参議院 厚生労働委員会 2006年4月25日
◆雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案に対する審議
◆間接差別について◆
◆間接差別について◆
○福島みずほ君
社民党の福島みずほです。
実効性のある均等法の改正がなされるよう頑張っていきたいというふうに思っております。また、その方向に向けて改正がされることを心から期待をしております。
残念ながら男女差別は日本の中での根深い問題であり、雇用の場においてはむしろ男女差別が広がっています。非正規雇用も非常に拡大し、貧困の問題は特に女性に集中をしている。働いても働いても年収が少ない、差別の是正が行われないということをどう立法府として解決するかということが問われております。
まず、そもそも間接差別についてお聞きをいたします。
間接差別は、外見上は性に中立的な基準を適用しても、それが実質的には性による差別であると認める場合においては、個々の取扱いは違法と判断されてしかるべきだと考えますが、よろしいですね。
○政府参考人(北井久美子君)
御指摘のとおりであると思います。
○福島みずほ君
そのとおりです。
間接差別は、どうして女性差別が生ずるのか、何で男女差別が生ずるのか、それをきちっと見た上で、何が差別を生み出す障害になっているのかをきちっと見て、それを除去していく、それが間接差別です。一見、直接差別とは見えないけれども、それをどうやって排除していくか。したがって、見えない、あるいは当たり前とされてきた、あるいは傾向としてあるということをきちっと見て、それを除去していくことに間接差別という考え方の有用性、効用があります。今回、間接差別は盛り込まれてはいるのですが、残念ながら省令列挙となっていることに納得がいきません。
例えば、例は違いますが、セクシュアルハラスメントについて均等法に条文は今入っておりますが、例えばこれをセクシュアルハラスメントは次の三つに限定をするというふうに省令ができたらどうでしょうか。ホテルに行こうと誘う、例えば胸やおしりに触る、三つ目にヌードポスターを職場に張る。その三つだけが省令でセクシュアルハラスメントであると規定をされれば、それは全く使い物にならない、現実におけるセクシュアルハラスメントの防止にもならないというふうに考えますが、なぜ限定列挙なのか、私にもお聞かせください。
○政府参考人(北井久美子君)
繰り返しの答弁になって恐縮でございますが、間接差別の概念を初めて我が国で導入するに当たりまして、やはり幅広い概念でありますことから、均等法上の違法ということを明確にするには、対象となる範囲を明確にする必要があったためでございます。こうしたことから、必要に応じて柔軟に見直しができるような法的枠組みということで、この省令方式を取ることとしたところでございます。
○福島みずほ君
私が理解できないのは、行政指導する範囲内を三つに限定をする。それ以外も違法となり得る間接差別法理が適用されるところがある。そこは裁判に訴えれば違法となり得るものがある。民法九十条、四百十五条の債務不履行責任、民法七百九条の不法行為責任。なぜ行政指導する範囲が狭いんですか。
○政府参考人(北井久美子君)
やはり雇用の場で現実に事業主の皆様方に分かっていただいて、円滑な雇用管理としてこの概念を導入していく必要がある。それから、行政機関である均等室も、司法機関ではありませんから、やっぱり行政指導をするに当たって、すべての者が当たり得るので、個々に判断をして、合理的な理由があるかなしかも含めて判断をして行政指導に当たりなさいということはなかなか難しい。そういうことから、行政指導の根拠法であります均等法については、要するに、初めて導入するに当たっては省令で定める方式とすることとしたわけでございます。
○福島みずほ君
理解できません。
裁判で違法と認定される方が広い。冒頭、私は間接差別の一般論について聞きました。実質的には性による差別であると認める場合には個々の取扱いは違法と判断されてしかるべき、答えはイエスです。また、公序良俗違反、不法行為、債務不履行責任で違法となる場合が歴然とあることを認めています。
裁判所で違法と明確に判断される場合の方が広くて、行政指導する場合の方がなぜ狭いんですか。
○政府参考人(北井久美子君)
例えば、均等法におきましても、現行均等法では妊娠、出産等を理由とする解雇は禁止されておりますが、不利益取扱いは禁止されておりません。そこを今回の改正法案では不利益取扱いの禁止も入れようとしているわけでございますが、裁判事例としては、この現行均等法には規定していない不利益取扱いの禁止について判例が出ているケースもございます。このように、均等法で定めてないものが裁判の事例として挙がっているケースもあるわけでございまして、裁判事例と均等法上の違法の範囲というのは一緒にはなっていないと思っております。
○福島みずほ君
いや、厚生労働業務の責任の放棄ではないですか。
というのは、行政指導は幅広くやる必要がある。行政指導の範囲外に違法となる場合があることを厚生労働省は明確に認めながら、なぜそれについて行政指導しないのか、なぜ現実に起きている違法行為を救済しようとしないのか、理解ができません。それは広げるべきだ。そして、今後も、今回のは限定省令と言われていますが、どんどん拡大をすべきだというふうに考えています。
コンセンサスという話が出ました。労使の合意という話が出ました。しかし、人権問題は合意で解決できません。職場でコンセンサスが取れない、労使合意が取れない、社会にコンセンサスがないからこそ女性たちは裁判に訴え出るわけです。どうですか。裁判の基準になるのは法律です。
○政府参考人(北井久美子君)
何度も同じ答えになって恐縮でございますが、やはり均等法上の違法という範囲と司法の場の判断というのは一致するわけではないというふうに考えております。
ただ、御指摘のとおり、これは言わば初めて間接差別概念を導入するわけでございまして、この三つでずっと今後何もしないというわけではないのでありまして、適時適切に必要な見直しをしていくことといたしておりますので、今回のような御議論も踏まえて今後の検討の課題となっていくというふうに考えております。
○福島みずほ君
いや、質問を誤解しています。
私が申し上げたのは、今回なぜ三つに限定されたのかというときに、コンセンサスあるいは審議会における合意ということを強調されたのが全く理解をできないからです。
ここは立法機関であり、価値基準によって判断をすべきです。労使合意やコンセンサスというのは単なる合意です。人権問題は合意では考えられない。だから、例えば、例えば若年定年制はかつて一般的に社会にありました。しかし、裁判が初めて起きたときには多分みんなは何でそんなの訴えるんだと思ったかもしれません。しかし、今は若年定年制は均等法上違法と明確にされています。
判例の蓄積を待って立法に盛り込むということでは実際は解決が付かないということを申し上げたいんです。公序良俗は価値基準でしょう。合意ではないです。問題があると考えれば、それは救済をすべきですが、いかがですか。
○政府参考人(北井久美子君)
公序良俗違反というものは、司法の場で公序良俗違反として無効と判断されて司法救済が行われるということでございます。
行政法でありますこの均等法を制定あるいは改正をしていくに当たりましては、理想的に言えばすべての、公序良俗違反になりそうな性差別をすべて盛り込んですべての強烈な実効担保措置もつくっていくのが理想かもしれませんけれども、この均等法制定のときから一つ一つ、最初は努力義務と言われて非常に弱い法律と言われながらも一つ一つ積み上げて今に至っているわけでございます。
その意味では、今回の法改正も一つの大きな、間接差別の禁止というのを盛り込んだということが大きなセールスポイントの一つでございまして、今後、その対象に当たっては、判例の動向等も勘案しながら必要な見直しを行っていくというシステムでございます。
○福島みずほ君
判例の動向というふうにおっしゃいましたけれども、裁判をたくさん重ねない限り立法に盛り込めないというのでは問題だと思うんですね。例えばセクシュアルハラスメントの例で、均等法の改正が起きたときにはまだ概念の混乱はあったかもしれない。しかし、当たり前ですが、セクシュアルハラスメントも間接差別も限定列挙などできません。だからこそセクシュアルハラスメントの条文が一般条項として均等法の中に入っているわけです。
間接差別だけなぜ省令で限定できるのか。概念上すべて違法となり得ると、一般的にはいろんなことが違法となり得るといいながら、なぜ限定にするのか。それはもう概念、矛盾が生じている、論理的に破綻をしていますが、いかがですか。
○政府参考人(北井久美子君)
御意見は承りますけれども、要するに、行政府として法律の提案をさせていただく観点からは、特に労働法に当たりましては審議会での議論も積み上げてやってきて、それはなぜかというと、やはり雇用の現場において十分労使が理解して進めていく必要があるからであるというふうに考えております。
そうした意味で、繰り返しになって恐縮ですけれども、こういうシステムを取らせていただいたわけでございます。
○福島みずほ君
いや、労使の理解では駄目なんですよ。労使の理解ではなくて、価値基準としてそれが公序良俗違反か、間接差別としてなぜ日本の中に差別がまだまだあるのか、なぜ女たちは安いパートや有期契約やそういうところに押し込められているのか、そこを端的に見て、どうすればこの差別がなくすることができるかを考えるのが厚生労働省の仕事ではないですか。
○政府参考人(北井久美子君)
考えるのが仕事ということでございますけれども、立法を考えるに当たりましては、しかし、現実に一つ一つ雇用管理の是正ということで積み上げていくということが実効が上がる、その方がむしろ実効が上がると考えております。
公序良俗違反で様々な裁判例もありますけれども、逆に言えば、問題があったとしても何も裁判例がないケースもあります。我が国においては、この間接差別の判例というのは一つもまだないわけでございます。そうした判例が一つもない中で、今回、労働法において間接差別の概念を明文化して規定をしようと決断をしたわけでございます。
その意味で、委員の御指摘からすると全く矛盾だらけで概念がおかしいということかも分かりませんけれども、私どもは精一杯この法の改正作業を進めてきたという理解でございます。
○福島みずほ君
間接差別の裁判例が一つもないというのは事実ではありません。
具体的に聞いていきます。
手元に資料をお配りしておりますが、S社における世帯主要件で生じる男女間の格差、住宅手当。世帯主で被扶養者を有する社員、京浜地区では四万八千円、世帯主で被扶養者を有しない社員三万二千円、世帯主でない社員一万六千円。社内共働きの男女の場合、通常男性にのみ月額四万八千円の住宅手当が払われ女性はゼロである、ともに三十歳で結婚すると女性は定年まで一千七百二十八万円も男性より収入が少なくなる。社内共働きの場合、三万二千円と一万六千円に分け支払うことを求めたが会社は拒否。社内共働きの場合、女性には一万六千円が支払われます。女性が世帯主としての支給を求めると、住民票上世帯主であっても夫より収入が多いことを証明する書類の提出が求められています。男性に配偶者の収入証明を求めたことはありません。
これは「わたしたちの求める均等法改正」、均等待遇アクション事務局の資料ですが、これについていかがですか。これはどう救済されるんですか。
○政府参考人(北井久美子君)
均等法は賃金を対象にしておりませんので、まず住宅手当の問題は直接均等法の対象にはなりませんが、仮にそれを忘れまして、この事例についてと、こういうことであるとすると、男女で異なる取扱いをしておりますので、これはむしろ間接差別ということでなくても直接差別という事案で救い得る事案ではないかと。
今ぱっと見ましたところでございますので、間違いがあるかも分かりませんが、私の取りあえずの感触としてはそう思っております。
○福島みずほ君
そうしますと、今回の改正法案第六条として、使用者側に明確なる差別的意図等がなくてもこれは今度の六条で救済されるということでよろしいですか。
○政府参考人(北井久美子君)
外形的に男女異なる取扱いをするということでありますと、直接差別ということで対象になってくるというふうに考えます。
○福島みずほ君
例えば、女性が圧倒的に補助職である、男性は圧倒的に正社員である、これは間接差別になりますか。どう救済されますか。
○政府参考人(北井久美子君)
その結果になっておりますのは、いろんなケースがあると思いますけれども、例えばそうした中で基幹的な仕事を男性のみに、男性だけを求人の対象にしているであるとかいうことになりますと、これは募集・採用における均等法上の直接差別としてもちろん救済がされるわけでございます。
○福島みずほ君
直接差別について聞いているのではありません。圧倒的に男性の多くが正社員、女性の多くが補助職、これは間接差別ですか。
○政府参考人(北井久美子君)
その結果となっている何らかの性中立的な要件があって、そしてそのかなりの相当な一方の性に対する相当の不利益ということになってくると、間接差別の対象、議論の対象になってき得るというふうに考えます。
○福島みずほ君
間接差別の対象になるのであれば、どのような救済が可能でしょうか。
○政府参考人(北井久美子君)
私どもの提案しておりますのは、何度も繰り返しておりますけれども、省令で定めてということでございますから、仮に省令で定めたものについての救済ということになりますと、まず省令で定めたもののうち、すべてが間接差別として違法になるわけではない、そうした措置が合理的な理由があるかどうかを判断するということになります。そして、合理的な理由のない省令に定めた措置ということになりますと、そこで均等法上の違反ということになりまして、行政指導の対象になるということでございます。
○福島みずほ君
今回、省令で限定するものの中にこの補助職というのは入っておりませんね。そうしますと、もしこれが、改正法案がこのまま成立しますと、さっき言った、今局長は圧倒的に男性が正社員、多くの女性が補助職、これは間接差別だ、間接差別と当たり得るとおっしゃいましたね。じゃ、これはどうやって救済するんですか。省令では限定されているので、これ行政指導の対象にならないんですか。おかしいですよね。
○政府参考人(北井久美子君)
均等法上の省令の範囲に入らないと、均等法上の間接差別として行政上の救済の対象にはなりません。
ただ、正規、非正規労働者の問題、正規労働者と非正規労働者の均衡処遇という問題、あるいは男女の賃金格差の解消という問題は大きな問題だというふうに認識をいたしておりますので、その均衡処遇対策の強化、あるいは男女賃金格差を改善していくための様々なガイドライン等による啓発普及等に努めているところでございます。
○福島みずほ君
これから均等待遇の立法など、是非、大臣もいつも積極的に発言してくださってますので、厚生労働省が立法に踏み込んでくださることを心から期待をいたします。
今局長はガイドラインで作っているというふうにおっしゃいましたが、しかし残念ながら、女性の半分以上はいわゆる非正規です。私が今質問しているのは、こういうことです。
さっき局長は、女性の圧倒的多くの人が補助職、男性が正社員であるのは間接差別だ、間接差別と当たり得るというふうにおっしゃいました。では今、どうやって救済するんですか。この均等法が成立した後、どういう救済が可能なんですか。行政指導の対象にはならない。だとしたら、間接差別だと、圧倒的にこういう状況は差別が潜んでいる。この間接差別はなくすべきでしょう。どうやってやるんですか。行政指導ができない。どうやって救済可能ですか。
○政府参考人(北井久美子君)
何度も繰り返しの答弁で恐縮でございますが、賃金格差の解消のためのガイドラインであるとか、あるいはコース別雇用管理の関係のガイドライン等において様々なことを事業主に要請をしているところでございまして、そういうことの啓発指導によって救済をしていくことになると考えます。
○福島みずほ君
今賃金だということを言っているのではありません。先ほど間接差別だと明言されたじゃないですか。直接差別じゃないけれど、このような状況は現に差別を助長し、差別をつくっている。だとしたら、この間接差別を、女性の圧倒的に多くが補助職、男性が正社員、これを厚生労働省としてはどうやって差別を是正するのか、お聞かせください。
○政府参考人(北井久美子君)
間接差別として違法になると断定したわけではなくて、間接差別の対象となる範囲というのは性中立的な要件であれば何でも当たり得るわけでございますから、あらかじめその対象となる範囲の議論を妨げるものではないという意味で、仮に一方の性別の間に相当な格差があれば議論の対象になるということで申し上げたわけでございます。
○福島みずほ君 結構です。
ですから、実態を見たら、男性、女性の比率やいろんなので相当程度に差別だというケースだったら、厚生労働省、どうやって救済しますか。
○政府参考人(北井久美子君)
間接差別そのものにおいては省令で規定する範囲ではない、なりませんので、行政指導はすることができません。むしろ、その募集・採用、配置・昇進等に当たって必要性のない要件がないか、あるいはどちらかの性に満たしにくい要件がないかというようなことを問題を分析していただき、その実質的な男女機会均等の実現のために改善をしていただくという形でポジティブアクションの推奨であるとか、あるいはコース別雇用管理の改善であったことについての指導をしていくことになると考えます。
○福島みずほ君
いや、それは迂遠じゃないですか、とても迂遠ですよね。間接差別となり得る、そしてその実態を見ると、比率やいろんな差別、いろんなことからこれは間接差別だと認定をした。でも、間接差別だと認定しながら、行政指導ができないなんておかしいじゃないですか。このことにメスを入れれば、歴然とやっぱり差別がなくなる。女性の圧倒的多くが補助職、男性が正社員、これを改善すべきだとなったときに、そういう迂遠な方法でしかやれないんだったら、何で間接差別の導入ということをこれほどやるんですか。
端的に間接差別はこういうものだとして、具体的に救済していけばいいんですよ。それをやらないで、無理やり限定列挙なんて、省令列挙なんてやるから、あるいはもう即座にどんどんどんどんいろんなものを追加することでしか現実の救済はできないというふうに考えます。いかがですか。
○政府参考人(北井久美子君)
何度も申し上げておりますように、間接差別の範囲につきましてはやはりその均等法上の違法の範囲を明確にしてやるべきものであると考えておりますので、第一歩はその三つの予定しているものからやっていきたいというふうに考えております。
○福島みずほ君
しかし、局長はさっき女性の大部分が補助職、男性が正社員というのは間接差別となり得るとおっしゃったじゃないですか。間接差別となり得るというふうに言いながら何で救済できないのか。だれが考えたって、これ間接差別ですよ。
もう一回お聞きし、別の件をお聞きします。
では、女性の圧倒的多くが有期契約、男性の圧倒的は正社員、女性の待遇が圧倒的に悪い有期契約、これについてどうですか。どう救済しますか。
○政府参考人(北井久美子君)
まず申し上げておきたいのは、要するに、結果として男性が多いあるいは女性が多いということだけで、その結果の平等ということで、といいますか、結果だけを見て間接差別だということにはならないわけでございまして、相当なその格差があった上で、合理性があるないということをきちんと見て初めて間接差別ということになるわけでございます。
その前提として、先ほどの御指摘のケースでございますが、正社員と有期社員の相当な男女差があるというようなケースにつきましては、これも個々の事案ごとに見てみませんと、本当にその結果になっているのが合理的理由があるのかないのか分からないわけでございますけれども、一般論で申し上げれば、正社員と非正規との均衡処遇というものの問題であるというふうに考えております。
○福島みずほ君
もちろん個々で見なければ分からないかもしれませんが、女性の圧倒的多くが有期契約、男性は正社員、これについて間接差別となり得ると考えますが、では救済はどのように可能なんでしょうか。均等待遇の立法ができればベストです。私たちも目指します。しかし、残念ながらできておりません。現実に差別があります。どうやって解決しますか。
○政府参考人(北井久美子君)
パートタイム労働法に基づいて指針がございます。その指針に基づいて、事業主に対して指導をしてまいるということが一つ。それから、コンサルタントの派遣であるとか、あるいは自主点検の推進といったようなことについて、事業主にパートタイム労働者の処遇改善あるいは均衡処遇といったことについて改善を促していくということであると考えます。
○福島みずほ君
それで解決していないから質問をしているわけです。
女性の圧倒的多くが有期契約、男性の圧倒的多くが正社員、これは間接差別となり得ますか、なり得る場合がありますか。
○政府参考人(北井久美子君)
間接差別の対象となる範囲の議論において、あらかじめその対象にならないというものを決めて掛かっていく必要はないというふうに思います。
○福島みずほ君
ありがとうございます。間接差別となり得るわけですよね。
では、間接差別となり得るということは、直接差別ではないけれども、差別をつくり、格差をつくっているわけだから、どう私たちがそれを解決するかと。
じゃ、厚生労働省、今現にガイドラインでは解決していない。どうやってこの間接差別となり得ることを解決しますか。女性の圧倒的多くが有期契約、男性が正社員、どうやってこれを是正しますか。
○政府参考人(北井久美子君)
何度も申し上げて恐縮でございますけれども、パートタイム労働法に基づく均衡処遇の改善指導等でやっていくものだと考えております。
○福島みずほ君
改善指導で実効性が上がってないこと、固定化していることをどうお考えですか。
○政府参考人(北井久美子君)
現実に男女の賃金格差もあり、それから正規労働者と非正規労働者の男女比率を見ると、日本国内においての全体の数値においても男女差があるということは認識をいたしております。しかし、すべての、個々の企業におけるケースケースがすべてこれで、結果としてそういう数字になっているのがすべて間接差別だということで断罪されるわけではないということは何度も繰り返し申し上げておきたいと思います。
その上で、私どもは、そうした正規、非正規の問題あるいは正社員とパートの問題、均衡処遇というような問題は、これ、非正規の労働者の中にも、あるいはパート労働者、その中のパート労働者の中にも、女性だけでなく男性の比率もかなり今高くなっておりますので、性差別という問題ではなくて均衡処遇という切り口で対策の強化を図っていかなけりゃならないということで考えております。
○福島みずほ君
均等処遇の立法は心から、大臣もいつも前向きに言ってくださっているので、本当に大至急作っていただけるよう、あるいは一緒に作れるよう、心から申し上げます。
ただ、今日お話をしているのは、間接差別の切り口で、基準としてお聞きをしているわけです。圧倒的に女性が有期契約、男性が正社員、これは間接差別について除外例を一般論としてはつくらないということですから、間接差別となり得ることがあるわけです。局長自身も、日本の中で圧倒的に女性たちがパートや非正規雇用あるいは賃金格差があることはお認めになっております。じゃ、それをどうやって是正するんですか。やっぱりこれは間接差別でしょう。どうやって是正するのか、まだ私には分かりません。答えてください。
○政府参考人(北井久美子君)
間接差別の議論から排除するものではございませんけれども、当面、積み上げてきました今回の御提案している均等法改正案の中ではそうした問題は省令に定めることを予定していないわけでございます。まあそれは将来の検討の対象から排除するものではございませんけれども、現状におきましては、何度も繰り返しになって恐縮ですが、パートタイム労働者の均衡処遇といった形でその対策を強化していくべきものと思っております。
○福島みずほ君
間接差別となり得る可能性があることを認めながら今回盛り込めないことは極めて残念です。そこに切り込めばかなり変わるし、労働条件も変わるわけですよね。
大臣、いつも同一価値労働同一賃金等で踏み込んで発言をしてくださっていますが、どうですか。要するに、間接差別で攻めると均等待遇でやると言って、均等待遇でやろうとすると立法、まだつくらないと言う。いつまでも解決しないという、これをどうお考えでしょうか。
○国務大臣(川崎二郎君)
今論議聞いていましてね、正直言って一番職場として多いのはスーパーマーケットになるんでしょうか、店長さんがいて、四、五人の管理者がいて、そして数十名の女性のパートの方々がいらっしゃると。この労働実態を見て間接差別だと言って決め付けるというのはちょっと無理じゃないでしょうか。いろいろ解決すべき問題はある。しかし、スーパーマーケットのその業態を見てこれは全部違反であると、間接差別ですよと、こう北井さんに答えろと言うけど、なかなかそれはそうでございますという答弁はできないんではないんだろうと。
しかし一方で、福島委員が前から御主張のとおり、実態論として、そのパート労働の女性が一日それこそ八時間正社員と変わらない勤務しているのに余りにも賃金に格差があるじゃないですかというところは私どもしっかりやらなきゃならないですねということは申し上げているんですけれども、今スーパーマーケットを全部否定するような話になってしまいますので、私はそこはちょっと違うんじゃなかろうかなと、こう思います。
○福島みずほ君
すべての点について申し上げているというよりも、でも私自身は、スーパーマーケットで店長は必ず男性、圧倒的に女性たちがパート、しかも同じような仕事をしながら同じスーパーの中で男性と女性で賃金が非常に、多くの男性正社員と女性のパートで違う。もちろんこれは銀行であれほかのところであれ、あらゆるところにこれは広がっている。これについてどう変えていくかという視点は非常に必要で、なぜそこに切り込まないのかということが理解をできません。
だからこそ、今日、局長は間接差別となり得ると、将来排除するものではないと。しかも、今日の答弁の中で、限定省令以外の点も違法であり、間接差別だというふうにおっしゃっているわけですから、ここについて、じゃ私たちは、問題点をどう発見し、どう立て、どう差別をなくしていくかという視点が必要だと思います。
今日、女性差別撤廃委員会の日本の政府に対する勧告についてもほかの委員からも質問がありました。私はやはり水平及び垂直的な職域分離の両方を撤廃するために努力することを勧告する、これはパラグラフ三十四ですが、この垂直的な職域分離の両方を撤廃するために努力をする。これはどう実現していかれるんでしょうか。
○委員長(山下英利君)
答弁は。
北井雇用均等・児童家庭局長。
○政府参考人(北井久美子君)
男女の賃金格差を見ますと、その役職、職階の違いあるいは勤続年数の違い、それから職域の違い等の原因で日本国における男女の賃金格差というのが生じていると思います。
したがいまして、この賃金格差を解消していくためには、公明、公正な、透明な人事制度、賃金制度を整備し運用することや、仕事と家庭の両立支援対策、そういうことも含めたポジティブアクションの推奨といったことがもろもろ進めていかなけりゃいけないと考えておりまして、ガイドラインに基づきましてそうしたことを事業主に啓発指導をしているところでございます。
○福島みずほ君
ポジティブアクションや啓発では間に合わないというか、現実には正社員の中にも男女差別がある。でも、それ以外に、圧倒的に女性たちがパートや派遣や契約社員に押し込められて、そもそも賃金体系そのものが全然違う。有期でいつでも解雇をできる。だからこそここに間接差別というふうにして、個々の問題点をきちっと見てそしてそれを救済できるようにどの職場でも改革をしていくというふうにしなければこれは実現できないというふうに思っています。今回の均等法の改正法案は、残念ながら女性差別撤廃委員会の勧告の中身を十分に満たしているものではないと、必要条件ではあっても十分条件とはなり得ていないというふうに考えております。
では次に、先ほど、S社における世帯主の住宅手当に関して、これは直接差別でいけるのではないかという旨の答弁がありました。住宅手当の支給要件、一般的に、住宅手当の支給要件、住宅手当の支給状況、家族手当の支給状況で明確に性差があります。例えば、一般労働者のうち事業者が住宅手当を支給した労働者の割合は五一・五%。男女別に見ると、女性は一九・二%、男性は八〇・八%というように明らかに性差が、男性と女性で差が生じております。
これらは六条の、六条、「福利厚生の措置であつて厚生労働省令で定めるもの」と、六条の直接差別ということで今後救済されると理解してよろしいでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君)
世帯主に支給する住宅手当とか家族手当ということになりますとこれは賃金ということでございますので、均等法では賃金を雇用ステージの対象としておりませんのでそれは均等法の問題とはならなくなります。
ただし、世帯主にかかわります福利厚生の措置というようなことであれば、男女異なる取扱いがあるということであれば均等法の対象になるわけでございます。
○福島みずほ君
積極的に六条違反ということで直接差別で解決してくださるようお願いをいたします。
これは行政指導でおやりになるわけですね。
○政府参考人(北井久美子君)
六条違反にかかわる問題につきましては行政指導でやってまいります。
○福島みずほ君
ちょっと質問が前後して申し訳ありません。
先ほど、有期契約と補助職についての間接差別となり得るということについてお聞きをいたしました。アメリカは、確かにパートタイマーなどの問題を間接差別とはしておりません。しかし、今日も出てきておりますが、ヨーロッパの裁判所、ヨーロッパでは実際の差別是正についてこの間接差別が大きく寄与をしております。例えば、EUの裁判所では間接差別の判例は四十八件ぐらいですが、例えばそのうち半数がパートタイマーの事件、ドイツのほとんどはパートタイム関係だというふうにされております。こういう視点は非常に重要だと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君)
今御指摘がありましたように、アメリカでは間接差別の対象からパートの問題は見られない。一方で、EUにおきましては間接差別というとパートに係る問題が大変多いということで、諸外国の状況も様々であるというふうに考えております。
我が国においてどうするのかということにつきましては、先ほど来からお答えしておりますとおり、間接差別の対象範囲にあらかじめ制限を掛けるわけではございませんけれども、そのパートの処遇問題は直ちに今回省令に入れることにコンセンサスは得られなかったということであります。そして、むしろこの問題は、正規労働者と非正規労働者の均衡処遇の問題として対応していくことが適当であると考えております。
○福島みずほ君
しかし、今日の質問の冒頭にあったように、間接差別というのはそもそも限定をしていないわけですね。たまたま省令列挙では三つに限定をした。
パートタイマーの問題、非正規雇用の問題というのは女性問題でもあると。男女差別の問題でもある。この視点は正しいですね。
○政府参考人(北井久美子君)
パート労働者の中で女性は七割ほどを占めております。その意味で、パート労働者の問題は女性の処遇改善という観点からも大きな課題であるというふうに思います。
○福島みずほ君
均等待遇の問題でもありますが、同時に女性差別の問題でもあると。圧倒的に比率は女性が多いわけですから、私はこれこそ間接差別でもあるというふうに思っております。
局長、この女性差別の面があるということについて、今後、均等待遇の立法と同時に、どのようにこの改善をされていかれるおつもりでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君)
繰り返しになりますけれども、パートタイム労働対策の強化ということと、それから男女の賃金格差の解消のための様々な施策の強化ということに努めてまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君
条文上例えば、「男性及び女性の比率その他の事情を勘案して」とありますが、比率は例示であって、したがって統計的数値以外からも差別的効果が生じていると見ればそれでも勘案するということでしょうか。比率のみを重視しないということで理解してよろしいでしょうか。
○政府参考人(北井久美子君)
男女の比率ということが結局、一方の性に対する不利益ということでポイントになるわけでございますが、その男女の比率のみならず、その他の事情も勘案してやってまいることになると思います。具体的には、判例の動向であるとか社会的なコンセンサスの動向も勘案して省令を定めていくということになると思います。
○福島みずほ君
判例の動向と社会のコンセンサスとおっしゃいましたが、もう一歩踏み込んで、諸外国の例やあるいは価値基準として、日本の中で何が女性差別を発生させているか、その視点から積極的に勘案していただきたいと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(北井久美子君)
御意見も十分承ってまいりたいと思いますが、審議会の議論を経て省令を定めることになりますので、最終的には審議会での議論を踏まえたいというふうに思っております。
○福島みずほ君
例えば丸子警報器事件は、均等待遇、正社員一〇〇に対して八割以下であれば公序良俗違反だといった判例があります。あるいは、御存じ三陽の会社のケースで世帯主を争ったケースや、実はたくさん私自身は、女性差別を争う、あるいは間接差別を争った例はたくさんあるのだというふうに思っています。
判例の動向とおっしゃいましたが、実は判例はたくさん出ております。たくさんの女性差別の事件が裁判で争われている。にもかかわらず裁判に訴えなければ解決ができない。でも、パートの人で裁判を起こせる人なんてごくわずかですよ。そのことをきちっと踏まえて積極的に今後、間接差別の考え方あるいは限定省令についてもっともっと拡大をしてくださるよう、していくことが必要だと考えます。同時に、均等待遇の立法が必要だと考えます。
「業務の遂行上特に必要である場合、」、「雇用管理上特に必要」と法案にありますが、一方の性が受ける不利益が重大な場合には特に必要の判断がより厳格に行われなければならないと考えますが、いかがですか。
○政府参考人(北井久美子君)
間接差別の合理性につきましては、例えば募集、採用の措置について全国転勤ができることといった要件を設けます場合には、採用された後に就く業務においてそうした要件を課すことが真に必要かどうかという観点から判断されるべきものであると考えます。
したがいまして、不利益の大小というよりも、特に必要、客観的に見て真に必要であるかどうかということを示していく必要があるというふうに考えます。
○福島みずほ君
今回、均等法の改正法案が一歩進めるものとなることを本当に期待をいたしますが、間接差別を始め正直不十分、やはり理解ができない、無理して概念上破綻をしているという気がいたします。
修正案を考え、是非賃金も、間接差別の禁止の対象に賃金を加える、あるいは限定ではなく指針で一般的に定めることということなどを強く要望し、法案のきちっとした実効性のあるものが作れるよう、今後も審議を重ねていきます。
以上です。
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