ生活機能の維持を図ると、そういった意味で、生活機能の維持向上を図るためのサービスは必要であると思っております。
それぞれの分野で、特別養護老人ホームや介護療養型医療施設の中で様々な言わばケアがなされているわけですが、そのケアというのは高齢者の方々の自立を支援するためにできるだけのサービスをしているという意味で、そういった意味では、生活機能の向上のために要介護二から五の方々に対するサービスの中でそういったことに努めていくことは必要ではないかと考えております。
●筋力トレーニングについて●
○福島みずほ君
そうであるならば、今回のプログラムそのものに無理があります。要支援、要介護一と分け、二から五に関してはまた別に分けていくと。要するに、介護予防する人を介護の重度によって区別をしているわけですから、今局長が二から五の人に対しても介護予防が必要だと言ったところで、現実にはそういうプログラムにはなっておりません。
私は、そもそもこの予防介護あるいは筋力トレーニングのこのプログラムがいいのかどうかということに根本的に疑問を持っております。
厚生労働省は、新予防給付を創設する理由として、軽度要介護者へのサービスが要介護状態の維持改善につながっていないことを挙げています。しかし、厚生労働省のデータからは、ホームヘルプサービスによって要介護一の八〇%が状態を維持改善している結果が得られています。
家事援助による生活負担の軽減は要介護度の悪化を予防し、自立を守る有効な手段の一つです。私の周りにも家事援助によって助かっているという人もいますし、参考人の中からも、メンタルヘルスも含めて今まで貢献をしてきたという証言がありました。費用も、施設や病院で過ごすよりも安いという面があります。逆に、本人の事情が軽視されてサービスを削減すれば重度化を招き、結果的には財政的にも高くなることになります。
他方、筋力トレーニングの方はどうでしょうか。先ほど足立委員からもエビデンスが十分でないという意見が出ました。かつて質問をしましたが、厚生労働省は国内外の論文で既に介護予防の効果が証明されていると言いますが、提出されてきたのは都合の良い部分の引用にしかすぎません。
モデル事業の結果、筋トレを実施した人の一六・三%は要介護度が悪化をしています。筋力向上では三〇・四%、栄養改善、血清アルビミン値では四二・二%が悪化しています。介護予防を行った結果悪化したというこの事態、これについてどう考えるのか、お聞かせください。
○政府参考人(中村秀一君)
お答えを申し上げます。
介護予防の市町村モデル事業についての御指摘でございます。
委員御指摘のように悪化された方もございますが、全体で申し上げますと、要介護度については四四%が改善されたという結果になっておりますし、それぞれについては統計的に有意な改善、足立委員の御指摘ですと変化が見られたと、こういうことでございますので、私ども、全体としては、要介護度について有意な、言わば改善方向についての変化が見られたと、こういうふうに認識しているところでございます。
悪化の問題はそれぞれ分析していかなければなりませんし、基本的に対象群の調査についての検証も必要だと思いますが、一般的に悪化しがちな集団の中で、その悪化をとどめるために、維持改善のために介護予防事業をしているわけでございますので、そういった意味では、要介護度についても、身体機能についても、生活機能についても、ほとんどの項目で改善したという中間報告書のポイントと、結果ということは、それなりに評価されてよいのではないかと考えております。
○福島みずほ君
モデル事業で悪化した人が結構いると。しかも、先ほど述べましたが、厚生労働省は今までの事業で良くなったといってデータを示してきたわけです。なぜ今回変更するのか分かりませんし、悪化したということは看過ができません。
ところで、そのモデル事業、これは無料だったわけですが、参加者の確保が難しかったというふうに言われています。本格実施となって、利用料を払い自主的に参加する人の数がつかめません。安全性の確保、専門スタッフの確保、研修の確保、送迎手段の確保が課題です。
また、大きな点は、費用対効果が全く検証されていないことです。医師、理学療法士、保健師、看護師、運動関係の指導員など、専門家の配置基準が未定です。マシンなど機器の導入、人件費、事業の外部委託費などは高額になります。筋トレバブルに踊らされないことが肝要ですが、この費用対効果についてはどう計算をしていらっしゃるのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君)
例えば、この介護予防事業、モデル事業では無料であったと、こういうことでございますが、今度、例えば新予防給付になりますと、それぞれ予防給付それから介護給付、いずれにしても一割の御負担でやっていただいているということでございます。
これまでの五年間の介護保険のサービスの利用状況を見ますと、一割の御負担あっても相当そのサービス利用をしたいという方が増えてまいりますので、そういった意味で、新予防給付についてもサービスを受けたい、例えばホームヘルプサービスでありますとかデイサービスを受けたいと、そういった御希望は強いのではないかと思います。
今回のモデル事業でいただいた御意見通じまして、事業参加者の効果的な選定方法やプログラムを実施するに当たって工夫すべき点、それから、サービスの実施は基本的に既存の事業者の設備や人員の活用で対応できることが可能であり、現行のサービスの費用対効果以上が見込まれていると。つまり、今回のモデル事業でやっていただきました筋力プログラム等の人員配置見ますと、既存のデイサービス等で実施されています設備や人員の活用で対応できることが可能だと、こういうふうに得られておりますので、そういった意味では、これまで介護保険で使われてきました費用、こういったものを活用することができるというふうに考えておりますので、費用対効果の点でも現状より悪くなるということはないんではないかと考えております。
●財源について●
○福島みずほ君
現状よりも悪くなるのであれば改正とは言いません。
そして、次に質問いたしますが、介護予防の地域支援事業の財源に介護保険料を投入すべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君)
この財源問題については、まず事業の性格のことについても、前も申し上げましたけれども、現在の介護保険法でも、市町村の事業として保険料財源を使って保健福祉事業ができるというふうになっております。むしろ、その事業につきましては公費が全く使えないと、こういうことでございますので、今度の地域保健事業はその保険料財源に加えまして国の税も使い、そういったことを投入して介護予防事業、それから総合相談や権利擁護、そういった事業についてもこの事業の対象にしていくと、こういうふうに考えてやっているところでございまして、私どもは、保険料と税と、そういうことを使いまして、介護保険に必要な介護予防事業、それから介護保険と密接に関連する事業、言わば介護保険のサブシステムとも言える事業の促進にも対応していくと、こういうふうに考えているわけでございます。
○福島みずほ君
いや、さっぱり納得がいきません。
NPO法人高齢社会をよくする女性の会の平成十七年介護保険法改正案に関する意見書には、次のようにあります。「介護予防の地域支援事業の財源に介護保険料を投入しないこと。財政が苦しいから改正するというのに、ここで「事業費」を保険料から計上すれば、ますます財政は逼迫し、最重度の要介護者等に向けての給付が減少する。保険料は利用者個人への還元を原則とすること。」、私はこのとおりだと思います。
私たちはこの委員会で、厚生年金病院やいろんなところに年金保険料が使われること、それが大問題だとして私たちは反対をしましたが、法案が通りました。保険料はその払った人たちにこそ還元をすべき。
今まで税でやっていた部分を保険料でやることになります。地域支援事業に再編される事業、老人保健事業、国庫負担三分の一、介護予防・地域支え合い事業、国庫負担二分の一、在宅介護支援センター運営事業、国庫負担二分の一、従来、公費で行われてきた上記の事業が介護保険に吸収されることになります。二〇〇六年度は、介護保険給付費の約三%、約二千億円が地域支援事業費と見積もられています。うち一千億円が保険料から調達することになります。
年金の保険料が別のものに使われるということに関して、私たちはこの委員会で大騒ぎをしてまいりました。別のものに保険料を使うなと。なぜここでこういうことに、税でやっていたことをなぜ保険料でやるのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君)
まず、地域支援事業の規模の問題でございますが、委員から御指摘もございましたように、給付費の三%を上限とする新たな事業でございますが、一方、介護予防事業の実施により、お示しいたしておりますとおり、将来、給付費の一割程度の縮減が可能と考えておりますので、私ども、介護保険財政の適正化に寄与するものと考えており、御指摘のような財政の逼迫や最重度への方の給付減をもたらすものではないというふうに考えております。
それから、被保険者に還元されるべきだということでございますが、正に地域支援事業はハイリスクの方々を選び六十五歳以上の被保険者の方に還元されるわけでございますし、総合相談や権利擁護事業などもその六十五歳以上の介護保険の対象となり、正にそういった方々に対するサポートとして用いられるものでございますので、私ども、介護保険給付に密接に関連するものとしてその事業費の一部に介護保険料を充てるということについては、現在の介護保険制度も保険料をそういった事業に充てることは制度としてございますし、むしろそれに対して公費も付き合うということで、こういった事業がきちんと実施されている道を開くものと考えております。
○福島みずほ君
なぜ今まで税でやっていたところを保険料でやるのかという問いに全く答えていません。この介護保険の改悪法案の議論の中で、申し訳ないけれども、局長は問いに対して答えないということでやり過ごそうとしているのではないかと本当に思います。
今まで税でやっていた場合は無料だった面があるわけです。老人保健事業や介護予防・地域支え合い事業、みんなのために税金としてやってきた。国庫負担もやってきました。
今回、市町村は地域支援事業の利用者に利用料を請求できます。そうしますと、お金を払って、いろんな予防というものをやるわけです。これは人々にとっても負担とは考えませんか。
○国務大臣(尾辻秀久君)
まず、先ほど来、年金積立金の話との比較をされましたけれども、年金積立金を福祉施設などに使わないということのこの御議論をいただいたときは、とにかく無駄遣いをしちゃいかぬということで言われたというふうに理解をいたします。あのとき、無駄遣いをしちゃいけないということでのお話でありました。
今回、それに比べて、じゃ今度のこの地域支援事業が無駄遣いであるかということで言うと、先ほど来お答え申し上げておりますように、予防に資するわけでございますから、そして局長からも、将来、給付費の一割程度の縮減が可能というふうにお答え申し上げましたけれども、そういう給付費の縮減につながるものでありますから、決して無駄遣いというものではない。したがって、二つを比較されました、この比較はまた違うものだということをまず申し上げたいというふうに思うところでございます。
今まで税金でやってきたじゃないかというお話ではございますけれども、この介護保険そのものを持続可能なものにするために、どうしても予防ということを私どもは考えなきゃいけない。ある意味で予防ということに打って出るためにこうした事業をやろうとするわけでございまして、そこのところは、今まで税金でやってきたものを保険料を含めたこうした介護保険でやることがまずいという話ではないと思っております。
○福島みずほ君
無駄遣いをしないというのは当たり前のことです。ただ、私が問題にしているのは、やはり税と保険との関係ということです。これまで公費で行われてきた老人保健事業、市町村ごとの保健福祉事業などを介護保険料を投入することは、国、地方公共団体の責任を弱めることになる。公費を保険料に肩代わせることになるということの問題点です。無駄遣いという問題ではなくて、税でやるか保険でやるか。そして、介護保険にかかる人を少なくするためには、税によって賄われていた老人保健事業や保健福祉事業を充実させればいいわけです。生まれたときから高齢者になるまでの福祉事業を充実させればいいというふうに考えます。ですから、無駄遣いということだけで言っているわけではないと。
老人健診など、老人保健事業は高齢者保健の柱を成す事業です。法案は利用料を請求できるとしております。新たに利用料が発生すれば、健診を控える高齢者が出てくるのではないでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君)
まず、局長からもお答え申し上げると思いますけれども、基本的に私どもが考えますことを先にお答えを申し上げておきたいと存じます。
今、公費とそれから税と保険料というふうに言っておられますが、私どもは、税であれ保険料であれ、国民の皆様方にお出しいただいた大変貴重なお金であるというふうに思っております。それは両方とも同じように貴重なお金でありますから、そのことを無駄なく大事に使わなきゃいけないということで考えておりまして、今回も保険料を含めて税金の分も、それは申し上げましたように国民の皆様にお出しいただいた貴重な財源でございますから、大事に使わせていただきたい、また将来の介護保険の持続可能性のために使わせていただきたいというふうに思っておるところでございます。
○福島みずほ君
委員長。
○委員長(岸宏一君)
ちょっと、いいですか、局長の答弁は。
○福島みずほ君
じゃ、お願いします。
じゃ、局長、あの……
○委員長(岸宏一君)
ちょっと待って、ちょっと待って。
○福島みずほ君
局長、健診を控えるんじゃないかということに答えてくだされば結構です。
○政府参考人(中村秀一君)
御注文が付きましたので。
今、老人保健事業も市町村の方で費用徴収がございますので、無理のない範囲で費用負担をお願いをするということでございます。地域支援事業におきましても、こうした老人保健事業の理念を踏まえつつ費用の一部負担を考えているところでございます。
○福島みずほ君
いや、答えてないですよ。私が聞いたのは、利用料取るようになったら健診を控える高齢者も出てくるのではないか、どうですか。
○政府参考人(中村秀一君)
今お答えしたつもりでございますが、今の健診制度も利用料をいただいておりますので、そういうことはないということを申し上げたつもりでございます。
それから、要支援、要介護になる前から一貫した予防が必要であると、そういったことで今度の地域支援事業を考えたわけでございまして、保険者が主体となってやった方が予防事業としても効率的だと、こういうことで今回介護保険法の中で位置付けたということでございます。
○福島みずほ君
保険料滞納者は利用はできるのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君)
私ども、市町村の事業というふうに考えておりますので、保険料滞納者について利用させないと、こういう規定にはなっておりませんので、市町村の御判断もあるかもしれませんが、今、私ども提案しているものではそういう規定はございません。
○福島みずほ君
私が言いたいのは、保険料は利用者個人への還元を原則とすべきではないかということで、税でやっていたことと保険料でやるべきことをきちんとやはり分けるべきであると、今回その境目が非常になくなりつつあるというふうに思います。
社民党は、介護予防は重要だと考えています。超高齢社会を迎える中、介護予防の導入で要介護者の状態が悪化しないようにすることは、本人にとっても介護者にとっても重要であると考えています。年老いて介護が必要な状態となることは、本人の過誤でも、ましてや社会悪でもありません。介護予防は、強制したり効果を求める余り本人を追い詰める形で実施されることがあってはなりません。
また、介護予防は、保険の枠ではなく、地域の保健福祉施策として積極的に取り組むべき課題であると考えます。地域の予防保健は人の一生を通して見ることが大切で、高齢者の部分だけを切り離しては、子供、青年、成人との連携が取れず、効果が上がらないしコストも掛かります。介護予防はこれまでどおり市町村の事業とし、国は、市町村が創意工夫し、より効率的、効果的な事業の実施ができるよう財源を自治体に移譲し、市町村の自由裁量に任せるべきです。国が統一的な介護予防メニューで行う必要はありません。
介護予防は身体的な面ばかりが取り上げられがちですが、地域で高齢者が役割、生きがいを持って生きていくことができる意欲こそが重大な要素であると考えています。
●介護従事者の労働条件について●
次に、参考人の中からも出ましたし本日も出ました、私もかつて質問をしましたが、ヘルパーさんやケアマネジャーの労働条件の改善について厚生労働省がどういうプログラムをお持ちなのか。実は、この委員会で聞いてきましたが、ビジョンが見えません。今日こそお聞かせください。
○政府参考人(中村秀一君)
お答え申し上げます。
まずは、訪問介護事業も事業でございますので、基本的には、訪問介護事業における処遇の問題なりそういった問題は、労働条件あるいは雇用管理の問題は、事業者とそれから働いておられるホームヘルプの介護員の方々の雇用関係になると、こういうふうに考えております。
私ども、介護保険の立場からは、個々のサービス事業所が運営が適切にできるように、私どもとしては介護報酬という形でその部分担当しているわけでございますが、介護報酬は、それぞれの事業の経営実態を見、また片方では、介護報酬はそれこそ皆様の保険料や税から成り立っているわけでございますので、そういった中で効率的な配分を考えると、そういう観点から、支払を担当しております保険者や事業主、あるいは従業員の代表の方々、あるいは費用負担者である都道府県、市町村の代表の方々も入れる中で議論をして組み立てていくと、こういう形を取っております。
したがいまして、私ども、もちろん労働各法の違反とかそういった状況は問題でございますので、それは労働部局とも相談をし、労働部局とも協力をして、きちんとした言わば労働条件が確保されるように、そういった点で違反とかそういうことがないように、私どもも、そういった意味で、この業界を一面で所管している立場でございますので、力を合わせてやってまいりたいと考えております。
○福島みずほ君
たくさん語っていただきましたが、私自身は、これで労働条件が良くなるという確信を残念ながらまだ持つことができません。
介護保険が施行されて五年間、今日も出ましたが、本当にヘルパーさんたちの給料が八万円というような状況で、五年間掛けて改善されなかったんですね。今の介護保険料でこれから協議し何とかかんとかということを聞いても、じゃ厚生労働省が、ヘルパーさんたち、ケアマネジャーの人たちの労働条件の向上、特に賃金の向上ですが、これで取り組んでいる、これで見えてくるということが実はこの委員会を通じてありません。
どうですか。労働の方からでももしあれば言ってください。できれば、こういうふうに取り組むというふうに言ってください。
○政府参考人(青木功君)
これはもう委員御案内だと思うんですけれども、賃金は労使の間で決められます。ですから、その中で、給与をだれか第三者が上げる下げるという問題ではないんだろうと思います。しかし、きちんと働く中できちんと処遇を受けるということは大事だと思います。
○福島みずほ君
いや、実はこの委員会の中で政党問わずいろんな人たちから、やっぱりヘルパーさんの労働条件、特に若い人が夢を持って、あるいは本当に心優しい青年たちがおふろに入れたりとかヘルパーさんで働いているわけですよね。その人たちが一生やれる仕事でなくてバーンアウトして辞めていってしまうという、労働条件やっぱりひどいですよ。
で、もう今の答弁はやっぱりひどいです。労使で決めるんだったら本当に厚生労働省は要りません。
○委員長(岸宏一君)
質問ですか。要らないんですが、どうだということですか。
○政府参考人(青木功君)
ちょっと失礼いたしました。御質問とちょっと勘違いいたしました。
それで、当然でありますけれども、そこで満足しながら働いていただくということは非常に大事だと思うんです。ですから、そのときに例えば、企業の雇用管理の中で例えば充実感が、だんだんだんだん全体の中で御自分の向上と合わせて責任も上がっていく、処遇も上がっていくとか、そういうふうな働きがいのある仕組みというものの中で労働条件が改善されていくというふうなことを期待したいと思いますし、それをまた行政としては応援をしていかなければならないと思います。
○福島みずほ君
いや、今日は食い下がります。
今まで何を質問しても、いや労使だとか中の労働条件改善と言いますが、介護保険料だって国が決めているわけじゃないですか。仕組みを決めている、介護保険の仕組みつくっているのは国じゃないですか。その答弁は無責任ですよ。そして、みんな使い捨てで使っていくことは許せないですよ。
もう厚生労働省は厚生も労働もやめた方がいいということになりますよ。どうですか。
○委員長(岸宏一君)
局長、答えられますか。
○政府参考人(中村秀一君)
今、介護保険料のお話が出ましたけれども、介護保険料は国が決めるのではなく、保険者である市町村が決めます。市町村の方はどういうふうに決めるかというと、どういうサービスが地元で必要かと、そういった中で決めていくわけでございますので、ホームヘルパーのサービスがこれだけ使う人がいるとかデイサービスの人がいるだろうと、そういうことを見込んで使うわけでございます。
このサービスが、先ほど賃金の決まり方のお話がありましたが、ほかの例えば金融機関の賃金とか交通機関の賃金とか、そういったことと違って皆様から関心があるのは、御指摘いただき、厚生労働省として何とかならないかというふうに言われるのは、片方で、支払われる言わば対価が介護報酬という形で、ある程度言わば公定価格と申しますか、人為的に決めた価格と申しますか、保険者の、支払側とそれから事業者の方々たちとの言わば疑似的な市場の中で公的に決められるというところで、皆さんこちらを向いてどうなんだというお話があろうかと思います。
片方で、保険料であり、これは医療費も同じでございますけれども、伸びをできるだけ抑制しろとかキャップを掛けろと、片っ方でそういう議論がある中で、ここの場では大変働いている人たちのことを考えもっともっと増やすべきだという御意見があり、苦慮するわけでございますが、そういった中で私どもといたしましては、御指摘いただいている介護労働に従事しておられる方の状況、それからそういった人たちが生き生きと働かなければ介護の質が悪くなるというようなお話、これはできるだけ生涯の職場としてやっていけるような職場をつくっていくべきだというお話ありますので、私どもも、それぞれの働く人たちのキャリアアップが図られ、キャリアが上がっていくにつれて賃金が上がるような、そういう職場づくりもしていくと。
そういった意味で、スーパーバイズの中堅の研修もし、また管理者の研修もするということで、そういう職場づくりもしていく中で改善も図ってまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
○福島みずほ君
私が今日お聞きしたいのは、厚生労働省がヘルパーさんやケアマネジャーの人たちの賃金の余りの低さをどう改善しようとしているかという、どんなプログラムをお持ちかということをお聞きしているわけです。
介護保険が施行されて五年がたちました。実態がちっとも変わりません。厚生労働省ははっきりとこの現実を直視し、はっきり改善策を打ち出すべきですが、今日それはお示しできないのでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君)
もう一つ申し上げたいことは、私どもが直接賃金を支払っているわけではなく、公務員の給与のように、そういうふうに決められているわけではないということも御理解いただきたいと思います。
したがいまして、それぞれの事業所の実態、例えば設置者別でございますとか規模別、そういったことでの経営状況も見る中で、それぞれの事業が、非常に効率的にやっておられるところもありますし、非常に立地条件が悪くて苦労しておられるところもあると思いますが、大宗がきちんと成り立つような、そういった介護報酬を設定、私どもとしてはしていくということを使命としてやっているところでございますので、そういった中で、それぞれの職種の方々の賃金等も調べておりますが、私ども、この賃金でというふうに言わば指定して給付できるというわけでもございませんので、その辺につきましては、また事業所の方との御理解も必要になると思いますので、そういったことを総合的に考えて対応してまいりたいと思います。
○福島みずほ君
様々な事業所があり、様々な報酬があることはもちろん分かっておりますし、公務員でないという答弁もそのとおりです。ただ、介護保険という新しい制度をつくり、その中で働く人たちがいるわけですから、どう制度設計をすれば少なくとも労働条件の改善ができるか、厚生労働省は考えてほしいと。
今回、五年ぶりの改正ですから、それに伴って、こういうふうにする、あるいは、いわゆるマージン率が高いということも例えばどうなのか、こういう点を改善すればケアマネジャーが独立できるんではないか、こういうふうにモデルケースとして介護報酬を設定すればこうなるのではないか、そういう提案こそ厚生労働省はすべきなのですが、そのような提案が一度もされないと。これだけ聞いても、労使で決めることですというような答弁が本日出てくるということに非常に本当にがっかりしています。介護ヘルパーさんたち、こういう答弁を聞くと、本当にがっかりされるのではないでしょうか。
介護保険の五年ぶりの改正に当たって、もう少しこういうことを厚生労働省は真剣に議論してほしいと思いますし、私たちもできれば対案も考えたいというふうに思います。
●居住費と食費の負担について●
この点については全く納得はいきませんが、次の質問に移ります。
居住費、食費は保険給付内にとどめるべきだという主張をしたいというふうに思っております。保険外に置かれた居住費、食費の費用は、利用者と施設との契約で決まるため、負担額に上限はなく、青天井です。居住費、食費として示されている数字は、低所得者の利用者負担の上限を設けるためのものにすぎません。これが契約などによって非常に高くなる、これについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君)
今委員から御指摘ございましたように、今回の施設給付の見直しによりまして、居住費、食費につきましては保険給付の外という形にさせていただくことを御提案申し上げております。しかしながら、低所得層の方々に対して負担の上限を付けるために補足給付を出すということで、補足給付の基準といたしまして平均的な費用ということをお示ししていると、そういう関係になっております。
こういう措置を講ずるということによりまして、低所得の方々が施設に入れないということがないようにという形が確保されるわけでございますので、是非今回の見直しについて、申し上げていますように、保険料の水準の問題もございますので、御理解を賜りたいと思います。
○福島みずほ君
低所得者の人が入れなくなるんではないかとみんな心配しています。
局長、私の質問に答えていないんですが、居住費、食費の費用は負担額に上限がなく青天井になってしまうんではないか、その点はいかがでしょうか。
○委員長(岸宏一君)
端的にお答えください。
○政府参考人(中村秀一君)
私どもは、平均的な費用の額も低所得者に対する基準としてお示しをしておりますし、利用者への御説明の問題、それから施設の方は逆に利用者との関係によって定められることになるわけでございますので、そういった中で適切な水準が定まると、こういうふうに考えております。
○福島みずほ君
これこそ契約なわけですから、低所得者にとって幾らというのは分かります。ただ、私が聞いているのは、利用者と施設との契約で決まって、保険外になるために負担額に上限がなく、食費やそれから居住費が高くなってしまうことがあるんではないか、これが負担になるのではないか。いかがでしょうか。
○政府参考人(中村秀一君)
お答え申し上げます。
例えば食費にしても、この費用でもってこういう食費なのかと、正に利用者の方の逆にチェックも利くわけでございます。それから、私ども、今回の居住費、食費の考え方は、基本的な考え方、居住費につきましては言わば部屋のコスト、あるいは多床室の場合は光熱水費だと、こういった水準をお示ししているわけでございますので、言わばそういうことが公開されますし、それから事業所については料金の情報開示ということもいたすわけでございますので、非常に立派な王様の食事のような食事であるから青天井ということはあるのかもしれませんけれども、通常、介護施設でリーズナブルに経営されているところではリーズナブルな食費の御負担ということをお願いするんだと考えておりますので、委員が御指摘のような青天井というようなことはないんだと思います。
○福島みずほ君
この値段でこの食費と思ったとしても、行くところがない人が多いわけですよ。だって、待機者が物すごく多いわけですから。やはり今回保険給付外に置いたことによって契約で決まる、そのことは大変問題であるというふうに思います。
居住費、食費の自己負担化、個室化の推進で施設の利用料は高額になる中、施設が利用者を選ぶという傾向が強くなってしまうのではないか。本当に困っている高齢者が行く場がなくなる。待機者は山のようにいるわけですから、やはり施設側は選べるわけです。そうすると、高齢者、難民高齢者という人たちが、行き場がない人たちが非常に増える点で、今回の改悪はやはり命の切捨てだということを申し上げ、私の質問を終わります。
|