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2006年

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参議院 厚生労働委員会 2006年5月30日

◆健康保険法等の一部を改正する法律案・良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律案に対する審議


◆社会保険庁の年金不正免除の問題◆
◆医療現場の労働条件について◆
◆高齢者の医療制度について◆


 

◆社会保険庁の年金不正免除の問題◆

○福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。
 今日はまず冒頭、社会保険庁の年金不正免除の問題について簡単にお聞きをいたします。
 大臣、なぜこのような事件が起きたと思われますか。理由は何だと思われますか。

○国務大臣(川崎二郎君)
 これはもう先ほども申し上げましたように、今回二つの事案だと思っております。
 一つは、二月の段階で、私どものコンピューターが京都において異常な数字が出てきたということで、本庁から調査に入りました。結果として、一人一人の皆さん方から申請書類をもらわずに免除手続を行っていたという事案が出てまいりまして、三月にこの問題の、ある意味では取消し、免除手続の取消しと、それからそれに関係した者の処分を行ったところでございます。あわせて、同様の事案を他にないかという形で問い合わせをいたしましたところ、一部は、そうした電話等で確認は取ったけれども正式の書類をもらわないまま処理をしたと、こういう事案が出てまいりましたけれども、多くのところがないという報告をしてきたと。その後、何回も重ねて、また大阪の事案が出た後、いろいろな経過の中で、しっかり調べるべき責任者が、また報告すべき責任者や担当者がすべてこれを隠ぺいをしたと、こういう事案でございます。
 したがって、一つは、何ゆえに法律に基づいた処理をしないで免除手続を行ったという事案、もう一つは、その後、本庁の調査に対して何ゆえにうそを答えたかと、この二つの事案を徹底的に解明をして国民の皆さん方の前に明らかにしなければならないと、このように思っております。
 一方で、免除の通知を既に受けた方々がいらっしゃいますので、これは正規の手続にのっとっていないわけでありますから取消しをさせていただかなければならない。しかしながら、一方で、免除を受けられる立場の方々でございますので、事情をお話しして、免除手続を自らしていただくような働き掛けをできるだけ早くしなければならない。こういうことを今並行してやらせていただいております。
 そうしたものが進む中で、実態解明が進み結果として全容が明らかになりました中でそれに関係した者たちを処分しなければならないだろうと、このように思っております。また、二度とこうしたことが起こらないような体制も整備を急がなきゃならぬと、このように思っております。

○福島みずほ君
 二〇〇四年に村瀬さんが損保から長官に抜てきをされました。そして、就任直後に年金の納付率を八〇%に引き上げると宣言をいたしました。それが理由ではないかと。
 改めてお聞きをいたします。要するに、目標達成だけ掲げて、やれ、やれと言うわけですから、それで現場が無理をすると。
長官は、収納率を二〇〇七年度までに八〇%まで引き上げるために事務局、事務所ごとに目標を設定、自ら文書で言い訳は無用と目標達成を求め、また社会保険庁事務局グランプリという形で達成率上位の事務所などの表彰を行っていた。そして、ランク付けをし、それは衆議院の委員会の答弁では、人事においてもそれは考慮の余地があるという旨答弁をしていらっしゃいます。
 長官がこのような指示を具体的に出したのはいつですか。

○政府参考人(青柳親房君)
 今、ただいま福島先生の方からお尋ねありました件について、まず事実関係にかかわるところをきちんと整理をさせていただきたいと思います。
 最初に、保険料の納付率の目標値八〇%ということについてでありますが、これは村瀬長官就任前から、私どもが平成十四年度に大変国民年金の納付率が大幅に低下したことを受けまして、省内に設けました特別対策本部でこの八〇%という目標を設定したところでございます。その後、この八〇%という目標を各都道府県ごとの事務局あるいは事務所ごとにブレークダウンすることなく様々な納付督励策を行っておりましたところ、続きます平成十六年度におきましてもなかなか成績が上がらないと。したがいまして、これを具体的に事務所、事務局にブレークダウンするというやり方を、村瀬長官就任後に、私ども、長官と一緒になってどのようなやり方がいいかということを考えた次第でございます。
 また、それぞれの事務局、事務所ごとの目標の立て方につきましては、それぞれの事務局、事務所のそれまでの実績を踏まえまして、また、具体的な方法論を言わば事務局、事務所ごとに積み上げてもらう形で作ったものでございますので、確かに目標そのものが容易に実現できるものとは私どもも考えておりませんが、何か、霞が関の方から無理やり押し付けたものを各事務局、事務所に行わせていたものではないということだけは是非とも御理解を賜りたいと存じます。

○福島みずほ君
 事実関係で確認をします。
 長官自ら文書で、言い訳は無用と目標達成を求めた文書を出していた、このような事実はありますか。

○政府参考人(青柳親房君)
 失礼しました。
 長官が具体的にこれを指示した文書ということで今議員がおっしゃったものは、恐らくは十七年の十一月における長官からの指示ということを御念頭に置いての話であろうと思います。これは、具体的な文書をそういう形で長官がその時点で示したとき以外にも、折に触れまして長官の方からは御指示がありました。正確な日付を申し上げますと、国民年金の収納率、緊急メッセージという形で事務局長、事務所長に出したメッセージは平成十七年の十一月の八日でございます。

○福島みずほ君
 言い訳は無用という文書はありますか。──じゃ、後で結構です。
 私は納付率が上がる方が上がらないよりはもちろんいいと思います。しかし、六三・八%を急に八〇%に上げることなどなかなか難しいわけです。偏差値が六三・八の子供に、いや、二〇〇七年には八〇に上げろといったところで、嫌気が差して勉強をやめるかカンニングをするか、それは本当にサボタージュしますよ、無理なわけですから。少しずつ上げる以外に方法ないじゃないですか。
 そうやってグランプリみたいな形でやって、それぞれ事務局をやりますと、これは分母を細工をする、あるいは分母が少なくなって免除の人が増えれば、これは数字が上がるわけですよね、そういうふうになってしまう。つまり、今回起きた不正受給は何の弁解もエクスキューズができないことです。しかし、こうやって無理やりやることによって、むしろ長官自身が、本人が意図したか意図しないかは別として、作ってしまった、そういう結果責任だというふうに私は考えます。大臣、いかがですか。

○国務大臣(川崎二郎君)
 二年前に社会保険庁の問題について正に皆さん方から御意見をいただきました。その中で、この社会保険庁という役所は手直しでは駄目だねと、これは民主党さんも含めて、これはみんなの総論になったと思っております。ある意味では民営化しろという御議論もございました。独法化したらどうかという意見もあった。また、歳入庁として、もう組織自体なくしてしまえと、こういう御意見もありました。
 そういった中で、私ども、国鉄ですと当時民営化という手法を取りましたけれども、この組織を立て直すためには、一つは解体的な出直しをしなきゃならぬ。また、職員全体のぬるま湯につかったような意識は変えていかなきゃならぬ。その中で、民間の方に来ていただいてトップに立っていただいて、目標管理をしっかりやっていこうということであろうと思っております。そういった意味では、目標管理、目標を掲げながらきちっとやっていくことは、例えば障害者の雇用問題についても皆さん方からもうちょっと厚生労働省しっかりやれ、各県しっかりやれとおしかりいただいていますとおり、やはり目標をしっかり掲げながらやっていく、これは当然のことでありますから、それに付いてこれなかったから私は法律違反、違反と言い切るのはいいかどうか、法律に予定されないことをやりましたということは言い訳にもならぬと私は思っております。あくまで公務員は法律を守りながら最大限の努力をするものと、こう思っております。

○福島みずほ君
 もちろん公務員は法律を守る必要があります。
 業績を上げろということであれば、二つあります。頑張れと言うか、あるいは商品を良くすること、いい商品だということしかありません。
 ところで、この年金の制度には根本的な欠陥があると私は思います。時効が二年までしかさかのぼれない、つまり自分は十年分払ってちゃんと年金受けたいと思っても二年しかさかのぼれない。つまり、国民年金という商品に欠陥があるということもあるのではないか、そう思います。
 ですから、本当に現場でふらちに分母をちっちゃくしようという動きもあったと思います。それからもう一方では、何とか受給させてあげようというか、免除があればこれは受給できるようになるわけですから、その両方がやっぱり混在をしている。ですから、現場が悪い、現場の公務員が悪い、なぜ隠ぺいしたかではなく、こういう構造を生み出した長官自らの責任が明確にあります。
 なぜこういうことが起きたか。八〇%を形式的に掲げ、そして全部ノルマを数値化して、事業所ごとのを全部出して、で、社会保険庁事務局グランプリってやるんであれば、みんなが、それが全部査定に掛かるわけですから、それは無理やりにやるでしょう。結果ですよ、これは、本当に。無理にやったらこういうことが起きることは明確だった。だから、現場に責任をなすり付けて、現場がけしからぬ、これでは駄目だというふうに思います。
 大臣いかがですか。

○国務大臣(川崎二郎君)
 法律に反するようなことを行った職員については、しっかり厳正に調べて処分をしなきゃならぬだろうと、こう考えております。これは公務員ですから当たり前のことでございます。
 一方で、それぞれの事情がまた違うことも今、福島さんからお話しいただきました。正にそうでありまして、県によっては百件だけである、百件であると。百件上げたからといって分母対策にもならない。要するに、福島さんが言われたとおり、この百人の方々が免除を受けられて、そして免除を受けられれば二年ではなくて十年さかのぼって払うことができる、こうした制度を受けた方がいいんではないだろうかという勝手な判断をしてしまった、こういう方々もいらっしゃいます。よく数字を見ていただくと、百とか二百しかやってない県も多いんです。ですから、私は程度の問題が、例えば大阪とか私の三重県の程度の問題と、現実に、具体的な県は申し上げませんけれども、やった行為というものについてはやはりよく見ながら判断をしていかなければならないだろうと。
 したがって、土曜日、日曜かかって一次調査はいたしましたけれども、もう少し内容については吟味をさせていただきながらやっていかなきゃならないと。すなわち、今日から第二次調査に移りますと同時に、先ほど記者会見で発表いたしましたのは、社会保険庁と離れて、官房の下に、岡田政務官と西川政務官がトップに立ちまして、民間の法曹界の皆さん方、また会計士の皆さん方にお入りいただいて、その外枠から見さしてもらう、場合によっては民間の監査法人とも協力し合いながらしっかりとしたものをやらなければならないと、このように考えております。

○福島みずほ君
 行き過ぎたノルマ主義がこの免除の、あるいは納付率の偽装につながったというふうに私は考えます。そのための長官の責任、それから長官を任命した小泉首相の責任、ともに問題となり得る。
 それで、先ほど局長がおっしゃいました、長官がどのような文書を具体的に出しておられるか、この委員会に提出をしてください。
 委員長、お願いします。

○委員長(山下英利君)
 後で理事会で協議します。
 出せますか。

○政府参考人(青柳親房君)
 先ほど福島議員の方からお話のございました十七年十一月八日付けの緊急メッセージであれば、いつでもお求めに応じて提出させていただきたいと存じます。

○福島みずほ君
 ほかに文書はありますか。

○政府参考人(青柳親房君)
 ほかにという、でもいろんな文書ございますので、もしお許しをいただけるのであれば、後ほど福島議員と御相談をした上で必要なものを用意させていただければと存じます。

○福島みずほ君
 それでは、できる限りすべて出してくださるよう、よろしくお願いします。
 では、済みません、本件に戻り、またかつ、この社会保険庁の問題は極めて重要な問題なので集中審議をしてくださるよう要求します。

○委員長(山下英利君)
 ただいまの申出については、理事会で協議いたします。

◆医療現場の労働条件について◆

○福島みずほ君
 医療現場の労働条件について一言お聞きをいたします。
 衆議院では医師不足がとても問題になっておりますが、医師の偏在ということが問題になっておりますが、他方、看護師さんたちの労働条件、派遣と委託が認められて医療現場がすさまじくなっているという話も大変聞きます。看護師さんたちのサービス残業の多さと休憩時間が取れない、勤務と勤務の間隔時間の短さ、突然死の多さ、いじめ、セクハラ、暴力等に遭うことがある、退職者の多さなどもあります。
 厚生労働省から出していただきましたが、新卒看護職員の早期離職の状況で、主として長期療養に対応する病院では離職率が新人の中で一六・六%というのが出ております。看護師さんが人数が多くなるのももちろん問題かもしれませんが、今は明らかに離職者が出ている。看護師さんは、配置人数はアメリカの五分の一、ドイツの二分の一という問題点も指摘をされております。
 看護師の労働条件を定めたILO百四十九号条約の批准について、いかがお考えでしょうか。

○政府参考人(青木豊君)
 今委員お触れになりましたILOの百四十九号条約は、看護職員の雇用、労働条件及び生活状態に関する条約でありますが、この第六条におきまして、看護職員は、労働時間、週休等の分野において当該国の他の労働者の条件と同等の又はそれ以上の条件を享受するというふうにされております。  我が国におきましては、看護師に対しましても労働基準法が適用となります。他の労働者と同様に最低労働条件が確保されているところでございます。
 しかし、看護師が働く病院等の保健衛生業の特殊性にかんがみまして、一斉休憩等の規定が適用除外とされております。そういったことから、この条約の批准については慎重に検討する必要があるというふうに考えております。

○福島みずほ君
 それは理由にならないと思います。
 条約は御存じのとおり留保付きで批准することができますし、交代時間と交代時間との間に少なくとも十二時間の継続する休憩時間を享受すべきである、このようなものをきちっと入れれば看護師さんたちの過重労働は随分減るし、離職率も減ると考えますが、いかがですか。

○政府参考人(青木豊君)
 我が国において、ILO条約の批准につきましては、国内法制との整合、これを十分にやった上で、そうした調整ができた上で条約の批准をするという政府の方針でございますので、今申し上げましたような、本条約につきましては我が国の労働基準法制といまだ相入れないところがございますので、なかなか慎重に検討していく必要があるというふうに考えております。

○福島みずほ君
 労働条件を良くする条約はむしろ積極的に批准をして、国内法での看護師さんたちの労働条件を良くするよう日本政府は努力をすべきだというふうに思います。都合のいい条約だけ批准して都合の悪い条約は批准しない、それは許されないというふうに考えます。

◆高齢者の医療制度について◆

○福島みずほ君
   では、高齢者の問題、医療制度について私は一番違和感があります。前期高齢者医療制度にあっては、七十歳を境に一部負担割合が三割から二割に変わると。同じ高齢者を対象としながら、年齢で区切っていくということが果たしていいのかというふうに思います。
 分断された制度は被保険者にとっても分かりにくい。具体的に考えてみますと、国保や健保の被保険者、被扶養者が六十五歳になると前期高齢者医療制度の対象となるものの、患者負担も保険料負担も変わらない。ところが、七十歳になると、前期高齢者医療制度に加入したままなのに患者負担が三割から二割に軽くなります。
 さらに、七十五歳になると後期高齢者医療制度に加入し、患者負担は二割から一割に軽くなりますが、保険料負担も変更になります。保険料が前より軽くなる者もいるし重くなる者もいます。特に、被用者保険の被扶養者であった者は、それまで保険料を負担していなかったのに、七十五歳になった途端、保険料を払わなければならなくなる。年齢によって輪切りをされると、これは極めて分かりにくいですし、年齢で分断することが妥当かどうか、いかがでしょうか。

○国務大臣(川崎二郎君)
 いろんな角度からの質問でございますから、私自身の答えがすべてに合っているかどうか分かりませんけれども、七十五歳以上の後期高齢者については、生理的機能の低下や日常生活動作能力の低下による病状が増加するとともに、生活習慣病を原因とする疾患を中心に、入院による受療が増加するなどの特性を有しており、その心身の特性等に応じたサービスを提供する必要があると。また、高齢化の進展により、七十五歳以上の後期高齢者の給付費は増大し、二〇二五年には約二十三兆円、医療費、医療給付の大体四七%近くになると考えております。
 そういった意味で、限られた財源の中で公費を重点的に投入する観点から対象者を重点化する必要があるということから、七十五歳以上を後期高齢者という形で位置付けたところでございます。なお、平成十四年の改正より対象年齢を老人保健制度についても七十歳から七十五歳に引き上げたのも同様な考え方からでございます。
 そういった意味では、どこで年齢を切っていくかと、様々な議論があると思いますけれども、今回は、基本的には七十五歳以上の後期高齢者制度というものが大きな柱として法案を提案させていただいたと考えております。

○福島みずほ君
 高齢者に限定した制度は国際的にも珍しいものです。七十五歳以上というハイリスク集団で独立保険を設けることは妥当なのでしょうか。

○国務大臣(川崎二郎君)
 今少し申し上げましたけれども、高齢化の進行、私ども、私は今五十八ですから、十七年後になるんでしょうか、団塊の世代が七十五を過ぎたときは約二千万人になるであろうと。そのとき我が国の人口は減っておりますから、相当の率になることは間違いない。それで、一方で医療費の半分近くを使うことになる。
 そういう意味では、その世代に対する給付をどうするかという中で、やはり社会保険制度としてきちっとやっていくという立場から、まず我々の、そのとき我々の世代が、もっと数増えていますから一割以上になると思いますけれども、負担をする。その上で、現役からの支援、公費の支援という切り口で、現状は一、四、五でございますけれども、最終的には、我々の世代の数が増えたときはもう少し高齢者自身の負担が増えるという中で、明確にしながら、もちろんハイリスクということは、その世代だけでもちますかと言ったら、もたない。もたないから、支援をもらいながらやっていくという切り口にさせていただいたところでございます。

○福島みずほ君
 といっても、年齢で切ることが、なかなか年齢と体力というのも全然別ですし、最もハイリスク集団の集団で現役負担も求めてというのは、制度設計として無理ではないかというふうに思います。
 現役世代への負担なんですが、患者窓口負担三割については変更はありませんという答弁が繰り返されています。では、保険料に転嫁されるもの、どれぐらいのアップがあり得るのでしょうか。高齢者医療制度の支援金、納付金、医療費適正化計画の健診、療養病床の転換費、療養病床の食住費の自己負担化減免分などいろいろあるわけですけれども、保険料に転嫁されるものはどれぐらいのアップと試算されていらっしゃるでしょうか。

○委員長(山下英利君)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

○委員長(山下英利君)
 速記を起こしてください。

○政府参考人(水田邦雄君)
 失礼いたしました。
 医療制度改革案によります支援金等の支出額の見通しでございますけれども、二十年度で申し上げまして、例えば政府管掌健康保険について申し上げますと、所要保険料は五・七兆円でございます。これに対しまして、後期高齢者の支援金は一・一兆円、前期高齢者の納付金は〇・九兆円、退職者の拠出金は〇・三兆円ということでございまして、こういった支援金等の支出額の総体は二・三兆円で、先ほどの五・七兆円に対しまして四〇%になるわけでございます。
 一方で、健康保険組合につきましては、所要保険料五・二兆に対しまして、支援金一・一兆円、納付金一兆円、拠出金〇・三兆円、計二・四兆円で、これが四五%になるわけでございます。
 さらに、二十七年度、二〇一五年でこの率を申し上げますと、政府管掌健康保険では、先ほど四〇%であったものが四四%に、健康保険組合におきましては、先ほど申し上げました四五%という比率が五〇%になると推計をしております。

○福島みずほ君
 ですから、窓口三割負担の変更ないって聞くとみんなほっとするわけですが、実は保険料が上がるという、ここが非常に問題となり得るというふうに思います。
 ところで、後期高齢者の六〇%が女性ですが、年金の少ない人も多く、年金より天引きの保険料負担に限界が出てくるのではないかと。後期高齢者一人当たりの平均保険料の将来推移について教えてください。

○政府参考人(水田邦雄君)
 後期高齢者一人当たりの平均保険料についてでございますけれども、平成二十年度、二〇〇八年度におきましては、年額六・一万円、また平成二十七年度、二〇一五年度におきましては、年額八・五万円と見込んでいるところでございます。
 ただ、これはあくまでも平均でございまして、低所得者につきましては、現行、国民健康保険の仕組みを参考として保険料の軽減措置を設けることとしておりますし、また、これまで被用者の子供と同居するということで被用者保険の被扶養者として保険料を負担してこなかった方につきましては、激変緩和の観点から、後期高齢者医療制度に加入したときから二年間、保険料を半額とする措置を講じるなどの配慮を行うこととしているところでございます。

○福島みずほ君
 医療保険財源による病床転換支援措置の問題点についてお聞きをいたします。
 特に、有料老人ホームを助成対象にするということについては問題があるのではないかと思いますが、いかがですか。有料老人ホームは、ビジネスと言うと言葉が悪いかもしれませんが、やるわけですよね。助成対象にすることについてはいかがでしょうか。

○政府参考人(水田邦雄君)
 この病床転換助成事業についてでございますけれども、療養病床の入院者の大半は後期高齢者でございまして、この療養病床が老人保健施設等に転換されますと、後期高齢者の医療費がそれだけ適正化されるということになります。したがって、後期高齢者支援金の負担の軽減につながるということから、公費のほか、保険料財源をこの病床転換支援に充てるということにしたわけでございまして、その点では整合性があると考えてございます。
 この事業によります医療療養病床の転換先といたしましては、有料老人ホームやケアハウス等の施設の助成の対象に加えてございますけれども、その大半は老人保健施設を想定しているところでございます。一部、有料老人ホームも入るということでございますけれども、先ほど申しました、今回の助成金の趣旨から考えまして、医療費が適正化され得るという点に着目いたしますと、これは妥当なものであると考えてございます。

○福島みずほ君
 社会的入院解消に奏功し、病床削減もセットで行う方が医療費適正化に資するとも言われておりますが、手続論としても問題が多いのではないでしょうか。昨年の介護保険改正時にしっかりと審議すべきではなかったのでしょうか。  受皿として、医療法人による特別養護老人ホーム設置を認めるとの考えはあるのでしょうか。

○政府参考人(磯部文雄君)
 前段の手続の問題でございますが、療養病床の問題は、昭和四十八年の老人医療費の無料化以降、病院が高齢者介護の受皿となってきた、いわゆる社会的な入院の問題といたしまして三十年来の懸案となっており、介護保険法の施行時にも大きな論点となっておりましたけれども、解決しないまま今日に至っている長年の問題でございます。
 この問題の整理に当たりまして、患者の医療の必要性等に関する実態が昨年の九月から十月にかけて実施されました中医協による慢性期入院医療実態調査等により明らかとなったところでございまして、これは、当然のことながら、介護保険法の改正案が通常国会に提出された以降のことでございます。
 また、具体的な対策を講ずるに当たりましては、診療報酬と介護報酬が連携して取り組む必要があることでありますが、そのためには本年の四月の同時改定において対応することが適切であると考えられまして、これらのことから今回の医療制度改革において総合的に対応するということとなったところでございます。
 それから、療養病床の再編の受皿として医療法人による特別養護老人ホームの設置についての御質問でございますが、特別養護老人ホームは介護を要する高齢者のついの住みかでありまして、社会福祉施設の中でも特に長期間安定的な設置、運営が求められておりますことから、老人福祉法におきましてその経営主体を地方公共団体等と社会福祉法人に限定しているところでございます。
 仮に、医療法人が事業を拡大して特別養護老人ホームを設置しようと考えた場合には、特別養護老人ホームに必要な土地や建物を基本財産とする社会福祉法人を設立し所轄庁の認可を受けることとなりますが、従来からこのような例もあると承知しております。
 療養病床を運営している医療法人が療養病床を転換して特別養護老人ホームを設置しようとする場合にも、こうした療養病床の改築等により、特別養護老人ホームに必要な資産が確保されていれば社会福祉法人を設立することが可能でございまして、円滑な特別養護老人ホームへの転換が可能と考えておりますので、療養病床の受皿のために医療法人そのものが特別養護老人ホームを設置、運営することを認める考えはございません。

○福島みずほ君
 終わります。


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