参議院 厚生労働委員会 2006年4月27日
◆雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案に対する審議
◆質疑◆
◆修正案趣旨説明◆
◆討論◆
◆参考人質疑◆
○福島みずほ君
社民党の福島みずほです。
間接差別のことについてまずお聞きをいたします。
間接差別をめぐる議論につきまして、全くまだ納得がいかないのは、省令で定める三点については行政指導の対象とする、それ以外の点については間接差別の定義からいって外見上は性中立的な基準が男女に与える影響の違いに着目をし、かつ差別意図の有無は問わない、それについては公序良俗違反や民法七百九条、民法四百十五条、債務不履行責任などになる場合はあり得るという答弁なんですが、極めて変で、改めてお聞きをいたします。なぜ、裁判所が判断する違法よりも行政指導の範囲が狭いのでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君)
行政法に基づいて行政指導の対象となる事項につきましては、民事法上違法とされるものすべてではなくて、その中でも行政指導という手法によって違法状態の是正を図るべき必要があるものに限ることが通常ではないかと思います。
したがいまして、間接差別につきまして、その公序良俗違反として無効になる範囲と行政指導の範囲が異なることはおかしいと何度も御指摘をいただいておりますけれども、私どもはそうではないんではないかというふうに考えているところでございます。
○福島みずほ君
公序良俗違反で違法であるにもかかわらず、なぜ行政指導しないんですか。違法行為を放置するんですか。
○政府参考人(北井久美子君)
私どもは、その民事法上公序良俗違反として無効とされ得るすべてのものすべてについて、各個別の行政法で行政指導の対象となるというふうには考えないわけでございます。
○福島みずほ君
行政指導というのは、確かにある程度基準が必要かもしれません。しかし、世の中に存在する様々な男女差別、公序良俗違反になり得るような男女差別については、きちっと指導していかなければ、それは変わらないわけですね。公序良俗で明確に違法と思われることについて、なぜ指導しないのか、なぜ違法行為をしないのか。そうしますと、行政の救済、通常は司法救済の方が狭いわけですよ、裁判の方が大変だから。
なぜ行政指導では駄目で、裁判に訴える、訴えて違法行為というふうにされなければならないのか、理解ができません。なぜ明確に生じている公序良俗違反、無効、あるいは不法行為に関して救済をしないのでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君)
何度も同じ答えになるかと思います。
民事法上違法とされる公序良俗違反として無効になるケース、裁判でその個別のケースが様々に出てくることはあり得るわけでございますが、それを全部各個別の行政法に基づいて行政指導ということには、私どもはむしろそれはならないのではないかと思っておるわけでございます。
○福島みずほ君
セクシュアルハラスメントの事案に関して、裁判上違法となり得るものについてはセクシュアルハラスメントが問題であるという行政指導をされていると思います。
なぜセクシュアルハラスメントの場合はできて、そのほかの場合はできないんですか。
○政府参考人(北井久美子君)
セクシュアルハラスメントにつきましては、この均等法では事業主が職場においてセクシュアルハラスメントということが生じないように適切な措置を講じる義務があるということにしているわけでございます。
現行法は配慮義務でございますが、これを改正法案では措置義務ということにしたわけでございまして、事業主がやるべき対策として、企業の基本方針でセクシャルハラスメントというものを起こさないという趣旨の徹底、明確化ということと、相談や苦情処理の体制をきちんとつくるなどして発生防止に努めるというようなことと、それから問題が起きたときには適切に事実確認をすることを始めとして適切に人事管理上も対処していくということを定めて、事業主の措置義務あるいは配慮義務として、行政としてセクシャルハラスメントということが起きないような指導をしているわけでございます。
○福島みずほ君
セクシャルハラスメントも間接差別も職場の中に存在し、女性が働きにくくなることをどうやって除去していくかということが共通項であると思います。
ならば、なぜセクシャルハラスメントは一般的な一般条項で、間接差別は一般条項にしないのか。
○政府参考人(北井久美子君) 間接差別につきましては、やはり初めてこの間接差別の概念を導入していく中で対象となる範囲をきちんと明確化をし、そして雇用の現場に十分な理解を得てスムーズに導入をしていくという必要性があったことから、限定といいますか、省令で規定をするという方式を取ったわけでございます。
例えば、この均等法におきましても、雇用のステージにつきましては、先ほど包括的規定にした方がいいという御意見もございましたけれども、この現行の均等法におきましては、各雇用のステージを募集・採用から定年、退職、解雇といったようなステージごとに規定をしているわけでございまして、性差別を禁止する禁止の仕方としてもいろんな段階、いろんなやり方があるんではないかというふうに思うわけでございます。
○福島みずほ君
均等法は各ステージごとに差別が生じ得るからこそ、募集・採用から退職まで入れて差別を問題にしているのではないですか。
私はやっぱり全く納得できないのは、なぜ限定にするのか、しかも行政指導をなぜ狭めるのか、概念矛盾に陥っている。法律としても極めて拙劣で論理的には破綻をしていると言う以外、何物もないというふうに考えます。
ところで、お聞きをいたしますが、この間、局長は、男性が主たる、女性のほとんどが従たる場合間接差別となり得ると。要するに、そのことに合理性がなければ間接差別になり得る。有期契約の問題についても、女性のほとんどが有期契約で、そのことについて合理性がない場合は間接差別となり得ると言いました。
このようなことが均等室に持ち込まれた場合にはこれは救済ができるのですか。
○政府参考人(北井久美子君)
この均等法案が成立をいたしますと、第七条でもって労働者の性別以外の事由を要件とする措置で、男女の比率等を勘案して実質的に性別を理由とする差別となるおそれがあるものとして労働省令で列挙するものは合理的理由がなければ講じてはならないということになり、具体的には厚生労働省令で列挙するものについて、さらに個々のケースごとに合理的な理由の有無を判断して行政指導の対象になることになるわけでございます。
したがいまして、行政指導の対象となりますものは、この省令で列挙されているものに限られるということでございます。
○福島みずほ君
全く納得ができません。
なぜ、局長は間接差別となり得るって言ったじゃないですか。合理性がなければ間接差別となり得るのに、なぜ救済しないんですか。
○政府参考人(北井久美子君)
私がお答えを申し上げましたのは、間接差別の法理としては性中立的な要件のものがすべて議論の対象の範囲から排除されるわけではないということで、あらゆる性中立的な事由のものが俎上にのり得て、そして、その中で省令に定めるかどうかという議論、あるいは合理的な有無の議論が起こるということを申し上げたのでございます。
例えば、その一つのケースで男性が多い女性が多いという話がございましても、その男女の結果としての比率だけを見てすべて間接差別に該当するのだといったことではないということでございます。
○福島みずほ君
いや、そんなことはもう分かり切っているわけですよ。すべて間接差別になり得ると言っているわけではなくて、合理性があるかないかで間接差別になり得る、その点は厚生労働省と私の見解は一致をしています。主たる、従たる労働の場合、それから有期契約かどうかという場合、そのことについて合理性がない場合には間接差別となり得るという点では共通項です。それは前回厚生労働省は認めました。
納得ができないのは、なぜそれを均等室が救済をしないのかということです。間接差別となり得るのであれば、そのことに合理性があるか合理性がないかを検討するのが均等室の仕事ではないですか。
○政府参考人(北井久美子君)
何度も申し上げて恐縮でございますが、この法案の方式として、具体的に間接差別となり得る候補といいますか範囲を省令で書いて、そして、そのものについて合理性の有無を判断して行政指導の対象にしていくという実体法の規定方式を取ろうとしているわけでございますから、私どもは、おのずと行政指導の、均等法上の行政指導の範囲は限られるということになると考えておるわけでございます。
○福島みずほ君
セクシュアルハラスメントが均等法に盛り込まれるずっと前から均等室はセクシュアルハラスメントの事件をやってきました。なぜか。問題があって、違法となり得て、職場での女性の働き方を侵害するからです。法律などなくても、民法の七百九条、四百十五条にのっとって均等室はセクシュアルハラスメントの問題に対処をしてきました。裁判所も均等法の中にセクシュアルハラスメントの条項がなくても判決を出してきました。なぜか。それは違法だからです。なぜ、今回、間接差別をせっかく導入しながら均等室が救済するのを限定するのか。均等室は責任を放棄していると考えますが、いかがですか。
お願いなのは、せっかく間接差別を入れても、救済できる場合を三つに限ったら本当にほかが切り捨てられると。今までだったら問題となり得たことが問題となり得なくなる、だから多くの人が懸念を持っています。私もそう思います。
行政指導の対象にするかどうか、あるいは相談の、持っていって門前払いとしない、そのことの言質だけでも取りたいと思います。いろんなことが間接差別となり得るかなり得ないか、合理性があるかどうかについて均等室は拒絶しないでください。いかがですか。
○政府参考人(北井久美子君)
間接差別の規定が今回初めて、明文上、均等法に明記されるわけでございますから、先ほどお答えを申し上げましたように、間接差別がそういうふうに具体的に法文に規定されたというようなこと、それから概念、法理、定義といったようなことについても十分周知をしていきたいということでございますし、そうした中で、三つに限ったその周知だけではなくて参考例も挙げてというような御質問がございましたけれども、三つというのは、やはり均等法上の違法となる、なり得る措置でございますから、そこはしっかりと周知をしながらも、そのほかのものについても、民法の適用等によって無効となったり違法となったりするものがあり得るのだということも周知をしてまいるということをお約束をしたわけでございます。
そうした中で、周知、啓発といったようなことについては均等室におきましても意を用いていきたいというふうに考えております。
○福島みずほ君
周知徹底と意を用いていくということについてはよろしくお願いします。
でも、均等室、おかしいですよ。うちに来ても扱いません、三つ以外は、裁判所に行ってください、これが均等室の姿でしょうか。
○政府参考人(北井久美子君)
紛争解決の援助であるとか二十五条の行政指導という均等法上のシステムに乗っていくことは、これは困難でありますけれども、今でも均等法そのものだけでなく、例えば賃金格差の解消のための取組であるとか、あるいはポジティブアクションの推進の取組であるとか、いろんなこともやっているわけでございますから、そうした意味では均等室は女性労働者の皆さんからの受皿になっているわけでございます。その意味におきましては、周知啓発という形で、冷たい対応ということがないようにしていきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君
均等室が頑張っていること、それについては本当に心から敬意を表しますし、それに文句を唱えているわけではありません。ただ、救済が余りに狭くなるのではないかということについて、この法案について疑問を呈しているのです。啓発活動する、意を要するということをどうか拡大をしてくださるように、本当にお願いをいたします。
差別とは何か。先ほど名古屋銀行のケースや、いろんな、この委員会の中でも実例が出てきました。女性たちが苦しんでいる、なぜか分からないけれども、自分が頑張っても頑張っても頑張っても、働いても、会社の中の複雑な雇用管理や複雑な制度や、あるいはパートとして働いたことによって自分の賃金差別が生ずる、昇進ができないということに苦労しています。
だとしたら、均等法はまずその相談をきちっと受けて、彼女の、その人間の、どうすればその企業の差別を撤廃できるかと端的に考えるべきじゃないですか。もしかしたらそこに間接差別が入っているんじゃないかと。間接差別は三つに限るとしてスタートをするのではなくて、現状にある差別を解決するためには一体何が障害となっているのか、どういうことをやればある程度合理性があって問題が解決できるのかとしなければ解決ができません。いかがですか。
○政府参考人(北井久美子君)
最近の差別に関する事案につきましては、確かに御指摘のように、明々白々な男女別定年制であるとか若年退職制であるとか、そういうものではなくて、非常に複雑であったりあるいは差別かどうかが判断しにくい事案が増えていることは確かでございます。
そうした中で、均等行政は、様々な資料や委員の意見聴取等によりまして、できるだけの、要するに、紛争解決の援助あるいは行政指導、その前提となる報告徴収ということについて精力を傾けていきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君
報告徴収ということをおっしゃいましたけれども、もう一回元に戻って、男性たちは主たる従業員、女性たちの多くは補助職、男性のほとんどは正社員、女性では有期契約という場合に、こういう相談が均等室に来た場合にきちっと相談を受け、報告徴収をするということでよろしいですね。
○政府参考人(北井久美子君)
すべての相談について門前払いをするわけではございません。そういう御相談あるいはお訴えがあれば対処するということでございます。
○福島みずほ君
どう対処をしますか。
○政府参考人(北井久美子君)
要するに、その端緒となる御相談というのは必ずしも明瞭にすべてが論理的に完成しているものではないと思いますから、大変時間を掛けてお話を聴くと、そうした中で、今度は事業主の方々に、事業主に来ていただいてお話を聴くというようなことの詰めをして、要するに差別事案であるのか、あるいは差別事案であるとしてもどういう差別事案であるのか、あるいは差別事案とは言えないかもしれないけれども、もしかしたらポジティブアクションということでもっと前向きに企業に対処していただかなきゃいけないような話であるのかというようなことを見極めていくわけでございます。
そうしたことで、相談あるいは行政指導、紛争解決の援助ということに対処していきたいということでございます。
○福島みずほ君
抽象的には分かりましたが、個別的、具体的には分かりません。
差別をなくしていきたい、働く場所での差別をなくしていきたいという点では厚生労働省と私たちの思いは一緒だと思います。しかし、さっき言った、男性が主、女性がほとんど従、男性と女性で女性のほとんどが有期契約、こういうのが相談に来た場合に、具体的にその企業に対してこれはおかしいということを言っていただけるんですね。
○政府参考人(北井久美子君)
その事案事案によって何を求めておられるのか、均等法の問題か、あるいはパートタイム労働法の均衡処遇の問題か、あるいは賃金の問題か、いろんなことがあるわけでございますから、それはもう個々のケースによって積み重ねでやっていくということであろうというふうに思います。
○福島みずほ君
パートの問題は均等処遇の問題なのでパート法の均等待遇の立法ができていないからできない、賃金の問題は労働基準法の問題だから均等室は扱えないということでは、結局問題のたらい回しで、解決にならないんですね。
今日、私は間接差別のことを聞いています。有期契約のほとんどが女性、補助職のほとんどが女性、こういうケースが均等室に来た場合に、均等室は、まあ両方意見を聞くけれども、合理性がなければこういうのはやめろということを均等室は言うべきなんですよ。そうしなければ、職場における女性差別は解決付きません。どうですか。
○政府参考人(北井久美子君)
それは、基本的には、今回の間接差別法理は実体法に入っていくのはこれからの話でございますし、さらに結論になっている結果的な数字が本当に必ずしも不必要な、あるいは合理的でない要件が付いているのか、あるいはさらに合理的な理由の有無があるのかどうかということを見極めていくわけでございますから、その一つ一つのケースでたまたま現状においてそういう男性と女性のコースごとの差があったとしても、すべてその結果だけを見て直ちにこれは違法であるということを見極めるということは、これは無理ではないかというふうに思います。
○福島みずほ君 もちろんそうです。結果だけを見て違法だと言えなんということを言っていません。合理性があるかどうかをきちっと検討し、合理性がないと判断した場合は均等室で助言がいただけるということでよろしいですね。均等室が救済をしてくれるということでよろしいですね。
○政府参考人(北井久美子君)
その意味では均等法そのものの助言ということではないですけれども、それはその類似のものとしてできるだけのことを、趣旨的な助言ということはあり得るというふうに思います。
○福島みずほ君
こういう差別を合理的でないというふうに判断された場合にはきちっと均等室が扱ってくださるということなので、これからよろしくお願いします。
昨日、参考人の中から三つに限定をすると、いかにこの委員会でその三つ以外も違法となり得るということが答弁であったとしても、裁判でやはり狭くなるのではないかという懸念が何人もの参考人から出ました。私もその懸念は十分理解できます。なぜならば、裁判で議事録を裁判所に提出することはよく弁護士は行います。しかし、それは一つの参考資料です。裁判官は法律の支配にのっとって条文で判決を出しますから、いかに国会で議論があっても、やはりその省令はどうか法律はどうかということに極めて忠実に拘束をされます。
厚生労働省、この狭くなってしまうのではないかとか、裁判所の救済が後退をしてしまうのではないか、これについてどうですか。
○政府参考人(北井久美子君)
これも何度も御答弁を申し上げていると思いますけれども、この均等法の今回の間接差別を規定したことによって、そのほかの間接差別となり得る事案が民法の適用等によって司法の世界で無効というような判断がなされることについて何ら妨げられるものではないというふうに思っております。
○福島みずほ君
裁判等で後退をして、後退した可能性があるということになれば、これはやはりこの立法の欠陥ということになると思いますので、この立法が後退をするのではないかという懸念を人に抱かせること自身が一つの欠陥であるというふうに思います。
次に、この間、S社における世帯主の問題についてお聞きをいたしました。このことについて厚生労働省は、直接差別に当たり得るのではないかというふうにおっしゃったんですが、あと、第六条の例えば「住宅資金の貸付けその他これに準ずる福利厚生の措置」というのは、世帯主というのはこれは入らないのでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君)
福利厚生の、均等法が禁止しております何らかの福利厚生の措置の中での問題で、世帯主にだけ例えば社宅を貸すとか、そういうケースがございます。現行の均等法の考え方では、そうした世帯主に、その世帯主要件自体は、これは均等法上、女性差別ということにはならないとしておりますが、しかし、世帯主に例えば社宅を貸す、あるいはローンを貸すということであっても、よく聞いてみますと、例えば男性の世帯主には何も難しいことを要求しないのに、女性の世帯主にはいろいろ資料を要求してみたり、何とか貸さないようにしたりという、実質的にいろんな制度の運用において男女異なる取扱いをなさっているケースがございます。それはもう直接差別として、現行均等法においても、これは福利厚生の措置の均等法違反であるという考え方を取っております。
先ほどのそのS社の事件は、私もさらっと目を通さしていただいただけで感想を申し上げましたけれども、男女異なる取扱いをしておられるというような感じがしたものでございますから、その直接差別の問題となり得るというお答えをしたわけでございます。
○福島みずほ君
第六条第二号の対象になり得るものとしてどういうものを念頭に置いていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君)
済みません、第六、第、第六条というのは改正案の第六条の……
○福島みずほ君
そうです、はい。
○政府参考人(北井久美子君)
第二号……
○福島みずほ君
はい。
○政府参考人(北井久美子君)
二号ですね。
○福島みずほ君
はい。
○政府参考人(北井久美子君)
「福利厚生の措置であつて厚生労働省令で定めるもの」ということでございますが、これは住宅資金の貸付け、社宅の提供、それから、というものが典型的なケースでございます。省令で定まっております。それを均等法改正後も変更する予定はございません。
○福島みずほ君
前回、住宅手当の支給要件、住宅手当の支給状況、家族手当の支給状況に関して男女差、明確なる男女差があるということを質問をいたしました。そうしますと、住宅手当、家族手当などに関しては六条違反ということでこれから問題とし得るということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君)
手当は基本的に賃金であると思いますので、ここでは賃金は対象にいたしておりません。
○福島みずほ君
この委員会でも何度も出てきていますが、労基法の賃金の問題であるとすると、刑罰の規定のある労基法の対象なので、多くの人の女性差別は賃金差別なわけですよね。賃金差別に関して均等法が取り扱うことができないというのは、実は法の欠陥であるというふうに強く思います。
大臣、この点については見直しが必要なのではないですか。
○国務大臣(川崎二郎君)
今回御提案さしていただいているのは、もう既に今日まで御議論いただいている中でございますから、今ここで急に賃金入れろということになりましても、すぐ変更というわけにはまいらぬということは御理解賜りたいと思います。
○福島みずほ君
今回は入ってませんし、その根本的な問題にはメスは入っておりません。
しかし、女性差別、男女差別の最たるものは賃金差別、いろんなことが賃金差別として争われるわけです。お金のことは大きいです。そのことに均等法が問題となり得ないというのはおかしいと。つまり、家族手当、住宅手当、全部これ賃金の問題だと言われるのはおかしいというふうに思いますが、いかがですか。あるいは、賃金の問題ではあるけれども同時に、間接差別、女性差別の問題だから六条、七条、将来的には七条の問題ともなり得るというふうに考えるべきだと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(北井久美子君)
現行均等法それから改正法案においては、何度も御説明を申し上げておりますように賃金は対象になっておりませんので、直接差別問題でありましても間接差別問題でありましても対象になってこないわけでございますが、仮に賃金ということが六条で入るということになれば直接差別の問題になり、その中で、次に、今度七条の間接差別の問題になり得るということになって、法理論的にはそうなってくるわけでございますが、現行の法律それから改正法案の考え方は賃金の話は入っていないということでございます。
○福島みずほ君
これはもう明確なる欠陥であるというふうに思います。
住宅手当や家族手当に明確に男女差の割合の比率がある。これは明確に間接差別以外の何物でもないわけです、間接差別の定義からいって。なぜこれが除外をされるのか、なぜこれを均等法で救済できないのか。
例えば、パートの問題も、ある面から見れば均等待遇の問題、しかしある面から見れば、今まで質問してきたとおり間接差別の問題でもあり得るわけです。賃金の問題も別の面から見れば間接差別の問題です。このことについて、大臣、将来というか、検討していただけますか。
○国務大臣(川崎二郎君)
委員はすべてのことを間接差別という部分から迫りたいということでございますけれども、それは正直申し上げて、今回の法改正の基本的な考え方としては異なると、このように考えております。
○福島みずほ君
非常におかしいのは、間接差別の定義は、外見上、性中立的な基準が男女に与える影響の違いに着目し、かつ差別意図の有無は問わないとなっているのに、一番重要な男女差別の賃金の問題について間接差別でないというのは理解できません。
私は、すべて間接差別として扱いたいというよりも、均等待遇というのは立法がないわけですね、まだ。四条にあるという意見は出ておりますが、ないわけですね。つまり、間接差別でも駄目、パートでも駄目、賃金と言っても駄目という、家族手当は賃金だから駄目、駄目駄目駄目駄目と言って救済ができないということが問題だと思っているんです。救済ができるのであれば、その概念は均等待遇でも間接差別でも結構です。このことについて是非検討してください。
今回の委員会の中で、将来省令を拡大する場合には、判例の動向と均等室での相談の受付、いろんなものを勘案するというふうに答弁をされています。
そこで、均等室の問題についてお聞きをいたします。
もう一回繰り返しますが、そこに出てくる間接差別の例が豊かであればあるほど、将来省令が拡大されるという可能性が強いわけですね。 ですから、そこの点については、将来間接差別の省令が拡大され得るということも念頭に置いて、きちっと対処してくださるよう改めて局長に答弁を求めます。
○政府参考人(北井久美子君)
女性労働者からの様々な御相談が寄せられるわけでございまして、その中には将来の間接差別の議論の対象にしていくのが適当なような問題も含まれ得るということは当然でございますので、そうした日々の現場の相談ということを大事にしていきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君
住宅手当の問題など、すべて賃金の問題は労基法の問題だということでした。よって、労働基準局長にお聞きをいたします。
間接差別についてこれだけ議論があります。そうしますと、賃金差別の問題を扱う上でも今回の間接差別の議論などを加味して十分に検討してくださるということでよろしいですね。
○政府参考人(青木豊君)
労働基準法の四条では、既に御議論になったかと思いますけれども、男女同一賃金の原則を定めているわけであります。男性と差別的取扱いをしてはいけないというふうに言っているわけでございまして、これもお話にありましたように、罰則をもって強制をしているというものでございます。
私ども、全国の監督署、それを執行します監督官において、こういった事案があれば、四条違反と思われるような事案があれば、これをきちんと指導監督をしていくということで、従来からやっておりますし、今後ともそういうことできちんと臨みたいというふうに思っております。
○福島みずほ君
そうしますと、ずっと質問しております住宅手当、家族手当の点で男女差があるというふうな問題に関して、そのこともきちっと取り上げてくださるということでよろしいですね。
○政府参考人(青木豊君)
この労働基準法の四条につきましては、使用者は労働者が女性であることを理由として差別的取扱いをしてはならないということでありますけれども、個々具体的な事案についてこれに抵触しているかどうかというところで実態的に判断をして執行をしていきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君
私は、均等法の間接差別は一般条項であるべきだと思います。しかし、今回限定ですから、基準法の「女性であること」の中に「女性である」、それによって住宅手当の支給や家族手当の支給に関して労働基準監督署が積極的に行うようにお願いをいたします。
ただ、本来は、間接差別というのはその比率や傾向で問題があり得るということをできるので、本来ならば均等法できちっとやるべきだということも申し添えておきます。しかし、それができないのであれば、両方で、均等室でも相談を受け付ける、基準局でもきちっと対処する、それをお願いをいたします。
次に、仕事と生活の調和について改めてお聞きをいたします。
今回の改正案に明文で仕事と生活の調和を規定しておりません。しかし、このことは極めて重要で、二つの点から重要です。男性の働き方に規制をしていくということで、二つ目は、仕事と生活の調和を掲げることで家族責任を多く持っている女性たちが職場の中で差別を受けたり働きづらいという状況を阻止するという点で、仕事と生活の調和ということは非常に重要です。
今回、残念ながら改正法案にはこれが明文では盛り込まれておりません。具体的にこのことをどう生かしていくのかについて改めてお聞きをいたします。
○政府参考人(北井久美子君)
これも何度もお答えを申し上げておりますけれども、男女の雇用機会均等の確保ということと、仕事と家庭との両立、あるいは仕事と生活との調和という問題、男性、女性を問わず仕事と生活の調和の取れた働き方ができるようにするということは車の両輪として重要な課題だと考えております。
したがいまして、厚生労働省としては、長時間にわたる時間外労働の是正であるとか次世代法に基づく企業の行動計画策定の実施の促進、それから仕事と家庭のバランスに配慮した働き方ができるファミリー・フレンドリー企業の普及促進などに取り組んでいるところでございまして、こういう様々な施策を通じまして仕事と生活の調和が取れた働き方の実現に努めてまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君
仕事と生活の調和は、単身者の人も子供を持たない人にとっても大変必要なことです。今回条文には入っていないけれども、入っているのと同じようにこのことについて実現をしていくということでよろしいですね。
○政府参考人(北井久美子君)
仕事と生活の調和という問題は大変重要な課題であると認識をしておりまして、様々な法律、そして施策、援助によって十分に取り組んでいきたいということでございます。
○福島みずほ君
そうであればなぜ盛り込まないのかとは思いますが、条文が入っているのと同じように、それをよろしくお願いをいたします。
今、局長はがくっとされましたが、なぜ盛り込まないんですか。
○政府参考人(北井久美子君)
これも何度も申し上げていることでございますが、均等法の目的とするところは性差別の禁止とそれから母性の保護ということでございますから、法律上の切り口が違うということと、目的に入れたとしても、それを具体的に措置をする具体の規定がないと、この二つの点から盛り込むことは困難であるということでございます。
○福島みずほ君
仕事と生活の調和ということを具体的に頑張ってやると言いながら、なぜ入れないのかと聞くと具体的にやれないというのは、何かちょっと理解ができないんですね。仕事と生活の調和ということを条文に入れるのと同じぐらい、やはりこのことをやってほしい。
じゃ、改めてお聞きしますが、仕事と生活の調和を盛り込むことが雇用における男女差別をなくすことに有用だという点では間違いないですね。
○政府参考人(北井久美子君)
仕事と生活の調和を図るということは、男性、女性ともに非常にバランスの取れた生活ができるということでございますから、そういう趣旨でございます。
一方で、均等の確保ということは性差別の禁止ということでもあります。ただ、実質的に均等の確保という点では、特に家庭責任を負っている方々についても均等の確保ということになれば、ポジティブアクションとして両立支援の取組ということもやっておりますから、その意味で仕事と生活の調和ということも一つ大事な視点ではあると思いますけれども、基本的に法の目的からすると、仕事と生活の調和ということと性差別の禁止ということはやはり切り口が違うというふうに思っております。
○福島みずほ君
切り口は違うかもしれませんが、仕事と家庭の調和を入れることは男女差別の撤廃に役立つ、これはいかがですか。
○政府参考人(北井久美子君)
私の理解では、直接すっと、イコールにすっと落ちるというところまでは理解が進まないところでございます。
○福島みずほ君
だとすれば、なぜやれるんですか、均等室で。仕事と生活の両立やいろんなことについてやるとさっきおっしゃったじゃないですか。それは、男女差別の撤廃に有用だからでしょう。
○政府参考人(北井久美子君)
働く男性、女性が、その意欲と能力を生かして充実した職業生涯を送れるようにするということが、これは大変重要な労働政策の課題でございます。その切り口の一つとして雇用機会均等の確保ということと、そして仕事と育児や介護の両立、あるいはもっと広く仕事と生活の調和という視点があるんであると思っております。
私どもは、その両輪にのっとってそれぞれの施策を進めて、その結果としてそれらの施策が相まって、すべての労働者が能力、意欲を生かして充実した職業生活ができるようになるというふうに考えているわけでございます。
○福島みずほ君
厚生労働省は、一人が能力を開発してやっていくことが、仕事と生活の両立と、それから均等法的なことと両方に役立つと、こういうふうに考えていらっしゃるんですが、一人の人間が能力を開発して十分に生きていけるということイコール私は男女差別の撤廃だというふうに思います。男女差別があるところでは人は能力を発揮しては生きていけないからです。
仕事と生活の調和ということが、少なくとも男女の差別をなくすことにとって必要条件であると考えますが、いかがですか。
○政府参考人(北井久美子君)
同じお答えになるわけでございますが、均等の確保ということ、それからワーク・ライフ・バランスということ、これが相まって、一人の労働者が職業生涯にわたり十分能力を生かして仕事ができ、そして家族の一員としても十分な役割を果たしていく、そういう職業生涯を送れるということになるものであると考えております。
○福島みずほ君
ということは、結局それが男女差別がなくなっていくということだというふうに思います。
厚生労働省は、職場における男女差別をなくするべくそれは努力をすべきであって、そのためには、仕事と生活の調和という概念がない限り男性も女性もきちっと働き続けることはできないというふうに思っております。これについてはどういう施策を実現されるか、見守っていきたいと思います。
妊娠又は出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものの部分について、二月段階の法案要綱で示された、妊娠又は出産に起因する能力低下又は労働不能が生じたこと等を予定をしておりますか。
また、先ほど、解雇だけではなく事実上の解雇も含むというふうに答弁をされました。しかし、私自身も、妊娠、出産して退職届を出したケースの裁判を何件か担当をいたしました。裁判はすごく大変です。退職届を書いた事案であったとしても、事実上の解雇と見てこれは救済されるということでよろしいんですね。
○政府参考人(北井久美子君)
一つ目の御質問でございます妊娠又は出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものにつきましては、一つには、労働基準法の産前産後休業以外の、産前産後休業はもう既に入っておりますので、それ以外の母性保護措置、あるいは均等法の母性健康管理措置を受けたこと又はこれらを受けようとしたこと、二つには、妊娠、出産に起因する能率低下や労働不能が生じたこと、これらの二つを規定することを予定をいたしております。
それから、二つ目の御質問でございますが、解雇ではなく、自ら辞めた形になっていても強い退職の強要などによって事実上解雇と同視されるようなものについては当たるのかという御質問でございますが、これは、先ほどお答えしたとおり、それは解雇ということで位置付けて、均等法上の救済対象としておりますところでございます。
○福島みずほ君
終わります。
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◆修正案趣旨説明◆
○委員長(山下英利君)
福島みずほ君。
○福島みずほ君
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案に対する修正案について、動議を提出いたします。
その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
男女雇用機会均等法施行より二十年がたちました。女性の雇用の分野への進出は一定程度進んできています。しかし、二〇〇三年の女性差別撤廃委員会からの勧告どおり、雇用における男女差別は根深いものがあり、法律の力によって根本的に変えていくことが求められています。こうした認識の下に、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の共同修正案を提出するものです。
第一に、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律を男女雇用平等法に改めます。第二に、基本的理念に仕事と生活との調和を加えます。第三に、間接差別の禁止の対象に賃金を加え、間接差別となる事業主の措置については厚生労働省令で限定して定めるのではなく、指針で例示をいたします。第四に、労働者の婚姻を理由とする不利益取扱いの禁止を規定します。第五に、賞与、退職手当の支給等に係る産前産後休業期間の扱いの特例措置を講じます。第六に、常時三十人以上の労働者を雇用する事業主は、雇用の分野における男女の平等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的としたポジティブアクションの計画を策定し、厚生労働大臣に届け出ることを義務付けます。第七に、厚生労働大臣の所轄の下に、所管の下に中央男女雇用平等委員会を、都道府県知事の所管の下に都道府県男女雇用平等委員会をそれぞれ置き、労働者と事業主との間の紛争については男女雇用平等委員会が処理することといたします。
検討事項としては、法律の施行後三年の見直し規定を設け、性同一性障害者であることを理由とする差別的取扱いや、労働者の性的指向を理由とする差別的取扱いへの検討と、必要な措置を講じます。短時間労働者等の多くが女性で占められており、男女間の賃金の格差が存在していることにかんがみ、この法律の施行後三年をめどとして、短時間労働者等と通常の労働者の均等な待遇の確保等の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとします。
以上が修正案の提案理由及びその内容の概要です。
何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願いを申し上げます。
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◆討論◆
○福島みずほ君
私は、社会民主党・護憲連合を代表して、雇用機会均等法改正法案、社会民主党・護憲連合、日本共産党共同提出の修正案及び自由民主党、民主党、公明党共同提出の修正案に賛成の立場で討論を行います。
今回提出されています雇用機会均等法改正法案は、現状の雇用機会均等法を一歩前進するものとはやはりそれは言えます。現状において、例えば妊娠、出産、産前産後休業の取得を理由とする解雇の禁止に、妊娠又は出産に関するその他の事由を理由とする解雇の禁止を加えるとともに、これらの事由を理由とする不利益な取扱いを禁止することとしております。また、立証責任の転換も行うなど、前進が認められます。しかし、十分ではないと考え、今回修正案を提出をさせていただきました。
まず、その理由の第一は、間接差別についてであります。
間接差別は、存在する様々な女性差別をどうすれば解決することができるのか、それを直接差別ではなく、間接差別としてそれをどう除去していくかということから生み出された概念です。これについては、ヨーロッパを始め多くの国はパートタイマーの問題も含めて間接差別であるとして裁判上救済をしてきております。しかし、今回の均等法改正法案は、この間接差別について省令で三つに限るなど、間接差別の概念矛盾としか言いようがありません。これが裁判の後退を生みかねないということに大きな懸念を表明をしたいというふうに考えております。
よって、間接差別については一般例示として指針で例示をすることにいたしました。また、仕事と家庭の調和についても、条文上は盛り込まれておりません。その意味で、私たちは修正案を提出をいたしました。
改正法案は、女性差別撤廃委員会が出したコメント、委員会は、主に職種の違いやコース別雇用管理制度に表れるような水平的、垂直的な雇用分離から生じている男女間の賃金格差の存在及び雇用機会均等法に関連する政府のガイドラインに示されている間接差別の慣行と影響についての認識の不足に懸念を有する、委員会はさらに、パートタイム労働者や派遣労働者に占める女性の割合が高く、彼らの賃金が一般労働者より低いことに懸念を有する、委員会は、主に女性が直面している個人、家庭生活と職業、公的な責任との調和における困難に深い懸念を有する、この勧告に残念ながら十分にこたえるものとはなっておりません。その意味で、修正案を提出し、この勧告にこたえるものといたしました。
自民党、公明党、民主党提案の修正案は見直し規定を置くものであり、原案よりも一歩前進とは考えられます。よって、賛成をいたします。
以上です。
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