参議院 厚生労働委員会 2006年6月6日
◆健康保険法等の一部を改正する法律案・良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案に対する審議
◆イギリスアメリカでの医療費抑制政策失敗について◆
◆介護保険改定後の調査について◆
◆高齢者自己負担の影響について◆
◆高齢者医療制度について◆
◆C型肝炎の治療拡充について◆
◆イギリスアメリカでの医療費抑制政策失敗について◆
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
まず冒頭、先日の参考人質疑の中で、医療崩壊ということが参考人の中から指摘をされました。小松参考人がアメリカ、イギリスのように医療費削減、抑制策を取った結果について医療崩壊が起きたことを指摘をされました。
それで、一番初めにちょっと漠然とお聞きをいたしますが、大臣に、今回の医療改革により、医療費抑制が非常に大きな課題と言われておりますが、先に医療費抑制を実施し失敗例の多いイギリス及びアメリカの医療の前例についてどのように見ていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(川崎二郎君) イギリスとアメリカの例を質問されました。
イギリスにおいては、医療サービスの供給が国の責任で行われ、その費用の大部分が国の一般財源によって賄われるというNHS、国民保険サービス方式の下、一九八〇年半ばから支出の伸びを抑制したことなどから、診療待ちの患者の行列、入院待機患者の増加、年度末の病院閉鎖等の大きな弊害が生じ、社会問題化したため、近年は医療予算の伸びを従来より拡大する方向と承知いたしております。
他方、アメリカについては、六十五歳以上の高齢者と障害者を対象としたメディケア、低所得者を対象としたメディケードを除き、公的な医療保障制度は存在せず、総人口の約一五%に当たる約四千五百万人が公的医療保障制度が適用されず、民間医療保険にも加入してないという無保険者であり、長年にわたり社会問題となっていると承知しております。
いずれにしても、我が国においては急速な高齢化の進展により医療費の増加が見込まれる中、国民の安心の基盤である国民皆保険制度を堅持する、ここがアメリカ等との最大違いだろうと思います。
将来にわたり持続可能な制度としていくため、安心、信頼の医療を確保しつつ、給付と保険料、税といった負担の均衡を図り、医療費を適正化していく必要があると認識しておりますし、私自身担当いたしておりまして、諸外国から日本の介護保険制度そして医療制度を御評価いただいている、海外から見た場合ですよ、評価いただいている人たちは多いだろうと。しかし、国内的には様々な御議論をいただいていると認識をしております。
○福島みずほ君 もちろん日本の医療制度には多くの課題がありますが、ただ、医療費抑制策をやったイギリスで医療崩壊が起きて医者が逃げ出してしまった、アメリカにおいて国民皆保険制度でないために何千万人という人たちが保険を持ってないと、すさまじい状況があるわけです、今大臣がおっしゃったように。
日本において、医療費抑制策、あるいは医療費適正化計画という中で、お金のない人間が病院へ行けない、お金がない人間が退院をせざるを得ないという事態が生じないようにということを思っております。大臣、その点についてもう一回決意をお願いいたします。
○国務大臣(川崎二郎君) いつも私申し上げていますとおり、我々団塊の世代、来年から六十になります。社会保障制度の中でお世話になる段階を迎えつつある。
一方で、我々の数が極めて大きいものですから、そうした時代、若者に負担してもらわなければなりませんけれども、若者の負担がどのぐらい耐えられるかというものを常に見通しをしながらやっていかなきゃならない。その中で、正にお年寄りの皆さん方、若者もこういう医療制度ならばお互いに協力し合おうという制度をつくっていかなければならないんだろうと、このように思っております。その一番柱が国民皆保険制度でございますから、みんなで負担をし合いながら、そして譲り合いをしながら、この制度をやはりしっかりとしたものにつくり上げていかなきゃならない、また直すべきものは直していかなければならないと、このように思っております。
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◆介護保険改定後の調査について◆
○福島みずほ君 社民党は、今回の高齢者自己負担増、制度設計についてやはり医療を壊すものであると反対をしております。
ところで、介護保険の改定でホテルコストなどの上昇により、特養老人ホームから出なければならない人が出たか、ショートステイを手控える人が出たのではないか、その調査をどう行っていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(磯部文雄君) 昨年十月の施行の食費、居住費の見直しにおきまして、介護保険施設等における食費、居住費についての在宅の方との公平性の観点から保険給付の対象外としたところでございます。
その後の実施状況でございますが、例えばある市で九月一日から十月末までの退所状況につきまして、ちょっと大きな市ですが、百二十七の介護保険施設、特養老健、療養型三つですが、について、十一月一日付けで調査をした例がございます。それによりますと、入居者七千八百二十二人のうち、二か月間で退所した方が八百人、居住費、食費が一つの理由で退所された方が十四人でございます。十四人の中で十三人が第四段階以上の課税層で、在宅に戻って介護を受けておられます。また、一人が第三段階の方で、老健の個室でおられましたけれども、選択の上、多床室への移動を断って退所されたというような例になっております。
その後、各地方公共団体が行いました退所者調査に関する情報を収集してみましたけれども、今の例も十四人のうち十一人が老健施設でございますが、老人保健施設からの退所者数が大半でございまして、御承知のとおり、老人保健施設は在宅復帰施設でありますので、元々短期間での退所を予定していた方が多いんではないかと考えられます。また、退所後に他の介護施設に移っているといった方も相当おられますし、また、自宅に戻った方も在宅での介護が可能な方で、その他の事情もあって退所した人が含まれているということでございます。
また、施設の総定員数から見ると退所者数は非常に少数に限られるといったことから、施設給付の見直しによって経済的理由でやむを得ず介護保険施設から退所せざるを得ないケースはほとんどなかったものというふうに考えております。
○福島みずほ君 ほとんどなかったものということですが、私たちのところには違うデータが来ております。
例えば宮城県は五月十九日、昨年十月からの介護保険施設の食費、居住費の自己負担化により、県内四十五施設百五十二人の利用者が自己負担の増加を理由に退所したとする調査結果を公表しております。調査期間中の退所者総数の六%と割合は低いですけれども、実際百五十二人が自己負担増で退所をしていると。この中で、県はこの調査結果を厚生労働省老健局に提出、負担軽減措置の対象となる第一―第三段階のいわゆる低所得者でも自己負担増を理由に退所しているということがあります。
全国的な利用者負担の実態調査というのはやっていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(磯部文雄君) 今の宮城の例はちょっと私の手元の資料にはございませんが、先ほど申し上げましたように、この退所者の調査というのは、さらに、先ほども申し上げたように一つの理由として居住費、食費が理由であるけれども、ほかの理由もあるといったこともございまして、相当アンケート調査としては難しいものでございます。
そういう意味で、またちょっと宮城の例も調べたいと思いますが、そうした地方公共団体からの情報収集で一定の傾向を把握していると考えておりまして、全国調査はしておりません。
○福島みずほ君 全国調査をすべきではないですか。また、退所する理由は複数あるかもしれません。しかし、自己負担増で退所をしたのがどれぐらいの割合なのか。それが物すごく高くなくても一定数の人々が自己負担増を理由に退所をしたということが重要だと思います。
この介護保険については附帯決議が付いていて、そういう経済的な理由で退所者が出たり、行き場を失う人がないようにというのが付いていたと思いますが、全国調査をやるべきではないですか。
○政府参考人(磯部文雄君) 繰り返しになりますが、地方公共団体との情報収集によりまして一定の傾向を把握しているつもりでございますし、また、それ以上のなかなか詳細な情報を得るのは困難であるということ、それから、個別の具体ケースにつきまして各保険者の相談窓口でまず対応してもらいたいというようなことから、国が直接調査を行うことは考えておりませんが、今御指摘のちょっと宮城県の例については調べたいと考えております。
○福島みずほ君 問題です。この委員会の中で、ホテルコストなどをすることで出ていかなくちゃならない人がいるのではないかと野党はそれぞれ質問をしました。それについて国が責任を持って実態調査をしないのであれば実態は出てきません。私たちのところに障害者自立支援法案や介護保険の結果、困っているということが、いろんな声が寄せられます。厚生労働省こそ、この厚生労働委員会の審議を受けて、附帯決議を受けて、質疑を受けてつくったわけですから、全国調査をすべきだと考えます。
今回、ホテルコストが医療制度改革の中に入っているからこそ質問しています。全国調査をすべきじゃないですか。
○政府参考人(磯部文雄君) 繰り返しになりますが、私どもとしては、地方公共団体との情報収集等によりまして、それのみが理由で出られている方はほとんどないと承知しておりますし、調査の実際の難しさからも現在直接行うことは考えておりません。
○福島みずほ君 このことで時間を割くのはちょっともったいないですが、そのことだけではなくて複数の理由でもいいんですよ。自己負担増も理由で退所した人がどれぐらいいるか、四十七都道府県すべて老健局に上がってきていますか。
○政府参考人(磯部文雄君) すべてで実施しているわけではないと思いますので、全部を把握しているわけではございません。
○福島みずほ君 幾つ上がっていますか。
○政府参考人(磯部文雄君) 手元にある資料では十六県でございます。
○福島みずほ君 是非全国調査をするようにお願いします。つまり、この厚生労働委員会で多くの議員が懸念を表明をいたしました。今回、医療制度でホテルコストやるわけですから、実際どのような結果があったのか、責任を持って調査をすべきです。十七の結果について資料をいただけるものと思っておりますし、また、ほかの点について統一的な調査、お願いいたします。これのみが理由でないというのは全くおかしいです。お金がなくて退所をしなくちゃいけない高齢者がいることは重いと思います。今回、そのことを踏まえて、むしろ病院の中での負担増についての議論もすべきであるというように考えます。
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◆高齢者自己負担の影響について◆
○福島みずほ君
ところで、高齢者自己負担の影響について、更にお聞きをいたします。
医療と介護負担の合算制に関し、上限額を超えた費用負担はどのように保険者が支払っていくということになるのでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 医療保険と介護保険の自己負担の合算額が著しく高額になる場合の対応ということでございまして、平成二十年度から、介護保険受給者が存在する医療保険各制度の世帯につきまして、医療と介護の自己負担の合算額が負担限度額を超える場合に、被保険者の申請に基づいて、その差額を医療保険者から支給することとしてございます。
負担限度額につきましては、七十五歳以上の一般所得者につきまして年額五十六万円とすることを基本に、医療保険各制度や所得区分ごとの限度額を踏まえましてきめ細かく設定することを考えてございます。
お尋ねの、この自己負担限度額を超えた分の給付に必要な費用につきましては、医療と介護の自己負担額の割合に応じて医療保険者と介護保険者が案分してそれぞれ負担するということを考えてございます。
○福島みずほ君 具体的にどういうふうになるんでしょうか。例えば、政府・与党大綱では「入院に係る医療費については、医療機関の窓口での支払いを自己負担限度額にとどめることを検討する。」とされておりますが、具体的な手続はどうなるのでしょうか。例えば、いったん払って求償していくのか、それとも窓口でその限度額ということでとどまるのか。いかがでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 政府・与党の改革大綱におきまして、入院の医療費につきまして「窓口での支払いを自己負担限度額にとどめることを検討する。」ということになっているわけでございます。これは入院の場合でございますんで、先ほどの医療と介護の合算制度とはまたこれ全然別の問題でございます。一つの医療機関にずっと入院されている方についての特例でございまして、これにつきましては、来年の四月から、患者の窓口での負担を軽減するために、入院して高額な医療費が掛かった場合には、この医療機関の窓口での支払を高額療養費制度における自己負担限度額にとどめまして、償還払いされる分を支払う必要はないようにしたいと考えてございます。
具体的な手続でございますけれども、これは被保険者の事前の申請に基づきまして、一医療機関ごとの入院費用の支払を被保険者の所得区分に応じた自己負担限度額にとどめることといたしまして、その自己負担限度額を超えた部分については保険者から医療機関へ直接支払う方向で検討しているわけでございます。
事前にこの申請に基づいてと申しますのは、各病院におきましては、その被保険者の所得の水準が分からないわけであります。高額療養費は御存じのとおり所得区分ごとに変わっておりますので、まず事前に申請していただいて所得区分を確定して、その上で病院が計算できるようにするということからこうした手続が取られているわけでございます。
なお、この制度の利用に当たって、所得制限を設けるということは考えてございません。
○福島みずほ君 ちょっとよく分からないので、例えば車いすやいろんな人たちからも言われるんですが、いったん払って、例えば八十万、で、償還は後で受ける。でも、八十万のお金を払うのがとても大変だという声をいろんな人から聞きます。難病の場合やいろんなことも、最終的には償還を受けるんだけれども、窓口で八十万とか五十万、そのお金が払えないという声を大変聞くんですね。だからこの質問をしているんですが、具体的に、いったん払うんですか、それとも払わなくてもいいんですか。
○政府参考人(水田邦雄君) 入院の場合でございますけれども、窓口で払う必要はなくなる、その部分についてですね、それは払う必要はなくなるということでございます。
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◆高齢者医療制度について◆
○福島みずほ君 次に、資格証明書の問題についてお聞きをいたします。
新たに設けられる後期高齢者医療制度のことなんですが、現行の国保においては、資格証明書交付者は窓口でいったん全額を支払って、後に保険給付分七割が償還されることとなりますが、その分も未納保険料に充当されることが多く、一度の高額の治療費を払えない人が大変苦しい思いをしております。さっきとちょっと共通のことですけれども。
この点につき、よりきめ細かい低所得者への配慮を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。これはどうなるのでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) まず、現行の国民健康保険制度における資格証明書制度についてでございますけれども、これは被保険者間の公平を確保すると。これは、国保も相互扶助の制度でありますので、国民皆保険を維持するためにはやはり保険料を払っていただくということが基本でありますので、そういった公平を確保する。それから、一年以上の滞納状態の続く被保険者に対しまして、保険者の窓口に来訪してもらって給付相談の窓口の機会を増やすと、こういう目的から行っているものでございます。
これによりまして、保険者におきましては、接触の機会を増やして、保険料を少しで納めていただけるように個々の被保険者の状況に応じたきめ細やかな納付相談を行うように指導してきているところでございます。
また、低所得等の事情のある被保険者の方々につきましては、保険料を軽減するほか、保険料を納付することができない特別な事情がある場合には資格証明書を交付しないなどの措置を講じているところでございます。
逆に言いますと、こういった特別の事情がない場合で御負担いただけるような方につきましては、これはやはり御負担していただくのが原則でございますので、一年以上滞納状態が続けばこの資格証明書を交付すると。したがって、窓口でいったん全額を払っていただく、そしてその後で七割を償還するということでございます。
これは、この制度自体、保険料収納確保のために有効な施策であると、こういう御意見、保険者から聞いているところでありまして、今後とも各市町村において適切な運用が行われるように留意してまいりたいと考えてございます。
それに続きまして、委員の方から後期高齢者医療確保法においてもこれがあるじゃないかということを御指摘になったと思いますけれども、それも正に御説のとおりでございまして、後期高齢者お一人お一人に被保険者として保険料を御負担いただくということにしてございますので、被保険者間の公平性と制度の安定性を確保するという観点から、保険料を特別な事情なく滞納された方々につきましては、国保と同様に資格証明書を発行し、償還払いによる給付を行うこととしてございます。
○福島みずほ君 資格証明書交付はだから一定前進なわけですが、やっぱり問題点はいったん全額払わなくちゃいけない。後で償還を受けるんですが、多くの人はそのいったん全額払うというのがなかなかできないという声がありまして、低所得者への配慮はどのようにきめ細かく行われるかが重要だと思います。
高齢者医療確保法では、第五十四条において政令で定める事情がある場合は保険証の取上げを猶予することとしていますが、どのような場合を想定していますか。
○政府参考人(水田邦雄君) 特別な事情ということでございますけれども、国保と同様の事情とする方向で検討してございまして、具体的には、世帯主がその財産につき災害を受け、又は盗難にかかったこと、二つ目に、世帯主と、その者と生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷したこと、三つ目に、世帯主がその事業を廃止し、又は休止したなどの事由がある場合とすることとしてございます。
それで、この後期高齢者医療制度におきましても、低所得者対策ということで、保険料につきまして、まず応能保険料につきましては所得額に応じた低い額若しくは対象外にするということがございますし、応能保険料につきましても軽減措置を設けることとしてございます。
○福島みずほ君 ちょっと、低所得者に対する十分配慮した運用になるのかどうか、もうちょっと、もう少し詳しく話してください。
○政府参考人(水田邦雄君) それは、低所得者に対する対策そのものは、これは法定をいたしますので、どのくらいの所得であれば軽減措置をどのように講ずるかということは、これは、そういう軽減措置を講ずるということ自体はまず法定でございますけれども、具体的にはそれぞれ保険者にゆだねられている部分もありますが、いずれにせよ、決められたそういった制度を適用するということについて丁寧に被保険者に説明をするようにという指導をしていきたいと、このように考えております。
○福島みずほ君 でも、丁寧に説明されても払えないものは払えないということはあると思うんですね。
ですから、これは、今回は、幾らかということやどういうものを低所得者に対して配慮した運用をするかは書き込まれてないんですけれども、この点について不安が大変あるわけです。いったん、政令で定める事情がある場合は保険証の取上げを猶予すること、これがどの程度、なるのかという政令の中身とか、ですから、この点について問題があるということを指摘をしておきます。
ちょっと質問が、ちょっともう一つ、一つ前に戻って、高齢者自己負担の影響についてもう一つだけ質問をさせてください。
上限額ということについて、どの程度でしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 上限額と申されましたのは高額療養費の上限額のことでございますか。これは、年齢で、平成二十年度以降になりますけれども、七十五歳以上の方でありますと、一般の方の場合には高額療養費の定額部分が八万百円プラス一%、それが、多数該当と言っておりまして、三か月以上続きますと四万四千四百円に固定される。それから、外来につきましては四万四千四百円というのが個人ごとに定められております。
全体の自己負担限度額について言いますと、一般所得者につきましては四万四千四百円、低所得者、住民税非課税の方につきましては二万四千六百円、さらに低所得者の中でも年金収入が八十万円以下の方につきましては一万五千円と、こういう数字でございます。
外来につきましては、先ほど現役並み所得四万四千四百円申し上げましたけれども、一般は一万二千円、低所得者につきましては八千円と、こういった水準で考えてございます。
○福島みずほ君 上限額を超えた費用負担をどのように保険者が支払うのでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 上限額を超えた部分は保険者が保険給付として高額療養費でありますとしてお払いをすると、保険料財源で基本的に賄われるということでございます。
○福島みずほ君 これについては、保険ごとの独立性や、そういうものはきちっと保たれるということでよろしいのでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 保険ごとの独立性と、あれでございますが、現役制度でありますればそれは保険制度として完結をしているわけでありますが、後期高齢者医療制度について申し上げますと、それは随分いろいろ申し上げていますように、高齢者の保険料が一割、それから現役の制度からの支援金が四割、公費が約五割と、こういう関係で費用の持ち合いがなされるわけでございます。
○福島みずほ君 私は、世代間におけるある種の支え合いはもちろん必要だと思うのですが、ただ、保険制度ではなくて支援金という形になっていくことが保険制度という形からいいのかどうか。税金と保険との関係がだんだん不明確になっていっているのではないかということをちょっと危惧をいたします。
目的規定にある、これは大臣にお聞きをしたいんですが、目的規定にある国民の共同連帯等の理念というのは何でしょうか。大臣はこれまでの答弁の中で社会連帯ということを使っていらっしゃいますけれども、社会連帯と国民の共同連帯の違いは何でしょうか。
○国務大臣(川崎二郎君) 例えば私が七十五歳になったときに二千万人を超える後期高齢者になる。当然、今は千二百万人を想定していますから、掛ける人たちは増えてきますよね。掛ける金額が今は一割ですけど、一割以上になります。ですから、まず我々は払うという前提の中で、しかし我々の負担だけでは、また税が足されたとしてもこの保険制度というのはもたない。したがって、若者に支援をしてもらおうという中で仕上がっていると。そういう意味では、世代間の応援し合いの中でこの制度ができ上がっておると思いますので、そういう意味では、国民全体が協力し合うというシステムの中で後期高齢者医療制度というのはでき上がっていますと。
特に若者に対して、七十五歳以上のお年寄りに対する支援はみんなで幾らやっているんですかということを明確にしようということが今回の最大のねらいだろうと思っております。
○福島みずほ君 今、私がお聞きをしたかったのは、実は社会連帯というのと共同連帯ということに意味の違いがあるかということと、保険ではなくて支援金という形でやることで、ある意味保険料が税金化するような面があるのではないかという点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(川崎二郎君) 支援金自体も、各個人個人が納めた保険料の中から保険者が支援をしてもらっているということでございますから、保険制度全体の運用になる、国民皆保険制度全体の運用からなっている。
それから、共同連帯と……
○福島みずほ君 社会連帯。
○国務大臣(川崎二郎君) 社会連帯、さあ、そこにどういう違いがあるのか、私はよく分かりません。
○福島みずほ君 大臣が共同連帯ではなく社会連帯というふうに使っていらっしゃるので、その意味。それから、この後期高齢者の制度そのものがきちっと成り立っていくのかどうかということに大変疑問を持っております。
後期高齢者診療報酬については前回もお聞きをしましたが、改めてお聞きをいたします。
昨年十二月の政府大綱においては、「後期高齢者の心身の特性等にふさわしい医療が提供できるよう、新たな診療報酬体系を構築する。」とされています。この中では、終末期医療の在り方についての合意形成もうたわれております。与党大綱の該当箇所は、新たな体系においては、終末期医療の在り方についての合意形成を得て、患者の尊厳を大切にした医療が提供されるよう、適切に評価をするというふうになっております。
私が一番違和感を持って理解できないのは、七十五を境目にして診療報酬体系が全く変わること、七十五歳になったときには後期高齢者の心身の特性等にふさわしい医療が提供できるとなって、患者の尊厳を大切にした医療が提供されるよう適切に評価をするというふうになっているわけです。言葉を換えて言えば、後期高齢者になったら、本人の意思、希望とは無関係に、これまでの医療サービスとは質的に異なる医療を提供しようという発想なのか、仮にそうだとすればその合理的根拠は何なのか、説明をしてください。
○政府参考人(水田邦雄君) 今、患者の尊厳を大切にした医療が提供されるようということで、個人の意思と無関係に医療サービス、医療保険サービスを提供しようということじゃないかという御指摘があったわけでありますけど、医療サービスは後期高齢者に限らず患者の意思を尊重して行われるべきものでございますので、患者本人の意思と無関係に質の異なった医療を提供するということを義務付けるようなことは、これは考えていないわけでございます。
○福島みずほ君 しかし、この審議を通じても、なぜ七十五歳を境にこういうふうに診療報酬体系が変わるのか理解できません。七十五歳まで生きれば個人差の方がはるかに大きいし、そこで、ようかん切るみたいにぱちっとそこで変わるということはないだろうというふうに思って、私はまだ理解ができないところです。
今年の診療報酬改定で、従来、老人診療報酬点数表が一般の診療報酬点数表と別立てとされていたのを改め一本化したことと矛盾を来すということはないでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 今回の診療報酬改定におきまして、従前の老人診療報酬の中で、一般と同じものは大変これ多いわけでありますけど、多いそういう同一のものにつきましては、これは簡素化する観点から一本化をすると、高齢者の心身の特性を踏まえて引き続き存続させることが適当なものは、これは存続させるということでございまして、正に新たな診療報酬体系の提案というものがなされたわけでございますので、それを前提にいたしまして、その事前の措置として、ただいま申し上げましたような整理を行ったところでございます。
○福島みずほ君 よく分かりません。一般といわゆる高齢者と分かれていたのが今年の診療報酬改定により一本化されたと。にもかかわらず、平成二十年度に再び一般と高齢者が分かれることが提言されるということがやっぱりよく分からないですね。
○政府参考人(水田邦雄君) この後期高齢者につきましては、新たな診療報酬体系を構築するという課題が昨年十二月の医療制度改革大綱で定められたわけであります。
それにつきましては、今後検討することになるわけでありますが、その事前の措置として、現行の老人診療報酬について、一般と同じものはこれは簡素化をする、同じでないものは残す、こういった整理を行ったわけでございます。
○福島みずほ君 やっぱり分かりません。なぜ一本化したのをもう一回分けるのか。それから、与党大綱でも、ちょっと戻って済みませんが、私は七十五歳以降の人は今切ない気持ちが少しするんではないかと思うのは、終末期医療の在り方についての合意形成を経て患者の尊厳を大切にした医療が提供されるよう適切に評価すると。
ただ、終末期医療が必要なのは、二十歳でも三十歳でも四十歳でも五十歳でも六十歳でもこれあり得るわけです。ホスピスに入るのは別に七十五歳以降とは限らない。がんでホスピスに入る人だってたくさんいらっしゃるわけですから。だとすると、なぜ七十五歳を超えて後期高齢者になった途端にこう、終末期医療の在り方についての合意形成を経て、患者の尊厳を大切にした医療が提供されるというのが出てくるのか。それはいかがですか。
○政府参考人(水田邦雄君) それは、後期高齢者につきましてはこういった終末医療というものが大変多いわけでございますので、それについてやはり正面から考える、考えた上で診療報酬を設けるということがこの年齢層については必要なんじゃないかということでこういった政府・与党の指摘があったものと考えております。
○福島みずほ君 私は、今回の医療制度のこの後期高齢者、前期と分けて、特に後期高齢者診療報酬体系を根本的に変えてしまう。そして、そこに入ると終末期医療の在り方についての合意形成を経てと変わっちゃうわけですね。これは実は私は一番理解ができないところで、一歩間違えると、現代版うば捨て山ではないですけれど、七十五歳を区切ってなぜ報酬体系を変え、ここから終末期医療が出てくるのか。先ほどからも出ておりますが、生活習慣病であれ終末期医療であれ、年齢に関係ない、若いときからずっとこれは必要なことで、どの年代の人も死を迎える可能性があって、終末期医療は関係があるわけです。七十五歳になった途端に終末期医療で別の報酬体系でと言われたら、元気な七十五歳は怒るというか、やっぱりこれは根拠がないというふうに思います。年齢を区切ることのおかしさというのがやはり全く納得がいきません。個人差の方がはるかに大きいわけで、七十五歳以上で元気な国会議員なんて山ほどいるわけですから、これはやっぱり非常におかしいというふうに思います。
それで、後期高齢者の診療報酬の在り方について、一部報道で疾病ごとの定額制、かかりつけ医の登録患者数に応じて報酬を決める人頭払い制など具体的な内容が報道されておりますけれども、既に方向性は固まっているのでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 後期高齢者の新たな診療報酬体系につきましては様々な考え方が、今、ただいま委員からもいただいたわけでございますけれども、考え方があろうかと思いますが、現時点におきまして厚生労働省といたしまして御指摘の記事にあるような人頭払い制あるいは疾病ごとの定額制などといった具体的な支払方法を採用すると、こういった方針を固めたという事実はございません。
○福島みずほ君 では、これは誤報なんでしょうか。あるいは、将来こうなることはないのでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 私どもがこういった支払方法を採用する方針を固めた事実はないわけでありますので、もしそれがあるというんであれば、それは誤報になるわけであります。
○福島みずほ君 じゃ、質問を変えます。
将来、疾病ごとの定額制、かかりつけ医の登録患者数に応じて報酬を決める人頭払い制などはオプション、選択肢として検討されていますか。
○政府参考人(水田邦雄君) いずれにしても、まだ具体的な検討には入っておりません。
○福島みずほ君 具体的でなくても、選択肢としてありますか。
○政府参考人(水田邦雄君) 選択肢として整理する場合には、それは一つそういう形でお出しをするということじゃないかと思います。プロセスで、この間も申し上げましたけれども、手順としてやはりこういうものにつきましては事前に考え方をお示しし、御議論を経た上で決めていくというプロセスを取っていこうと思っております。
○福島みずほ君 なぜしつこく質問するかといいますと、後期高齢者の診療報酬体系を違うものになるということで、不安が大変あるからです。今後どのような場で後期高齢者の診療報酬の在り方を検討していくのでしょうか。その際、後期高齢者の利益を代表する者の参画を確保すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、終末期医療そのものは後期高齢者に限定せず、より広い世代にかかわる問題として国民的に検討されるべきだと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(水田邦雄君) この後期高齢者の診療報酬の在り方にとどまらずでございますけれども、この診療報酬の決定の在り方ということにつきまして、昨年七月にこれは中医協改革ということで中医協の在り方に関する有識者会議というものが報告書をまとめたところでございまして、診療報酬改定に係る基本的な医療政策の審議につきましては中医協以外の厚生労働大臣の下の諮問機関において検討を行うと。そこで診療報酬改定に係る基本方針を定めて、中医協においてはその基本方針に基づいて具体的な点数設定に関する審議を行うこととしてございまして、ケースは違いますけれども、考え方としてはこういった流れに即したものになるんじゃないのかなという気がいたします。
十八年度改正におきましては、基本方針を審議いたしました社会保障審議会がこの基本方針を審議したわけでございますけれども、その関係部会には老年医学の研究者が参画しておられます。また、具体的な点数設定に係ります審議を行った中医協におきましても老人診療報酬の分野の専門委員二名の参画を得て検討を進めたところでございます。
こういったプロセスを経て十八年度の診療報酬改定を進めたわけでありますし、今後についても基本的にはこういう形を踏まえて検討体制について今後検討していきたいと、このように考えてございます。
当然ながら御指摘の高齢者の意見が審議に反映できるような、そういう点につきましては十分意を用いてまいりたいと、このように考えております。
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◆C型肝炎の治療拡充について◆
○福島みずほ君 次に、C型肝炎の治療拡充についてお聞きをいたします。
我が国でのC型肝炎患者は百五十万人とも二百万人とも言われております。また、日本の肝がんの八〇%はC型肝炎が原因であり、日本では毎年約四万人が肝がんで亡くなっております。こうした現状を考えたとき、C型肝炎の治療体制拡充のため、国として積極的に推進していくべきと考えますが、いかがでしょうか。具体的にどのような施策をなさるおつもりでしょうか。
○政府参考人(中島正治君) C型肝炎につきましては、これまでも国民に対しての普及啓発、それから診療体制の整備など様々な対策に取り組んできたところでございますけれども、近年新たな治療法が開発をされるなど、肝炎診療を取り巻く状況も変化をしてきたということから、平成十七年の三月に専門家会議を開催をいたしまして、更なる推進方策について御議論をいただき、同年八月に報告書が取りまとめられたところでございます。
この報告書の中におきまして、C型肝炎診療の地域の偏在等が問題点として指摘をされていることを踏まえまして、地域の実情に応じてC型肝炎診療体制の充実が図られますよう都道府県等において地域の保健医療関係者から成るC型肝炎診療協議会を設置をいたしますとともに、C型肝炎治療の均てん化が図られますよう、その診療体制にかかわる対策について専門的な協議を行う全国C型肝炎診療懇談会を、これは厚生労働省として開催をすることとしております。
以上のような取組を行っております。
○福島みずほ君 インターフェロン治療の医療費として保険適用された場合であっても、毎月自己負担額が月七万円ぐらいになると言われております。インターフェロン治療は一年間治療が必要ですけれど、ほとんど補助されないのが現実です。この点についていかがお考えでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) インターフェロンを用いたC型肝炎治療の医療費は患者の状態によりまして様々でございますけれども、いろいろ前提を置きながらインターフェロン療法六か月実施して、残りの六か月は内服療法のみを行う事例、この一定の前提において計算をいたしますと、年間の医療費はおおよそ二百三十万円程度。高額療養費が適用されますので、七十歳未満の一般所得者の場合には実質的な自己負担は年間約四十万円、また低所得者の場合は年間二十四万円になると、このように考えてございます。
それらの医療費について、まあ補助がないということでございましたけれども、高額療養費制度におきましては長期間高額な医療費が掛かる場合に四か月目以降の月々の自己負担限度額を通常より低くすると、多数該当と言っておりますけれども、こういった仕組みがございます。それから、年間の医療費が高額になる場合にありましても所得の水準に応じて患者の自己負担は一定額程度にとどまっているところでございます。
なお、検査や治療に対する経済的支援を実施することにつきましては、C型肝炎患者は医療の提供によって疾病の治癒、軽快が期待されること、また著しく高額の治療費を要する状態、期間が永続するものではないということなど、各種の公費負担医療制度の対象者とちょっと事情が違うんじゃないかということがございまして、現在は考えていないということでございます。
○福島みずほ君 ただ、患者さんたちの中からは、是非やはり、例えば医療保険の高額療養費制度は月額七万円を超えた場合のみ補助が出ると。是非、高額療養費制度の例外の特殊指定にインターフェロン治療をしてほしいという要望等が強く私たちの方にも寄せられております。その意味で、是非それをよろしくお願いします。
インターフェロン治療は非常に重い副作用が出る、なかなかつらいという話を聞きます。働きながら治療を続けるのは大変困難であると。ちょっとこれはアイデアというか要望なんですが、育児休業制度のような治療休業制度というものが取れないか。つまり、肝炎やほかのもそうかもしれませんが、定期的にきちんと治療に行けば働き続けることができる。ただ、それがうまくいかないと仕事を辞めざるを得ない。何とかその治療休業制度のようなものが導入できないか。
これは、現行法にはありませんから、アイデアとして是非聞いていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(青木豊君) 委員のアイデアというお話でございました。
病気休暇ということで就労条件総合調査、平成十七年にいたしました調査では、全国で二二%ほど病気休暇という制度が企業の中において行われております。
こういった、委員の言葉でおっしゃれば治療休業制度、病気休暇制度は、治療をしながら雇用を継続していくことができるという点で労働者にとっては有利な制度であるという面がある一方で、事業者にとりましては労働者の休業期間中はその労務の提供が得られないということを容認しなければならないという面もございます。それからまた、我が国においては年次有給休暇を使って通院等をするということもございまして、年休が一部、いわゆるここでいう治療休業なり病気休暇の機能を果たしているという面もございます。
したがって、治療休業制度の整備については、その社会的必要性や民間企業における普及状況などを見つつ検討していくべき課題かなというふうに認識をいたしております。
○委員長(山下英利君) 時間。
○福島みずほ君 時間、はい、分かりました。
では、終わります。
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