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2006年

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参議院 行政改革特別委員会 2006年5月18日

◆簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律案、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律案、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案、以上五案に対する審議


◆重要法案の強行採決について◆
◆出入国管理システムについて◆
◆市場化テスト法案について◆


 

◆重要法案の強行採決について◆

○福島みずほ君
 社民党の福島みずほです。
 通常国会が終わるまであとわずか一か月となりました。昨日、衆議院の厚生労働委員会に私は傍聴に行って非常にショックを受けました。強行採決、高齢者の負担増の法案が強行採決というのは一体どういうことかというふうに思いました。共謀罪が今後どうなるのかということが大変みんなの関心を呼んでいます。教育基本法の改定法案も上程されています。国民投票法案がどうなるか、そのことについても大きな議論が呼んでいます。
 総理が五年間の内閣を終えられるに当たって、小泉内閣とは一体何だったのか。強行採決オンパレード、最後にばたばたばたばた成立させるという強権的な手法で小泉内閣が終わらないように、数の論理で傲慢に終わるという、これが小泉内閣の本質だったとならないように強く要望したいと思いますが、いかがですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 昨日の厚生労働委員会で強行しましたか。質疑が終了して、委員が出席の下で採決されたんじゃないんですか。何で強行なんですか。与野党協議の上で質疑は終わったと。そして、今日は衆議院本会でも審議拒否がありませんでした。そして、少数の方々が反対しているからこれは強行だと言ったら、昨日の小沢さんも、少数意見のばっかり聞いたら少数決になっちゃうと、過去、著書でも言っているわけです。議論をして違ったら多数決で決めるのが、これが議会制民主主義じゃないかと野党の党首も言っているんですよ。
 そういう形で審議がなされ、質疑が終了したらば、私は、採決をして多数決で決めるというのは別に強行とかいうものではないと。(発言する者あり)いや、これはまあ多少採決する際に妨害行為があったということは認めますけれども、国会議員の良識によってそのような妨害行為が今後なされないように与野党十分考えなきゃいけないと思っております。

○福島みずほ君
 明らかに小泉さんの政権下で、労働経済白書が言っているように格差は拡大をしました。格差拡大は天然物、天然現象ではなく、政策的に起こったと思います。これに拍車を掛けているのが福祉の切り捨てです。毎年毎年、特に年金の改定法案のときも非常に、強行採決、昨日も、私は高齢者の負担増といった問題、医療の重要な命に関することがああいう形でしか採決できないことは問題だと思います。

◆出入国管理システムについて◆

○福島みずほ君
 次に、官から民へということの一体それは何なのかということを質問をいたします。
 出入国管理システムについてまずお聞きをいたします。出入国の際に現在指紋を採取している国はアメリカ以外にあるのでしょうか。

○国務大臣(杉浦正健君)
 外国人の上陸審査に際し指紋の提出を義務付けている国は、現在のところアメリカ一か国でございます。
 なお、EUにおきましては、来年、査証、ビザ発給申請時に外国人から指紋の提出を義務付ける新たな制度を導入するための法律を現在審議中であると承知いたしております。

○福島みずほ君
 今、アメリカしかありません。
 ところで、日本の今回成立した入管法改定法案に基づく、指紋を担当する、指紋などの生体情報に関するソフトウエアを担当する会社はアクセンチュア社です。これは、アメリカのUS―VISITを担当している会社と同じ会社です。これを落札したのは十万円ということでよろしいですね。わずか十万円の価格でこの企業が落札しているということで、改めてよろしいですね。

○国務大臣(杉浦正健君)
 アクセンチュアという会社は日本の法律に基づいて設立された日本の会社でございます。四十八か国に事業展開をしている会社でございまして、アメリカ本社じゃございませんで、バミューダに本社を置いて、アメリカ法人もその下にある会社だと聞いております。ちょっと余計なことかもしれませんが。
 そして、十万円で先日落札されたのはシステム導入についての調査ということでございまして、一般競争入札によって行った結果、それだけの金額で落札されたわけでございます。

○福島みずほ君
 十万円というのは極めて奇異な金額です。出入国管理業務の主要課題分析図、法務省の資料によっても、この入管については国内外の関係機関との相互運用性の確保ということを言っています。
 アメリカのUS―VISITをやっているところと全く同じ会社が日本の指紋についてのことも管理をする。このバミューダ社について、アメリカの議会で二〇〇四年六月九日、連邦下院歳出委員会において、民主党議員のローザさんがこのことを批判をしています。タックスヘーブンであるバミューダ島に籍を置く節税企業、まあ多国籍企業、無国籍企業と言っていいかもしれません。エンロン社、アンダーセンの後できた会社ですけれども、このような事業にアメリカ、一兆円以上お金を掛けている、US―VISITで。これはおかしいんではないかということで論陣を張っています。二〇〇四年、ごめんなさい、さっきのはだから二〇〇四年にローザさんがアメリカで論陣を張っているんですが、二〇〇四年六月九日には連邦下院歳出委員会において、外国会社と国土安全保障に関する契約を禁止するための改正案が三十五対十七で可決をしています。しかし、アメリカのUS―VISITは相変わらずこのアクセンチュア社が受注をしているわけです。
 アメリカでも、アメリカの情報が無国籍企業に行っていいのかという議論があります。実際は、このバックはUSAと言われていますが、日本でなぜこのアクセンチュア社が受注をするのか。法務省の資料によっても、国内外の関係機関との相互運用性の確保、情報の互換性、相互運用性、共有性、この言葉では、国内外の関係機関との相互運用性の確保が書かれています。同じところがやっていくと情報が漏れるのではないかと私は非常に心配をしています。
 ところで、お聞きをいたします。このアクセンチュア社は日本のほかの官庁において同じようにソフトウエアを担当しておりますが、どういうところがありますか。

○国務大臣(杉浦正健君)
 他省庁のことは存じませんが、我が国の公共部門におけるコンピューター製品及びそれに伴うサービスの調達に関しましては政府の方針が確定しておりまして、無差別待遇、透明性及び公正でかつ開かれた競争という原則から国際競争入札によることに相なっておりまして、外国会社であること、外国製品であることを理由に入札対象から排除することができないこととされております。
 このアクセンチュア社は、日本法に基づいて設立された日本法人でございまして、ちゃんと税金も、申し上げても結構ですが、納税をしておる日本法人でございます。ただ、多国籍企業であって、その各多国籍企業を、四十八か国で展開しておるわけですが、それをコントロールする部門がバミューダにあると、バミューダの本社の関連会社ということでしょうか、そういう位置付けであることは承知いたしております。

○福島みずほ君
 質問に答えてください。
 日本の官公庁でアクセンチュア社が情報を随意契約によってコントロールしている、挙げてください。
 質問通告しています。

○国務大臣(杉浦正健君)
 だれに質問されているんですか。私にですか。

○福島みずほ君
 いや、法務省以外は答えられないでしょう。

○委員長(尾辻秀久君)
 指名を変えます。安藤内閣官房内閣参事官。

○政府参考人(安藤友裕君)
 お答えいたします。
 例えば、宮内庁、公正取引委員会、法務省、国税庁といった省庁において過去アクセンチュア社に委託を行っていると承知しております。

○福島みずほ君
 官公庁関連実績、平成十七年度で、宮内庁、公正取引委員会、法務省、財務省、国税庁が随意契約により落札をしております。  ここに法務省との契約書があります。法務省、非常に、検察情報も含めデリケートな情報をたくさん扱います。入管が扱う、今回の入管法によってアクセンチャリー社が扱うのも指紋という極めて重要なセンシティブな情報です。法務省もやっている。何で宮内庁の情報を多国籍、外資系がやるのか、何で公取のをやるのか、国税庁、これも極めてセンシティブな情報です。  私は、日本の国民の極めて重要なセンシティブな情報が外国に互換性あるいは共有性ということで漏れてしまうのではないかと大変心配をしています。
 さっき挙げた国税庁やいろんなのも、さっき挙げたものの中に入っていなかった、さっき私が挙げた省庁ということでよろしいですね。

○政府参考人(安藤友裕君)
 お答えいたします。
 御質問にございました点につきまして、電子政府化の政策において省庁の電子化が進められておりますけれども、その電子化を、その発注いたしました省庁としましては、私どもの方で承知しておりますのは、宮内庁、公正取引委員会、法務省及び国税庁ということでございます。

○福島みずほ君
 どれも極めて重要な情報を取り扱うところです。
 総理、どうですか。相互の互換性があるようなところで、アメリカあるいは多国籍、ここに検察情報も法務省の情報もそこが請け負って、場所は法務省の中でやらなくていいんですよ、この契約書を見ると。いかがですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 私は、何という名前か、アクセントかアクセンチュアか分かりませんけれども、そういう会社がどういう会社か知りませんけれども、これは公正に競争入札でやるべきだという方向に沿ってなされたものではないかと。また、随意契約がいいのかどうか、そういう点も含めて国会でも議論されておりますし、ある面においては随意契約がいい場合もあるでしょう。ある場合においては競争入札の方がいい場合もあると思うんですけれども、それは一概には言えないと思いますから、この委員会等でもいろいろ議論されているんだと思います。
 今回の問題についても、果たして日本の官庁において外国企業を締め出すということについてどういう批判が出るかという点も考えてなされるべき問題であると。やはり公正性、透明性、国民の安全、そういう総合的に判断してなされるべき問題だと思っております。

○福島みずほ君
 違うんですよ。アクセンチュア社はこういうことをやったらどうかというアドバイスをする担当の会社だったんです、法務省で。そして、自分がアドバイザーで、自分が十万円で請け負ったんですよ。おかしい話ですよ。こういう、結局、日本のあるいは日本人の極めてセンシティブな情報が共有化される。極端に言えば、アメリカが、もし例えばアメリカのだれかの、どこかの役所から日本のそのデータを取れるようになるかもしれない、そう懸念を持ちます。ですから、官から民へという場合の民が外資系、極端に言うと官から民への民がアメリカ、USAということになっていないか、そこが極めて問題だというふうに思います。
 次に、ワシントン・ポスト紙によると、ATT社、これは日本でいえばNTTのようなものですが、米国政府に二〇〇五年だけで約五千億通話、二〇〇一年九月十一日以降約二兆通話の通話記録が渡されていると報道されています。ブッシュ大統領はこれについて否定はされませんでした。日本がアメリカの後追いをやっている住基ネット、Nシステムなど、様々なシステムが日本でもつくられていっております。ますます監視社会が強まっていくのではないか、大変懸念を持っています。
 共謀罪が衆議院の法務委員会で議論をされております。共謀罪は法律家の立場からいっても極めて問題があります。何もやっていない、何もやっていないのに、合意だけで、話をしただけで処罰が可能となる、約六百二十の犯罪について。やってないことをどう裁判所で認定をするのか。組織的威力妨害罪や、例えばライブドアが問題になっている風説の流布、全部この共謀罪の対象です。うちの会社、情報を良くして株価を上げようかなんていって、それでも何にもやっていなくても場合によっては成立し得るという、近代刑法からいって、どうやって裁判所で立証するのか分かりません。  これについて、共謀罪については右翼も左翼も、そして今日東京新聞にも載っておりますが、現場の刑事の皆さんも反対、むしろおかしくなるということを言っています。右翼も左翼も現場の警察官も野党も、そして与党の皆さんたちの中にもこの共謀罪については反対、おかしいという声が上がっています。
 総理、この共謀罪に関して、一体だれが法律を成立させたいと思っているのか、あるいはこういう法律は成立させるべきではないと、小泉内閣の最後にこんな法律を成立させてはいけない、そう思いますが、いかがですか、総理。

○国務大臣(杉浦正健君)
 先生弁護士でいらっしゃいますからよく御理解いただけているんではないかと思うんですけれども、御指摘の共謀罪につきましては、既に国会でその締結について御承認いただきました国際組織犯罪防止条約を……

○福島みずほ君
 短くしてください。

○国務大臣(杉浦正健君)
 締結いたしました。これを締結して、国際社会と協力してテロ等の組織犯罪と戦い、国民を重大な組織犯罪から守るために不可欠なものであると考えております。
 また、このような趣旨につきましては、まだ若干懸念を表明される向きがありますが、各方面の御理解も得られているものと私は思っております。  現在、今も法務委員会、理事会やっておりますが、与党は政府提案に対する修正案を提出し、民主党からも修正案が提出され、現在、その民主党の修正提案の中で可能な限り取り入れて再々修正を行うという協議が行われているものと承知いたしております。
 もうほとんど審議は煮詰まっておりまして、私は、今理事会で協議なさっておられますけれども、協議が調って、国民の皆さん若干御懸念を持っておられる向きもございますので、それを払拭された再々修正がなされることを期待いたしておるわけでございます。

○福島みずほ君
 国際的なテロ組織と言いますが、法案は国際的な越境性を要件としていません。窃盗罪であれ何であれ、ドメスティックなものも入るわけです。言っていることと法案が違うじゃないですか。
 それで、総理、先ほど米軍再編の問題、ほかの委員からも質問がありました。格差拡大がどんどん進行し、福祉の切捨てが行われている。日本の高齢者の皆さんには、入院したら、ホテル代払え、食費払えって言う。だけれども、アメリカ、米軍がグアムへ移転すれば、建築費、一戸建て八千万、建築費だけですよ、物すごい豪邸と言われています、それを建てよう。学校も賄う。場合によっては光熱費も負担する。小さな政府、小さな政府と言いながら大きな無駄遣い、これは全く理解ができません。小さな政府、小さな政府と言いながら大きな監視社会をつくろうとしている、これも理解ができません。

◆市場化テストについて◆

○福島みずほ君
 最後に、又市さんの続きで市場化テストについて一言御質問をいたします。
 市場化テスト法案での公務員の民間移籍後、会社側の都合で解雇や配転になった場合、戻すということをもう少し法律的に明記できないか。つまり、保育士さんとか看護師さんとか、特殊な専門職で公務員として働いている、しかし民営化で職場がなくなる、で、民間に行く。そのときに、しようがなく民間に行ったけれども、条件が違ったり首になったりする。そのときの手当てについてもっと踏み込んでお願いします。これはいかがですか。

○委員長(尾辻秀久君)
 時間が参っておりますので、手短にお答えください。

○国務大臣(中馬弘毅君)
 又市議員にも明確にお答えしましたからと思うんですけれども、再度の御質問でございますから、再度少し丁寧にあえて御説明をさせていただきます。
 官民競争入札等で民間事業者が落札した場合、業務に従事していた公務員の処遇につきましては、一つは配置転換と新規採用の抑制によりまして対応することが基本でございます。
 他方、本人の同意があり、本人の同意ですよ、本人の同意があり落札事業者が希望する場合には、公務員を退職し落札事業者の下での業務に従事することとなるわけでございますが、落札事業者の下で勤務した元公務員は、本人の同意を前提に公務員を退職して民間事業者に雇用されることになったわけでございますから、それである以上、公務への復帰は法的には保障されておりません。
 また、元公務員が再び公務員に採用された場合には、公共サービス改革法三十一条に基づきまして、退職手当の計算上、退職前の在職期間と再採用後の在職期間を通算する特例措置が適用されることになっております。  これは、ただし三十一条があるからといって公務復帰を法的に保障しているわけではございません。採用試験を原則とする国家公務員につきまして、一定の要件を満たす場合には選考採用を行うことが可能でありますが、そこで公務員を退職し、落札事業者の下で業務に従事した者につきましても、任命権者である各府省の大臣等が選考採用の条件に合致するか否かを個別具体的に判断した上で再び国家公務員として採用することは、これは可能でございます。
 本法案に関しましては、先月十九日でした、衆議院の行政改革特別委員会で、「落札事業者の希望と本人の同意を前提に公務員を退職し落札事業者の下で業務に従事することとなった者が、公務への復帰を希望する場合には、各大臣等任命権者は、その者の退職前の公務員としての勤務経験と落札事業者における勤務経験とを勘案し、公務への復帰希望について十分配慮すること。」と、こういう附帯決議になっております。
 政府としましては、その趣旨を十分に踏まえて、十分に尊重してまいりたいとは思いますが、法的にこれが担保されたわけではありません。

○福島みずほ君
 終わります。


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