参議院 予算委員会 2006年3月23日
◆平成十七年度予算案
◆国旗・国歌法について◆
◆国旗・国歌法について◆
○福島みずほ君
社民党の福島みずほです。
官房長官、国旗・国歌法が成立した際に当時の官房長官であった野中広務氏は、国として強制したりあるいは義務化することはございませんと述べています。また、国民生活に何ら変化や義務が生じ、影響を与えるものではないとも発言しています。現在もこれに変更はありませんね。
○国務大臣(安倍晋三君)
変更がないというのはよく分からないんですが、いわゆる義務規定は法律にはないということであれば、それはそのとおりであります。
○福島みずほ君
方針に変更はないということでよろしいですか。
○国務大臣(安倍晋三君)
それは官房長官が、当時の官房長官の答弁は、それは当然今も変わりはないということであります。
○福島みずほ君
学校現場に変化があったとお考えですか。変化はなかった。いずれでしょうか。
○国務大臣(安倍晋三君)
学校もたくさんありますから、それを一概に、私もすべて見て回っているわけでもないので、何ともお答えのしようがございません。
○福島みずほ君
文部大臣、いかがですか。
○国務大臣(小坂憲次君)
学校現場において特に変化があったということはないと思っております。
○福島みずほ君
この法案成立以降、多くの大量の処分が行われております。どのような指導が小中高の現場で教師並びに生徒に対して行われていると把握していらっしゃいますか。
○国務大臣(小坂憲次君)
詳細、また局長の、担当の方から答弁させていただきたいと思いますが。
懲戒処分等の状況を調べてある数字がここにございます。公立学校の教職員に対する国旗掲揚、それから国歌斉唱の取扱いに係る訓告等を含む懲戒処分の件数は、国旗及び国歌に関する法律の成立前の平成十年には百六十一名であったが、成立した十一年度には九十六名、成立後の平成十二年度には二百六十五名となっております。
また、指導でございますが、教員及び児童生徒に対する指導の状況につきましては、学校における国旗・国歌の指導は、国旗・国歌法の成立以前から学習指導要領に基づきまして、入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとされております。
国旗・国歌法の制定の際に文部科学省、当時といたしましては、通知を発出いたしまして、引き続き学習指導要領に基づき指導すること、国旗及び国歌に対する正しい理解を一層促進することを指導したところでございます。
○福島みずほ君
局長。
○政府参考人(銭谷眞美君)
ただいま大臣からも御説明を申し上げましたけれども、学校における国旗・国歌の指導は、児童生徒に我が国の国旗・国歌の意義を理解させ、これを尊重する態度を育てるとともに、諸外国の国旗・国歌も同様に尊重する態度を育てるために行っているものでございます。
具体的には、社会科では、国旗・国歌の意義を理解させ、諸外国の国旗・国歌を含め、それらを尊重する態度を育成すること。音楽の授業では、小学校のいずれの学年においても国歌君が代を指導すること。入学式や卒業式などでは国旗を掲揚し、国歌を斉唱するよう指導することとしているところでございます。
○福島みずほ君
町田市では、音量チェック、音量のチェックをしています。去年からこぶしが入るぐらいの大きな口で歌えという指導をしています。起立をしなかった教師が一か月停職処分になっています。国旗に注目しなかったという理由から調査が入った教師もいます。これはこの一九九九年以降新たにできたことです。
また、この実態について把握していますか。
○委員長(小野清子君)
どなたに。文科省ですか。
○福島みずほ君
はい。
○政府参考人(銭谷眞美君)
入学式における、あるいは卒業式における国旗・国歌の取扱いについては先ほど申し上げたとおりでございますが、国旗掲揚、国歌斉唱の具体的な方法につきましては、学校を所管する教育委員会や各学校の校長が適切に判断していただくものと考えておりまして、教育委員会が学校に対して指導通達等を発出している教育委員会もあると認識をいたしております。
文部科学省といたしましては、今後とも国旗・国歌の取扱いについて適切な指導が各学校において行われるよう努めてまいりたいと存じております。
○福島みずほ君
問いに答えていません。現実に何が行われているかを御存じかと聞いています。
○政府参考人(銭谷眞美君)
東京都の例で申し上げますと、国旗は式典会場の舞台壇上正面に掲揚する、国歌斉唱はピアノ伴奏等により行うといったようなことで、国旗・国歌の指導としては通常の指導が行われていると思っております。
○福島みずほ君
懲戒処分がどのようなものか把握していらっしゃいますか。注目を、例えば、済みません、例えば、不起立で停職処分一か月、あるいは先生が国旗の方を見なかったことで調査が入っている、このような実態を御存じですか。
○政府参考人(銭谷眞美君)
公立学校の教職員は公務員でございます。職務命令を受けた場合、これに従って職務を遂行する責務がございます。
実際にどのような処分を行うか、これは基本的には任命権者の裁量にゆだねられております。任命権者におきまして個々の事案に応じ、問題となる行為の性質、態様、結果、影響等を考慮して総合的に判断しているものと考えております。
○福島みずほ君
文科省は立法する際に、影響はない、強制しないと答弁をしました。そのことに責任を取っていただきたい、そう思います。
思想、良心の自由をどうお考えですか。
○委員長(小野清子君)
文科省、銭谷局長。
○福島みずほ君
いや、文部大臣。大臣。
○国務大臣(小坂憲次君)
思想、良心の自由は尊重されるべきと考えますが、先ほど局長が答弁いたしましたように、本件は、学校は児童生徒の発達段階に応じて教育を行うことを目的とするものでございまして、教員は関係の法規や校長等の上司の職務上の命令に従って教育指導を行わなければならない職務上の責務を負っているわけでございます。
したがいまして、公立学校における国旗掲揚、国歌斉唱の取扱いに係る懲戒処分等は、そのほとんどが校長等の職務命令に従わなかったことによる職務命令違反の責任を問うものであると認識をいたしております。
そういった意味で、その思想、良心の自由とは別の問題であると考えております。
○福島みずほ君
憲法十九条は思想、良心の自由を定め、子供にも親にもPTAにも来賓にも思想、良心の自由があります。
では、どういう場合に子供や先生の思想、良心の自由を侵害したとお考えですか。
○委員長(小野清子君)
大臣ですか。
○福島みずほ君
はい、大臣です。
○国務大臣(小坂憲次君)
それは、具体的な場合が、どのような条件でどのような行為が行われ、それを侵した人がですね、人である場合、まあ組織である場合とあるんだと思いますが、人がどういう方であるか等によってその違いが生じるものと思っております。
○福島みずほ君
処分をちらつかせて歌わせること、歌いたい人は歌えばいいけど、歌わせること、これは思想、良心の侵害に当たりませんか。
○国務大臣(小坂憲次君)
手を挙げる状況がどのような状況かによると思います。
○福島みずほ君
済みません。ちょっとよく分からなかった。(発言する者あり)手を挙げる。手を挙げる。
○委員長(小野清子君)
もう一度。福島みずほ君。
○福島みずほ君
ちょっと答弁が分からなかったので、もう一回説明してください。
○国務大臣(小坂憲次君)
福島委員の御質問が、手を挙げるということを命じられる等のことについてどうかと、こういうことでございましたので、その手を挙げるといった状況がどういう状況か分からないと判断できないと申し上げたわけでございます。
○福島みずほ君
懲戒処分と言ったんです。
○国務大臣(小坂憲次君)
いえ、ただいまの御質問はそういう問題ではございませんでした。
○福島みずほ君
思想、良心の自由を侵害する場合とは、無理やり口を開ける、あるいは無理やり立たせるというふうに担当の方はおっしゃいました。それこそ強要罪あるいは暴行罪です。
人が何を思うかは一〇〇%自由です。しかし、思想、良心の自由は、その考えていることが外で出たときに、それについて迫害を受けたり不利益を受けたりすることがないということです。今の現状では思想、良心の自由は保障されておりません。
教育基本法が禁ずる不当な支配ということについてもお聞きをします。
東京都は現在、式に職員を派遣して、指導が守られているかを監視するということをやっております。これは教育基本法が禁ずる不当な支配ではないですか。
○政府参考人(銭谷眞美君)
お尋ねの事例につきましては詳細は承知をいたしておりませんが、東京都教育委員会は都立高校の設置者でございますので、設置者として学校の管理運営の一環としてそのようなことを行うことは全く可能でございます。
○福島みずほ君
北九州市の裁判で、判決は、教育委員会が教職員や児童生徒が起立して君が代を斉唱しているかを監督することは教育基本法が禁じた各校長に対する不当な支配に当たると判断をしました。
これについていかがですか。不当な支配になるじゃないですか。
○政府参考人(銭谷眞美君)
先ほども申し上げましたけれども、教育委員会は設置者といたしまして、学校の管理運営について責任を負っているわけでございます。
具体的な対応の状況というのはそれぞれの事案ごとにあろうかと思いますけれども、設置者である教育委員会が学校の管理運営に関して一定の権限を行使をするということは、これは当然あり得る話でございます。
○福島みずほ君
教育委員会が行って監督をする、ビデオに撮って一人一人が歌っているかを全部監視をする、こういうことは強制であり、明らかに、強制をしない、不利益を与えない、変わらないといった一九九九年の立法の当時の答弁、立法者の意思に明確に反しています。そういう事態が現場で生じております。
上から弾圧をして、魂の自由のないところで教育はありません。思想、良心の自由を守ることは国の責務ではないかということを申し上げ、学校現場に対しての改善をしてくれるよう文部省に強く求め、私の質問を終わります。
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