|
2008年のオピニオン
タイトル一覧
■ 2008/3/4 「そこのけ、そこのけ、自衛隊が通る」という時代を作ってはいけない
■ 2008/2/13 労働者派遣法の抜本改正に向けて
■ 2008/1/23 本会議での福田首相に対する代表質問です
■事実究明を妨げるな
事実の究明がこれほどまでになされないこと、事故当日の19日もなかなか情報が開示されなかったことに怒っている。
国会のなかで、事実の説明が2転3転している。しかも防衛大臣は、自ら事故当日防衛大臣室で、自衛隊の幹部と航海長を呼んで、会談を持っていたことをなぜ隠していたのか。
「あたご」の航海長は、ヘリで、市ヶ谷の防衛省に呼ばれ、会談を持っている。
これが明らかになるまで、なぜこのことを石破防衛大臣は、黙っていたのか。
口裏合わせと思われても仕方ないのではないか。
また、19日の事故当日には、もうひとつのことが起きている。自衛隊の幹部が、ヘリで逆に「あたご」に行っている。「あたご」にいた滞在時間は、朝の8時半から午後の5時半まで。艦長の補佐をしていたというが、「あたご」のなかで何をしていたのか。
石破大臣は、海上保安庁の捜査をどう考えているのだろうか。
「普通の国であれば、軍隊の中に警察が入ってきて捜査するというのは考えられない。」と言っている。このことそのものもおかしい。
かつて、海上自衛隊と漁船が衝突したときには、そんな議論は出なかった。
警察の権限をどう思っているのか。
このような発言が出ることに、危機感を感ずる。
捜査権限がはいらなければ、様々な犯罪も表に出ず、また、被害者がいても事実究明すらされないではないか。
自民党が既に発表をしている自民党新憲法草案では、司法のところで、軍事裁判所の設置を規定している。
「軍事に関する裁判を行うため、法律の定めるところにより、下級裁判所として、軍事裁判所を設ける。」としている。
日本の高校生を乗せた「えひめ丸」が、アメリカのハワイ沖で、アメリカの潜水艦によって沈没させられた事件は、軍事裁判所で裁かれ、非公開であり、日本の遺族の人たちは、事実を知りたくても事実究明がなされなくて、極めて残念だったということを聞いたことがある。
軍事裁判所は、非公開である。
また、検察官も裁判官も軍人であり、軍人に対しては刑が軽くなる傾向になる。
日本の戦前の軍事裁判所がそうであった。
だからこそ、軍事裁判所のような特別裁判所を作ってはいけないのである。
日本国憲法は、それこそだからこそ特別裁判所を禁止をしている。自民党新憲法草案では、軍事裁判所は、下級裁判所としているので、最高裁に訴えることができるから、特別裁判所とは厳密には言えないかもしれない。しかしながら、最高裁判所への上告理由は、憲法違反のことがあることなどを含め、極めて限定されている。最高裁判所では、原則として、事実審理はやらない。
だから、自民党が作ろうとしている軍事裁判所は、限りなく特別裁判所に近くなる。
被害者もメディアも国民も事実を知ることが本当に難しくなる。
今回、勝手に、航海長を防衛大臣室に呼んでみんなで話し合いをし、そのことすらも発表してこなかった防衛大臣と防衛省は、事実をきちんと究明し、海上保安庁の捜査に協力しようという立場ではないのではないか。
電車事故であれ、車の事故であれ、通常は、運転者は、現行犯逮捕され、罪障隠滅のおそれがあるとされる場合は、勾留され、接見も禁止されたりする。
それとあまりに違う。
会社が、こっそり運転者をヘリで救助して、会社に呼び、会社と打ち合わせをして、こっそり現場にへりで返して、知らんぷりをしていたということではないか。
普通こんなことは当たり前だができない。
石破大臣の発言は、既に、「自衛隊」を特別視、特権視するものではないだろうか。
しかし、そういうことそのものが、実は、自動操舵で、漁船の多いところを運行し、よけるのは、漁船のほうだといった意識になっていると思う。
社民党は、今まで、自衛隊のなかでのいじめやいじめによる自殺の問題に取り組み、裁判も支援してきた。遺族の人たちと本当に仲良くなった。
特に、海上自衛隊という逃げ出せない船のなかでのいじめとそれによる度重なる自殺の問題に取り組んできた立場からすると、命や人権問題の軽視が、今回の事故とも重なっていく。
今は、岐路である。
「そこのけ、そこのけ、自衛隊が通る」という時代を作ってはいけない。
▲上へ戻る
■労働者派遣法の抜本改正に向けて(案)
1,深刻な雇用劣化
偽装派遣、二重派遣、危険業務や建設業・警備業など禁止業務の派遣、派遣元の不透明なマージン率、法的に根拠のない管理費などの賃金天引き…。2007年は、派遣労働、特に「日雇い派遣」について、法令違反が蔓延化し、悪質かつ根深い問題があることが表面化した。ついに、日雇い派遣大手「グッドウィル」は事業停止処分に追い込まれた。
雇用劣化の弊害は、ワーキングプア、貧困化を増幅し、働く人々の生存権を侵害する所まできている。
2,働く人々の生存権を保障するために抜本的な改正が必要
労働政策審議会の労働力需給制度部会は、労働者派遣法見直しの議論を行っていたが、規制強化を求める労働者側と、より一層の規制緩和を主張する使用者側とが対立し、昨年中に結論を出すことができなかった。厚労省は、1月25日に、日雇い派遣の規制を強める指針と省令で対応することを決めた。
社民党は、当面、省令・指針の徹底と、日雇い労働保険の適用を強く求める。しかし、これらは応急処置的な対応に過ぎない。働く人々の生存権を保障するためには、派遣対象業務の範囲の見直し、一般業務の登録型の禁止(特に日雇い派遣の根絶)、派遣先・派遣元の使用者責任の強化、マージン率の規制など、抜本的な改正が必要であると考える。
3,問題の背景
@なし崩し的に進められた規制緩和−「労働者派遣」とは何か、根本的な議論が必要
労働者派遣法が制定される当初、政府は派遣労働者は「常用型派遣」のみとする案を検討していた。しかし、1985年法律制定(86年施行)時は、派遣の対象業務は「専門性の高い業務」に限定されていたこともあり、充分な検討がなされないまま、「登録型派遣」(派遣会社に雇われるのではなく、仕事のあるときだけ雇用関係を結ぶ)が認められた。
その後、経済のグローバル化のなか、人件費削減を追求する経済界の強い要請と政府の規制改革推進の動きがあいまって規制緩和が進んだ。1999年には製造業や建設業などを除いて、原則としてどんな仕事にも派遣が認められ、2004年には製造業も解禁された。
戦後、「労働者供給事業」は、中間搾取を認めるものだとして、職業安定法で厳格に禁止され、刑事罰の対象となった。しかし、派遣労働が「一般業務」にまで認められたことによって、非常に不安定な、究極の細切れ雇用(一日単位の契約、単純作業)である「日雇い派遣」が一挙に拡大した。
・派遣労働者は、この10年間で、3.5倍増の255万人に増加
・常用型は24%、登録型は76%
・年収200万円以下の給与所得者は1022万人
A非正規労働者の権利が放置されてきた−同一価値労働同一賃金の原則が必要
・経済のグローバル化、労働力の流動化は、先進国に共通する課題。欧州諸国では、非正規労働者の権利を守るための対策に力を入れ、弊害を少なくしてきたが、日本では放置されてきた。
4,労働者派遣法改正の検討課題
〔ポイント1〕労働者派遣法改正について
@労働者派遣対象業務を見直す
・1999年の専門的な業務(26業務)に限定したポジティブリスト方式にもどす。
・専門26業務について、現時点で再度、専門業務リスト内容を精査する。
A常用型派遣を基本とし、日雇い派遣は禁止する
・一般業務の登録型は禁止し、常用型労働へ転換する
・特に「日雇い派遣」は根絶する。短期間の派遣は職業紹介に整理する。労働者派遣業は、派遣元会社が、労働者を「教育訓練」して、適正、能力などを勘案し最も適合した職場へ派遣するものであり、「日雇い派遣」は労働者派遣の形態とはいえない。
B派遣期間の上限を厳守
・派遣先にとって労働者派遣(一般業務)は臨時的・一時的な労働力の需給調整制度であり、派遣可能期間の上限は延長しない。
C派遣先の責任を強化する
・派遣先職場(就労場所)にいない派遣元使用者に、36協定、労働災害や事故の補償などの責任を負わせることは無理がある。労務提供に係わる使用者責任は一義的に派遣先とし、派遣先・派遣元に重複の規定をおく。
D派遣先と派遣元の両者に共同責任を負わせる
・労働安全衛生管理責任、労働災害や事故の補償責任などについては、派遣先・派遣元に重複の規定をおく。
・派遣元が報酬を支払わない場合は、派遣先に補充的な責任を認める。
E派遣元の責任を強化する
・マージン率(契約単価と賃金の差)の上限規制、ならびに情報公開を実施する。
・派遣労働者に対する教育訓練を義務付け、「日雇い派遣」のような「労働者供給事業」は防止する。
F直接雇用みなし規定を設ける
・期限上限を超えた派遣(一般業務)、禁止業務への派遣、偽装請負など、違法な派遣が行われていた場合について、派遣先の直接雇用と見なす規定を設ける。
G紹介予定派遣制度の見直し
・紹介後の直接雇用は期間の定めのない雇用とし、派遣就労時の労働条件を下回らないことを原則とする。派遣可能期間は、6ヵ月を超えてはならないことを条文化する。
H行政による指導・監督の強化
・一般労働者派遣事業の許可要件を厳格化する。
・法令違反に対する罰則の強化をはかる。
〔ポイント2〕請負労働について
・請負であっても受け入れ事業者に使用者責任を負わせる。労働法規制によって規制されるべき請負が何ら規制されていないことが問題。
〔ポイント3〕同一労働同一賃金原則の徹底
・正社員であれ、派遣社員であれ、同じ仕事に対しては同じ待遇を保障していく。
・07年11月、「生活保護との整合性に配慮する」ことを明記した改正最低賃金法が成立。中小企業に充分な配慮をしつつ時給を引き上げる。
▲上へ戻る
■1月23日本会議での質疑内容です
◆山本孝史さんへの哀悼◆
○福島みずほ君
私は、社会民主党・護憲連合を代表して、福田政権に対して質問をいたします。
まず、命の問題に政治家として取り組んできた、尊敬する山本孝史さんの御冥福を心からお祈り申し上げます。
◆命を守る政治◆
社民党は、今国会を命を守る国会と名付けます。命を守るため、特に税制、地方、医療、雇用の問題の政策転換を全力でやっていきます。
社民党は、七年前から、新自由主義、規制緩和である小泉構造改革に対して、改革の方向が間違っている、国民の生活と命が破壊されると批判をしてきました。結果は、まさにそのとおりになりました。改革は偽装でした。
◆地方再生・中小企業支援◆
私は、去年、特に地方を回りました。自治体財政の逼迫、三位ばらばら改悪の失敗、雇用の場がない、学校や病院の統廃合、病院がなくなる、医師がいなくなる、道路があってもそこに走るバスに補助金が出せない、農林水産業の切捨てで山や田が荒れるということが起きています。命の悲鳴が上がっています。これは、まさに自民党政治の結果です。
総理の施政方針演説には、国民の痛みや悲鳴の原因を直視し、解決をしていくという処方せんはありません。まさに政治の責任の放棄です。今必要なことは、格差と貧困をまさに生み出し、地方を疲弊させてきた法制度を変えることです。
三位ばらばら改悪は失敗だったとお考えになりますか。
地域の疲弊の中でも、特に中小企業は疲弊をしています。日本の企業数のうち九九・七%が中小企業で、雇用者の七〇%が中小企業で働いているのに、中小企業対策予算は一般歳出の〇・三五%にすぎません。
総理、中小企業への支援予算を増やすべきではないですか。
◆社会保障費削減について◆
次に、社会保障費の削減についてお聞きをします。
政府・与党は、暫定税率をこれから十年間維持し、五十九兆円を聖域として確保しようとしながら、人々の命に直結する社会保障費については、二〇〇二年以降、十年間に毎年自動的に二千二百億円を削減していく方針を堅持をしています。政治の優先順位が間違っています。
総理、社会保障費を自動的に毎年二千二百億円ずつ削減することはもうやめると明言をしてください。
また、この二千二百億円は、日本が毎年在日米軍に払っている思いやり予算にほぼ匹敵をします。思いやりということであれば、米軍に対してではなく、まず国民に対してこそ必要ではないでしょうか。
あの経済財政諮問会議の骨太の方針二〇〇六の財政削減計画は、社会保障費の削減は示されているものの、例えば毎年三兆円もの剰余金が発生している外国為替特別会計の削減については言及されていません。また、防衛予算の具体的な削減計画は全くなされておりません。財政再建の方向が間違っていると思いますが、いかがですか。
総理、骨太の方針による財政削減計画は明らかに破綻しかかっていますが、新たな見直しは行わないのですか。
◆医療◆
次に、医療についてお聞きをします。
医師不足、産婦人科医不足、医師の偏在は極めて深刻です。少子化対策と言いながら、子供をとても産めない状況が広がっています。自分の暮らす地域で安心してお産ができるという当たり前のことが各地から急速に失われていっています。岩手県では、遠くの病院へ行く車の中で子供を産んだという話を聞きました。命の誕生に格差が生じています。地方の実情を無視したお産施設の集約化と絶対的な産婦人科医不足を招いた責任をどう考えるのですか。特に、産婦人科医の確保や助産師さんの活用などは急務だと考えますが、いかがですか。
医師不足や医師の偏在を生んだのは、まさに厚生労働省の行政の失敗だと考えますが、いかがですか。
この医療崩壊を現場で働く人たちが犠牲的に何とか支えているのが現実です。
また、妊婦さんの健診も一回一万円近く掛かるため、健診を受けない妊婦さんも増加をしています。政府は、健診補助について積極的な財政手当てをし、女性を応援することが必要だと考えますが、いかがですか。
また、各地で減少している緊急医療施設はどう改善するのですか。具体的に示してください。
社民党は、自分の暮らす地域で安心してお産ができる体制の確立や緊急医療制度の改善に全力を挙げていきます。
社民党は、二〇〇六年に強行採決によって成立した医療制度改革法に反対をしました。後期高齢者医療制度は、七十五歳以上の人たちだけで健康保険制度をつくり、高齢者の負担を増やすものです。高齢者は死ねということかという怒りの声が上がっています。この医療制度改革は失敗です。社民党は、後期高齢者医療制度を廃止する必要があると考えますが、いかがですか。
また、応益負担を導入した障害者自立支援法は廃止する必要があると考えますが、いかがですか。
◆格差と貧困◆
次に、格差と貧困の問題についてお聞きをします。
総理は、日本に貧困の問題はあるとお考えでしょうか。あると考えるなら、それを具体的にどう解決をしようとしているのでしょうか。
まず、不公平税制の問題があります。政府は、所得税の累進課税をどんどんフラット化してきました。社民党は、法人税と所得税の最高税率を一九九九年当時に戻すことで少なくとも二・三兆円の税収を確保できると試算しました。富裕層を優遇し、大衆課税で税収を上げようとしたことが間違っていたのではないですか。社民党は、消費税の増税ではなく、不公平税制の是正こそが必要だと考えますが、いかがですか。
今、年収が二百万円以下の人が働く人の四分の一を占めるようになりました。それは、労働者派遣法が規制緩和されたからです。製造業も含め、ほとんどの職種で派遣が可能となりました。誤った法律が非正規雇用の拡大をまさに促進をしてきたのです。だからこそ、格差や貧困の拡大の大きな原因の一つである労働法制の規制緩和を見直し、派遣法を一九九九年改正以前に戻すべきだと考えますが、いかがですか。
◆環境◆
環境の問題についてお聞きします。
社民党は、「もうひとつの洞爺湖サミット宣言・社民党」を発表する予定です。EUは、二〇二〇年までに自然エネルギーの導入率を二〇%にする目標を掲げています。日本はわずか三%です。環境問題でリーダーシップを発揮すると言うならば、原子力発電所のための電源特別会計を自然エネルギー開発に振り向け、雇用も広がり、地方分権型のエネルギーである自然エネルギーを促進すべきではないですか。
社民党は、二酸化炭素も駄目だが、放射能も駄目という立場です。
去年、中越沖で耐震設計の想定をはるかに超える地震が発生し、市民が指摘していたとおり、活断層があったこと、柏崎刈羽原子力発電所の耐震設計がでたらめであったことが明らかになりました。これをどう反省するのでしょうか。
さらに、地震大国日本が大規模な地震が続く地震活動期を迎える中で、多数の原子力発電所の運転が行われている状況を根本的に考え直すべきではないですか。
◆男女平等と少子化対策◆
男女平等と少子化対策についてお聞きをします。
現在の民法は、今を生きる女性たちの生き方にそぐわないものです。選択的夫婦別姓の導入や婚外子差別撤廃を含めた民法改正が必要だと考えますが、いかがですか。
離婚後三百日以内に生まれた子は前夫の子と推定する民法七百七十二条によって戸籍のない子供たちが少なくとも百二十七人いることが明らかになりました。民法七百七十二条の改正が急務だと考えますが、いかがですか。
社民党は、保育施設の増設、産休中や育児休暇中の所得保障の引上げ、パパクオータ制の導入、教育費の無料化など、根本的な改革こそが必要と考えますが、どうですか。
◆平和の問題◆
平和の問題についてお聞きをします。
総理は、憲法九条違反である自衛隊海外派兵恒久法について言及されています。このような憲法違反の法律は決して許されないと考えますが、いかがですか。
また、憲法審査会において憲法改正案作りをすべきではないと考えますが、いかがですか。
◆暫定税率◆
暫定税率についてお聞きします。
社民党は、暫定税率を廃止すべきと考えています。その場合に、環境税を導入し環境への負荷をなくすべきだと考えますが、いかがですか。さらに、地方切捨てとならないよう財源の手当てを行います。
不公平税制の是正ができないこと、労働者派遣法の規制強化ができないことなど、すべて既得権益や経済界への配慮のためではないでしょうか。自民党では利権の構造にメスを入れることができません。それは福田政権の限界であり、まさに本質です。
国民の悲鳴を聞こうともしない自民党政治を終わらせ、命と生活を守り、未来に希望が持てる社会へと作り直すため、社民党は全力を尽くすと申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
▲上へ戻る
|