|
○委員長(国井正幸君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。
まず最初に、小泉総理が年金について一元化がいいのではないかと、野党にも呼び掛けると発言をされたことについて、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 一元化という言葉は人によっていろいろの思いがあるんだろうというふうに思っております。いわゆる国会におきまして今までこの一元化を目指すというふうに言ってまいりましたが、これはいわゆる、何と申しますか、サラリーマンの方の厚生年金、それから共済年金、その他年金、これを一元化をするということを言ってきたわけであります。しかし、今話題になっておりますのは、それだけにとどまらず、自営業者の皆さん方あるいは農林漁業の皆さん方も一つの保険の中で作り上げていくことができないかということが議論になっている。今までの一元化のお話と少し若干最近違ってきているというふうに思っております。
小泉総理がどの方向を示しておっしゃっているのかということを私もはっきりお聞きをいたしておりませんけれども、今朝もお答えを申し上げましたとおり、現在、私たちが目指しております現在のこの年金制度、そしてこの年金制度はいわゆる働く人たちの場合には二階建てになっているわけで、この中には自営業者の皆さん方は入っていない。この自営業者の皆さん方の部分を、入っていないこの二階の部分に入れるかどうかということが今後の一つの課題ではないかというふうに思っております。
そういうふうな意味に私はとらえているわけでありまして、この今回出させていただきます法律案をそれはそれとして成立をさせていただいて、その上でそうしたことを今後お話合いをするという意味ならば我々もそれに積極的にかかわっていかなければならないと、こういうふうに思っている次第でございます。
○福島瑞穂君 大臣、一元化の議論について賛成のお立場でしょうか。どうお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 私は、今後、したがいまして自営業者の皆さんや農林漁業の皆さん方、小零細企業の皆さん方、いわゆる現在国民年金にお入りになっている皆さん方の御意見も十分にお聞きをする必要があるというふうに思っております。
この皆さん方が、私たちもやはりこの二階建て年金の方がいいというふうに言っていただくのならば、私は決して反対はいたしません。賛成したいというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、形は同じになりますけれども、自営業の皆さん方はやはり全額出さなきゃならないわけでありまして、サラリーマンのように半額は企業に出してもらうというわけにはまいりません。そうしたことを御理解をしていただけるかどうかということがまず先決、そうした皆さん方とのお話合いの上にこれは成り立つものというふうに思っております。
○福島瑞穂君 野党三党の案には共通項もあります。それは、国民年金、厚生年金の一元化、社民党のマニフェストもそうですが、最低保障年金というのを保障する、一点。二点目は世帯単位、個人単位にしていく、どんなライフスタイルの人にも年金を保障する。三つ目はそのような制度の下で無年金の人をなくすという三点においてその一元化の議論は優れているというふうに思っています。
私は、年金の法案が厚生労働委員会で議論される以前に総理大臣が一元化の議論をまず提起をしたということは極めて大きいというふうに思っています。
今、国会で出されている抜本改革ない年金改革法案には欠陥があるのではないですか。
○国務大臣(坂口力君) それは御質問でしょうか。
○福島瑞穂君 はい。
○国務大臣(坂口力君) 我々が出しておりますものは、これは負担と給付、しかも今までやってこなかった長時間にわたります中長期的な展望の中でこれを決めているわけでございますし、あるいはまた、基礎年金につきましても三分の一から二分の一に引き上げる、あるいはまた積立金の取崩しを行う等々を決めたものでございまして、これは今まで考えてこなかった大きな意味を持っているというふうに思っている次第でありまして、まさしく抜本改革だというふうに思っております。
先ほどからお話ございますように、二階建て年金ということ、これはもう今も二階建て年金になっておりますし、国民年金の方は今も共通項としてこれはもう共通で一元化されているわけでありまして、その二階の分があるかないかということが違うわけでありますから、社民党の御意見も自営業の皆さん方も二階建てにするという御意見なんでしょうか、そこは私もよく存じておりません。
○福島瑞穂君 私は、政府案がこの一元化を去年きちっと議論をした上で抜本改革をすれば、今ぞろ、年金保険料払わなくて泣いてもいいわけみたいなCMに多額のお金を払って恫喝しなくても済んだのではないかと思っています。
国がやるべきことは、安心、安全な年金制度をきちっと打ち出し、無年金の人をなくし、最低限度、安心してどんな人も最低限度の年金がもらえる制度を構築し、それを保障していくことだと思います。
一元化の議論は今後どうなるのでしょうか。
○委員長(国井正幸君) どなたに質問ですか。
○福島瑞穂君 大臣でも局長でも結構です。
○国務大臣(坂口力君) 一元化の議論がどうなっていくかは私もよく分かりませんけれども、これからこれも含めて議論されることは確かだろうというふうに思っております。
ただ、先ほど申しましたように、そうしたことがすべてを、二階建てにすればすべてが解決するかといえば、そういうわけではありません。例えば三号被保険者の問題がそれで解決するわけではありません。あるいはまた、これによって年金の間の格差がなくなるかといえば、それはそうとも言えない。あるいは、二階建てができるからそれで掛金が同じになるかといえば、掛金は非常に大きな隔たりができていく、そうしたことがあるわけでありまして、その一元化をすればすべてそれで解決するかのごとく考えるのは軽々であると私は思っておりまして、いろいろの問題をそこでどうなくしていくかという努力こそが大事というふうに思っております。
○福島瑞穂君 そのとおりで、もちろん国民年金と厚生年金を一元化ということであればこれは物すごいことなわけですが、安心できる年金制度をどう作っていくか。
私は、今ここで、政治の場面で起きているのは極めて重大で、厚生労働省としては若干手直しした年金改革案を国会に上程をする、そして総理大臣の方は一元化というもっと超抜本的な、むしろ野党案に近い提案を言っている、そこで総理大臣と厚生労働省の間に大きなそごが起きていますが、これはどうなるんですか。
○国務大臣(坂口力君) 総理によく一遍確かめますけれども、総理はどういうことを言っておみえになるのかということを私もまだ十分に分かりません。総理がどういう構想を頭に描いておみえになるのかということをよくお聞きをして対応したいというふうに思っておりますが、総理も現在の制度を、現在厚生労働省が提出をさせていただこうとしている制度は制度としてこれを成立をさせた上でと、こう言っておみえになるわけでありまして、この案の更にその次の段階の、これから二十年、三十年先を見て改革をしていくことを、それで、その上で議論をしようと、こういうことを言っておみえになるんだろうというふうに思っております。そのことについて、私たちも決してそれをしないというようなことを言っているわけではございませんで、そのことについては今後いろいろと検討しなきゃならないことは多い、そう思っているわけであります。
○福島瑞穂君 総理が今度、年金改悪と言っていいかもしれません、年金改悪法案を成立させた暁に、次に、じゃ一元化というのであれば、なぜ今国会に提出する法案がそうなっていないのかということを思います。二十年後、三十年後、五十年後、百年後ということであれば、今、年金制度を安心できるものにできる最後のチャンスかもしれない、そういう事態を迎えているわけですから、そういう議論をしているさなか、年金改革法案が国会に上程されるのは非常に変だと。この法案を成立させたら、次、一元化ということであれば、何のために私たちがここで議論するのか分からないというふうに思っています。
是非、きちっとすべての人が無年金にならないような抜本改革案で年金制度の改悪法案を作り直すべきだ、いったん廃案にして作り直すべきである、時期を失してはならないということを申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 一元化をすれば未加入の人がなくなるというわけではありません。これは、一元化をいたしましてもそうした問題は起こります。また、今度は多額のお金を徴収をしなきゃならないわけでありますから、その徴収が全部できるかどうかということも大変大きな課題だというふうに思っております。一元化すればすべてそれでよしというわけでは決してありません。
したがいまして、私たちは、現在のこの法律を、現在といってもまだ提出をいたしておりませんけれども、提出をさせていただいた上で、そして御審議をいただいて、私たちはそれをお認めをいただきたいというふうに思っているわけでございますが、しかる上で、今後の問題としてまだ中長期的に議論をしていかなけりゃならない課題もあるというふうに認識をいたしております。
しかし、それには税制だとか他のいろいろの政策的な問題で合意をしていかなきゃならないことがあるわけであります。その間、何もせずにこの現在の年金制度を置いておいていいかといえば、それはそうではありません。現在の年金制度につきましては、一日も早く負担と給付のところを明確にして、そうしてその上で将来の問題として更に取り組むことがあれば、それは何かということを考えていくんだろうと思っております。現在のこの制度をこのままにしておくということは許されないと思っている次第であります。
○福島瑞穂君 私は、今度提出される法案が、いったん廃案にした上で抜本改革をなすべきだということを申し上げます。
女性と年金の問題についても、一元化をしなければなかなか問題が解決しない面があります。女の人は、どんな男の人と結婚したかによって一号、二号、三号と分けられる。自営業の妻は自分が保険料を払わなければ無年金になるわけですし、三号被保険者の人は保険料を払わなくても年金がもらえる。離婚するとまた全然別の立場になる。物すごく複雑怪奇。どんな男性と結婚したかによって制度が変わる。本当に合理性が全くないというふうに思っています。
女性と年金検討会であれほど議論をされながら、なぜ今回抜本改革が先送りになったのでしょうか。この女性における一号、二号、三号の問題点、三号被保険者の問題点をどう解決されるおつもりでしょうか。
○政府参考人(吉武民樹君) 第三号被保険者制度の問題につきましては、社会保障審議会年金部会においても幾つかの選択肢を示しながら御議論をいただいております。
その中で、例えば第三号被保険者の方に保険料負担をしていただくというような御議論もされておりますが、あるいは現行の給付と負担の基本はこのまま維持すべきだという意見もございますし、それから給付と負担を維持しながら年金の分割で考えるべきだという意見もございまして、あるいは第三号被保険者の給付について、負担をされていないので少し下げたらどうかという御議論もございました。
今回の改正案では、内閣府で世論調査を実施しておりますが、その中で、第三号被保険者の方から独自に負担を取るということについて賛成の方は一七%程度でございます。それで、三割ぐらいの方は現行の給付と負担の構造でそのままでいいんではないかという御意見でございますし、三割ぐらいの方は、給付と負担の関係は現行のとおりでございますが、年金を分割したらどうかということでございまして、今回の改正案では、第二号被保険者が保険料を払っていただいているわけですけれども、これにつきまして、配偶者であります第三号被保険者も共同して負担をするという基本的な認識を法律上明らかにしながら、基本的には年金分割の考えでこれに対応しようということでございまして、離婚した場合、あるいはある期間行方が分からないような場合に厚生年金の分割をできるという仕組みを取ることといたしております。
○福島瑞穂君 ずっと言われながら抜本改革がされないのは非常に残念で、私自身は、三号被保険者の問題というよりも、女の人が結婚相手によって一号、二号、三号と分けられてしまう、全然制度が違うということが問題で、一元化ということがすべての解決する魔法のつえではありませんが、三号被保険者の問題は年金制度の一元化をすることでかなり実は解決をするというふうに思っています。
今回なぜ、じゃ、もう一回お聞きします。
女性と年金検討会で議論がありながら、今回ほとんど女性と年金について、三号被保険者の離婚の年金の分割しか踏み込まなかったのはなぜでしょうか。
○政府参考人(吉武民樹君) 先ほど来お話がございますが、例えば国民年金、自営業の方の国民年金の負担ということを考えていただきますと、自営業の方の場合には稼得の態様が様々でございます。正に、通常で申し上げますと、男性が働いておられて女性は家事に専念されているケースもございますし、それから両方で働いておられるケースもある。したがいまして、この自営業の方に対してどうやって保険料を負担していただくかというのは非常に、サラリーマンの場合と違いまして、非常にいろいろな態様に対してどう考えるかという問題がございまして、それで、現行の第一号の考え方について申し上げますと、世帯主あるいは配偶者と共同して保険料を負担していただくという仕組みを取っておるわけでございます。
これを、先生がおっしゃるように仮に個人的に考えていきます場合には、じゃ自営業の方の所得をどう考えるかという大問題をまず検討しなければならないということだろうというふうに思います。
それから、第三号の方の場合にも、基本的には第三号の配偶者の方、もちろんパートなんかで仕事しておられる方がおられますけれども、基本的には御自分の所得は非常に少ない、あるいはないという形でございます。そういう方に対して、片っ方で年金の給付を用意をしながら、どういう負担をお願いするかというのがこの女性と年金の基本的な問題だろうというふうに思っております。
ですから、この問題は、体系をどうするかという問題だけではございませんで、そういう年金の中で給付と負担、それから自営業の世帯、あるいは奥様が働いておられないような世帯、あるいはお二人で働いておられる世帯の中でどういうふうにして負担を考えていくかという点を詰めていかないと、なかなか結論が出ない問題だろうと思っております。
○国務大臣(坂口力君) 一元化をしましたときに、この三号被保険者の問題が解決をできるかどうかで私も随分考えてまいりました。
現在働いている女性からは、なぜ働いていない女性は保険料を払わずに年金がもらえるのという話が出るわけであります。しかし、一元化をしましたときに、それじゃこの人たちの保険料はだれが払うんでしょうか。働いていないわけでありますし、所得はないわけでありますから、個人単位になるということになれば、これは国で見るか税で見るか、何かをしなきゃならないんだろうと思うんです。税で見るということになりますと、そうすると働いている女性は今度は、保険料では出していないけれども、私たちが出した税金でなぜこの人たちがそれで年金をもらえることになるのという話になってしまう。そこは保険料から税に替わるだけの話であって、この問題の解決には、私はなっていかないというふうに思っております。
○福島瑞穂君 ただ、どんな人も無年金にせず、最低限度という意味では、スウェーデン・モデルのように最低保障年金、その部分の一番ミニマムの部分は、税負担というのはある種、問題を解決する方法であるというふうに思っています。
もう時間が来てしまいました。
最後に、大臣、無年金の問題でこの間、控訴をしないようにということをお願いいたしました。今朝もほかの同僚委員に対して回答ありましたが、無年金の問題について控訴を是非しないでほしいということと、それから無年金制度全般についての意気込みについて語っていただいて、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 控訴をするかどうかは今検討しておる最中でございますが、無年金障害者の問題をどう解決をしていくかということは、それとは無関係ではございませんけれども、関係いたしますが、その控訴するしないとは別にして、私は解決しなければならない問題であるというふうに思っております。
ただ、今朝も申し上げましたとおり、グループとしては大きく分けましても四グループの皆さん方が存在する、その皆さん方をどうしていくかということを考えなければいけない。そうしたことも念頭に置きながら、現在鋭意議論を重ねているところでございまして、しかしそんなに長く議論をしていることはできないわけでありまして、控訴するかどうかを決定する四月七日までにすべての大体考え方をまとめなければならないというふうに思っている次第でございます。
○福島瑞穂君 終わります。
○福島瑞穂君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、政府提案の平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案に対し、反対の立場から討論を行います。
政府の提案は、第一に保険料を負担する現役世代との均衡、第二に高齢者等の生活への配慮が挙げられています。しかし、一律の引下げは高齢者の生活への配慮を全く欠いたものです。国民年金では平均月額四万五千円でしかありません。低年金を更に引き下げることは、憲法の保障する生存権をも侵害をするものです。
健康保険法の改悪法の成立により、医療費の負担増が今高齢者世帯を覆っています。介護保険料の引上げも極めて高齢者にとって現在負担となっております。
今日、諸外国においても、年金財政が逼迫する中で給付水準が引き下げられているところもありますけれども、最低保障年金、老後の最低生活を保障するという観点は維持をされております。スウェーデン、カナダ、イギリス、オーストラリアなどの最低保障年金、人が生きていく上での最低のミニマムの年金はどんなことがあっても保障する、そのような観点を欠いた今回の改悪案には賛成をするわけにはいきません。また、各種手当を、物価スライドによる引き下げることも大問題です。
高齢者の、特に今低年金をもらっている人たちの生活を破壊する、このような改悪法案に関し、反対の立場を表明いたします。
以上です。
○委員長(国井正幸君) 他に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより平成十六年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案について採決に入ります。
まず、井上君提出の修正案の採決を行います。
本修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(国井正幸君) 少数と認めます。よって、井上君提出の修正案は否決されました。
それでは、次に原案全部の採決を行います。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○委員長(国井正幸君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(国井正幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────
○委員長(国井正幸君) 次に、児童福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案に対する質疑は既に終局しておりますので、これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○井上美代君 日本共産党を代表して、児童福祉法等の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。
本法案は、小泉内閣の三位一体改革の柱である国庫補助負担金の廃止、縮減について、厚生労働省分の削減を行うものです。この補助金カットでは、公立保育所運営費の一千六百六十一億円を始め、介護保険や児童手当、児童扶養手当などの法施行に伴う事務費が一般財源化されます。
公立保育所運営費の一般財源化で補助金廃止の対象となる保育所は全国で約一万二千か所、全体の五五%に上ります。その額も規模も大きく、影響は甚大です。これは保育行政において国が負うべき財政負担の責任を放棄するものであり、児童福祉法、子どもの権利条約の精神に反していると言わざるを得ません。さらに、児童扶養手当、児童手当の支給に関する事務費は、子供の健やかな成長や子育て世帯への支援策の実施のためになくてはならないものです。また、介護保険関係の補助金は、介護保険の導入に当たり、市町村の負担を軽減するために行ったものです。
地方交付税が全体として大幅に削減されている下で、これらの国庫負担をなくし、地方に財源責任を押し付けるならば、保育料の引上げや保育水準の低下を引き起こし、児童手当の支給業務や介護保険の認定事務にも支障を来すことは明らかです。
審議の中でも、一般財源化により公立保育所の民営化が一層進むことは明らかになりました。コスト削減を目的とした民営化が、保育の質の面でも、父母や保育関係者との間で大きな問題となり、子供に多大な犠牲を強いる事態が広がっております。このような公的サービスからの後退を余儀なくさせる一般財源化法案は撤回すべきであることを申し述べ、反対の討論といたします。
○福島瑞穂君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、政府が提案している児童福祉法等の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論を行います。
本法案に示されている公立保育所運営費一千六百六十一億円の一般財源化は、小泉総理大臣から国庫補助負担金一兆円削減という指示を受け、各省庁の攻防の中で生じたものです。まず真っ先に切り捨てられるものが公立保育園であることに本当に怒りを感じております。
所得譲与税を創設し人口で配分されることになっておりますが、そうしますと、各自治体、特に人口の少ない自治体は公立保育所から撤退をせざるを得ない、そういうことが起きていきます。国が責任を撤退し、自治体にその責任を押し付ければ、やれない自治体、あるいはやりたくてもお金がない、あるいはこれ幸いとやめてしまう、そういう自治体が生ずることは火を見るよりも明らかです。人が何のために税金を払うのか。それは、安心して子供を産み、育て、働き、そしてこの社会で生きていくためにこそあるべきであると。まず真っ先に切り捨てるのが公立保育園の問題であることは、この法案の一番の問題点です。
この審議の中で明らかになってきたことは、ここ数年、公立保育園が減少し、私立保育園が増加し、児童数も、公立保育園は減り、私立保育園が減ってきたことです。待遇も全く違います。公立保育園は、保育士さんの平均給与は約三十万円、私立は二十万円。年齢も、公立は三十七歳、私立は約三十一歳。有期契約で、パートで経費節減として私立の保育園が維持されていることも極めて問題だと考えております。
無認可保育所の負担ももちろん別の問題点ですが、公立保育所から国が責任を撤退していくことは、国が保育を放棄していくことだと言わざるを得ません。次世代育成支援対策推進法が国会の中で成立し、どうやって、保育ももちろん充実させ、子供を社会が育てていくかという時代に全く逆行していく法案と言わざるを得ません。公共サービスを削っていく、真っ先に削っていくことが、将来を担う子供たちの保育であることに、厚生労働省の姿勢を強く追及していきたい、あるいは疑問とせざるを得ないということを感じます。
子供たちに多大な犠牲を生じ、交付金の削減を子供に押し付けるこのような改悪法案に反対をし、討論を終わります。
|