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2005年
 
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参議院 厚生労働委員会 公聴会 2005年2月24日  
   
 
国会で行われた質問に関しては、国会図書館の国会会議録検索システムを利用すれば、 すべてオンラインから調べられるようになりました。
検索条件入力をクリックし、発言者に「福島瑞穂」「福島みずほ」と検索語を記入してお調べ下さい。
 



○福島みずほ君

 社民党の福島みずほです。
 今日は専門的な立場からどうも有益なお話ありがとうございます。また、現場で頑張っていらっしゃることに心から敬意を表します。
  今日お話が出ましたが、一九九八年を境目に自殺者が三万人を超え、それが下がらないということがあります。中村参考人の資料に、完全失業率と自殺者の推移ということで表が出ておりますけれども、今日は精神的な立場、うつ病という課題が多かったですけれども、やはりこの雇用の問題や産業構造の問題、なぜ一九九八年に急変したのかということについてどうお考えなのか、教えてください。

○参考人(中村純君)

 自殺の要因というのは非常に多角的だと思います。しかしやはり一番大きかったのは、僕はやはり失業率だろうと思っています。ですから、失業率が、繰り返すことになりますけれども、四・二%から四・九、そしてその後はずっと五・五、今年に入って少し下がりましたかね、五・四というふうに、私も新聞でしかよく見ませんけれども、その程度だろうと思います。五%以上をずっと持続しているということがやっぱり大きいと思います。
  よろしいでしょうか。

○福島みずほ君

 はい。
 今日の参考人それぞれの意見もありましたが、やっぱり無業者、職のない人たちの自殺率がほかに比べて高いことと、それから職業別自殺者数、警視庁のを見ますと、例えば自動車運転手の人がほかに比べて、職業に比べてとても高い。これは、例えば国土交通省相手取って最近タクシーの運転手さんと利用者が規制緩和の問題について裁判を起こしました。年収が沖縄だと百八十万円台、東京は四百万円台以上ですが、あとは年収が三百万円台。ですから、もちろん高収入で自殺をされる人もいるでしょうけれども、やっぱり二極分化の中で、年収が明らかに規制緩和や労働法制の規制緩和で下がっているところがあると。そこについてやはり矛盾の集約みたいなことも起きているんじゃないか。これについて中村参考人いかがでしょうか。

○参考人(中村純君)

 御指摘のとおり、可能性はあると思いますね。いろんな規制が緩和されたことによって自由に、それこそタクシーは認可されるようになりました。そうしますと、数が非常に増えていますし、乗客の数は変わらないわけです。しかも、経済が低下していますので、いわゆる社用族がタクシーを使うということも少なくなっている。やっぱり稼働率という面では非常に落ちているんでは、僕はタクシーのことよく分かりませんけれども、恐らくそういうふうに推測はできると思います。

○福島みずほ君

 秋田の地で頑張っていらっしゃる本橋参考人にお聞きをいたします。
 先ほど、自殺率の高い、どこも高いですけれども、地域がありましたが、東北とそれから九州の一部が多いようで、正直、今なかなか格差が生じて、全国の中で正直言うと年収の低い部分の県に自殺が割合からいうと高いように私自身は拝見をいたしました。
  秋田でチームを作って医学部教授という立場からやっていらっしゃるわけですが、やっぱり地域の雇用の問題も非常に大きいんではないかと思いますが、その辺のチームワークや、その県の中でどういうふうな形で総合的に動いていらっしゃるのか。あるいは、そういう中で、やはり地域の産業や雇用と密接不可分な場合もあるわけですから、その辺はどういう取組や議論があるのか教えてください。

○参考人(本橋豊君)

 大変重要な御指摘だというふうに考えております。先ほどの日本全体の地図で、御指摘のようにやはり農村県、過疎県ということは低所得県ということでございますので、小さな地域で見ていっても、やはり所得の低い方が自殺率が高い傾向があるということがありますので、根本的にはやはりいわゆる社会経済的問題というのが背景、バックに流れているというのは全く御指摘のとおりだと思います。
  そこで、じゃ、県の中で、秋田県の中でどういうふうにその辺が連携されているのかということについて、これは私自身が秋田県の職員じゃないので余りそういう立場から御発言はできないんですけれども、いわゆる大学の研究者という立場から秋田県の自殺予防対策にかかわっている立場ということで発言いたしますけれども。
  実際には、秋田県の自殺予防対策は、秋田県健康福祉部の健康対策課というところが所管しておりまして、一応その全県の、県庁内部の相互の連絡というのは取っておるんですけれども、その中で例えば経済産業関係の部署とどの程度連携を取っているかということについて、第三者的に見ますと、必ずしもまだ十分ではないんではないかと。そんなことを言うと怒られるかもしれませんけれども、私が見ている限りでは、やはりどうしてもその健康の面からということでございますので、その辺の連携が弱いというのは現実だと思います。私自身は、その辺はもう少し統合的な立場で対策が取れるとよろしいなというふうに思いますけれども、なかなかその辺の連携が難しいというのが現状です。
  ただ、秋田労働局と県が連携をしていろいろ地域の中での取組をやっているというところは特筆といいましょうか、やっぱり強調してよろしいのではないか。その辺は頑張っているという認識を持っております。

○福島みずほ君

 雇用の関係との何らかの連関性というのは、少し今日教えていただいて理解ができたんですが、例えば介護保険で非常に取り組んでいる自治体とそうでない自治体とか正直あると思うんですが、その福祉サービスやそういうものとの自殺との関係というのはあるのでしょうか。本橋参考人、お願いします。

○参考人(本橋豊君)

 御指摘のように、健康対策の一環としての役割が多いんですけれども、やはり現場でいろいろやっていくときには地元の社会福祉協議会の方々の支援というのをたくさん受けております。
  御指摘のように、生きがい対策というのは基本的には福祉領域の対策ですので、そういう意味で市町村レベルあるいは県のレベルではかなり福祉と医療が連携した、健康が連携した形で進められておりますということで、ただその温度差はあります、その地域によってですね。ただ基本的な考え方は、その辺は医療と福祉についてはかなり連携してやっているというのが実態だというふうに思います。

○福島みずほ君

 産業医というと変ですが、中村参考人にちょっとお聞きをしたいんですが、現場でやっていらして、正直、会社が例えばこういうことに気を付けていたら自殺がこういう形で予防できたかとか、何かこう実感として、例えばこういうことをもっと注意したらどうかということがもしあれば教えてください。

○参考人(中村純君)

 今の御質問なかなか難しいと思うんですね。
  というのは、患者さん、病気になられた方が実は、御本人の人事考査とか周囲の人とのかかわりの中で、やはり精神疾患に罹患されますと、むしろその産業医に相談に行くというよりは、地元の、あるいは地元よりは別の地域の例えば心療内科、精神科を訪ねられるというのがせいぜいなところであって、私たちが介入できるというのは、恐らく現状では、まだ周囲から気付かないまま、診断書が出て休職になって初めて気付くというのがせいぜいではないかと。ですから、仕事上のミスが少し増えているとか、最近朝の調子が非常に悪いとか、そういう症状などを踏まえて、ひょっとしたらうつ病ではないかということを周りが気付くというようなことがあれば分かるのかもしれませんけれども、実際に、先ほど高橋先生がおっしゃったように、インターベンションのところで初めて気付くという状況ではないか。 だから、まだ予防・啓蒙活動を相当しないと、この今の御質問には答えられないんではないかというふうに思います。

○福島みずほ君

 会社員や公務員の人と話をしていると、持病があったり病気だったり、精神的に悩み、またうつ病だったり、例えばぜんそくだったり、いろんな疾患を抱えていても、弱みになるので、保険を使うとそれが会社に分かるので、そうではない形で薬を処方してもらうとか、絶対に自分が病気であることが企業などに分からないようにしているという人も多いわけですよね。政治家も病気が弱みになるかもしれませんが、もっとやっぱり、会社の中での出世や昇進や、そういうことを物すごくみんな気にしています。
  そうすると、今の会社と連携しての保険制度だと、逆に病気であることが隠されてしまう。十分な治療が受けられないとか、ましてや精神疾患だと会社には隠すということがあると思うんですが、ちょっと長い話になりますが、こういうことについて何か変更ができないかと思うんですが、中村参考人いかがでしょうか。

○参考人(中村純君)

 最初西島先生がおっしゃったように、偏見ということを考えますと、むしろそれを障害者としてとらえて雇用の中に数字的にでも組み込むというような積極的な方法でむしろ受け入れるぐらいのことがないとなかなか難しいのかもしれないと思います。

○福島みずほ君

 最後に、高橋参考人に一言聞きます。
 私は、自衛官の中で自殺をした人の遺族の方たちとお話を何人かして、つい先日も自殺をした自衛官の家族とお会いしたら、遺書があって、上官のだれだれは絶対に許さないとかやっぱり遺書があったり、いじめを理由に死んだんじゃないかと遺族が思っているケースなどありまして、是非、中での改善や研究、ケアを是非よろしくお願いしたいと思いますが、どうでしょうか。

○参考人(高橋祥友君)

 その点についても非常に検討しています。先ほどのメンタルヘルス検討委員会でも、単純に精神疾患の問題だけじゃなくて、セクハラですとかいじめの問題も取り上げております。
 やはり我々が言っている中ではっきりとしていることは、やはり心の病があったのに治療も受けないままに亡くなっているという人が大多数なんで、自分が困ったときに助けを求めてもいいんだと、そういうような教育がその根底になければいけないんだというふうに思っています。
  これは心の病だけじゃないと思います。職場の人間関係であってもそうだと思いますし、様々なほかの問題であっても、だれかに相談に持っていってもいいし、こういうときにはどこに相談に持っていけばいいんだというような情報を流すということが大変重要であると思います。

○福島みずほ君

 以上です。どうもありがとうございました。

 


 
       

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