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2006年

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参議院 厚生労働委員会 2006年6月13日

◆健康保険法等の一部を改正する法律案・良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案に対する審議


◆療養病床について◆
◆障害者自立支援法について◆
◆看護職員のあり方について◆
◆小児救急のあり方について◆
◆薬害フィブリノゲンについて◆
◆カルテの開示について◆
◆反対討論◆


 

◆療養病床について◆

○福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。
 まず冒頭、今日も出ておりますが、七月一日に実施される療養病床の診療報酬の改定の理由は療養病床削減のためでしょうか。

○政府参考人(水田邦雄君)
 七月一日に、新たな診療報酬改定におきまして療養病床におきます入院基本料の見直しを行いまして、医療の必要性の高い方については評価を上げ、医療の必要性の低い方につきましては評価を引き下げるということで全体の見直しを行っていきたいと、このように考えております。

○福島みずほ君
 診療報酬体系が突然七月一日に変わるのでお聞きをしています。なぜこの診療報酬体系を変えることが必要のない人と必要のある人、質の問題につながるんでしょうか。本法案で議論をしている療養病床削減のための診療報酬改定ですか。

○政府参考人(水田邦雄君)
 通常の診療報酬は四月一日付けで改定行われますけれども、この療養病床の部分につきましては、様々準備もおありかと考えまして七月一日実施にしたわけでございます。
 この診療報酬の見直しにつきましては、実はこれは平成十五年三月の医療制度改革の基本方針におきまして考え方が示されたわけでありまして、慢性期の入院医療の在り方につきまして、医療の必要度あるいはADLの区分、こうしたものについて見直しを行うという方針が既に示されておりまして、二年掛けまして、中医協の下の専門的な調査、専門委員会におきまして調査をし、その上でこの新しい療養医療費の診療報酬の中身を定めたものでございます。それは全体として療養病床の再編成という流れと軌を一にするといいますか合致した整合性のあるものと考えてございます。

○福島みずほ君
 結局、療養病床削減のために七月一日に療養病床の診療報酬の改定をするという答弁ですね。これはひどいと思いますよ。
 今日は六月十三日、七月一日の診療報酬からもう病院が極めてやっぱり成り立たなくなる制度をやる。もうほとんど時間がないんですよ。兵糧攻めをやっていく。先ほどから参酌基準のことが議論になっています。先日も西島委員の方から質問がありました。参酌基準があるのでなかなかそれは変えないと言っているわけですね。答弁でも、これは来期に参酌基準を見直すことになる。そうするとひどいことが起きる。つまり、七月一日に診療報酬体系をもう変えてしまう。病院側は抱え込むことができなくなる。そして、参酌基準はそのままなのでその人たちの行き場がない。どうなるんですか。

○政府参考人(磯部文雄君)
 参酌標準につきましては、国が基本的な方針を示しまして、それを受けまして、都道府県において、介護保険事業支援計画というのをそれぞれの都道府県でお作りになり、さらに、それに基づきましてそれぞれの市町村におきまして介護保険事業計画ということを作りまして、そのそれぞれの市町村において必要なサービスの量を測って保険料を決定していくという形でございます。
 先ほどから申し上げておりますように、第三期、すなわち十八年から二十年の事業計画につきましてはこれが既に決定されておりまして、それに基づいた保険料となっております。ただ、その中の介護保険のサービス見込み量でございますが、我々が集計したところによりますと、十八年から二十年で、例えば老人保健施設ですと二万六千床ぐらいの増加の予定を立てております。
 それからまた、介護療養施設が仮にそのまま老人保健施設に変わるということになりますと、これは都道府県の御判断でございますが、基本的には介護保険の保険料の中でのやりくりになりますので、恐らく認められるだろうと思います。それから、介護療養の中で医療の必要の高いものにつきましては、例えば医療の療養型に移るということも考えられます。この場合にも、これも都道府県の御判断によりますけれども、介護保険の療養の空きの部分につきまして、例えば老人保健施設を造るといった現行内でのやりくりもできるものと考えております。

○福島みずほ君
 法案では、参酌標準、ベッド規制を見直すよう配慮することとされております。しかし、今答弁があったとおり、これは自治体が行う、実際に行うのは市町村なので、国が果たしてこういうものを作っても、適正に運用されるという保障は一切ありません。とにかくひどいことなんですよ。
 この法案を作る、七月一日にはもう診療報酬体系を変えてしまう、病院側がもたなくなってしまう。参酌基準はあって、ベッド規制があって、市町村に期待するけどそれは先の話。しかも、それが本当に担保されるかどうかは分からないわけですよ。いかがですか。

○政府参考人(磯部文雄君)
 七月の先ほどお話がございましたので、ちょっと三期に限って申し上げましたが、第四期、すなわち二十一年度から二十三年度の事業につきましては、これから厚生労働省が参酌標準を示し、先ほど申し上げましたような、それぞれ都道府県が事業支援計画、あるいは市町村が事業計画を立てていくということになろうと思います。その場合におきましては、我々も、今回のこの法律が通りましたらば、介護療養型の病床の再編ということを踏まえまして、そうした参酌標準を定め、それをそれぞれの都道府県の方に実施をお願いするということになろうかと思います。
 確かに、最終的に法的な義務という点ではございませんけれども、介護保険及び医療保険におきます負担を勘案すれば、多くの自治体におきまして、国の方向性について御理解いただけるものと考えております。

○福島みずほ君
 都道府県では、一般病床から療養病床への変更は認めないと言っているところもあります。
 厚生労働省がひどいと思うのは、午前中も出ました、猫の目のように政策が変わることです。一九九〇年、ゴールドプランが出てくる。一九九三年、平成五年、療養型病床群の創設、医療法の改正が行われます。二〇〇一年には療養病床の創設、医療法の改正をやります。去年はこの委員会で介護保険の改正をやりました。そのときにこんなことは全く議論されなかったんですよ。全く議論されなかった。
 日本療養病床協会からのたくさんのペーパーも出ておりますが、私が病院の経営者だったら本当に怒り狂うだろうというふうに思います。信用して療養病床を増やし、まじめにやろうと思っていたら、七月一日から突然診療報酬が改定になる。参酌基準はどうなるか分からない。病院は経営が成り立っていかないですよ。患者だって大変ですよ。家族だって大変。順番が違うじゃないですか。

○政府参考人(水田邦雄君)
 診療報酬のことでありますんで、私どもの考え方、申し述べたいと思いますけれども。
 まず、今回の改定におきまして、医療の必要度が高い人につきましてはむしろ診療報酬上がるわけであります。したがって、多くの方が医療の必要度が高いところはある意味上がりますし、下がらないという状況があるわけです。今回一番影響を受けますのはこの医療区分の非常に低い方、ほとんど、介護施設での対応がほとんどのところが診療報酬が下がるということになるわけでありまして、ある意味でこれは、これまで非常に、介護相当な方を入れつつ病院での高い診療報酬を享受されてきた方々であるわけでございます。
 そういう意味で今回合理化しようと考えているわけでありますが、ただいまの参酌標準の問題もありましたので、平成二十三年度末までは、むしろそういった医療の必要度が低い方が入っておられる病棟につきましては、介護保険移行準備病棟というものを設けまして、報酬水準は同じですけれども、コストを下げるということで対応すると、こういう道を開くことによって対応しようと思っておりますし、それから、先ほど老健局長がちょっと言いましたけれども、介護療養病棟と医療療養病棟、あるいは医療療養病棟を二つ持っているというところでは、こういった医療区分の配置を様々考えることによって対応を緩和することができようかと思います。
 そういった対応が難しいのは、療養病棟、医療療養病棟、一個病棟だけ持っている、しかもそこに入っておられる方が医療区分が一でADLも一と、こういう方々のところをどうするかということでございますが、それにつきましては数も少なかろうと思っておりますので、必要があれば個別にも相談に応じたいと、このように考えております。

○福島みずほ君
 個別に相談に応じたいという意味が全く分かりません。
 先ほど答弁されたじゃないですか。今回の療養病床の削減と七月一日に行われる診療報酬の改定は軌を一にしている、整合性があるという答弁でした。結局、療養病床の数を減らすために診療報酬の体系変えて追い出すんですよ。採算が合わないようにして兵糧攻めにして追い出すんですよ。こういう政策を厚労省が平然とやって答弁していいのかというふうに思います。  地方公聴会で多くの公述人が療養病床、特にこれ北海道でしたから非常に困るということ、行き場がなくなるということ、そのことを力説をいたしました。今年四月に根室市の隣保院附属病院が閉鎖されたこと、そのことなどの記述もありました。公述人の一人は、吹雪の中、裸で放り出すようなもんだというふうに言いました。
 大臣、昨日の地方公聴会のそれぞれの切実な声をどう受け止められましたか。

○国務大臣(川崎二郎君)
 昨日は私も決算委員会、衆、それからこちらの行政改革の特別委員会、ずっと国会で答弁をいたしておりましたので直接は聞いておりません。しかし、一方で、今お答え申し上げましたように、十五年三月の閣議決定におきまして、評価基準、基本的には医療が必要なところには評価を高くしよう、医療の必要性が低いところについては評価基準を下げるという形で基本的な認識をまず示してきたところでございます。
 一方で、今回の療養病床の転換につきましては、真に医療が必要な方々、また介護に変わっていった方がいい方々と、こういうものをしっかり六年間掛かって方向を変えていこうというのが今回の基本でございます。その経過期間中にやるべき施策についても局長から申し上げたとおりでございます。
 どうぞ御理解賜りますようお願い申し上げますとともに、我々も状況をしっかりウオッチしながら対応もしてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君
 先ほどからもありますが、六年掛けて移行するんじゃないんですよ。去年、介護保険法を議論するときはこんな議論なんかしなかった。
 まだ私たちが審議中に、七月一日からは診療報酬が改定される、療養病床でやっていくのが極めて困難になっていく、そして行き場がないんですよ。どうするのか。社会的入院を減らすことはとても必要なことです。しかし、家で見ることができない、あるいは日本はケア付きの住宅などもまだ少ない。結局行き場がなくてどうするのか。北海道でも意見が出ました。結局行き場がなくて自宅で引き取るあるいは自宅で暮らすという人たちが非常に増えているという声が出て、結局この法案が通った後の問題点も完璧にあぶり出しているというふうに思います。
 それで、私が分からないのは、ちょっと教えてください、医療型病床と介護型病床、これはどうやって区別するんですか。

○政府参考人(松谷有希雄君)
 医療法では一般病床のほかに療養病床というのが決められてございますが、いわゆる医療型、介護型というのはそれぞれの病床においてどの保険を適用しているか、医療保険が適用の場合が医療保険適用型の医療型療養病床、介護保険を適用している病床が介護保険適用型療養病床と、こういうことになっております。

○福島みずほ君
 なぜ私がこの質問をするかというと、医療型病床と介護型病床で全廃とそれから削減となっているわけですね。ところが実際はこれは、今日もずっと委員の方から出ておりますが、介護と医療ってシームレスであると。両方重なったり、両方必要だったり、有機的であったりするわけですね。そうしますと、介護型病床と医療型病床に分けて、一方は全廃、一方は削減といったところで、一体どういうふうに仕分をするのか、これは実はよく分かりません。
 大臣、この厚生労働委員会でどうも議論がかみ合わなくて、私としては非常に怒り狂ってしまうんですが、吹雪の中を裸でほうり出すのかということが公述人から言われました。この間、村山参考人はこう言いました。病院に来ないでねと、それから来ても早く退院してねと。要するに、長期入院していますと単価が下がっていきますから、病院に来ないでねと、来ても早く退院してねと、そういう法案だと。私はもう一つ思うのは、病気になっても家でじっとして余り薬飲まないでねという、そういう法案ではないかと。七十五歳になったらちょっと覚悟してねというそういう法案ではないかと、そういうふうに思います。そういう声はどうお聞きになられますか。

○国務大臣(川崎二郎君)
 そこはいろいろお話し申し上げておりますとおり、私どもが後期高齢者を迎えたときに大体四十八兆円ほどのお金が掛かるであろうと。その中で、後期高齢者医療だけで二十三兆円という金額が掛かるんだということをお示ししているわけです。
 今、福島委員の言われるようなことがあれば、これはもう正にそんな予算は掛からないじゃないかという議論になりますので、私どもは、医療費というものはこのぐらいの中で、国民が負担し得る中でやっていこうということで御提案申し上げているわけで、正に雪の中ほうり出そうと、こんなことは一切考えておりません。

○福島みずほ君
 いや、しかし、七月一日に診療報酬が改定になって病院の経営が困難になれば、実際は、帰ってください、もう駄目ですということになるんですよ。現に参酌、ベッド規制については動かせないわけだから、そこには連れていけない、だからといって病院の中では抱え込むことができない。だったら、もう無理やり退院してください、そうなりますよ。実際、病院の閉鎖で各地でそういうことが起きているわけです。だとしたら、このシステムが何を生むかということを考えていただきたい。よって、反対です。
 アメリカは国民皆保険ではありません。日本の倍ぐらい医療費が掛かっていると言われます。むしろ、国民皆保険でなく、十分な医療を提供しないことが高負担になるといういい例だというふうに私は思います。
 次に、これは先日から質問していることですが、介護保険施設及び療養病床における食費、居住費負担問題に関して、統一的な調査を厚生労働省はやらないと言っているわけです。これやってくださいというのは私の希望です。社会的入院がこれだけあるのだと厚生労働省は調査をして本法案を提案をしました。自分たちの都合のいい法案を作るときには統一的な調査をして、自分たちが作った法案でどういう問題が起きたかということについては統一的な調査をされないんでしょうか、してください。

○国務大臣(川崎二郎君)
 これはこの間も、都道府県から調査、また政令指定都市等から調査した結果について一部御報告申し上げました。対して、厚生労働省が直接、施設に当たるべきではないかと御意見でありましたけれども、私の方から、多くの、ほとんどの都道府県にそうした資料が、事実上調査されているだろうと、また調査されていない県があればお願いもしようということで御答弁さしていただいて、昨日、老健局から再度、都道府県に対し対象者調査の情報提供につき協力依頼をいたしました。
 こうした資料がまとまり次第、御報告を申し上げます。

○福島みずほ君
 社会的入院があるかどうかについては、厚生労働省は統一的な調査をされています。
 それで、介護保険の改定のときに附帯決議で、「介護保険施設等における食費及び居住費を保険給付の対象外とするに当たっては、利用者の負担が過重なものとならないような負担上限額を設定し、低所得者への配慮と激変緩和に努めること。」など、例えば社会福祉法人に過重な負担とならないように適正な措置を検討すること、こういう附帯決議が付いております。
 本当にそうなっているかどうか、きちっと厚生労働省として調査をしていただきたい。というのは、各地の調査結果、幾つか見ましたが、非常にばらばらなんですね。ですから、厚生労働省として、厚生労働省が提案しこの国会で成立させた法案が現実に何を生じているのか、その検証が必要だと考えますが、いかがですか。

○国務大臣(川崎二郎君)
 それは、先ほどからも御答弁申し上げているとおり、医療につきましても、また介護保険につきましても、それぞれ国の責任、都道府県の責任、市町村の責任の中で重層的に責任を担いながらやらしていただいている。
 一方で、我々も当然そうした資料が欲しい、一方で都道府県においても地域の実態という声を聞きながら様々な方策を練っていることも事実でございますので、私の方から、都道府県から全部もらうようにすると、こう御答弁申し上げて、福島委員もそれをやるようにということで、昨日、そういうふうにまた老健局長から都道府県にお願いをしたところでございますので、御提案を受けた中で、私、御返事申し上げて昨日実行に移したところでございますので、ひとつ資料を少しお待ちいただきたいと、このように思います。

○福島みずほ君
 是非、ある程度統一的な資料として出てくるように、心からよろしくお願いします。

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◆障害者自立支援法改正について◆

○福島みずほ君
 そして、ちょっとこの医療制度とずれて申し訳ないんですが、障害者自立支援法の改正によって応益負担の結果、いろいろ困った事例が起きているということがたくさん寄せられています。
 これについても、大臣、厚生労働省自身がやるかどうかは別にして、是非実態調査をしていただきたい。昨日、きちっと各都道府県に指示をしたということでしたら、早くそれが上がってくるように期待をしておりますが、障害者自立支援法案についても、何が現場で起きているか、是非調査をしてください。

○政府参考人(中村秀一君)
 障害者自立支援法についてでございますが、四月に施行されております。介護保険等とは半年ずれております。
 現段階では、四月分の請求支払事務も完了していないため、詳細、全体像把握はできておりませんが、そもそも支援費制度で非常に財政的に行き詰まったということもあり、私どもも、この障害者自立支援法の給付費等がどうなっているか、施行状況について最も動向を気にしているところでございますので、実施状況につきましてはできる限り早く把握をするように努めてまいりたいと考えております。

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◆看護職員のあり方について◆

○福島みずほ君
 よろしくお願いします。
 次に、看護職員の在り方について質問いたします。
 現在、検討会で検討中ですが、より質の高い看護職員育成のために看護基礎教育制度の改正に取り掛かるべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。大臣。

○国務大臣(川崎二郎君)
 何回か御答弁さしていただいたと思いますけれども、医療の高度化等、近年の医療を取り巻く環境の変化に伴い、医療従事者の資質の向上が強く求められております。一方、看護師について、看護師学校養成所修了時点の能力と看護現場で求められている能力の間に乖離があり、必要な能力が必ずしも身に付いていないのではないか等の指摘があることから、その資質の向上を図っていくことが重要であると考えております。
 そこで、看護師の養成の在り方について、国民の看護ニーズに的確に応じられるよう、看護基礎教育の更なる充実を図ることを目的として、本年三月より看護基礎教育の充実に関する検討会を開催し、検討しているところでございます。
 今後、検討会での検討結果を踏まえ、医療安全を確保し良質な医療を提供するための看護師の資質の向上に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、来年は予算付けをしてやりたいと、このように考えております。

○福島みずほ君
 卒後臨床研修を制度化すべきだと考えますが、いかがですか。

○政府参考人(松谷有希雄君)
 医療の高度化や患者さんのニーズの増大、多様化を踏まえまして、新人看護職員の資質の向上を図っていくということは重要なことだと思っております。
 このため、平成十五年度には新人看護職員の研修到達目標及び研修指導指針等を作成をいたしたところでございまして、平成十六年度からこれを活用をして講習を開始しているところでございますし、今年度からはその教育責任者、教育担当者の実務研修を行っているところでございます。
 新人看護職員の研修については、今後、また検討会等からの御意見もいただいておるところでございまして、その課題等について引き続き検討してまいりたいと思っております。

○福島みずほ君
 現在は病院側の努力のみなので、是非やっていただいて離職率を減らしていただきたいと思います。
 保健師の確保についてはいかがですか。

○政府参考人(中島正治君)
 健診や保健指導が生活習慣病予防の効果を上げていくという上では、健診によって対象者の状態を把握した上で対象者の健康課題に合わせた保健指導を提供していくことが必要であり、保健師の役割はますます大きくなっていくものと考えております。効果的な保健指導を提供する上で、保健師だけでなく管理栄養士なども含めた様々な職種の活用も進めていくことが重要と考えております。
 このため、医療保険者による保健指導を計画的に拡大していくに当たりましては、市町村の保健師、管理栄養士に加えまして、在宅の保健師、管理栄養士、あるいは保健指導を提供する外部の保健サービス機関等の活用によるマンパワーの確保と有効活用を推進していくこととしております。またさらに、都道府県や医療保険者、関係団体とも連携をいたしまして、研修の充実を図るなど、保健師及び管理栄養士等のマンパワーの資質の向上にも努めてまいりたいと考えております。

○福島みずほ君
 現在、この委員会でも労働条件の話がかなり出ましたが、現在、新人看護師が一年以内に離職する率は九・三%です。看護師の離職防止のためどのような施策を考えていらっしゃいますか。
 今まで、検討することが必要であると考えるという答弁ばかりでしたので、いつなのか、いつからこういうことを考えるのか、どういう施策を考えているのか、お聞かせください。

○政府参考人(松谷有希雄君)
 日本看護協会が実施した調査によりますると、約五万人いる新人看護職員のうち一年以内に勤務先を退職した者は御指摘のとおり約九%であるということは認識しておるところでございます。なお、看護職員全体の離職率は、同じく日本看護協会による調査によりますると、ここ十数年、約一〇%から一二%程度で推移してございまして、これは、全産業の離職率、一六%でございますが、また特に女性の離職率は一九・六%でございます、これよりは低い水準となっているところでございます。
 看護は国民の保健医療に関し重要な役割を果たしておりまして、高度な専門的知識と技能を有する看護職員を確保する必要があることから、従来から看護師等の人材確保法等に基づきまして、養成力の確保、離職の防止、再就業の促進などの総合的な看護職員確保対策を実施しているところでございます。特に、職場環境の改善による離職の防止に関しましては従来から院内保育所の整備等を行ってきてまいりまして、また、平成十八年度の診療報酬改定では急性期入院医療における手厚い看護体制等の評価を行ったところでございます。
 さらに、新人看護職員につきましては、看護基礎教育の充実、それから新人看護職員に対する研修を実施するなど、離職を防止して定着を図るための施策を講じてまいりたいと思っております。

○福島みずほ君
 前回の答弁から余り変わってないような気もしますが、もう少し踏み込んでお願いします。
○政府参考人(松谷有希雄君)
 新人看護職員の離職防止ということは看護師の確保の上で大変大事でございまして、今更なる答弁を求められましたけれども、看護職員についての人材確保法の趣旨に基づきまして今まで行っていた事業を更に充実するとともに、今、新人看護職員あるいは基礎教育といったようなことについての検討もスタートしているところでございまして、そこらでもいろいろな提言がなされると思いますが、それらを踏まえて更に前向きに進めていきたいと思っております。

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◆小児緊急の在り方について◆

○福島みずほ君
 小児緊急の在り方について、この委員会で大変議論になりました。
 小児緊急の実態把握なんですが、緊急相談事業の実施都道府県数は三十県、うち二十六県は国から補助金があり、看護師が相談対応を行っている県が十九、二十四時間体制で実施している県の数はわずか大阪と大分だけです。現在は国からお金が出て、二十六の都道府県が小児緊急相談医療を既に行っているわけですが、依然医師不足により対応し切れないなど、整備されていない部分も大きいです。
 そこで、小児緊急相談事業において看護師が相談対応を行う認定看護師制度の導入、あるいは現在二つの県しか二十四時間電話相談を行っていませんが、これをもっと拡張していくなど、きちっと制度化したらよいと考えますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(松谷有希雄君)
 御指摘の小児救急電話相談事業でございますが、これにつきましては、医師のみの対応が難しいなど、地域の実情によりまして、看護師等、医師以外の者が電話相談に一時的に対応する場合においては、小児科医師による支援体制が確立されているのであれば看護師による電話相談についても実施できるように指導しているところでございます。
 看護師の中で小児看護の経験が豊富で電話相談における保護者の不安等にも適切に対応できるという方も多いというふうに伺っております。そのような専門的な能力の高い看護師さんについて積極的に活用するということは望ましいものだと考えております。いずれにしても、地域の実情に応じて看護職員の協力も得ながら小児救急電話相談事業の充実を図るというふうにしてまいりたいと思っております。
 また、二十四時間体制等の充実でございますが、小児救急電話相談事業の更なる普及ということから、一つには今御指摘のようにすべての都道府県でまず実施をすること、それから今普及してございます携帯電話から短縮ダイヤル、シャープ八〇〇〇番でございますが、これでアクセスができるようにすること、それから地域の実情に応じた深夜帯での電話相談体制を整備するということで更なる充実を図っていきたいと考えております。

○福島みずほ君
 すべての都道府県で電話相談をやっていくということなどについて徹底した、是非指導とか、指導通知を出してください。お願いします。どうですか。

○政府参考人(松谷有希雄君)
 通知というよりも実際にやっていただくということが大事でございますので、全都道府県でやるように徹底的に指導してまいりたいと思っております。

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◆薬害フィブリノゲンについて◆

○福島みずほ君
 肝炎について改めてお聞きをいたします。
 薬害フィブリノゲンの問題についてです。これは諸外国ではかなり早い段階で問題があるというふうになっていたにもかかわらず、日本では取組が遅かったと。アメリカでは七七年に肝炎リスクの軽減を目的に承認取消しとなりましたけれども、日本はその後も販売が認められております。この薬害フィブリノゲンの問題について、どうお考えでしょうか。

○委員長(山下英利君)
 どなたに質問ですか。

○福島みずほ君
 じゃ、大臣。

○国務大臣(川崎二郎君)
 御指名でございますので。
 医薬品は人体に対する効能、効果があるとともに有害作用は避けがたいものでございます。厚生労働省としては、これまでの医薬品等による健康被害を真摯に受け止め、医薬品の有効性及び安全性の確保に最善の努力を重ねてきたところでございます。
 一方で、C型肝炎の問題、実は今係争中でございます。今承認審査等について原告から国家賠償法上の過失責任を問われております。国としては医薬品の有用性は認められていたものと考えており、今訴訟においてその旨を主張しておりますので、この問題について細かい言及はひとつ御勘弁賜りたいと思います。今ちょうど係争中でそろそろ裁判が出るところでございますので。

○福島みずほ君
 六月二十一日に判決予定です。
 川崎大臣、薬害の問題について、残念ながら、この委員会で繰り返し繰り返し薬害について、この間はアスベストの問題でしたけれども、繰り返し繰り返し国の対応が遅いじゃないかという質問を私たちはしなければならないということが多かったです。今回の医療制度の改革においてもう少し薬害の問題や、もっと議論されてもよかったんじゃないかと思いますが、大臣、この薬害防止のために厚生労働省はこうするという決意を示してください。

○国務大臣(川崎二郎君)
 これは医療制度改革というよりも薬事法改正のときにも御議論を賜りました。
 私ども、国民の皆さん方に、薬というものは効能、効果はあるけれども、片一方で当然有害作用もあると、このことをしっかり周知しながら、そのものに対応する医療機関なりまた薬局なり、そういう専門家がしっかりとした対応をしていかなければならないと、このように考えております。一方で、健康被害を受けたことについて、私ども何回も反省をしながら、体制を立て直したいということで努力してきているところでございます。
 また、今係争中でございますけれども、こうしたものを受けながら、我々も日ごろの仕事、点検をしながらこうしたことを起こさないような努力をしてまいりたいと、こう思っております。

○福島みずほ君
 薬害の問題で共通項は、外国ではもうやめたにもかかわらず日本ではそのまま使い続けて、告知やいろんなことが遅れるということが非常に薬害を生んでいるというふうに思います。これには政官業の癒着やいろんな問題もあるのではないかと思いますが、この点についてはまた後日、薬害防止とそれからこのフィブリノーゲンの問題について、係争中ですが、明確に、外国では使うのをやめたにもかかわらず日本では使っていたという、この問題がありますので、厚生労働省として徹底的にやっていただきたいというふうに思います。

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◆カルテの開示について◆

○福島みずほ君
   カルテの開示について一言お聞きをいたします。
 これは、個人情報保護法により医療機関はカルテ開示に原則として応諾する義務を負うこととされていますが、カルテ開示に関しては平成十五年に指針が示されております。この中で開示を拒み得る場合が掲げられておりますが、これは極力限定的に運用されるべきであることを確認させていただきたい。
 特に、遺族に対するカルテ開示については、開示することで患者本人と医療関係者との人間関係が悪化したり、患者の心理に重大な影響を与えることはないのですから、要求があった場合は原則開示するべきと考えますが、いかがですか。

○政府参考人(松谷有希雄君)
 お尋ねのとおり、平成十五年九月に策定いたしました診療情報の提供等に関する指針におきましては、診療情報の提供が第三者の利益を害するおそれがあるとき、さらに診療情報の提供が患者本人の心身の状況を著しく損なうおそれがあるときには、診療情報の全部又は一部を提供しないことができるとされているわけでございますが、このいずれかに該当しないのであれば、患者本人からの開示の求めがあれば原則としてこれに応じる必要があるというふうに考えております。
 また、五千人以上の個人情報を保有する病院等につきましては、個人情報保護法の規定に基づき、本人からの求めに応じて原則として診療録を開示する義務が課されることとなっております。
 なお、先ほど申し上げました理由によりまして開示を拒否する場合であっても、個々の事例の適用につきましては個別具体的に慎重に判断すべきであること、診療録の開示を拒む場合には、原則として文書によりその理由を示すことなどが必要であるというふうに考えてございます。
 また、患者さんの御遺族に対する診療録の開示につきましては、第三者の利益を害する等のおそれがないのであれば原則として開示する必要があると考えております。ただし、御遺族に対する診療情報の提供に当たりましては、患者さん御本人の生前の意思や名誉等を十分に尊重することが必要であり、各医療機関におきましてはこの点も踏まえて適切に対応していただく必要があるというふうに考えております。

○福島みずほ君
 医療過誤などでカルテが出ない。ですから、差押え的なものをやらないとカルテが出てこないとかという問題もありますので、カルテ開示については、本来なら本法案にカルテ開示の明示については設けるべきであったというふうには思います。また、医療過誤については、参考人の中から無過失責任などを検討すべきだという強い意見が出ました。それは一つの考え方で、遺族の人たちの、あるいは被害に遭った患者さんの救済とお医者さんのやっぱりリスクを冒さざるを得ない点の調整等の制度化について今後是非一緒に協議をしたいと思います。
 高齢者医療制度については、この委員会でも多くの意見が出て、私自身も質問をしてきました。私自身の根本的な疑問は、七十五歳以上でハイリスクの人たちのための集団で制度をつくるということがやはりどう考えても理解ができません。高齢者医療を年齢輪切りにすることは介護保険のエージフリー化の流れと正に逆行をしています。
 一言、医療保険部会などで出ていた六十五歳で区切る案が採用されなかったのはなぜですか。七十五歳がなぜかということをお聞きします。

○政府参考人(水田邦雄君)
 まず、介護保険におきまして被保険者範囲の見直しが課題となっていることは承知しているわけでありますけれども、一方、医療保険におきましては、昭和三十六年以来、まず国民皆保険というのがあったと、その中でこの高齢者の医療費をどのように分担するかということが医療保険においては課題であるということでございまして、介護保険と医療保険ではまず事情が違うという点は強調しておきたいと思います。
 その上で、この社会保障審議会医療保険部会におきまして、年齢につきまして、一つは高齢者の心身の特性、あるいは、まだ元気な方の多い前期高齢者、こういう方々をその支えられる側として位置付けていいのかといった観点から、これはやはり七十五歳以上の者にするべきであるという意見がある一方で、年金制度との整合性、あるいは、七十五歳以上とした場合には、六十五歳から七十四歳の被保険者、保険者間の財政調整の仕組みが非常に複雑なものになるので六十五歳で区切るべきであると、こういったことがあったわけでございますけれども、最終的には、政府・与党の議論を経まして、昨年十二月の医療制度改革大綱におきまして、七十五歳以上の後期高齢者につきまして独立した制度を設けるということになったわけでございます。
 その論拠でございますけれども、これは繰り返し御答弁させていただいておりますけれども、七十五歳以上の後期高齢者につきましては、その生理的機能の低下、あるいは日常生活動作能力の低下による症状が増加すると、あるいは生活習慣病を原因とする疾患を中心に入院による受療が増加すると、こういった特性がございます。その特性に応じたサービスを提供する必要があるということ。
 それからもう一つは、今後、高齢化の進展によりまして七十五歳以上の後期高齢者の給付費が増大いたします。二〇二五年時点では二十三兆円、医療給付費全体の四七%を占めるわけでございまして、限られた財源の中で公費を重点的に投入する観点から、対象者を重点化するという考え方に基づきまして、既に現行老人保健制度におきまして平成十四年度改正によりまして対象年齢を七十歳から七十五歳に引き上げているものでございまして、新たな独立制度におきましてもこの七十五歳以上という年齢区分を踏襲することとしたものでございます。

○福島みずほ君
 長く答弁していただきましたが、なぜ七十五歳かというのはやはりちょっと基本的には分かりません。
 保険者の再編統合についてちょっと細かく聞こうと思いましたが、ちょっと時間がなくなってきました。
 市町村国保間の一人当たり保険料格差の現状、平成十四年は五・四倍ですが、現在はどれだけですか。

○政府参考人(水田邦雄君)
 平成十五年におきます市町村国保の一人当たり保険料は、年間保険料調定額の全国平均値で約七万八千円となってございます。一方、最も保険料が高い保険者の一人当たり年間保険料調定額は約十一万六千円、最も保険料が低い保険者では約二万四千円でございまして、最高を最低で割りますと四・九倍となってございます。
 ただ、これは都道府県別という単位で見ますと、最も高い都道府県で八万六千円、低い都道府県で五万四千円でございまして、一・六倍の差と、このように縮まるわけでございます。

○福島みずほ君
 平成十四年度よりも保険料格差が拡大していないということで、ちょっとほっとしました。
 ただ、今回の法案がもし成立をすれば、広域連合における診療報酬体系も違ったり、あるいは一体保険料がどうなるのかといった地域間の格差の問題もいずれ出てくるのではないかというふうに思っております。
 大臣、最後にというか、もうちょっと時間があるんですが、お聞きしたいのは、私が今回の法案で一番危惧をするのは、社会的入院は問題だけれども、行き場がない人は一体どうするのか。午前中に大臣は在宅を進めたいというふうにおっしゃいました。今、在宅と老老介護は半々だというふうにも言われています。
 ただ、これからいろんなライフスタイルの人がいますので、子供がいない人もいる、子供がいても外国にいるかもしれない、遠くにいるかもしれない。あるいは、離別、死別、夫婦の間でもあるでしょうし、結婚していない人もいるかもしれない。
 そうしますと、在宅で見るということを進めるとしても、面倒を見てくれる人がいない。北海道などでも強く声が出ましたが、吹雪の中、在宅医療とか言われても、掛かれないわけですよね、地域で。つまり、在宅診療の在宅医療支援というのをちゃんとやれる環境がない限り、在宅を進めると言われても、病院はない、何もない、独りぼっちというもう悲惨な状況になるわけです。私は、高齢者の人、病気の人を結局やっぱりほうり出す結果になるこの法案はどうしても、どうしても大きな危惧を感じざるを得ません。大臣、在宅を進めるというのは結構なんですが、在宅を進めることができない、その現実について、どうお考えでしょうか。

○国務大臣(川崎二郎君)
 まず、療養病床の転換については、老健施設等が多いだろうという考え方をいたしております。もう一方で、やはり在宅というものを進めていきたい中で、先ほど国土交通省が来ておりましたけれども、住宅、例えばバリアフリーの住宅とか、そういう形での整備を今国土交通省として急いでもらっております。私どもは、ケアハウスとかグループホームとか、より在宅に近い形、在宅といってももう全部家かと言われると確かに違います。在宅の形の環境に近い形のものを我々は積み上げながら、その中で自分たちの住みかとして選んでいただくというものをしっかりつくり出していくということが一番大事だろうと。もう御指摘いただいたように、追い出しにつながらないようにしっかりやりたいと思います。

○福島みずほ君
 バリアフリーの家は結構なんですが、そもそも在宅医療支援がなければ病院を出ても行き場がないというふうに思います。
 大臣ははっきりと保険免責反対ということをこの間明言をしてくださいました。厚生労働省も国民皆保険を守るという強い立場から、保険免責反対ということでよろしいですね。
 最後に決意表明してください。

○国務大臣(川崎二郎君)
 何回か申し上げてまいりました。そして、衆議院での審議、そして参議院でこれほど皆さん方からいろいろ御意見いただいております。私が立場を変えることはあり得ない、保険免責制度については私の立場としては反対と申し上げてまいります。

○福島みずほ君
 終わります。

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◆反対討論◆

○福島みずほ君
 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、政府提出の健康保険等の一部を改正する法律案及び医療法等の一部を改正する法律案について反対討論を行います。
 政府提出の法案は、明確に欠陥法案です。与党の議員も、そして与野党を問わず、参考人、公述人の人たちも政府提出の法案に懸念を表明し、あるいは明確に批判をしました。これだけ問題があることが与野党間で明らかであるにもかかわらず、採決の段階に至ったことは極めて残念です。
 反対の第一の理由は、医療給付費の削減や特定療養費制度の改変による混合診療の拡大などによって、国民の共通財産である国民皆保険制度が縮小させられ、さらに医療に所得格差が持ち込まれることです。
 更なる医療費抑制政策は、国民、患者、医療現場、地方に負担を押し付けるばかりではなく、小児緊急医療、産科医療の不足、医師の偏在、多発する医療事故、医療従事者の労働条件の悪化と士気の低下など、既に危機的な状況にある諸課題を取り返しの付かない事態へと追いやるものです。
 第二の理由は、高齢者及び重症の患者に対する負担の押し付けと医療の切捨てです。  高齢患者の窓口負担割合の引上げ、高額療養費支援の縮小、療養病床における食費、居住費の自己負担化など、何重もの負担は高齢者の家計を直撃し、患者が必要な医療を受けることを困難にします。
 第三の理由は、地域の受皿が担保されないまま三十八万床の療養病床を六年間で六割削減することです。
 在宅医療の構築、老人保健施設の拡充など、確実な社会基盤の整備なしに数量のみの機械的な削減が行われれば、多くの医療難民、介護難民が発生することは明らかです。また、介護型療養病床の全廃、老人保健法の実質的な廃止が昨年の介護保険法改正の際には全く示されず、今回のような形で行われることは断じて許されません。
 第四の理由は、保険制度を逸脱した高齢者医療制度の新設です。
 負担増を労働で補うことのできない七十五歳以上の高齢者に新たな保険料負担を求めることは、そもそも無理です。しかも、保険料を滞納すれば保険証は取り上げられるのです。また、リスクの高いものを一くくりにして新たな診療報酬体系を設けることは、厳しい財政状況にあって医療内容の引下げにつながる危険があります。
 さらに、後期高齢者医療制度支援金、前期高齢者医療制度納付金などの特定保険料は、現役世代に給付を伴わない保険料負担を強制的に課すものです。しかも、将来的に増加する特定保険料には上限が掛かっておりません。
 第五の理由は、生活習慣病対策として健康診断や保健指導を全面的に組み替え、外部委託を可能にし、民間企業に市場を拡大させていることです。予防、公衆衛生を保険財源で行えるようにしている点も非常に問題です。
 厚労省が生活習慣病対策の診断基準としてメタボリックシンドロームに重点を置いていることにも大きな疑問があります。メタボリックシンドロームについては、既にアメリカ、ヨーロッパの学会が批判的に吟味すべき、科学的エビデンスがないと指摘し、本年四月の日本内科学会総会でも異論が続出しています。国民の健康不安をあおり、エビデンスに基づく適切な健康診断、健康指導が行われなければ国民は健康を害し、医療費の増大は避けられません。
 医療改革において最も優先すべきは、国民の立場に立った医療の中身の改善と医療提供体制の充実、そして国民の信頼を得る医療保険制度の構築です。
 しかし、政府案には国民の医療、健康に対する明確なビジョンも戦略も何ら示されておりません。医療は命に直結をしています。命に関する格差拡大を生み、国民の命を軽視する政府案には断固として反対をいたします。
 小泉構造改革のこの五年間の間に、健康保険の改悪、そして年金の改悪、去年は介護保険の改悪、障害者自立支援法案、そして今回は医療の改悪、負担増、そういう事態を迎えました。福祉の切捨てをし格差拡大をしていく、その最後の総仕上げとして医療制度改悪法案が成立することには断固として納得できません。
 以上で反対討論といたします。


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