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2005年
 
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参議院 厚生労働委員会 2005年 5月19日  
   
 
国会で行われた質問に関しては、国会図書館の国会会議録検索システムを利用すれば、 すべてオンラインから調べられるようになりました。
検索条件入力をクリックし、発言者に「福島瑞穂」「福島みずほ」と検索語を記入してお調べ下さい。
 

 

戦後六十年について
福知山線の事故について
介護保険法改正法について


○福島みずほ君

 社民党の福島みずほです。

 

◆ 戦後六十年について

 

  介護保険の質問に当たる前に二点ちょっとお聞きをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  まず、今年は戦後六十年ということで、在外被爆者の問題や強制連行、供託金のことなど様々質問をしてきました。
  在米被爆者の問題については広島地裁で原告勝訴の判決が出たので、これは被告は広島市ですが、是非、控訴することがない方向で厚生労働省もやっていただきたいということを強く要望いたします。
  本日は、日本企業に徴用、雇用された朝鮮人労働者の名簿について一言お聞きをいたします。
  朝鮮人強制連行真相調査団の調査によりますと、入手した朝鮮人労働者名簿のうち約六万七千人分を分析したところ、四百六社五百二作業所の企業名を確認したと言います。一方、日本政府は、厚生労働委員会での答弁でもあるように実態調査を行っているとのことですが、対象とされているのは約百社ということで、この間には乖離があります。対象が百社というのは事実でしょうか。


○政府参考人(佐々江賢一郎君)

 お答え申し上げます。
  先生今御指摘の点につきましては、政府の方で平成三年と四年に韓国政府に対しましていわゆる朝鮮人徴用者等の名簿調査というものを提出いたしたわけでございます。この中には、朝鮮半島出身者を雇用していた当時の約四百強の企業名が掲載されていたということでございます。それを受けまして外務省から、このうち現在も存続している企業、それから、当時は現存しておりましたが、その後名称変更等で現在も形を変えて継続している企業、合わせて我々として確認できる約百社余りに対して昨年九月から調査実施を依頼しているということでございます。
  御指摘の朝鮮人強制連行真相調査団が言及している四百六社がいかなる企業であるかということの詳細については私承知をしておりませんが、報道等いろいろお伺いしているところによれば、先ほど申し上げました、政府がその当時韓国側にお渡しした名簿の約四百社強にほぼ相当するような会社ではないかというふうにも思われます。
  いずれにしましても、これで我々としてもすべてが十分だというふうに考えておりませんで、当然のことながら、新しい適切なものがあれば追加的な調査を行うことも考えたいというふうに考えております。


○福島みずほ君

 乖離があるわけで、日本とその調査団との両方の突き合わせによってきちっとやるべきではないか、あるいは四百六社又はそれ以上に広げて実施すべきだと考えますが、最終的なすり合わせは行う予定でしょうか。


○政府参考人(佐々江賢一郎君)

 そういう情報提供がなされれば、これは現在内閣官房の方で、政府全体として、この韓国政府の要請を受けて、どういう形で全体としてこの問題に積極的に対応していくかということを検討しているわけでございます。そういう観点から、その中で更に追加的な情報が、適切とのものがあれば、それに照らして適切に対応していきたいというふうに思っております。
  先生が言われた、新しいもしものがあるんであれば、我々は虚心坦懐にそれを見て、新しいものがあるかどうか考えたいというふうに思います。


○福島みずほ君

 是非これはよろしくお願いいたします。

 

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◆ 公共交通の安全と労働環境、規制緩和について

 

  次に、この委員会の中で、公共交通の安全と労働環境、規制緩和について質問をしてきました。JR西日本のケースも、あれはダイヤの構成そのものに無理があったのではないかというふうに考えますが、今日はタクシー運転者の皆さんについて、厚生労働委員会でも聞いてきましたが、五月十一日、タクシー運転者の適切な労働環境の確保に関する連絡調整会議が厚生労働省と国土交通省にまたがって立ち上がったということのペーパーをいただきましたので、そのことについてお聞きをいたします。
  これを立ち上げた理由について、国土交通省、いかがでしょうか。


○政府参考人(金澤悟君)

 お答え申し上げます。
  タクシー事業におきましては、平成の十四年の二月に需給調整規制の廃止を柱とする改正道路運送法が施行されました。その後、景気の動向等もございまして、なお需要が全体として上向きに転ずるまでには至っていない状況にございます。一方で、規制緩和後に既存の事業者を中心として盛んに増車が行われていること等によりまして、営業収入が一車当たり低下しておるということから、歩合給を基本とする賃金体系を取っておりますタクシーの運転手の皆様の収入の著しい低下を招くという事態が起こっているというふうに認識をいたしております。
  タクシー業界全体が今後も発展をし、持続的に良いサービスを利用者に提供していただくためには、事業の適正な運営を確保するということが大事ですが、それとともに、それを支える従業員の皆さんの適切な労働環境の確保ということが図られる必要がございます。そのため、先般、三月の予算委員会で福島先生から御質問があった際、北側国土交通大臣よりお答え申し上げましたが、タクシー事業を所管いたします私どもと労働関係法令を所管いたします厚生労働省が、一層密接な連携をしながら政府全体として的確な施策を実施していくという必要があるというふうに認識をいたしまして、今般、今委員御質問の両省の関係者から成るタクシー運転手の適切な労働環境の確保に関する連絡調整会議というものを設置したものでございます。
  この会議では、タクシー事業に関する実態調査を行います。そして、その結果も踏まえながら、労働関係法令の遵守あるいはタクシー事業の適切な運営を確保する取組などにつきまして鋭意協議、検討をするということにしておりまして、十月ごろを目途にその検討結果を取りまとめてまいりたいというふうに考えております。


○福島みずほ君

 調査はやりっ放しではなく、結果をしっかりと施策に反映していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。


○政府参考人(金澤悟君)

 十月を目途に調査をいたしまして、その調査結果に基づいて必要な施策を厚生労働省と協議してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君

 事業主だけではなく、組合や働く人たちからもヒアリングを実施し、実態の把握と改善に役立ててほしいと考えますが、いかがですか。


○政府参考人(金澤悟君)

 調査につきましては、そのようにしてまいりたいと思っております。


○福島みずほ君

 よろしくお願いいたします。
  公共輸送の問題、その中での安全ということは非常に重要です。また、タクシーの運転手さんたちは、十年前に比べて六割事故が増えたという、規制緩和の結果、年収が減り、事故が増えているというデータに大変心を痛めています。JR西日本のケースも、利潤追求のために労働条件や安全を切り捨てた結果ではないかというふうに思っておりますので、今回、このタクシーの問題に関して一歩踏み込んで是非頑張って調査をし、是非、その結果を労働条件の改善に、そしてそれはひいては公共輸送の安全につながりますので、是非お願いしたいと思います。大臣、一言お願いいたします。


○国務大臣(尾辻秀久君)

 今お話しのようなことに資するためにこの会議つくったわけでございますから、会議の出しました結果については、私どもきちっと対応をいたします。


○福島みずほ君

 是非よろしくお願いいたします。

 

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◆ 介護保険法改正法について

 

  では、介護保険法の改正法案について質問いたします。
  子育て世代の私たちも、親の介護を考える世代となりました。私自身も、宮崎に住んでいる父親ががんになって、治療して、骨粗鬆症にちょっとなりまして、骨折をしてしまうと。母が献身的に看病していますが、介護保険のお世話になり、今、要介護一であったのがこれから要介護二になるかどうかという段階になりました。子育てと親の介護と両方抱えているわけですが、そういうこともありまして、この要介護一、二、要支援、筋力トレーニングということについては、自分自身の問題というふうに非常に思っております。
  今回の法案によって、要支援、要介護一の人たちは、これまでの介護給付から新予防給付に振り分けられることになります。法案は枠組みを決めるということで、新予防給付の中身について、利用限度額が下げられてしまうんじゃないか、今までのサービスが使えるのか使えないのか、利用者の間で一体自分たちはどうなってしまうのかという不安が広がっております。
  まず、家事援助は一律にカットすることはない、適切なケアマネジメント、適正なサービスと繰り返し出てきますが、適切、適正は何に基づきますか。


○政府参考人(中村秀一君)

 今回導入する新予防給付の基本的な考え方は、御本人にできることは可能な限り自分でやっていただくという考え方と、御本人の生活能力を引き出すためのサービスを組み合わせ、援助させていただく場合も、できるだけ御本人が持っておられる能力を生かす工夫をしながら行うと、こういうことで、そのために、アセスメントからケアプランの策定、サービスの実施、そういうことを実施していく、行っていくという考え方に立っております。現場において、利用者御本人も含め、関係する専門家がよく検討した上で話し合い、提供されるサービスが適切なケアマネジメントに基づく適切なサービスであると、こういうふうに認識しております。
  新予防給付のケアマネジメントは、市町村が設置いたします、これは自分で設置するか委託するかというケースはございますが、地域包括支援センターが行うことといたしておりますが、委員御指摘の適切であるかどうかというのは、このような考え方に基づくプロセスがきちんと実施されているかどうかで判断されるものと理解しております。


○福島みずほ君

 適切、適正の最終判断はだれが行うんですか。


○政府参考人(中村秀一君)

 今申し上げましたように、本人の希望に基づき、関係者が関与して、最終的には本人がそのケアプランを了承して実施するということになります。
  それから、制度上はそういうことに基づいてサービスが行われ、介護保険からは保険給付がなされるわけでございますが、最終的には、保険者である市町村が、この保険給付が適正であったか、これを審査の上支払うというのが保険の原則でございますので、保険者が判断をするということにそういう意味ではなると思います。


○福島みずほ君

 地域包括支援センターの保健師さんなどと受け取っていいんでしょうか、具体的には。


○政府参考人(中村秀一君)

 介護保険の介護給付の方のケアプランも同様でございますが、ケアマネジャーが、ケアマネジャーという方が介護給付にはございます。そのケアマネジャーに当たるものが新予防給付では地域包括支援センターの保健師になりますが、ケアマネジャーさんがサービスを組み立てるわけでございますが、そのプロセスにおいて、ケアカンファレンスなどを開いて関係者の意見を聞き、定期的にレビューし、再アセスメントし、サービスを見直していくという過程になります。ケアプラン、予防プランを作るのは地域包括支援センターの職員の方ということになりますが、適正なプロセスという中では、関係者の方が関与し、みんなで作っていただくことが基本になると思います。


○福島みずほ君

 本人が望むサービスと適正なサービスが異なった場合、どちらの意見が優先されるんでしょうか。本人の意思決定権は保障されるんでしょうか。


○政府参考人(中村秀一君)

 介護保険の制度は利用者が選択するということで、本人の意思決定権は保障されるということでございます。
  ただ、介護保険を実施した場合の問題点としてよく指摘されるのは、専門家が御用聞きケアマネジャーになってしまっているということで、専門家としてきちんと利用者の方にアドバイスをし、利用者の選択の際にきちんと専門的な観点から望ましいサービスの在り方を提示できないと、こういうことが問題点と指摘されているわけでございまして、決定するのは御本人でありますけれども、やはり専門家としての力量が問われる分野ではないかと考えております。


○福島みずほ君

 要支援、要介護一の高齢者の七割から八割を新予防給付に移すということですが、具体的にどんな人たちを想定しているんでしょうか。七、八割という数字はどう算定されたんでしょうか。


○政府参考人(中村秀一君)

 対象者につきましては、現行の要支援者に加えまして、要介護一に該当する方のうち、まず第一に疾病や外傷により心身の状態が安定していない方や、認知症等により新予防給付の利用にかかわる適切な理解が困難な方々を除いた方々を対象とすることと考えております。
  御指摘の七、八割という数字は、そういった意味では、地域において多少のばらつきがあるとは想定されますけれども、全国的にこれまでの要介護認定の結果から推計すると、一定程度以上の認知症である方など、新予防給付の利用が難しいのではないかと考えられる方がおよそ二割から三割程度いらっしゃることを踏まえて推計したものでございます。


○福島みずほ君

 いや、七、八割というのが数値目標になることはないということを確認したいと思いますが、よろしいですか。


○政府参考人(中村秀一君)

 対象者の選定は各市町村で実施いたします介護認定審査会の審査の結果の言わば積み上げたものが結果となるということでございますので、最初に目標値があるわけではございませんので、委員の御指摘のとおりでございます。


○福島みずほ君

 大変不安に思うのは、今要支援、要介護一の人のうち、認知症、脳卒中、心疾患などを除いて、残りが七、八割であるというふうに今の答弁だとちょっと思いかねないと。ですから、今まで、つまり介護保険で給付を受けるのが新予防の部分と介護給付と二通りに分けられることになるわけですが、同じ保険の制度を二つに分けることがいいかどうかという問題もあります。
  それから、七、八割の人があなたたちはこれから新予防給付ですよということになると、これが数値目標になると、いや私は新予防給付でなくてやっぱり従来どおり介護給付をちゃんとしてもらいたい、その方が自分にとっていいということだって大いにあると思います。その意味では、当てはめて無理やり振り分けることではないということを再度確認させてください。


○政府参考人(中村秀一君)

 無理やり当てはめることではございません。


○福島みずほ君

 振り分ける基準は何でしょうか。


○政府参考人(中村秀一君)

 介護認定審査会で認定するわけでございますが、従来の要介護度の判定に加えまして、したがって、そういう判定をするために、現行の認定調査項目に高齢者の生活機能を評価する調査項目を加えたり、主治医の意見書においても高齢者の生活機能の評価を拡充したり、そういう工夫はするわけでございますが、要介護、従来でいいますと一に該当する方の中で、状態の維持又は改善可能性について審査して振り分けられると、こういうことでございます。
  その審査の振り分けのための第一次判定は従来コンピューターで行っておりますが、まずコンピューターで第一次判定で結果が出、専門家の方が集まって合議で二次判定をいたしますが、その二次判定、合議によって二次判定で決定していただくというプロセスを取ります。


○福島みずほ君

 筋力向上トレーニングについてやはり私も質問いたします。
  介護予防市町村モデル事業中間報告についてですが、筋トレが高齢者の在宅生活を支えるためのどの部分に役立つという結果が出たのでしょうか。例えば、屈伸ができるようになっておふろ掃除が可能になったとか、圧力が強くなって包丁で硬い物が切れるようになったとか、そういうことがあるのでしょうか。私の周りで具体的に介護保険を利用している人が、例えばがんになって内臓切ってしまったので重い物、お買物に行ったりするのがとても、ちょっと大変なわけです。でも、家の中ではとっても元気で、料理を作ったりはできるけれども、重い物を、買物って重い物を持たなくちゃいけませんから、そういうことが非常につらいとか、非常に個人差もありますし、筋力トレーニングという部分と日常生活、家事をやるというのはやっぱり乖離があると考えますが、いかがですか。


○政府参考人(中村秀一君)

 今度の、御指摘のモデル事業では、そういった意味で、今委員から御指摘のありました身体機能に関する項目、これは歩行速度ですとか右左の握力、それから座位、要するに座って前かがみできるかとか、様々な項目を調査するとともに、生活機能やQOL、生活の質の評価についての項目を調査いたしております。
  筋力向上につきましては、筋力向上のプログラムにつきましては、要介護度につきましては統計的に有意な改善が見られたということ。握力等の身体機能につきましては、身体機能もいろいろ調べておりますが、ほとんどの項目で改善が見られた。生活機能につきましてもほとんどの項目で改善が見られたと。要支援では、要介護一より改善する者が多かった。したがって、軽い方の方が改善可能性が高い。七十五歳以上の方が七十五歳未満より要介護度が改善した方が多かった。これは若い方の方が改善しなかった。それから、脳血管疾患の既往症がある方はない方に比べると改善したものが少ないと。したがって、若い方で七十五歳未満で脳血管疾患ありの方は改善可能性が低いことが示唆されたと。こんなような結果が出ております。


○福島みずほ君

 ちょっと質問と答えがずれているというふうに思いますが、次の質問に行きます。
  日常生活機能、社会生活機能では改善と悪化が拮抗しています。これを見て私は実はショックを受けまして、悪化というのが出ているということです。病院に行って、風邪の治療に行って風邪が悪化するんだったら金返せと言いたくなりますし、歯医者の治療に行って虫歯が悪くなるんだったら、本当に何のために医者に行ったか分からない。ですから、このモデル事業の統計結果は本当に驚くべき結果で、やった結果悪化するという結果が結構強いわけですね。これだったら、利用料をもらって予防のために行ったサービスで悪化するということを厚生労働省はどう考えているのでしょうか。


○政府参考人(中村秀一君)

 この結果の評価の仕方のことで、これ自体につきましていろいろ御議論なり御指摘もいただいているところでございますが、今回の対象者と申しますのは、生活機能が低下するリスクの高い軽度の要介護高齢者を基本的には対象にしております。一般的にこれらの高齢者の方では自然経過として悪化の方向性が見られるという中で、事業の開始前後に比べて評価をしたということで、幾つかの評価項目では、悪化が見られるものが高齢者に一定程度出てくることは避け難いものだというふうに考えております。
  先ほど申し上げておりますように、モデル事業につきましては、参加者全体として有意な改善が統計学的には出ているということで、これは各種事業が一定の効果を発揮するものであるということを示唆しているものではないかと思っております。


○福島みずほ君

 いや、ひどいわけで、悪化というのが出てくる。要するに、モデル事業をやったら悪化という結果が出ているわけですね。だったら、もう組み方がおかしいと、やるなと。悪化という結果が一定程度出るんであれば、こういう事業はやめるべきだというふうに私は考えています。
  トレーニングで悪化した人の対策、フォローはどう考えていらっしゃるんでしょうか。


○政府参考人(中村秀一君)

 むしろ、何と申しますか、私ども理解しておりますのは、トレーニングをやった結果、状態が維持された方、それから改善した方、それから、その要介護度でいけば悪化された方と、こういうふうになるわけでございますが、筋力向上全般についていえば、悪化した方は一六・三%、改善した方は四三・九%、維持された方が三九・八%と、こういうことでありますので、八割の方が維持、改善をしているという結果が出ているわけでございます。
  委員の御指摘の、そういうプログラムを実施しても改善されなかった方、維持もできなかった方についてどうするかということですが、そういった方については、また悪化された方についてはそのプログラムは効果がなかったということになると思いますので、そこではもう一度そのアセスメントをし直して、その方にふさわしいプログラムの提供、メニューの提供をしていくと、こういう形になるのではないかと思います。


○福島みずほ君

 いや、ひどい話で、新予防主義でやりますと。やった結果、かなり悪化する人が出てきているのがモデル事業で出てきた。じゃ、もう一回別の形でやりますと言うんですが、どこにサービス料を払って状態が悪くなるということがあるんでしょうか。
  それから、私は、高齢者で、必死で筋トレやって悪化したという結果が出れば、非常にやっぱり傷付くというふうに思うんですね。先ほど山本理事の質問でもありましたけれど、私たちが今から筋力トレーニングをやるのとは訳が違うわけで、この筋力トレーニングそのもののプログラムが極めて疑問であります。やめろというふうに思っております。
  衆議院の政府答弁で、新予防給付の創設で軽度者の一〇%が要介護二以上に移行することを防止するという答弁がありますが、これは悪化のパーセンテージも含めて計算しているのでしょうか。


○政府参考人(中村秀一君)

 何と申しますか、例えば、今度のモデル事業が絶対というわけではございませんし、話の例でございますが、今度のモデル事業では、要介護度の改善ということは、実施された方の四割が改善されたと、こういうことになるわけでございます。私どもは、そういうことで改善される方があれば、そういうことが十人にお一人効果があれば、要介護二なり三なり行かないでとどまる人が出てくる。そういった意味で、要介護二以上の人の増加傾向が一〇%減ると、こういう形の計算をいたしております。
  今の状態でいけば、一定の割合で重度化されている方がいると、こういうふうに見込んでおりますので、その一定の割合で重度化されている方の出現率を人為的に、人為的にというのは、介護予防によって下げることができないかと、こういうことでございますので、今回改善した方の割合が例えばこの事業では約四四%おられるということは、もし十人に実施すると四人くらい改善されるということでありますので、そういう打率というふうに考えております。
  この介護予防の事業がそういう大規模でもし実施されたとすると、その四人というのが四十人になり四百人になりと考えられますので、そういったことが全体の要介護認定該当者の重度に移行する人の割合の一〇%に当たれば、私どもの言っている介護予防効果が現れたということになると、こういうお話をさしていただいているわけでございます。


○福島みずほ君

 これも数値目標でないということを確認したいのですが、よろしいですか。


○政府参考人(中村秀一君)

 ここの部分についての、どういった意味で委員が数値目標と言っておられるかどうか分かりませんが、私どもとしてはそういうことによって増加する要介護認定該当者の方を下げたいなと思っておるんで、例えば交通安全でできるだけ死亡者を減らしたいとか、労働災害を減らしたいと、そういうことで数値目標はけしからぬということはないと思いますので、そういう意味では、やはり行政の目標といいますか、介護保険制度を持続させるための目標としてこういったことは追求していくべきではないかと思っております。


○福島みずほ君

 いや、非常に危惧を感じます。自分が高齢者になって、例えば家事援助とかいろいろ手伝ってもらえば自分は一人で暮らせるというふうに思っている。でも、頑張れ頑張れ頑張れ、筋力トレーニングをやれ、頑張れ、改善せよと言われて、こんなにつらいことはないですよね。
  そして、しかも、今おっしゃったとおり、給付を抑制するためにこの新予防給付が出てきて、結局は振り分けられる。今まで要支援、要介護一だったけれども、あなたは新予防給付でこれからは筋力トレーニングなど頑張ってください、効果が出るから頑張ってくださいとか言われるわけですね。これは効果が上がらなければ落ち込みますし、効果が上がれば自分はいろいろな支援が出てこなくなる。個人のケースではそうですよ。
  今はある程度行政目標の設定をさせていただくといいますが、こういうことで目標設定をすべきではないと。個々の積み重ねの結果が結果であって、行政として目標を設定すべきでないと思いますが、どうですか。


○政府参考人(中村秀一君)

 ちょっと委員の御指摘されていることと私の申し上げていることとずれてしまっているようなことがあって恐縮でございますが、私、要介護度の重度になる方をできるだけ下げれるものならば下げたいというお話と、何かその筋力トレーニングが強制されるみたいなお話とがこう直結されているように思いますので、そういうところはそうではないと。先ほど来申し上げておりますように、ケアプランなり要介護認定なり、そういったものは、何か六割以上例えば該当者を出してはいけないとか、そういう目標ではないわけでございますので、そこのところは御理解をいただきたいと思います。
  私どもは、一人一人の積み上げの結果として、アウトプットの目標値としてそういうことを挙げることは差し支えないのではないかというふうに申し上げているわけで、例えばがんの五年後の生存率を高める、二割高めるというようなことは、例えばそういう政策目標に従ってがんについていろんな政策を打っていくということは差し支えないことではないかと思いますので、それと私は何となく、何となくじゃなくて、介護予防の今言っている意味での目標はそういう意味での目標というふうに考えておるわけでございますけれども、そこで支障があるということであれば、また考えさせていただきます。


○福島みずほ君

 考えてください。
  がんであれば、例えば禁煙率を高めるとか食事の指導をするとか総合的にできるわけですが、高齢者は一人一人がそれぞれ状況が、症状が異なっていて、そこでの目標設定があれば、例えば個人の事情よりも目標設定の方が優先されるということが具体的に起こりかねないので、それは目標設定というのをしないようにということをお願いしたいと思います。
  大臣、今の議論聞いていて、どう思われますか。


○国務大臣(尾辻秀久君)

 もう目標設定ということをしないという、そこの部分だけで申し上げれば、私どももそんなことを考えておるわけじゃありませんとお答え申し上げれば済むわけでありますが、先ほど来お聞きしておりまして、例えば筋トレ筋トレというふうに言っておられますけれども、決して、私どもが申し上げているのは、嫌がる人を無理やり引っ張っていって筋トレやってくださいなんということを言うつもりなどは全くないわけでありまして、どうもその辺に誤解が生じていないかなと改めて思いながら聞いておりますので、基本的にそんなことじゃもう決してありませんということをまず御理解いただきたいと存じます。


○福島みずほ君

 筋トレの実施期間は大体三か月と言われておりますが、改善とされた人もリバウンドが出たり、何もしなければ効果が薄れていきます。フォローアップをどう考えていらっしゃるでしょうか。


○政府参考人(中村秀一君)

 この点につきましては、いろいろな点御指摘もございますし、今度のモデル事業の実施をいたしました市町村からの御意見としても出ているわけでございます。
  介護予防の筋力向上に限らず、いろいろなプログラム実施した後、しなければまた元に戻ると、こういうことでございますので、いかに継続するかということは課題になっております。
  実際に独自事業としてこういう筋力向上をやっておられる市町村のお話を聞きますと、期間が終わった後も続けたいという御希望が非常に多い、方が参加者には多いと聞いておりますが、いつまでも同じ方に対してプログラムを実施するわけにもまいりませんので、私どもとしては、地域において、プログラム終わった後も様々な住民活動ができたりボランティアによるサービスができたり、そういう地域資源をつくっていくことが大事だと思っております。継続的な生活機能向上に取り組むための受皿づくりが必要であり、そういう地域づくりが求められると考えております。


○福島みずほ

 ボランティアとおっしゃいましたけれど、そういうことに頼ることが、頼る設定が正しいかどうかということをちょっと思っております。
  いろんなところのモデル事業を検討してみましたが、宮崎市のモデル事業では、例えばボランティアで参加してくだすった補助員の人たちの協力なしでは難しかったという保健師さんの意見も付いております。非常にボランティアがなければやれない事業なわけで、筋トレ後のフォローに関してどうするかという点はまだ結論がちゃんと出ていないというふうに思います。
  ちょっと先を急ぎます。
  栄養改善というところの悪化率が非常にモデル事業で高いと。例えば血清アルブミン値というのは、例えば四二・二%が悪化をしております。改善よりも悪化している人がはるかに多いと。なぜこのようなことになっているんでしょうか。


○政府参考人(中村秀一君)

 モデル事業における栄養改善プログラムは、低栄養又は低栄養になる可能性のある方に対しまして、日ごろの食生活の内容分析、栄養改善のためのプラン作成、管理栄養士さんなどによる栄養食事指導、参加者自らの食生活記録の作成等を実施し、三か月及び六か月後に栄養状態の評価をすることといたしております。
  プログラムの実施期間は六か月といたしておりますが、今回の中間報告では三か月の中間段階のものしか出てこなかったということでございまして、残りの三月分につきまして今市町村が実施しているところでございますので、最終段階の結論が出たところでデータの提出を待ってより詳しい分析を行ってまいりたいと思いますし、その結果は御報告をさしていただきたいと思います。


○福島みずほ君

 悪化している人が四二・二%、改善よりもはるかに多いというのが極めて問題で、効果が検証された新しいサービスとして導入することは難しいのではないか。つまり、私たちは、今度介護保険の改正、まあ改悪法案、私たちは改悪法案と言わさせていただきますが、議論しているわけです。で、栄養改善というのがあるわけですが、悪化しているわけですよね。
  モデル事業をやって悪化したプログラムをなぜ盛り込むのかっていうのが理解ができません。モデル事業の内容では導入してはいけないのだというふうに考えますが、いかがですか。


○政府参考人(中村秀一君)

 モデル事業の栄養改善部分の分析結果では、要介護認定につきましての改善割合は五二・六%でございます。で、今先生の御指摘のありました血清アルブミン値が悪化したのが四二%ということになっておりますので、ここのところにつきましてはよく検証をさしていただきたいと思います。


○福島みずほ君

 閉じこもり予防、フットケアについて、モデル事業の内容はどのようなものでしょうか。サンプル数が少ないのはなぜか。だれが行ったのか。専門家はいるんでしょうか。


○政府参考人(中村秀一君)

 閉じこもり予防、フットケアについてのモデル事業についての御質問でございます。
  閉じこもり予防プログラムは、外出頻度が週一回未満の要介護高齢者の方を、歩行などの身体機能が閉じこもりの原因である方と、意欲、気力等の低下が原因と考える方とに分け、前者の方につきましては転倒予防体操などの運動器の機能向上サービスを、後者の方については農園づくりなどの生きがい支援事業を提供し、事業終了後の外出頻度を評価したものでございます。
  フットケアにつきましては、足や指の状態が歩行能力に影響を与えることを踏まえまして、要介護高齢者を対象に足や指の皮膚やつめの自己管理法の指導を行ったものでございます。
  どのようなプログラムを実施するかということについてはそれぞれの自治体の判断にゆだねていたことから、この閉じこもり予防なりフットケアを御希望される自治体はそれほど数が多くなく、モデル事業としてややサンプル数が少ないというのは御指摘のとおりだと思います。
○福島みずほ君 筋トレ利権、筋トレバブルが新聞、雑誌で取り上げられております。ある雑誌に、厚生労働省は来年度から二年間でまず全国三千か所に筋トレジムを整備し、将来的にはそうした介護予防拠点を一万か所に増やす構想を持っているとあります。
  このような構想があるのでしょうか。


○国務大臣(尾辻秀久君)

 全くございません。
  三千か所っていうのが何で出てくるんだろうというふうに考えますと、多分、私どもが介護予防拠点を、三千か所の整備を目標にしておるということからこれが言われるんでありましょうが、まあそうとしか考えられないんですけれども、この介護予防拠点はそうした筋トレを行うような場所として考えておるものじゃございませんので、言われておるようなことは誤解であるということを申し上げます。


○福島みずほ君

 筋トレ事業には、自治体職員のほか、医師、保健師、看護師、理学療法士などが必要とされます。どのような人員配置を想定しているのか。これらの人件費は介護報酬上どのように算定されるのでしょうか。筋トレの内容、例えばマシンを使う使わない、使用するプログラム、人員の配置について保険者の判断で行えるということでよろしいですか。


○政府参考人(中村秀一君)

 お答え申し上げます。
  そういった実施方法などについて、市町村で実施していただく場合にどういうことがあるかということなどをいろいろ材料を提供していただくためにモデル事業を実施したところでございます。
  委員から御指摘ございましたように、今回のモデル事業でやってみますと、保健師さん、理学療法士さんなど、何人かのチームで関与している職種があるということが分かってまいりました。
  これらの職種の関与の状況を見ますと、また私ども、この対象のモデル事業は、例えば利用者の方もそんなに大人数でなくと、こういうことで設定して一つの事業をやっておりますので、そういうことで結果を見ますと、今例えばデイサービスセンターなどでいろいろ訓練をやっておられます職種の方々と、そういう人員配置とほぼ似たような規模でこのモデル事業のサービスが実施されていると、こういうようなことは分かってきたところでございますので、そういった意味では、現在の様々な事業者あるいは自治体のマンパワーの中で、こういう事業をやろうと思えばできるのではないかと考えているところでございます。
  それから、介護報酬上どのように位置付けるかということはこれからの議論になるわけですが、一つは、再三大臣からも副大臣からもお答え申し上げておりますが、筋力向上については、マシンを用いるもの、用いないもの、様々ありますので、介護報酬でマシンの購入費、そういったものは対象にしないと、こういうこと。
  それから、特定の何か、筋力トレーニングについての特定の職種を新たにつくるというようなことはしないということは御答弁申し上げているところでございますので、今考えておりますのは、現在のサービスメニューであります通所サービスのプログラムの中で筋力向上トレーニングというものを取り組んでいただけないかと、そういうような方向で考えておりますけれども、いずれにしても、最終的な基準や報酬の設定につきましては、介護給付費分科会における議論を通じて十八年四月の介護報酬の改定に反映させてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 今の答弁で、審議会の中でこれから中身を決めるということですが、通所の人に関して筋力トレーニングのマシンを使う可能性があるわけですね。でも、そうすると、マシンの値段を調べましたけれど、例えば一台買っても一人しか使えませんから、一台七十万とか、ある程度お金がするわけです。五台買えば幾らとか、結構高額です。しかも、通所なわけですから、私は、本当にこの制度のプログラムが制度としていいのか、あるいは費用対効果としていいのかというふうに思っております。
  訪問介護利用料があって、参加者が集まるのか、継続することができるのか。過疎地で高齢者を一時間以上も掛けて会場まで移送するという答弁がありましたけれど、高齢者の人が長いこと例えば通ってそういう筋力トレーニングをすることの意味、コスト、高齢者の安全性など、非常に思っております。
  その意味で、このプログラムが、まあモデル事業の中でも余りいい数字も出ておりませんし、再考すべきだということを申し上げ、質問予告よりもちょっと行きませんでしたけれども、そのことを強く述べて、私の質問を終わります。

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