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◆ 学生無年金障害者問題について
◆ 社会保障に関する日本国政府とフランス共和国政府との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案及び社会保障に関する日本国とベルギー王国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案審議
◆ 人身取引、刑法の一部改正案などについて
○福島みずほ君
社民党の福島みずほです。
先日、兵庫県で大規模な列車事故があり、今まだ救援活動が進んでいます。社民党は対策本部を立ち上げましたが、またこの厚生労働委員会で質問できる機会があれば、あるいは質問の必要があれば、また質問させていただきたいと思います。
私も、冒頭、学生無年金障害者問題についてお聞きをいたします。
以前、無年金障害者の問題に関して尾辻大臣と当事者の人に会っていただいたことがあります。時間を割いて会ってくだすったので、当事者、原告の人たちは非常に喜んでいました。
四月二十二日、福岡地方裁判所は障害年金不支給処分の取消しを認め、原告側の勝訴判決を言い渡しました。平成十三年七月に提訴して以来、月日が流れております。裁判を起こすことは手間暇、エネルギー、お金が掛かり、かつ障害者の立場で裁判を遂行していくことはいろんな意味でやはり極めて負担です。家族の皆さんもあらゆる意味で負担なわけですけれども、無年金障害者は家族を含め苦労を続けております。先日も車いすの皆さんが、是非この問題もっと、もっとというか、頑張って取り組んでくださいというふうに言いに来られました。
無年金障害者問題が解決されるよう、控訴を断念することを強く求めたいと思いますが、大臣、改めていかがでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君)
先ほど小池先生にもお答え申し上げたとおりでございます。このたびの判決は、初診日が二十歳以前であったという事実を認定したものであると理解をいたしております。その判決は、私どもは重く受け止めさせていただきます。
その上ではありますけれども、更に内容を検討させていただいて、関係機関との協議も必要でございますから、その上で私どもの対応を判断をさせていただきます。
○福島みずほ君
実は裁判所は割と保守的なところで、行政訴訟で原告側が完全に勝つというのはなかなか実はないことだと私は思います。ここまで判決がはっきり原告側勝訴判決を言い渡しましたので、厚生労働省、大臣、是非、控訴を断念し、前向きに向けて行動されるように心からお願いをします。もうやはり実行して問題を前向きに解決するときが明らかに来ているというふうに思いますので、是非よろしくお願いします。中国人残留孤児の問題や、それから在外被爆者の問題についても一定程度厚生労働省が英断をして進みつつあります。ですから、是非、一足飛びにいろんなことができなくても、私たちは、私はやっぱり質問して改善してきたというふうに思っておりますので、是非、この学生無年金障害者問題についても是非一歩踏み出してくださるようよろしくお願いいたします。
では、本問に入ります。ドイツ、イギリスで実施されている同様の規定はどのような実績となって効果を生み出しているのか、ちょっと他の委員からも発言がありましたけれども、問題はないのかについてお聞きをいたします。
○政府参考人(青柳親房君) まず、ドイツとの実績について御報告をさせていただきます。
ドイツの協定は、二つの目的、すなわち二重適用の防止と年金加入期間の通算、この二つの目的を有しているものでございます。
まず、二重適用の防止という観点から申し上げますと、日本からドイツに一時派遣される方に対してドイツの年金の加入を免除するということのために私どもが適用証明書という書類を発給をさせていただいております。この発給件数が、平成十二年二月の協定発効以降十五年度の年度末までの間に六千九百六十四件発給をさせていただいております。それから、二点目の年金加入期間の通算という点につきましては、先ほども一部お答えを申し上げましたが、ドイツの年金加入期間を通算した我が国の国民年金、厚生年金保険の裁定件数ということで申し上げますと、平成十二年二月の協定発効以降十五年度末までの間に八十二件、平均年金額で約三十九万六千円という実績となっております。一方、協定発効以降平成十四年末までの間に日本の年金加入期間を通算したドイツの方の年金の裁定件数は四十五件に上るものと承知をしております。
続きまして、イギリスとの協定、これは二重適用の防止のみを目的としておりますので、日本からイギリスに一時派遣される方に対してイギリスの年金の加入が免除されるように適用証明書というものの発給を行っているわけでございますが、この発給件数は平成十三年二月の協定発効以降十五年度末までの間に八千六百十二件となっております。
その効果という点では、まずは、二重適用の防止あるいは年金加入期間の通算によりまして、ただいま申し上げたように、年金裁定等についても相当の実績があるわけでございますが、これによりまして、相互の年金保険料の掛け捨てが解消される等、おおむね所期の目的を達成すると言い得る相応の効果が得られたものと考えております。
○福島みずほ君
先ほど辻理事の方からもありましたが、年金資格期間が日本は二十五年である一方、諸外国は、ドイツが五年、イギリス十年、韓国と米国が十年であり、フランスは三か月、ベルギーは最低年数なしという状況です。
日本の加入年数が二十五年と余りに長いと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(尾辻秀久君)
我が国の公的年金制度は現役世代の方すべてに四十年間保険料を納めていただくことを原則といたしておりますけれども、その間に低所得等で保険料負担が困難な方にはその間の免除制度もございますので活用していただいたりもいたしておるわけでございます。
そうした免除期間も受給資格期間に含めるということ、あるいはまた、二十五年に達していなくて六十歳を迎えられた方は二十五年を達成するためにその後の任意加入もできる道も開いておりますので、こうしたことで二十五年の受給資格期間を満たしていただこうというふうに私どもは考えておるところでございます。
さらに、そうした中で受給資格要件を短縮することについては、まずは高齢期の基本的な所得保障の役割を果たせないような低額の年金者を増やすことになって、結果的に公的年金に対する信頼が揺らぐことになりかねない。それから、仮に受給資格期間を短縮すると、短期間のみ加入することを選択しようとする者が生じて未納問題が一層深刻になるおそれがあるなど、世代間扶養という制度の大前提が揺らぎかねない事態になることも考えられることなど、様々な問題があるというふうに考えておるところでございます。
○福島みずほ君
今日はこのことについて延々と、ちょっと時間が、やれませんけれども、やはり長いということが諸外国に比べて際立っていますので、結局若い人は、もうどうせ掛け捨てとなるんだからもう入らないというふうに思う人もいるかもしれません。その点については今後議論が必要だと考えます。
次に、過去の議事録を見ますと、平成十年五月十二日、国民福祉委員会で、例えば、ドイツと協定を結ぶのに三十年近く掛かったということにつきましては、御批判は甘んじて受けざるを得ないと政府委員が答えております。また、平成十二年四月二十日、同じ委員会で、今井澄委員の質問で、日本はようやくイギリスとで二か国目だと。諸外国は、欧米諸国は一番少ないアメリカでも十七国と結んでいて、そのほかでは二十か国とか三十か国とか、フランスなどは四十六か国と結んでいると。
日本がやはりこういう協定を結ぶのが遅い、遅れているというふうに思いますが、今後同様の協定を締結しようとしている国はどこがあるでしょうか。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 御指摘のとおり、私どもの社会保障協定、年金の協定につきましては、最初ドイツから始めた。制度が元々はドイツの制度というものを参考にさせていただいたということで、制度的にも近いのではないかということで始めてきたわけですが、なかなかその議論の収れんを見ずに随分時間を経てしまった。また、その次に、たくさん経済関係も緊密なアメリカとということでこれもやったんですが、これはこれで大変両国間の利害の調整が難しく時間が掛かった、そんな経緯でございまして、率直に申し上げて、少し時間が掛かり過ぎたというふうに私どもも今となれば思うところでございます。
ただ、その両国をこなした後、様々な国から、日本もこれをやはり乗り出してきたんだということで、メッセージも伝わっておりますし、首脳間の会談の中でも話題が出るようになってまいりまして、今日、六か国というところまで来たわけでございます。現在もカナダとの間で締結交渉を開始しておりますし、オーストラリアとの間も、先ほども御答弁いたしましたが、日豪首脳会談を先日行う中で今年六月からの交渉開始、オランダにつきましても協定交渉に向けた意見交換会をもう始めております。ほかに、イタリア、オーストリア、ブラジルなどいろいろお声を掛けていただいているところもございますので、優先度もよく見ながら、しかし積極的にこれらの議論を受け止めながら、できる国際協定というのはどういうものか、対処してまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君
日本で働いている外国人の人たちと話をしますと、保険が要するに給料から天引きされていたり多額に払わなければいけないけれども、要するに掛け捨てであると。自分はいずれ本国に帰るので、全く掛け捨てになっていて、しかも二重払いをしなくちゃいけないと、負担が大きい、払いたくないという声などをよく実は聞きます。
国内で二重払いしている外国従業員の年金について、掛け捨てとなる年金の総額は幾らでしょうか。
○政府参考人(渡辺芳樹君) 日本国内における年金適用に当たって国籍による記録管理というものがなされておりませんものですから、例えば今回協定締結をいたしましたフランスやベルギーの方の二重負担防止による掛け捨て額の解消といいますのは幾らかというのもなかなか正確に導き出すことができません。先ほど申しましたように、法務省の統計によりますと、フランスは四百八十名余り、ベルギーは四十名余りの企業駐在員の方が日本におり、今回の協定の枠でいうと、その方たちはいわゆる掛け捨てというものがこの協定の効果として解消されてくる、こういうことだと思います。
他の諸外国からの日本で働いておられる方々の御負担、こうした協定があれば解消するであろう御負担額というものについては、私どもとしてちょっと掌握してないところでございます。
○福島みずほ君
世界が狭くなっているので、是非、今後協定の締結がうまくいくようにということをお願いいたします。
また、年金資格期間が日本は二十五年であることは、多分外国との比較で今後議論になるのではないでしょうか。
残った時間、人身取引の防止及び被害者の保護に関する法律に、法律というか制度についてお聞きをいたします。
御存じのとおり、法務委員会で刑法の改正法案が審議をされ、参議院では参議院先議で本会議で成立をいたしました。人身取引に関して行動計画が出て取組が始まっておりますが、私は、法務省、警察だけではなく、横断的、特に厚生労働省が責任を持って人身売買に関して取り組むべきであるというふうに考えております。
私自身は、実は、アジアからの出稼ぎ女性の緊急避難所、女性の家HELPというのがありまして、弁護士になってからずっとそこのアドバイザー、弁護士をしてきたので、ブローカーを刑事告訴する、賃金不払や暴力行為について不法行為に基づく損害賠償請求を裁判でやるということなど、多くの裁判をやってきました。
しかし、本人たちに日本にいてもらって裁判に協力をしてもらうことが極めて大変であり、なかなか制度の中で大変であったので、特にお聞きをいたします。人身取引対策行動計画での厚生労働省が担う責任について、被害者の生活支援などについて、厚生労働省はどう考えていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君)
行動計画では、人身取引の防止それから撲滅、被害者保護、この三つの観点から政府全体が一体となって取り組もうというものでございます。
その三つのうちの、では厚生労働省が担うべき役割は何かというと、やはり被害者の保護の役割だと、こういうふうに考えるところでございます。したがいまして、この行動計画に沿って、婦人相談所を活用とした一時保護、相談、カウンセリング、それから民間シェルター等への一時保護委託などの役割を果たしていくこととしておるところでございます。
○福島みずほ君
刑事処罰をブローカーに対してする、その間、本人がどこか、センターなりどこかできちっとケアをされたり、医療を受けられたり、相談を受けられたりというのが必要で、今回この行動計画では婦人相談所というふうになっているんですが、もっと包括的に厚生労働省が責任持って婦人相談所を管轄する、あるいは予算を付ける、教育啓発活動をする、様々なものが実は必要ではないかというふうに思っております。
人身取引対策行動計画は加害者処罰重視になっており、被害者の保護の面では法律での根拠がありません。被害者保護について法的に保護すべきではないでしょうか。
○国務大臣(尾辻秀久君)
今お話しになっております行動計画につきましては、加害者の処罰のみならず、このことは当然なんですけれども、そうした加害者の処罰のみならず、人身取引被害者の保護を対象としてこれはもう明確に位置付けております。その被害者の状況に応じて、今申し上げておりますように、婦人相談所でありますとか民間シェルターを活用した一時保護、被害者の帰国支援等、きめ細かな対応をすることと定めておるところでございます。
したがいまして、こうしたことをしっかり行うことにより、基本的には現行法体系の中でも実効ある施策が展開できていけると私どもは考えております。
○福島みずほ君
参議院の法務委員会の議事録を見ますと、参考人の吉田容子さんは、被害者保護支援法の制定が必要であると考えるということを述べていらっしゃいます。
やはりこれは、参議院はドメスティック・バイオレンス防止法、改正法などを作ってきた、超党派でやってきた院ですけれども、やはり被害者の救済などについての超党派で是非被害者保護支援法などができないかというふうにも強く思っています。
社民党と共産党と無所属では、一応法案、中身を作り、民主党では衆議院の方で特に法案を作っているやに聞いていますし、与党の中でも取組が進んでいるというふうにも聞いております。その意味で、刑法の改正法案が参議院を通過し衆議院に行っておりますし、風営法の改正法案が参議院で今後議論になりますが、被害者救済ということでもっと私たちができることがあるのではないかというふうに思います。
NGOとの連携やNGOへの財政支援についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(伍藤忠春君)
この民間団体、特にNGOなどの果たしている役割というのも、こういう人身取引被害の面においては大きなものがあると思いますので、こういったところと連携をしていくということは私どもも重要なことと考えております。
具体的なその支援ということで、どういったらこういったところに支援をできるかということで、一時保護委託という概念を私ども持ち込んで、本来公的なところで保護し相談に応じてやるべきものを、公的な施設だけではなくて民間団体にも委託をするということで事実上公的な支援が可能になるということで、この一時保護制度というのを導入をしてそれなりの、通常の婦人保護施設等でお世話をいただく場合と同様の水準の委託費を流すと、こういう仕組みを導入したところでございまして、こういった形で支援をするということで当面やっていきたいというふうに思っております。
そのほか、いろんな研修事業を行うような際にも、民間団体の方々をお招きして一緒に受けていただくとかというようないろんな形で連携を図りながらやっていきたいと、こんなことを考えております。
○福島みずほ君
是非、婦人相談所の機能強化をよろしくお願いいたします。
以上です。
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