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2006年

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参議院 予算委員会 2006年2月1日

◆平成十七年度補正予算三案審議


◆格差拡大について◆
◆BSE問題について◆


 

◆格差拡大について◆

○福島みずほ君
 格差、元祖格差是正の社民党としてお聞きをいたします。
 総理は格差が拡大しているデータはないとおっしゃっています。では、貧しい人が増えている、貧困層が増えている、これはお認めになられますか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 いや、その格差是正の問題についていろいろ質疑が重ねられておりますので、識者から実際どういう状況なのかと、先日も政府・与党の会議で識者から実際の現在あるデータを基にしてお話を伺ったところ、言われているような日本は格差社会ではないと、ほかの国と比べても生活水準も高いと。しかし、一方では生活保護世帯も増えている、フリーターあるいはニートという状況もあるから、これにはよく注意して、こういう方々たちに対してやはり仕事の重要性、就業機会をいかに増やしていくか、またやる気を持って取り組んでもらうかということが必要だという認識はしておりますし、私は、ある程度人には違いがあると。地域においても格差といいますか特色があります。そういう違いとか多様性を認めて、できるだけ地域なり企業なり個人なりが持っている能力を引き出していく努力が必要ではないかと。
 そして、どうしても対応できない、自力ではやっていけない方々に対して、どうしてお互いに助け合い、あるいはまた政府の機関、公共団体、公共の機関なりがそういう方たちに対してどのような保障なり対策をしていくか。この両面が必要だということを言っているんであって、むしろ悪平等というものをどうやってなくしていくかということが必要でないかという視点も踏まえて、日本の持っている力というものを、あるいは創意工夫というものを発揮させていくことによって更に日本の経済が発展し、国民生活も豊かになるのではないかということを目指しているのが小泉内閣の改革であって、更にこの貧困を増やすとかいうよりも、失業者をいかに減らしていくか、就業機会を増やしていくか、経済を発展させていくか、そのための潜在力をいかに引き出していくかというのが我々の目指す改革であるということも御理解いただきたいと思うんであります。

○福島みずほ君
 貧困率が高くなっている、貧しい人が増えているという認識は総理にはありますか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 そのデータを拝見し、データに基づいた説明を伺ってますと、私は、その各国と比較の話でありますけれども、これがますます増えていくという状況ではないと。現に、就任以来改革を進めて、失業率も減ってきております。そして、有効求人倍率といいますか、これは一に近づいているよりも一を最近超えてきたということは、企業が人を求めるといっても仕事を探したいという人が少ないという状況、改善されてきていると。ミスマッチが問題ということは事実であります。
 私は、これはあってはならないというのは、どの時代におきましても成功する人としない人います。また、それぞれの人の持ち味が違います。力も違います。ですから、今後、我々は気を付けていかなければならないのは、貧困層を少なくするという対策と同時に、成功者をねたむ風潮とか、能力のある者の足を引っ張るとか、そういう風潮は厳に慎んでいかないとこの社会の発展はないんじゃないかと。できるだけ成功者に対するねたみとかそねみという感情を持たないで、むしろ成功者なり才能ある者を伸ばしていこうという、そういう面も必要じゃないかと。
 同時に、これから、生活保護世帯が最近増えておりますけれども、そういう人たちに対する対策も含めて、今後、生活保護を受けないで新たな仕事に就けるような対策、これが大事ではないか。特に、フリーター、ニート等の問題については力を入れて、若い人にどんどん仕事の機会を提供をして仕事に就く機会を持ってもらうような、またやればできるというような意欲を持ってもらうような教育といいますか訓練の場というか、そういうのが必要ではないかなと思っております。

○福島みずほ君
 貧しい人、貧困層は増えていないというのが総理の認識ということでよろしいですね。いや、総理。ごめん、総理に聞いています。結構です、結構ですよ。(発言する者あり)

○国務大臣(与謝野馨君)
 日本の経済は確実に拡大しているわけでございます。完全な自由経済の社会では当然格差は生じますけれども、例えば戦後六十年の日本の社会は、やはり所得再分配というものをよく考えてきた私は社会であって、それは一つは、道具としては、ツールとしては所得税制があり、またいろんな社会保障制度を通じて所得再分配を行ってきたと。そういう意味では、私は、直観ではございますけれども、日本の社会というのは、いろいろな制度、税制を見ましても、世界の先進諸国の中では極めて格差の少ない社会であると思っております。また、先般、学問的に御説明しましたジニ係数もそのようなことを物語っていると私は思っております。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 与謝野大臣も答弁されましたように、所得格差においても賃金格差においても、国際比較においてはそのような拡大は言われているほど見られないという報告を受けております。ただ、日本の所得格差は緩やかな拡大を示しているということでもあります。そういう点によく注視しながら、今後様々な対策を打たなきゃいけないと思っております。

○福島みずほ君
 貧困層、貧しい人が増えているという実感は総理にはないということですね。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 これは、今までも申し上げておりますように、所得格差は緩やかな拡大を示しておりますが、英米のような賃金格差の拡大は見られないということであります。国際的に見ても、賃金格差は大きくも小さくもないという報告を受けております。

○福島みずほ君
 いやあ、非常にがっかりしています。
 ジニ係数は拡大していますし、貯蓄残額ゼロが今四分の一です。貧困率は、二〇〇〇年には一五・三%と先進国中日本は三番目の高さ。所得再分配調査は、八〇年代前半までは高所得層の当初所得は低所得層の十倍でしたが、二〇〇二年には百六十八倍となっています。非正規雇用は小泉さんの政権下で五百万人増えました。地域格差も、自民党の議員からも出ています、拡大をしています。
 公立の小中学校で文房具、給食費、修学旅行費などの援助を受ける子供の数、二〇〇四年度までの四年間に四割増。東京、大阪、山口、これは四人に一人。足立区は二〇〇四年、四二・五%です。子供たちが援助をもらわないと修学旅行に行けない、文房具買えない。卒業文集の作成、これは新聞に出ていたものです、クラスの児童、将来の夢、三分の一の子供が書けない。自分が成長してどんな大人になりたいのかイメージができない。  総理に貧困層が増えているという実感がないんだったら、総理はもう裸の王様ですよ。国民の実感とずれている。国民見ずして改革なし。政治をやる資格はないですよ。
 所得再分配やそれを政治がどうするか、それについてどうですか。問題を認識しないんですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 問題を認識しているからこそ……

○福島みずほ君
 だって、貧しいと認識してないじゃないですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 そのような対策をしていかなきゃならないと言っているわけであります。

○福島みずほ君
 改めて聞きます。
 では、所得の格差の拡大を認めるんですか。貧しい人が増えているというのを認めるんですか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 それは比較の問題ですから。それは、世界全体から見れば日本は豊かな社会であるけども貧困層があると、そういう点については対策をしっかりやっていくということであります。

○福島みずほ君
 貧困率が二〇〇〇年には一五・三%と先進国中三位、これはどうですか。

○国務大臣(与謝野馨君)
 確かに、生活保護者等は増えているということは事実でございます。マクロのいろんな数字を勉強しますと、格差はそんなに拡大されているというふうには確認されませんけれども、やはり我々としては、そのマクロの数値に表れてこない格差拡大を示唆する動き、こういうものが指摘されている。それはどういうことを背景にしているかということは、政治としては考えていかなければならないと思っております。
 一つは、バブル崩壊後の長期にわたる大変厳しい経済状況の下で、先生も御指摘になられましたように、人件費削減のため非正規雇用を拡大したこと、これが一つです。それから第二番目は、かつてのように必ずしも年功序列型で賃金が横並びで上昇していくという状況にはないこと。こういうことにはやはり我々は注意をしながら政策を考えていかなければならないと思います。
 また、それと同時に、若年層においていわゆるニートとかフリーターというものが増加している。これは、将来の格差を拡大するものとして我々は考えていかなければならない、また政治として取り組まなければならないと、そのように考えております。

○福島みずほ君
 今、五世帯に一世帯が年収二百万円以下です。それを見ない、格差は拡大していない、そして貧困層の問題が分からない、こういう小泉首相、もう政治をやる資格はないと思います。

 

◆BSE問題について◆
○福島みずほ君
 次に、BSEの問題についてお聞きをします。
 一月二十五日、代表質問をいたしました。なぜ査察を輸入再開決定後に行ったのかと質問をしました。総理、その段階で質問主意書の答弁に反しているという自覚はあったんでしょうか。──いや、総理。

○委員長(小野清子君)
 それでは、まず中川農林水産大臣。

○国務大臣(中川昭一君)
 これは十二月十二日の再開に関しての話でございますね。

○福島みずほ君
 はい。

○国務大臣(中川昭一君)
 はい。十二月十二日にいろいろな諸手続を終わった後、輸入再開手続を決定をいたしました。アメリカ側も日本からの日本産の牛肉の輸入再開を決定をいたしました。食品安全委員会の答申におきましても、再開前に調査を米国へ行ってするということは条件になっておらない。念のために、十二月十三日以降に四十、当時四十施設のうち十一施設について調査に行ったわけであります。
 今後も全施設を調査をする方向で検討しておりますが、これは、安全についてはアメリカ側の責任でございまして、事前に施設を調査するということは日本側の義務ではございません。

○福島みずほ君
 総理の認識はどうですか。答弁したときに質問主意書に反しているという意識はありましたか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君)
 いつの答弁か分かりませんが、この問題が質疑をされた中において、質問主意書にある答弁に反していると思ってはおりません。要は、日本としては、食品安全委員会の報告に基づいてしっかりとした対応をしているということだと思っております。

○福島みずほ君
 質問主意書での答弁では事前にと書いてある。それをやってないわけです。
 この点について食品安全委員会は、輸出プログラムが守られるとすればというふうに言っています。この守られているとすればというのを日本政府は確認する必要があるんじゃないですか。食品安全委員会プリオン専門調査会座長は、政府が査察して条件遵守を確認した上で牛肉が輸入されると理解していたと述べています。アメリカがちゃんとやるだろう、日本はやらない、これではアメリカに丸投げです。どうですか。

○国務大臣(中川昭一君)
 まず、質問主意書というのは一杯あるんで、どの質問主意書か確定して質問してください。

○福島みずほ君
 川内衆議院議員が出した、十一月十八日に答弁書が出たものです。

○国務大臣(中川昭一君)
 これはおとといも衆議院で長時間議論をいたしましたけれども、川内議員の質問主意書に対して政府として出したお答え書には、これは午前中も官房長官からも答弁がありましたように、輸入再開に当たっては輸入再開前にアメリカの諸施設を調査する、また、そして云々と、こうあるわけでございまして、と考えておりますということで、これは政府統一見解といたしましてこの日本政府の考え方、認識を示したものであると。その後、状況が変わったということでございまして、答弁の趣旨に反したものでないということは官房長官からおととい正式に発表があったところでございまして、他方、食品安全委員会の最終答申におきましても、再開の前後を問わず米国諸施設をチェック、日本側がチェックをするという義務についてはこれは決められておりません。それをしなくていいと。これはひとえにアメリカ側の責任、義務であるということで、日本側としてはそれは念のためということで、再開後に十一施設についてやったわけであります。

○福島みずほ君
 食品安全委員会の結論は、輸出プログラムが守られているとすればリスクが少ない。守られているとすればというのを、日本政府は日本人の食を守るために確認すべきではないですか。なぜ再開決定前に査察をやらなかったんですか。

○国務大臣(中川昭一君)
 輸出プログラムというのは、アメリカ側がやるべき義務を決めている、日米で合意をしているわけでございまして、アメリカ側の義務をやるべきものについてなぜ日本側がやらなければいけないのか、私には御質問の趣旨がよく分かりません。

○福島みずほ君
 アメリカ側に丸投げをしているから今回のような事件が起きたわけです。四十か所の調査、事後の査察でも四十か所のうち十一か所しかやっていません。しかも、三つの大手をお仕着せの査察しかやっていません。ずさんなお仕着せ査察です。だからこそ、今回、こんな問題、二十九か所の、残りのところから出てきたわけです。現に出てきたじゃないですか。査察が不十分だから、アメリカに丸投げしていたからこれが起きたわけです。

○委員長(小野清子君)
 時間です。

○福島みずほ君
 日本政府は日本人の食の安全を守るという気概が全くないのだと。現にこういう危険部位が付いた牛肉が輸入された。千五百トン輸入されているわけです。査察の結論が出る前に日本に肉は来てますよ。

○委員長(小野清子君)
 時間ですので、締めくくってください。

○福島みずほ君
 大臣はこの責任で辞任すべきだと考えます。

○国務大臣(中川昭一君)
 今回の再開については、アメリカ側が守るべき義務と日本側が守るべき義務とはっきり分かれておりますので、混同しないでいただきたいと思います。


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