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2004年
 
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衆議院 法務委員会-30号 平成16年05月26日  
   
 
国会で行われた質問に関しては、国会図書館の国会会議録検索システムを利用すれば、 すべてオンラインから調べられるようになりました。
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○小宮山(洋)委員 民主党の小宮山洋子でございます。
 私も、三年前つくったときには共生社会調査会のメンバーで、つくり上げた一人といたしまして、本日、三年後の見直し、このような形で質疑をすることができて、本当によかったと思っております。
 この法務委員会は、司法制度改革など法案がたくさんございまして、参議院で上げていただいてからなかなか質疑ができないではらはらしていたんですが、本当にきょうを迎えられてよかったと思っておりますし、調査会の皆さん、特に見直しのPTでいろいろ御検討いただいた、きょうの発議者の皆さんに、心からお礼を申し上げたいと思います。
 二〇〇一年の十月からことしの三月までに保護命令が三千八百二十四件も出されておりまして、このことだけでも、本当につくってよかった、役に立っている法律だと思っています。ただ、子供のことをどうするか、あるいは今も話題になった加害者更生プログラムなど、幾つかやり残した課題がございまして、ぜひ見直しをしなければということで、見直しPTをつくるところまで参議院におりましてこちらに来てしまいましたので、本当に当事者の皆さんや支援する方々の声も聞いていただいて、内閣府の方では中期的、長期的と言っていた課題まで盛り込んで改正の案をつくっていただいて、本当にありがとうございました。
 まず、発議者の皆様に何点か伺っていきたいと思います。
 第十条の保護命令に関してですけれども、元配偶者に保護命令が発せられるのは、元配偶者から引き続き受ける身体に対する暴力により生命または身体に重大な危害を受けるおそれが大きい場合とされていますが、こうなりますと、離婚後、身体に対する暴力を受けない期間があると命令が発せられないということにならないか。発せられないとすると、実際に命令が発せられるケースが限定されてしまうのではないかと思うんですが、その点を確認したいと思います。

○神本参議院議員 民主党の神本美恵子でございます。
 ただいま小宮山議員から、参議院で小宮山議員が見直しプロジェクトチームに入っていらっしゃいましたが、その後を受けまして、チームの中で一員として皆さんと御一緒にこの改正、見直しをやってきたところでございます。
 答弁に先立ちまして、一言。
 きょう、たくさん傍聴にお見えになっておりますけれども、この見直しを一年余りやる中で、本当に、被害当事者の方々の声や、支援に携わっていらっしゃる弁護士さんや団体の方々から生々しい声をたくさん聞かせていただきました。その思いをPTメンバーのみんなで精いっぱい受けとめながら、この改正案の中に盛り込んだつもりでございます。不十分なところもあるかもしれませんけれども、そういった観点から、きょうこの衆議院の法務委員会で審議をしていただけるということを大変うれしく思っております。委員長を初め、皆さん方の御努力に心から敬意を表したいと思います。
 そこで、今お尋ねの件ですけれども、元配偶者から引き続き受ける身体に対する暴力のところに対する御懸念でございますが、元配偶者に対して保護命令を発するかどうかは、婚姻中に受けた身体に対する暴力と離婚後に行われる配偶者であった者からの身体に対する暴力とが一連のものとして評価されるかどうかにより決せられるべきものであります。したがって、離婚後、身体に対する暴力を受けない期間がある程度存在する、つまり、暴力が中断しているというようなことをもって命令が発せられなくなるとは考えておりません。
 以上です。

○小宮山(洋)委員 同じく第十条の第二項、先ほど申し上げた、やり残した一番大きな課題だと思っておりました子供の問題ですけれども、結局、つくったときには、暴力を受ける被害者の人権を救済する新しい法律ということで、子供に直接暴力が加われば虐待防止法で対応するけれどもということで、子供については手が届かなかったところが、今回、子供の保護命令が入ったことは大変よかったと思います。そのことに関して、二点伺いたいと思います。
 まず、被害者の子への接近禁止命令を発する要件として、「配偶者が幼年の子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行っていることその他の事情があることから被害者がその同居している子に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があると認めるとき」ということになっておりますが、例示されている「幼年の子」というのはどの程度の年齢の子を想定しているのか。また、子が幼年でないと発せられないというのでは限定的過ぎると思われますけれども、子への接近禁止命令が発せられる「その他の事情」としてどのような事情が想定されるのか、伺いたいと思います。

○神本参議院議員 まず、「幼年の子」については、保育園児、幼稚園児、または小学生に相当する程度の年齢を想定しております。
 また、子への接近禁止命令が発せられる「その他の事情」については、例えば、配偶者が被害者の子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行っている場合において、被害者の子が幼年であるとは言えないものの、例えば病弱であったり障害を持っているというような場合とか、また被害者みずからがその子の身上監護をすることを要すると認められるときでありますとか、配偶者が連れ戻した子に虐待を加えることがそれまでの子に対する態度等から予想されるというような場合は、必ずしも幼年でなくても接近禁止命令を発することがあり得ると思っております。

○小宮山(洋)委員 やはり子供のことによってせっかくのこの保護命令が機能しないということがないように、なるべく限定的でなく、実効性があるように使っていけるようにしていただきたいというふうに思っています。
 やはり第十条第二項に関してですけれども、配偶者と別居中の場合など、家事審判などによって子への接近禁止命令が発せられるよりも前に配偶者に子供との面接交渉が認められていたり、または、子への接近禁止命令が発せられた後に子との面接交渉が認められるということがあると考えられますが、こうした面接交渉との関係はどのように整理されているんでしょうか。

○神本参議院議員 お尋ねの点につきましては、さまざまな声の中で特に強い要望があった問題でございます。特に、学校や保育園の現場からは、例えば、父親なのだから子供に会わせろとか、住所を教えろとか、会わせないと養育費を払う必要がないというような、面接交渉権を振りかざして妻の住所を突きとめたり子供を連れ去ったりというような事例も届けられております。最終的には、配偶者によるこのような行為が正当な理由に基づくものとして、つきまとい、徘回に該当しないこととなるのかという形で問題になるものと思われます。
 その点に関して、まず、家事審判等によって面接交渉が認められた後に子への接近禁止命令が発せられた場合については、一般的には、既に面接交渉が認められていることを前提としまして、その後の事情の変更等を考慮した上で子への接近禁止命令が発せられたものと考えられることから、例えば、配偶者がその認められた内容に従って面接交渉をしようとして子の住居の付近に近づいたとしても、そのことをもって直ちに当該行為が正当な理由に基づくものとされることにはならないと考えます。
 他方、子への接近禁止命令が発せられた後に家事審判等によって面接交渉が認められた場合については、一般的には、既に子への接近禁止命令が発せられているということを前提として、その後の事情の変更等を考慮した上でその面接交渉が認められたものと考えられることから、例えば、配偶者がその認められた内容に従って面接交渉をして子の住居の付近に近づいた場合、それが通常の態様による限り、正当な理由に基づくものとして、子へのつきまとい、徘回には該当せず、保護命令違反に当たらないことになると考えられます。
 なお、子への接近禁止命令は、あくまで被害者の生命または身体に危害が加えられることを防止することを目的としておりますので、子に近づくことを禁止するものであって、面接交渉について定めた家事審判等との間において、その効力や内容自体について互いに影響を及ぼし合うものではないというふうに考えております。

○小宮山(洋)委員 同じく第十八条に関してですが、退去命令の再度の申し立てについての規定では、ただし書きで、「当該命令を発することにより当該配偶者の生活に特に著しい支障を生ずると認めるときは、当該命令を発しないことができる。」とされているんですけれども、これによって、退去命令が再度発せられることが不当に限定的になってしまうというおそれはないんでしょうか。

○福島(瑞)参議院議員 社民党の福島瑞穂です。御質問、どうもありがとうございます。
 ドメスティック・バイオレンス防止法は、二年かけて、小宮山さんも含め、参議院で超党派で実現をしました。今回、三年後の見直しで、これまた超党派で実現ができることを非常にうれしく思っています。一緒につくった小宮山さんにきょうは回答します。
 また、先ほど神本さんもおっしゃいましたけれども、物すごい数の意見交換会を当事者、NGOの人たちとやってきました。ですから、この法案が議員立法というよりも市民立法としてつくられているということに、また、この法案が、改正法が女性への暴力の根絶によりよくまたつながるようにと心から期待をいたします。
 今、小宮山さんが、制限されてしまうのではないかと質問をしてくださいました。
 このただし書きの、「配偶者の生活に特に著しい支障を生ずると認めるとき」に関しては、配偶者の生活の基盤が破壊されてしまうような、非常に限定的なケースを想定しています。また、再度の退去命令によって配偶者の生活に特に著しい支障が生ずることの主張立証責任は、その命令を受ける配偶者の側にあります。さらに、その主張立証がされた場合においても裁判所は命令を発しないことができるとされているのであって、それでもなお、事案により再度の退去命令を発する必要があると認められるときは、再度の退去命令を発することが可能であります。
 以上のことからすれば、このただし書きの規定が退去命令を出すことを限定的にしてしまうのではなく、きちっと有効に機能するようにと考えております。退去命令が再度発せられることが不当に限定的になってしまうということにはならないというふうに考えています。

○小宮山(洋)委員 今福島さんが言われたように、本当にこれは参議院のよさを生かしてと衆議院に来た私が言うのも変ですけれども、参議院の超党派で人権の問題などに調査会の機能を使って生かしていくということで立法をして、ただ、そのときには、なかなか市民の皆さんの声を聞いても意見交換会までしてというふうにはいかなかったわけですけれども、つくった後、本当に綿密にいろいろな御意見を伺って、今回できて、議員立法だったものが市民立法になったという、本当にそのことはいい形のモデルとしてあるのではないかなというふうに思っています。
 次の質問ですけれども、今回の改正では、第二十三条で「被害者の国籍、障害の有無等を問わず」というように、外国人、障害者等への対応に関して規定を設けていますけれども、その趣旨はどういうところにあるんでしょうか。

○神本参議院議員 外国人、障害者等いわゆるマイノリティーの女性の人権につきましては、昨年夏にも、国連の女子差別撤廃委員会の日本政府報告書に対する勧告の中にも言及されております。
 DV防止法については、外国人である被害者、障害者である被害者も当然その対象であり、現行法の二十三条第一項の規定により、職務関係者がこうした被害者の人権をも尊重しなければならないということは言うまでもないことであります。
 しかし、現状では、例えば言葉の壁でありますとか文化の違いなどによって必要な保護が受けられなかったり、また、外国人登録証をたどって住所が知られるなどの問題も指摘されております。障害があることによって、例えばファクス対応や手話、点字などの対応の配慮も必要なことでありますけれども、それがなされていないというような、必ずしも十分に徹底されていないというようなことから、このことを踏まえまして、今回の改正においては、同項を改正いたしまして、職務関係者は被害者の国籍、障害の有無等を問わずその人権を尊重しなければならないということを確認的に明記することとしたものであります。
 この改正によって、外国人である被害者や障害者である被害者に対しても、その人権に十分に配慮した対応がなされることが期待されるところであります。

○小宮山(洋)委員 保護命令について、もう一点だけ発議者の方に伺いたいと思うんです。
 第十条第二項に新しく設けられた、同居する成人に達しない子へのつきまとい、徘回禁止命令、これは本当に実現してよかったものだと思うんですが、これは六カ月後の改正法施行前に先行して適用すべきだと考えるんですが、その点はいかがでしょうか。

○福島(瑞)参議院議員 御質問、ごもっともな点もあります。確かに、子供へ夫あるいは妻が接近するのではないかと思い、心配の余りなかなか本当に安定した生活が送れない、そのことは十分あり得ることです。ですから、おっしゃる意味は、法律施行後六カ月をこの件だけ前倒しをして施行できないかということですが、保護命令は、一年以下の懲役に科するという罰則つきのものであり、やはりある程度の周知徹底をした上で、こういう行為は処罰をされるのだということを明らかにする必要があると考えます。ですから、保護命令のその趣旨から、六カ月間とにかく改正法案について周知徹底をした上で施行したいというふうに考えております。

○小宮山(洋)委員 つくるときも、保護命令の実効性を高めるためには罰則をきちんとつけたい、そうするとその範囲が限定されるというところでさんざん悩んだわけですけれども、やはり六カ月後からは実効性を持ってできるということであれば、それはいたし方ないことなのかなというふうに思っております。
 もともと使い勝手が悪いのではないかと大変心配しました保護命令も、先ほど数字を御紹介したように大変多く使われておりますので、子供のことについても必要な場合にはしっかり使えるようにというふうに願っております。
 それでは次に、省庁の方に幾つか確認をさせていただきたいと思います。
 まず、最高裁に伺いたいと思います。
 裁判所が通知しているにもかかわらず、相手方が審尋への出頭拒否を繰り返している場合、相手方の審尋欠席を理由に裁判所が保護命令を発令しないという事例が頻発をしています。このような場合は、申立人の事情を聞いた上で、第十四条第一項ただし書きを適用して迅速に保護命令を発令すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○園尾最高裁判所長官代理者 具体的事件を離れまして一般論として申しますと、保護命令事件は、「速やかに裁判をするものとする。」という法律第十三条の規定からいたしましても、相手方が正当な理由がないのに審尋期日に出頭しないというような場合には、審尋期日についての相手方の立ち会い権を保護すべき実益がないものとしまして、他の保護命令発令要件が整っている場合には直ちに保護命令を発すべきものというように考えております。
 なお、正当な理由がないのに審尋期日に出頭しないような場合には、法律第十四条第一項ただし書きの規定によるまでもなく、第十四条第一項本文に定める審尋の機会を与えたものとして、直ちに保護命令を発することができるというように考えております。
 保護命令事件を担当する裁判所におきましては、一般的には、そのような解釈に基づきまして、相手方が正当な理由なく審尋期日に出頭しない場合には、法律第十四条第一項ただし書きの規定によるまでもなく、他の保護命令発令要件が整っているということを認定した上で、速やかに保護命令を発するという運用を行っているのが通例であるというように認識をしております。今後も迅速な事件処理がされるように一層の努力をしていきたいというように考えております。

○小宮山(洋)委員 通例でないのでこういうことが出ているのではないかと思うんですが、今力強いお言葉をいただきましたので、そのようにしっかりと運用していっていただきたいと思います。
 もう一点、最高裁に伺います。
 第十五条第二項の保護命令決定書送達の運用についてですが、保護命令申し立てから数カ月経過するのに、相手方がさまざまな手段を講じて受け取りを拒否し続けて、申立人に不利益を与えた事例があります。保護命令決定書の送達受け取りを相手方が拒否した事実を裁判所が把握した場合、速やかに断固とした措置をとって送達を完了すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○園尾最高裁判所長官代理者 保護命令の受け取りを拒否する相手方がいる場合に、裁判所が速やかに送達を完了させる手続をとるべきことは当然であるというように考えております。
 実務の一般的な動向といたしましては、送達が難しくなる事態をできる限り避けるために、各裁判所におきましては、まず、審尋の期日において直ちに保護命令を言い渡すということに努力をしておりまして、保護命令を発する事件のうち約半数につきましては、審尋期日において決定の言い渡しをしているという実情にございます。残る約半数の事件につきましては保護命令の送達を行うわけでございますが、その場合には、各裁判体ごとにいろいろ工夫をして、早期の送達の完了に努めておるところでございます。
 送達を回避する方法にはさまざまな方法がございまして、具体的な送達回避の方法に応じて対策を立てるという必要があるわけですが、各裁判所においては、各類型ごとの送達方法の研究を重ねるなどしまして、送達の迅速な完了に努力をしておるところでございます。今後も、なお一層の努力をしていきたいというように考えております。

○小宮山(洋)委員 しっかり対応していただきたいと思います。
 次に、内閣府に伺いたいと思います。
 第二条の二、第二条の三に新設されました基本方針、基本計画へ、被害の当事者や民間支援団体の意見を反映するために、策定委員会に参画のための枠を設けることが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。また、ヒアリングの機会を設けるお考えがあるか、伺いたいと思います。

○名取政府参考人 基本方針につきましては、内閣総理大臣、国家公安委員会、法務大臣及び厚生労働大臣が主務大臣として策定することになっておりまして、配偶者暴力防止法の改正法が成立後、関係省庁が連携して策定のための作業を進めてまいりたいと考えております。その作業の過程で、議員御指摘のとおり、被害の当事者や民間支援団体の意見の聴取につきましても考慮してまいりたいと思っております。
 なお、基本計画につきましては、御案内のとおり、こちらは都道府県が策定するものでございます。

○小宮山(洋)委員 できれば、検討と言うだけではなくて、具体的にそういう枠を設けるとかヒアリングをするとか、もう少し一歩踏み込んだお答えをいただきたかったところですけれども、こちらの意向としてはそういうことだということを御承知いただきたいと思います。
 また、基本計画、都道府県がするのはわかっていますけれども、都道府県に向けてもできればそういう方向でというように話をしていただくとか、やはりなるべく民間の方、当事者の方が入ることによってより必要なものがつくられていくのだと思いますので、この点はぜひよろしくお願いしたいと思います。
 次に、内閣府と厚生労働省に伺いたいと思います。
 市町村の責務につきまして、第八条の三に、福祉事務所による自立支援、これは新設されましたが、市町村で福祉事務所だけしかこの法文の中では入っていないんですね。岡山、札幌、名古屋などではDVセンターを設置したり新たな動きがあると聞いているんですけれども、ほかの市町村でもぜひそういう窓口というか、できるところをしっかりつくって取り組んでほしいと思います。
 例えば、都道府県の基本計画に市町村の責務を具体的に書き込むとか、具体的な取り組みが必要だと思うのですけれども、その点については、内閣府と厚生労働省、なぜ両方に伺うかというと、お互いにあちらの責任だということで谷間に落ちないようにということですので、両方から積極的に、両方がカバーし合うようにお答えをいただきたいと思います。

○名取政府参考人 基本計画は都道府県の施策の実施に関する基本的な計画であるために、一律に市町村の責務を明文化するということはなかなか難しいと考えておりますが、個々の都道府県の判断で、市町村についての記述を盛り込むということは可能であると考えます。

○伍藤政府参考人 DV対策に関係いたします私どもの役所の関係の機関といたしましては、都道府県の婦人相談所がございまして、市町村がDVセンターをつくればここと連携をして、例えば一時保護が必要な場合には速やかにそちらで対応するといったようなことで市町村のバックアップ機能が果たせるということになろうかと思います。それから、福祉事務所も今、婦人相談員等を配置して、母子生活支援施設へ入所する手続をするとか、いろいろなことでDV対策に取り組んでおります。
 こういった既存の機能を十分活用して、市町村がDVセンターというものを設置しやすいような環境づくりといいますか、そういったことに取り組んでいただけるように、私どもからも周知をし、啓発をしていきたいというふうに考えております。

○小宮山(洋)委員 法律をつくるときも、厚生労働省は、一時保護の委託を相談支援センターを通してするとか、積極的にできるところを御努力いただいたと思っています。そういう意味で、これからも、やはり相談の件数、保護命令の件数が多いところ、例えば北海道とか大阪とか、それはみんな窓口が多いところなんです。私たち、つくるときには、社会的にある資源は全部活用してやりたい、婦人相談所を中心にしながら、あらゆる資源を使いたいと思ったんですけれども、なかなかそうはいっていない。窓口が多いところほど活用されていますので、ぜひその方向でよろしくお願いしたいと思います。
 最後の質問になりますが、これは内閣府も長期的課題と言われていて、先ほど古屋議員の質問でもありましたけれども、加害者の更正プログラムの件です。
 これはぜひまた三年後の見直しには実現をしたいと思うんですけれども、やはり暴力というのは、連鎖を打ち切らないといつまでたっても解決をしないわけです。ところが、つくる段階でも、やはり諸外国の例を内閣府の専門調査会でも調べられていますけれども、効果があるという説、余りないという説、日本の場合どこでどのように行ったらいいかがなかなかつくり上げられないで、つくるときにも先送りになってしまったんですが、今回もまた先送りという感じです。
 先ほど、諸外国の調査研究、さらにそこを進めていくということでしたけれども、これはやはり具体的に、どのようにこの後実現に向けて取り組んでいくのか、名取局長から、なるべく余り表面的でない、中身のある御答弁をいただきたいと思います。

○名取政府参考人 内閣府におきましては、先ほど申し上げましたように、いわゆる加害者更正プログラムにつきまして、諸外国における実態を踏まえ、その内容や方法について調査研究を行っているところでございます。
 具体的には、やはり加害者更正プログラムというのは、その内容や実施方法によりましては、議員もう御案内のとおりですが、被害者の安全を損なうものとなる可能性もありますし、そういうことで、その調査研究は細心の注意を払い慎重に進めていく必要があると考えております。現在、加害者更正プログラムの満たすべき基準と実際に際して留意すべき事項について調査研究を行っているところでございます。
 内閣府としては、その成果を踏まえながら、プログラムが本当に有効なのかどうか等、さらに調査研究を進めてまいります。

○小宮山(洋)委員 また法務委員会でも、ぜひその辺の進行状況もチェックをし、伺っていきたいというふうに思っています。恐らく三年後の見直しの大きな柱になると思いますので。
 また同僚の小林千代美議員がこの後質問をさせていただきますので、本当にお疲れさまでした。ありがとうございます。

○柳本委員長 御苦労さま。
 小林千代美さん。

○小林(千)委員 民主党の小林千代美です。ラストバッターを務めさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
 まずは、参議院共生社会に関する調査会の皆様、この間、本当にお疲れさまでした。きょうのこのDV法の改正案がこの法務委員会でかかるということをきっと待っていた方々も大変多くいらっしゃるのではないかなというふうに思います。一日でも早く被害者の方々が救済をされる、そして自分のもとの生活に戻っていけるような法律になっていってほしいというふうに私も思っているところでございます。
 質問もいろいろ出てまいりました。具体的な内容に入っていきたいと思います。
 まずは接近禁止命令の範囲なんですけれども、今回、接近禁止命令が、子供が入ることになりました。これについては私も大変評価をしていることです。ところが、今回、実際に、親族、支援者への接近禁止命令は入らなかったわけなんですね。
 例えば、子供を幼稚園や保育園から連れ出すぞ、拉致するぞみたいにおどしをかけるような場合も今まで事実としてございました。あるいは、被害者の方をかくまっている親族の方ですとか支援者の方々が加害者から被害を受ける、犠牲者になる、死亡事故まで起きてしまうというような事件も実際にありました。
 こういうことを考えると、私は、子供だけではなくて、親族、支援者まで入った方がよかったのではないかなというふうに思うところでございますけれども、今回のこの接近禁止命令の範囲について御説明いただきたいと思います。

○神本参議院議員 今、小林委員おっしゃったように、今回の議論の中では、今回拡大されましたのは元配偶者と子供への接近禁止命令ということですけれども、親族、支援者に対しても広げるべきではないかというようなことは確かに議論の俎上に上っております。
 しかし、今回の改正では、元配偶者と子供への接近禁止命令を発令することができるようにしております。
 そうしましたのは、配偶者が被害者の子へ接近することは、一般的には、被害者の生命または身体に危害が加えられるおそれを直接に生じさせる行為ではなくて、被害者への接近禁止命令が発せられていれば、被害者の生命または身体に危害が加えられることは防止されることになります。
 しかし、例えば、配偶者が被害者の子をその通園先や通学先において連れ去り、委員も御指摘のように、そこで人質として子供をとるというような、そういうことがありますと、その子の身上を監護するために、被害者がみずから配偶者に、暴力を振るうことがわかっていながら、配偶者のところに面会を余儀なくされるというようなことが認められることになります。
 そのような場合には、被害者への接近禁止命令が発せられていても、被害者と配偶者が物理的に接近せざるを得ない、そのことによって、被害者が配偶者からさらに身体に対する暴力を加えられる危険が高まり、その効果が減殺されてしまうということになります。実際にそのような事例が多いことも報告されておりますし、内閣府の暴力専門調査会報告でもこのことは指摘されております。
 そこで、今回の法改正におきましては、このような形で被害者に認められている接近禁止命令の効果が減殺されることがないように、その防止のために、被害者への接近禁止命令とあわせて、被害者の子への接近禁止命令を発することができるというふうにしたものであります。

○小林(千)委員 それでは、具体的に、子への接近禁止命令を発する要件の内容ですけれども、「配偶者が幼年の子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行っていることその他の事情があること」というふうになっているわけですけれども、この「連れ戻すと疑うに足りる言動」というものは、具体的にはどのようなものが挙げられるんでしょうか。例えば、子供を連れて逃げ出している被害者の方に対して、戻ってこないと子供に危害を加えるぞとか、そういったおどし文句を言っている状態なども、子への接近禁止命令は発せられる事態というふうに考えられるのでしょうか。

○福島(瑞)参議院議員 御質問、ありがとうございます。
 子供に対して、夫または妻が、子供に会わせろ、あるいは子供を連れ戻すぞ、幼稚園に行くぞというふうなことを言っている場合、あるいはそれだけではなくて、「その他の事情」とありますので、夫または妻の側が子供に対して相手方が接近することがあり得ると思うような状況、直接ではなくても間接的に親類や親に対して言っているような場合もあるでしょうし、あるいは、今までの言動からいって、幼稚園の前で待ち伏せをする、あるいは幼稚園に何らかの連絡がある、そういうことも考慮されるというふうに考えています。
 そのような事情から子供への接近禁止命令が出される必要があると考えられる場合には、保護命令を出してもらうことになります。

○小林(千)委員 続いて、退去命令についてお伺いをいたします。
 今回、退去命令の期間が現行の二週間から二カ月に拡大をされました。私はこの点も評価したいと思います。そして、二カ月だけではなく、その後も必要であれば再度申し立てをすることができるというふうになって、今回の法改正で、再度申し立て、再度発することができるようにすることというふうにしているわけなんですけれども、その趣旨はどういったところからでしょうか。

○福島(瑞)参議院議員 おっしゃるとおり、退去命令が二週間から二カ月に拡大されることになりました。それは、転居するにも二週間というのは余りに短過ぎるということが立法理由です。
 例えば、今回の改正により退去命令の期間が二カ月に拡大されるということになりますが、具体的なケースによっては、被害者が当該配偶者と生活の本拠をともにしている住居に引き続き居住する必要性が高い場合があります。退去命令を再度発するべき合理的な事情がある場合があるということです。それで、再度の退去命令を受けても、退去命令を受けている者の生活に特に著しい支障を生じないような場合もあり得ます。
 そこで、今回の改正においては、退去命令の再度の申し立てがあった場合に、当初の退去命令とは異なり、当事者双方、出してもらう側と申し立てた側と両方の事情を考慮した上で、なお配偶者の居住の事由や財産権の合理的な制限として許容される場合があり得る、二カ月をもう一回、再度延長して必要な場合がある、引き続き居住させなければだめだという場合もあるということから、退去命令を再度発することができるようにいたしました。

○小林(千)委員 その退去命令の再度発動なんですけれども、再度、二回目を出す要件といたしましては、転居しようとする被害者がその責めに帰することのできない事由により二カ月以内に転居を完了できないこと等の退去命令を再度発する必要があると認めるべき事情があるときというふうにあるわけなんですけれども、二点お伺いをしたいと思います。
 その本人の「責めに帰することのできない事由」というのは、具体的にどのような事由なんでしょうか。また、例示されております、二カ月以内に転居を完了できないこと以外の「再度発する必要があると認めるべき事情」というのは、具体的にどういったものが考えられるんでしょうか。

○福島(瑞)参議院議員 現実的に、二カ月以上たったとしても、退去命令、それはもう一回、再度認められる必要がある場合は現実にあると思います。
 その「責めに帰することのできない事由」とは、例えば、退去命令の発令期間中に被害者が病気やけがなどによって療養を余儀なくされる、引っ越すことができない、引っ越しが例えば何らかの事情で極めて困難であるというふうなことが、転居を完了することができない場合等があると思います。
 また、例示されている、二カ月以内に転居を完了できないこと以外の「再度発する必要があると認めるべき事情」には、さまざまなケースがあると思いますが、例えば、親を介護している、子供がいて何らかの事情で転校や移動することが困難である、例えば障害のある子供で、一緒に転居をするに当たってさまざまな何か手段を講じなければならないということ、あるいはともに稼業を行っていて簡単に転居することが非常に困難であるという場合、例えばピアノの先生で、グランドピアノを運ぶのに時間がそんなにかかるかどうかわかりませんが、何らかの事情で転居をすることに困難を生ずることは現実の問題としてはあり得るというふうに考えております。
 そのことから、被害者に転居先を探すことを期待することが社会通念上困難であると認めるべき場合等があり得るものと考えられます。

○小林(千)委員 事由、事由によっていろいろな具体例が考えられるんだと思いますけれども、実際に退去命令が再度発動ということになりますと、加害者にとってみれば、四カ月間、自分の住んでいた家に入れないということになりまして、加害者にとっても大変なのではないかな、同情するわけじゃないんですけれども、そういった事実も事実としてあると思います。
 その辺のバランスをどうとるかというのは大変難しいことになると思うんですけれども、そういった点から、この退去命令の再度の発動というのが限定的になってしまう可能性というのはないんでしょうか。できれば、いろいろな事由、今おっしゃっていただいたような具体的な事由が認められてほしいと私は思うんですけれども。

○吉川参議院議員 共産党の吉川春子です。
 実は、ここは、最後の最後までプロジェクトチームで大変大きな議論になってまとまらなかったところです。
 その理由は、一つは、どういう事情であれ、夫婦で住んでいるところから夫を追い出すわけですから、憲法三十一条とかいろいろな制約があるということがありまして、それを限定的にせずにラフに規定することはできないということは当然だと思うんです。
 それともう一つは、先ほど来、加害者の更生プログラムの問題についていろいろ意見がありますが、実は、加害者について規定しているのはこの一条だけなんですね、ここだけなんです。加害者の事情に多少配慮しているという、多少というか、「生活に特に著しい支障を生ずると認めるときは、」「発しないことができる。」ということで、考慮しているのはここだけなんですね。
 だから、ここは、具体、具体の問題でもって、非常に難しい判断が迫られるとは思うんですけれども、一つは、DV被害者をどうしても保護しなくてはならない、そこはもう前提に置きながらも、現行の法体制の中で、私が言っているのは私有財産権の問題とかそういう問題なんですが、そういうところでぎりぎりの判断が迫られる。今おっしゃったように、四カ月となると大変重要な期間になるじゃないかということも私たち十分議論をした結果、こういう表現でぎりぎりのところで認めたということが実情です。

○福島(瑞)参議院議員 補足の補足で申しわけありません。
 確かに、現実的には保護命令を出す際に問題になり得るとは思いますが、私たちも両方の事情を考慮するということでこの改正法案をまとめました。
 確かに、一つの意見として、なぜ暴力を受けた側の人間が常に大急ぎで家を出なくちゃいけないのか、子供を連れて、すべてを捨てて、家を出なくちゃいけないかという議論もあります。また、引っ越しもなかなか大変なので、退去命令を二カ月にし、かつ再度の申し立てをする。この場合、相手方、夫か妻かわかりませんが、著しい生活の支障を生ずる場合、どんな人間も二カ月以上家から離れれば、服はない、着がえはない、靴はない、パンツがないという感じになって、著しい支障を生ずることは事実です。しかし、それを逆に重く認めれば、再度の申し立てを常に認めにくくなってしまいますので、そこは両方の事情を勘案するしかないということで私たちメンバーはまとまりました。
 ですから、これが限定的に使われないように、しかし両方の事情もある程度考慮されるようにということを考えております。

○小林(千)委員 ありがとうございます。
 続いて、民間団体との連携についてお伺いをしたいと思います。
 現在でも、民間団体、特に民間シェルターの方々というのはDV被害者の救済のために大変大きな役割を果たしていらっしゃると思います。今回の改正では、都道府県に置かれておりますDV相談支援センターそして民間団体との連携に関して規定を設けることというふうになっておりますけれども、その趣旨についてお伺いしたいと思います。

○福島(瑞)参議院議員 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護については、この問題に取り組む民間団体が極めて大きな役割を担っています。被害者の多様な要望にこたえるためには、このような民間団体と配偶者暴力相談支援センターとが適宜連携をとりながら対応することが重要です。
 このような観点から、今回の改正においては、「配偶者暴力相談支援センターは、その業務を行うに当たっては、必要に応じ、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るための活動を行う民間の団体との連携に努める」べきことを規定いたしました。
 これからは、支援関係機関、連絡会議への参画の保障やさまざまな工夫が必要となってくるのではないでしょうか。これまでの民間の業績を正当に評価し、共同のパートナーとするということがこれからなされることが必要だと考えます。
 さまざまな問題があり、例えば、一時保護委託料の適正化、実質的に一時保護をしていても契約していないと委託料が出ない、子供の委託料が安いといった問題点があります。また、自立支援事業、電話相談、就労支援、カウンセリングなど多岐にわたりますが、公的に位置づけ、委託を行うことなども必要かもしれません。また、特別交付税が残念ながら支援団体に回らない状況も都道府県によってはあります。これを是正する必要があります。また、民間支援団体の助成の問題です。鳥取県などが先駆的ですが、県独自事業として、被害者への一時金貸し付け、シェルターの家賃を県が支払う、被害者の医療費を支払うなどの施策を行っています。
 先進的な県に学びながら、全国、都道府県、どこにいても救援が得られる、そんなことがこれからの改正法で望まれると考えます。

○小林(千)委員 私は、実は札幌の出身なんですけれども、私の地元の札幌にも民間シェルターがございます。そこも本当に大変厳しい予算の中でシェルター活動を実際に行っているところでもございまして、さまざまなお話を伺ってまいりました。
 そこの民間シェルターも、一応、北海道、道と札幌市から補助金ももらっているそうです。しかしながら、両方合わせても年額で百五十万ぐらいなんだそうです。そうすると、家賃だけでほとんど消えてしまうようなものなんですね。人件費にもならないというような声を聞きました。
 また、一時保護委託料の適正化ということをおっしゃっていただきましたけれども、大人が一人当たり七千幾らということです。これは二週間過ぎるとまた値段が変わってくるそうですし、連れてきた子供一人当たり千幾らということなんだそうですね。これは実績に対して出る委託料なものですから、人が入っていないときには入ってこないわけなんです。
 でも、シェルターというのは、人がいなければ閉めておけるかというとそういうわけではないわけで、それこそ三百六十五日、二十四時間、いつでも受け入れますという体制をつくっていないとシェルターとしての役割は果たさないわけでありますから、実際にそこには人件費というものは当然かかってくるわけでございますし、そうすると、大人の七千円というのもやはり十分な金額ではないのかなと思います。
 また、子供に至っては、子供もDVの被害者として虐待を受けているケースというのも十分に考えられます。こういった子供のケアというのも親とは別個として当然行われなければいけないわけでございまして、そうすると、子供の一日一人当たり千幾らというのもちょっと低過ぎないかなというような感じもあります。
 こういった民間団体、民間シェルターに対する財政的な支援というものをやはり今回義務づけるべきだったのではないかなというふうに私は思いますが、今回そういったことは入らなかったんでしょうか。

○吉川参議院議員 今回、補助金を制度に盛り込むかどうかということについて議論をいたしました。そして、結果としては、今行われております特別地方交付税の枠の中でやる方がいいという結論に達しました。
 それはなぜかといいますと、御承知のように、補助金の削減ということが国の方針でずっと行われてまいりまして、たとえ補助金ということが設けられても、一緒の削減の方に向かうのではないか。それよりは、特別地方交付税の枠の中で、都道府県が援助をすればそれに対して国も援助をするという、その予算の枠はまだまだかなりあるという報告も政府の方から受けまして、私たちは、むしろ都道府県が積極的に支援をして地方交付税の中から出すという形をとる方がいいかなということで最終的にはなりましたけれども、ただ、補助をするという義務規定は、既に、今回の改正以前、最初の法律の中から入っているということを申し上げたいと思います。

○小林(千)委員 都道府県あるいは市町村というのも、大変厳しい財政状況の折、予算も組めない、カットできるところはカットしなければいけないという自治体のところが大変多いと思います。その中で、やはり全国どこでもできれば同じサービスをしてもらいたいという気持ちもあるわけでして、やはりどうやって各自治体への支援を国としてしていくかというのも大変重要な課題なのではないかなというふうに思います。
 先ほど、福島瑞穂さんから鳥取県の例をお話しいただきました。本当にここは先駆的にやっていただいているところだと思いますし、鳥取県の話というのは、多分、当事者、関係者の間ではもう口コミでばあっと広がっておりまして、逃げるんだったら鳥取県ということになっているのが実情ではないかなと思います。
 実際に鳥取県に逃げることができない状況もあるわけなんですけれども、それはわざわざ鳥取県に逃げなくても、適当なところに同じような支援体制というものがあればベストなわけでございまして、今回、各地方自治体でも、都道府県で基本計画がつくられることになりますけれども、ぜひとも地域によって差の出ない方針というものを基本計画でつくり上げていただくわけにはならないかなというふうに思うわけです。これはもちろん地方自治体の裁量にもよってくるんでしょうけれども、こういったところをどのようにお考えでしょうか。

○福島(瑞)参議院議員 この点については、先ほど山本議員が答えられた部分でもありますので、重複しないように申し上げます。
 国自身が基本方針を決めますので、それに基づいて都道府県が基本計画をつくる。地方分権に一見逆行している面もあるかもしれないのですが、私たちとすれば、都道府県のでこぼこをなくして、そこで基本方針を国がつくり、各都道府県が自分たちのお立場で基本計画をつくり、その中で基本計画の期間や計画の公表をしていく、都道府県の現状、どうやってDVをなくしていくかということをやるということを考えております。
 ですから、これは、ある程度一律に、しかし各都道府県がそれぞれの独自性ですばらしい基本計画をつくり、ドメスティック・バイオレンスが各県でなくなるよう努力されることを私たちは期待しております。

○小林(千)委員 私も、各都道府県には期待をしております。
 続きまして、DV相談支援センターによる自立支援の明確化及び調整機能の発揮についてお伺いをしたいと思います。
 今回の法改正で、第三条三項四号におきまして、被害者が自立して生活することを促進するために、就業の促進、住宅確保、援護などに関する制度の利用などについて、情報提供ですとか助言、関係機関との連絡調整その他の援助を行うことを相談支援センターの業務として規定しているわけでございますけれども、この趣旨についてお伺いをいたします。

○吉川参議院議員 三条三項四号の問題についてお答えしたいと思います。
 配偶者等から暴力を受けた人に対して、自立した生活が開始できるように支援していくことが非常に大切で、そのために、今御指摘がありました配偶者暴力相談支援センターの役割はとても重要です。
 今回の改正で、三条三項四号に掲げる、被害者が自立して生活することを促進するための援助として、就業の促進、住宅の確保、援護に関するいろいろな制度の利用について、助言等具体的な例示を含めて規定することではっきりさせて、その一層の適切な実施を図ることとしました。
 すなわち、配偶者から逃げ出して新しい生活を始めるためには、ハローワークへの就職の相談、公営住宅への入居、同伴している子供の保育所への入所、いろいろなことが必要になってきておりまして、地方公共団体のさまざまなサービスも必要になります。そのためにどんな制度があり、またサービスが受けられるのか、自立の援助が的確に行われるように条文で具体的に示したものです。
 これまでも、地方自治体でこうした具体的なことを行って自立支援をしているところもありますけれども、さっき御指摘のように、自治体によってかなり差がありますので、これを明確に法律に決めまして、具体的にDV被害者の、公共住宅の入居の改善もあったという報告がありましたが、そういう取り組みが全国で同じように進むようにということで法律に明確化いたしました。

○小林(千)委員 時間になりましたので、最後にしたいと思います。
 同じ三条三項四号の中には、「制度の利用等について」と規定されているわけなんですけれども、この相談支援センターが行う情報の提供などの対象となる事項といたしまして、制度の利用に関すること以外にはどのようなことを想定されているんでしょうか。また、「関係機関との連絡調整」というふうにありますけれども、どのようなことを具体的に相談支援センターが行うことを想定されて規定されているのでしょうか。

○吉川参議院議員 まず、制度の利用に関すること以外の項目で、配偶者暴力相談支援センターが行う情報の提供対象となるものについては、例えば、民間団体が自主的に行っている被害者の自立支援のための措置、公的に制度化されたものではないが、被害者の自立支援にとって有益なものが想定されます。
 そして、先ほどいろいろありましたけれども、例えば、広島ではNPOの電話相談を行っておりますし、きょうお見えの、全国各地域での被害女性の一時保護、自立支援をボランティアを含めて献身的に行っておられます。こうした情報について被害者に提供すること等を想定しております。
 また、配偶者暴力相談支援センターが行う関係機関との調整連絡については、例えば、日ごろから連絡、協力の体制を整備するために、配偶者暴力相談支援センターが中心となって関係機関の協議会を設置することや、配偶者暴力相談支援センターに相談に来た被害者について、個別に関係機関と連絡をとり、自立支援のために必要な措置が適切に行われることが想定されます。
 なお、関係機関としては、児童相談所あるいは福祉事務所、ハローワーク、母子家庭自立センター、自治体窓口、裁判所等を想定しております。
 以上です。

○小林(千)委員 ありがとうございました。
 一日も早く、一人でも多くの被害者の方が救済される法律になってほしいと思いまして、質問を終了させていただきます。




 
       

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